商標拒絶査定不服審判
2024-003195
ギンザスキヤドーリホーリツジムショ、ギンザスキヤドーリ、スキヤドーリホーリツジムショ、スキヤドーリ
- 審判番号
- 2024-003195
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-015301
- 請求日
- 2024年02月22日
- 審決日
- 2025年05月30日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】中島 章智
- 【請求人代理人】山田 朋彦
- 【請求人代理人】土橋 編
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 佐藤 緋呂子
- 分類
- T18 .16 -Z (W45)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 15301拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年2月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 8月22日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月11日 :意見書の提出
令和5年11月 9日付け:拒絶査定
令和6年 2月22日 :審判請求書の提出
令和7年 2月10日付け:証拠調べ通知書
令和7年 4月16日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「銀座数寄屋通り法律事務所」の文字を標準文字で表してなり、第45類に属する別掲1に記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「銀座数寄屋通り法律事務所」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「銀座数寄屋通り」の文字は、「東京都中央区の繁華街。」の意味を有する「銀座」と「東京都中央区銀座5丁目1番から6丁目4番までの道路の呼び名。」の意味を有する「数寄屋通り」の語を結合させたものであって、数寄屋通りが銀座に位置していることからすれば、これよりは「銀座の数寄屋通り」程の意味合いを認識させるものである。また、「法律事務所」の文字は、「弁護士が法律に関する諸事務を取り扱う所。」の意味を有する語として一般に使用されている。してみれば、本願商標は、「地名」と「法律事務を行う場所」を表す名称とを組み合わせたものと認識させるにとどまるものであって、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たすものではなく、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審による証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否か、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2(1)ないし(10)及び別掲3(1)ないし(10)のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
5 証拠調べに対する請求人の意見
(1)請求人は、「銀座」に「数寄屋通り」が存在し、それを「銀座数寄屋通り」と称している事実があることを否定する気はない。重要なのは、「銀座数寄屋通り」が需要者に必ず特定の通り名を認識させるほどに認知があるのかどうか、あるいは、過去に登録された事務所名称に係る商標の構成要素に含まれる名称(「船橋本町」「たまらん坂」「一色海岸」等)と比較して認知度が高いのかどうかである。この点、証拠調べ通知書に列挙された事実からは、上記事情に関する言及がない。
(2)他の登録例の存在は、「本件とは事案が異なるものであり、他の登録例に拘束されない」との理由で、必ずしも無視できるものではない。
(3)証拠調べを行った結果、「数寄屋通り」「銀座数寄屋通り」の存在を示す記事はあるものの「銀座数寄屋通り●●」や「数寄屋通り○○」といった事業所名は一切存在しておらず、そのことも一層、本願商標全体として法律事務を行う事業所を示す商標として認識されることをかえって裏付けるものである。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「銀座数寄屋通り法律事務所」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「銀座」の文字は、「東京都中央区の繁華街。」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)の意味を、「数寄屋通り」の文字は「東京都中央区銀座5丁目1番から6丁目4番までの道路の呼び名。」(「デジタル大辞泉プラス」株式会社小学館)の意味を、「法律事務所」の文字は「弁護士が法律に関する諸事務を取り扱う所。」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)の意味を有するものである。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、銀座に位置する数寄屋通りを指して、例えば「銀座の数寄屋通り」のように、「銀座」及び「数寄屋通り」の文字が使用されている事実(別掲2)が見受けられ、また、銀座の数寄屋通りを指して、「銀座数寄屋通り」等の文字が使用されている事実(別掲3)が見受けられるから、本願商標構成中の「銀座数寄屋通り」の文字は、「銀座の数寄屋通り」、すなわち指定役務の提供の場所を意味すると理解される。
また、法律事務所が、「訴訟事件その他に関する法律事務」等についての役務を提供している実情があることは、「法律事務所」の上記字義に照らして明らかであるから、「法律事務所」の文字は、本願の指定役務を提供する者を意味する一般的な名称といえるものである。
そうすると、本願商標に係る「銀座数寄屋通り法律事務所」との文字は、本願商標の指定役務との関係で、役務の提供の場所と理解される「銀座数寄屋通り」の文字と、役務を提供する者の一般的な名称と理解される「法律事務所」の文字とを結合させたものであるから、本願商標の指定役務の需要者は、これを「銀座の数寄屋通りと称される道路に近接する場所に所在する法律に関する諸事務を取り扱う者」を意味するものと認識するというべきである。
以上からすると、「銀座数寄屋通り法律事務所」との文字は、銀座の数寄屋通りと称される道路に近接する場所において本願商標の指定役務を提供している者を一般的に説明しているにすぎず、本願商標の指定役務の需要者において、他人の同種役務と識別するための標識であるとは認識し得ないものというべきであって、その構成自体からして、本願商標の指定役務に使用されるときには、自他役務の出所識別機能を有しないものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「銀座数寄屋通り」が需要者に必ず特定の通り名を認識させるほどに認知されておらず、過去の登録された事務所名称に係る商標の構成要素に含まれる名称と比較しても認知度が高いとはいえない旨主張する。
しかしながら、「銀座」は日本有数の繁華街であり、その「銀座」には「数寄屋通り」と称される道路が実際に存在し、「銀座数寄屋通り」や「銀座の数寄屋通り」の文字が使用されている事例も確認できることからすれば、「銀座数寄屋通り」の文字は、需要者をして、役務の提供の場所を表すものと認識されるとみるのが相当である。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げた登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記(1)の認定判断が左右されるものではなく、また、本願商標とこれらの登録例との相違点を明確にする必要もない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
なお、請求人は、証拠調べ通知書の趣旨が請求人の認識と異なるものであれば、改めて趣旨を明確にした上で、審尋等でさらなる意見を述べる機会を与えてほしい旨主張する。しかしながら、当審において、上記4のとおり、証拠調べ通知を行って請求人に意見を申し立てる機会を与え、上記5のとおり、請求人は、これに対する意見を述べており、審理を十分尽くしてきたものであるから、これ以上の手続は不要と判断し、審理を進めることとした。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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