商標拒絶査定不服審判
2024-003998
カーボンクレジットインベストメント
- 審判番号
- 2024-003998
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-014229
- 請求日
- 2024年03月06日
- 審決日
- 2025年01月14日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】脱炭素化支援株式会社
- 【請求人代理人】Authense弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 浦崎 直之
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T18 .13 -Z (W36) / T18 .272-Z (W36)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 14229拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年2月13日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和5年 8月15日付け:拒絶理由通知書
令和5年 9月20日 :意見書の提出
令和6年 1月18日付け:拒絶査定
令和6年 3月 6日 :審判請求書の提出
令和6年10月31日付け:証拠調べ通知書
令和6年12月 6日 :意見書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「カーボンクレジットインベストメント」の文字を標準文字で表してなり、第36類に属する別掲1に記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「カーボンクレジットインベストメント」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標を、その指定役務に使用した場合には、これに接する取引者・需要者は、「カーボンクレジットについての投資に関する役務」といった意味合いを認識させるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審における証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲3(1)ないし(4)、別掲4並びに別掲5(1)及び(2)のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記第1の証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 証拠調べに対する請求人の意見の要旨
請求人は、上記第4の証拠調べに対し、意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
証拠調べ通知書に記載の事実をもってしても、本願商標の識別力を否定するものとはならない。したがって、登録すべき旨の審決を賜りたくお願いする。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「カーボンクレジットインベストメント」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「カーボンクレジット」の文字は、別掲2のとおり、「炭素排出権、温室効果ガス排出量(二酸化炭素換算)の見通しに対して実際の排出量が下回った場合に、その差分をクレジットとして認証したもの。」の意味を有する語であり、「インベストメント」の文字は、「投資」(「大辞泉第二版」株式会社小学館)の意味を有する語であるから、本願商標は、全体として「カーボンクレジットについての投資」ほどの意味合いを容易に理解、認識させるものである。
そして、別掲3のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、「カーボンクレジット」に係る事業が行われている事実が認められる。
また、別掲4のとおり、同業界において、「カーボンクレジット」の文字と「投資」の文字が併せて使用されている事実が認められる。
さらに、別掲5のとおり、同業界において、「カーボンクレジット投資」等の文字が使用されている事実も認められる。
そうすると、本願商標の構成文字の語義や、上記取引の実情から、本願商標を、その指定役務に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、「カーボンクレジットについての投資に関する役務」であると認識するにとどまり、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。
また、本願商標を、前記に相応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、本願の指定役務の分野の消費者・需要者等にとって、「カーボンクレジット」の文字が役務の質を表すものとして一般的であるとはいえず、本願商標は複数の意味合いが想起され、需要者等は、本願商標のみからではどのようなサービスが提供されるかを把握することは不可能であり、仮に、本願商標から間接的に「カーボンクレジットについての投資」を思い浮かべることがあったとしても、具体的かつ直接的に何の役務を指すのかについて、一般的に認識し得るものとはいえない旨を主張する。
しかしながら、本願商標が、その指定役務について役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというためには、審決の時点において、本願商標がその指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるところ、本願商標を構成する「カーボンクレジット」の文字は、複数の辞書に掲載されているものであり、本願の指定役務を取り扱う業界において、「カーボンクレジット」に係る事業が行われている事実、「カーボンクレジット」の文字と「投資」の文字が併せて使用されている事実、さらに、「カーボンクレジット投資」等の文字が使用されている事実を併せみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者に、「カーボンクレジットについての投資に関する役務」であること、すなわち役務の質を表示したものと一般に認識されるというべきである。
また、仮に、本願商標が、請求人が述べる複数の意味合いが想起されたとしても、本願の指定役務との関係においては、上記1のとおり、単に役務の質を表示したものと認識されるというべきである。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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