商標拒絶査定不服審判
2024-003653
マルチライナー
- 審判番号
- 2024-003653
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-012184
- 請求日
- 2024年03月01日
- 審決日
- 2024年10月10日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社呉竹
- 【請求人代理人】弁理士法人藤本パートナーズ
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W0321) / T18 .272-Z (W0321)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 12184拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年 2月 8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 7月11日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月13日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年11月28日付け:拒絶査定
令和6年 3月 1日 :審判請求書の提出
令和6年 7月 9日付け:審尋
2 本願商標
本願商標は、「マルチライナー」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第3類「アイシャドウ,マスカラ,まゆ墨,アイブローペンシル,化粧落とし用剤,化粧品,ペンシル状の化粧品,まつ毛用化粧品,まゆ毛用化粧品,メイクアップ用化粧品,リップグロス,アイライナー,アイメイク用化粧品,フェイスペイント用化粧品,ペン状のボディーアート用化粧品,せっけん,脱色剤(化粧用のもの),つや出し紙,研磨紙,化粧用転写シール,人用又は動物用の防臭剤,歯磨き,香料,薫料,つめ手入れ用化粧品,つめ用化粧品,まつげ染め,まつげ用メーク落とし,まつ毛の手入れ用化粧品・まつ毛用メーク落とし,まぶた用メーキャップ化粧品,まゆ毛用ペンシル型化粧品,アイブローペンシル,アイライナーペンシル,ペンシル状の化粧品,ペンタイプのネイルエナメル,顔及び身体用のメイクアップ用化粧品」及び第21類「化粧用具,化粧用刷毛,化粧用ブラシ,まつ毛用ブラシ,紅筆,まゆ毛用ブラシ」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「マルチライナー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「マルチ」の文字は「(接頭辞として)「多数の」「複数の」「多面的」の意を表す」語であり、「ライナー」の文字は、本願の指定商品との関係において「アイライナー」や「線を引く道具」等の意味を有する語である。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「マルチライナー」の文字が、例えば「アイライナー」としての使用以外に、「アイブロウ」や「アイシャドウ」としても使用できるというように「多目的、多用途に使用できるアイライナー」ほどの意味合いで使用されている実情がある。
以上のことから、本願商標は全体として「多目的、多用途に使用できるアイライナー」ほどの意味合いを認識させるものといえ、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「多目的、多用途に使用できるアイライナー」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまるといえるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審における審尋
当審において、令和6年7月9日付け審尋により、別掲に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「マルチライナー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「マルチ」の文字は、「(接頭辞として)「多数の」「複数の」「多面的」の意を表す」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)語であり、また、「ライナー」の文字は、「線を引く道具」や「アイライナー(まぶたの際に塗って目の輪郭を目立たせる化粧品)」(出典:「新英和中辞典」株式会社研究社)などを意味する英語である「liner」の読みを片仮名で表したといえるものである。
そして、原審提示の情報や、別掲の情報にあるように、本願の指定商品を取り扱う分野においては、「複数の機能や用途のある、線を引くための商品(アイライナーを含む。)」が広く製造、販売されており、そのような商品の紹介や説明に際し「マルチ」の文字や「ライナー」の文字が一般的に使用されている実情が認められ、さらに、そのような商品を「マルチライナー」と称している事例も複数見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば「化粧品」や「化粧用具」に使用するときは、それに接する取引者、需要者は、それが「マルチ」の語と「ライナー」の語とを結合してなるものと、容易に理解し、その商品が「複数の機能や用途のある、線を引くための商品」であるという、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。
また、本願商標を、上述の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、英語「liner」が、「アイライナー」や「線を引く道具」の意味を有するものであるとしても、該語は我が国で親しまれたものとはいえず、複数の意味を有する多義語であり、さらに、我が国の代表的な国語辞典である「広辞苑」等において、「ライナー」の片仮名文字の意味合いとして「アイライナー,線を引く道具」が掲載されておらず、インターネット上でも、本願の指定商品にかかる「化粧品」等と関連して「ライナー」の語が単独で「アイライナー」を示す語として使用されている実情は見当たらないことに鑑みれば、「ライナー」の片仮名に接する一般の取引者及び需要者が、これより直ちに「アイライナー,線を引く道具」の具体的な意味合いを認識、想起するとはいい難いと考えるのが相当である旨主張する。
また、請求人は、「マルチライナー」の文字全体は、辞書等に載録された成語でなく、特定の意味合いを有する語として一般に知られたものでもないのであって、また、同文字が原審説示のごとく「多目的、多用途に使用できるアイライナー」という具体的な商品の品質表示として使用されている実情はさほど見当たらないことからすると、本願商標がその指定商品との関係において、商品の具体的な品質等を表示するものとして一般に認識されるとはいえない旨主張する。
しかしながら、「ライナー」の文字は、上記(1)のとおり、「線を引く道具」や「アイライナー」などを意味する英語である「liner」の読みを片仮名で表したといえるものであって、本願の指定商品との関係において、それ以外の語を容易に認識させるものというべき事情は見当たらないものである。
そして、上記(1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う分野においては、「複数の機能や用途のある、線を引くための商品(アイライナーを含む。)」が広く製造、販売されており、そのような商品の紹介や説明に際し「マルチ」の文字や「ライナー」の文字が一般的に使用されている実情が認められ、さらに、そのような商品を「マルチライナー」と称している事例も少なからず見受けられることからすれば、本願商標をその指定商品中、例えば「化粧品」や「化粧用具」に使用するときは、それに接する取引者、需要者は、それが「マルチ」の語と「ライナー」の語とを結合してなるものと、容易に理解し、その商品が「複数の機能や用途のある、線を引くための商品」であるという、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものというのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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