商標拒絶査定不服審判
2024-004197
ムスイハミガキ、ムスイ
- 審判番号
- 2024-004197
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-094292
- 請求日
- 2024年03月11日
- 審決日
- 2025年02月14日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヤマトエスロン株式会社
- 【請求人代理人】鷹津 俊一
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 滝口 裕子
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T18 .13 -Z (W21) / T18 .272-Z (W21)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第10条第1項、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 94292拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年2月17日に登録出願された商願2023-16778に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として同年8月24日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年10月5日付け :拒絶理由通知書
令和5年11月9日 :意見書の提出
令和5年12月18日付け:拒絶査定
令和6年3月11日 :審判請求書の提出
令和6年10月21日付け:証拠調べ通知書
令和6年11月19日付け:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり「無水ハミガキ」の文字を横書してなり、第21類「デンタルフロス,災害時用デンタルフロス,歯ブラシ及びデンタルフロスからなる口腔ケア用キット,歯ブラシ及びデンタルフロスからなる歯の手入れ用キット,歯ブラシ・歯間ブラシ及びデンタルフロスからなる災害時用口腔ケア用キット,歯ブラシ・歯間ブラシ及びデンタルフロスからなる災害時用歯の手入れ用キット,化粧用具,災害時用化粧用具,電気式歯ブラシ,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),化粧用具セット,洗面用具入れ,歯ブラシ,災害時用歯ブラシ,歯ブラシ入れ,携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの),歯間ブラシ,災害時用歯間ブラシ,歯ブラシ及び歯間ブラシからなる口腔ケア用キット,歯ブラシ及びデンタルフロスからなる歯の手入れ用キット,ブラシ」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「無水ハミガキ」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、「無水」の文字は、「使用するのに水分などを必要としないこと」等の意味を有し、「水を使用しない」ほどの意味合いで使用されている実情が見受けられ、「ハミガキ」の文字は、「歯を磨いて、清潔にすること。」等の意味を有する「歯磨き」の片仮名として認識される。そして、本願指定商品に関連する業界において、水を使用しない歯磨きや水を使用せずに歯を磨くための商品が一般的に取引されている実情が見受けられるため、本願商標は全体として、「水を使用しない歯磨き」ほどの意味合いで理解されるものであり、本願商標をその指定商品に使用したときは「水を使用せずに歯を磨くための商品」であると需要者に認識させるにすぎない。したがって、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する商品以外の指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2、別掲4及び別掲5の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記1のとおり、証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。
5 証拠調べ通知に対する請求人の意見(要旨)
辞典類には片仮名による「ハミガキ」の見出し語がなく、片仮名「ハミガキ」は、慣用により、商品である歯磨剤を指す名詞であることが明らかであり、「無水ハミガキ」の表示は、あくまで「水を使用しない歯磨剤」ほどの意味合いを認識するものにすぎない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない」旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年10月21日判決(平成27年(行ケ)第10107号))。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「無水ハミガキ」の文字を横書してなるところ、本願商標の構成中「無水」の文字は、「使用するのに水分などを必要としないこと」(「新明解国語辞典 第7版」三省堂)等の意味を有し、別掲2のとおり、指定商品を含む商品分野において、「水を使用しない商品」が「無水〇〇」と称されて取引されている実情が見受けられる。
また、本願商標の構成中「ハミガキ」は、「歯を磨いて、清潔にすること。」(「広辞苑 第七版」岩波書店)を意味し、別掲3のとおり、「歯を磨く」の意味で使用されている実情も見受けられる。
そして、指定商品及び口腔ケア用品の分野において、別掲4のとおり、「水を使用しない歯磨き」が「無水ハミガキ」「無水歯磨き」「無水で歯みがき」と称されて取引され、別掲5のとおり、「水を使用せずに歯を磨くための商品」が取引されている実情も見受けられる。
そうすると、本願商標は全体として、これに接する取引者、需要者に「水を使用しない歯磨き」ほどの意味合いを容易に理解させるものであり、本願商標を指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に「水を使用せずに歯を磨くための商品」であることを認識するにすぎない。
また、本願商標は、別掲1のとおり、一般的な書体で横書してなるものであって、その態様上顕著な特徴は認められない。
したがって、本願商標は、指定商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「水を使用せずに歯を磨くための商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、「無水」の文字及び「ハミガキ」の文字がそれぞれ多義的であるだけでなく、「無水」と「ハミガキ」との関係についても一義的に決まることがなく多義的であり、また、仮に「無水」の意味合いと「ハミガキ」の意味合いとをそれぞれ別個に想起するとしても、「無水」と「ハミガキ」との関係性までは直ちに認識できず、「無水ハミガキ」全体としてはいまだ漠然とした意味合いを認識するにとどまる旨主張する。
しかしながら、本願商標の各構成文字の意味及び別掲2ないし別掲5の取引の実情に照らせば、本願商標は、上記(2)のとおり、これに接する取引者、需要者に、「水を使用せずに歯を磨くための商品」ほどの意味合いを容易に認識させるものであるから、本願の指定商品の品質を表示したものと一般に認識されるものというのが相当である。
イ 請求人は、辞典類には片仮名による「ハミガキ」の見出し語がなく、片仮名「ハミガキ」は、慣用により、商品である歯磨剤を指す名詞であることが明らかであり、「無水ハミガキ」の表示は、あくまで「水を使用しない歯磨剤」ほどの意味合いを認識するものにすぎない旨主張する。
しかしながら、「ハミガキ」は「歯磨き」の片仮名表記であり、別掲3のとおり、「ハミガキ」の片仮名が「歯を磨く」の意味で使用されている実情も見受けられるから、必ずしも「ハミガキ」が商品である歯磨剤のみを指す名詞であるとはいえないものである。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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