商標拒絶査定不服審判
2024-002843
ドージニリハビリスルサイセーイリョー
- 審判番号
- 2024-002843
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-120266
- 請求日
- 2024年02月19日
- 審決日
- 2025年04月24日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】貴宝院 永稔
- 【請求人代理人】佐藤 富徳
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .13 -Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-120266拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年10月20日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年6月19日付け:拒絶理由通知書
令和5年7月21日:意見書の提出
令和5年11月15日付け:拒絶査定
令和6年2月19日:審判請求書の提出
令和6年12月9日付け:証拠調べ通知書
令和7年1月9日:意見書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「同時にリハビリする再生医療」の文字を標準文字で表してなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、前記1の手続補正書により、第44類「幹細胞治療,医療,再生医療を利用した治療又は診断,細胞医療を利用した治療又は診断,医療施設の提供,培養した細胞を用いた治療,人体の組織を再生するための医療,医業,健康診断,調剤,医業・歯科医業・調剤に関するコンサルティング,美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,動物の美容,介護,医療用機械器具の貸与」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「同時にリハビリする再生医療」の文字を標準文字で表してなるところ、「同時」の文字は、「おなじとき。おなじ時間。」の意味を有する語であり、「リハビリ」の文字は、「障害や後遺症を持つ人に対して、医学的・心理学的な指導や機能訓練を施し、各種の代償手段も併用して社会参加をはかること。」の意味を有する「リハビリテーション」の略語であり、「する」の文字は「行動をおこす意。」の意味を有し、「体言、形容詞の連用形、漢語、外来語などと複合して動詞をつくる。」格助詞であり、「再生医療」の文字は、「損傷した組織や臓器を、患者自身の幹細胞などを用いて再生させる医療技術。」の意味を表す語である。したがって、本願商標は、その構成全体として、「リハビリテーションを同時に行う再生医療」程の意味合いを、これを見る者に、容易に理解、認識させるものといえる。そして、医業を行う業界にあっては、再生医療の技術を用いた治療を行うにあたり、リハビリテーションが並行して行われている実情が見受けられる。そうとすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に「リハビリテーションを同時に行う再生医療という役務」や、「リハビリテーションを同時に行う再生医療に関する役務」のように、役務の特徴や質を表すものとして理解、認識するにすぎず、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲(1)ないし(10)に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 証拠調べに対する請求人の意見の要点
(1)本願商標の指定役務中「リハビリテーション・臨床試験・情報の提供」を含む指定役務を全て削除したことから、原審説示の拒絶理由は解消している。
(2)証拠調べ通知書において提示されている証拠は、「再生医療の術後のリハビリ」についての記載があるものの、再生医療の技術を用いた治療とリハビリテーションが同時に行われている事実の記載がないものや「時間的要素」の記載がないものが含まれていることから、「再生医療とリハビリとの掛け合わせ、組み合わせ、再生医療とリハビリ」(上位概念)が開示されていたとしても、時間的要素を含む「同時に行われる」(下位概念)が開示されたことにはならないから、証拠として不十分である。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「同時にリハビリする再生医療」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「同時」の文字は、「おなじとき。おなじ時間。」の意味を有する語であり、「リハビリ」の文字は、「障害や後遺症を持つ人に対して、医学的・心理学的な指導や機能訓練を施し、各種の代償手段も併用して社会参加をはかること。」の意味を有する「リハビリテーション」の略語であり、「する」の文字は「行動をおこす意。」の意味を有し、「体言、形容詞の連用形、漢語、外来語などと複合して動詞をつくる。」格助詞であり、「再生医療」の文字は、「損傷した組織や臓器を、患者自身の幹細胞などを用いて再生させる医療技術。」(いずれも出典は「広辞苑 第七版」岩波書店)の意味を表す語である。
したがって、本願商標は、その構成全体として、「リハビリテーションを同時に行う再生医療」程の意味合いを容易に理解させる。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、本願の指定役務に関連する分野において、再生医療の技術を用いた治療を行うにあたり、リハビリテーションが同時に行われている事実が見受けられる。
このような実情を踏まえると、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「リハビリテーションを同時に行う再生医療」であると認識するというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その指定役務との関係において、役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、自他役務の識別力を欠くというべきである。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、当審において本願商標の指定役務中「リハビリテーション・臨床試験・情報の提供」を含む指定役務を全て削除したことから、原審説示の拒絶理由は解消している旨を主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、本願商標は、補正後の指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「リハビリテーションを同時に行う再生医療」であると認識するにすぎないものであること、すなわち、役務の質を表示したものと一般に認識するというべきである。
イ 請求人は、証拠調べ通知書において提示されている証拠は、「再生医療の術後のリハビリ」についての記載があるものの、再生医療の技術を用いた治療とリハビリテーションが同時に行われている事実の記載がないものや「時間的要素」の記載がないものが含まれていることから、「再生医療とリハビリとの掛け合わせ、組み合わせ、再生医療とリハビリ」(上位概念)が開示されていたとしても、時間的要素を含む「同時に行われる」(下位概念)が開示されたことにはならないから、証拠として不十分である旨主張する。
しかしながら、原審及び当審が示している証拠は、本願の指定役務に関連する分野において、「リハビリテーション」と「再生医療」が並行して行われているということを示すものであり、必ずしも厳密に時間的要素として同時にということではないから、本願商標の構成全体から上記(2)で示したとおりの意味合いを認識させることが否定されるものではなく、本願商標を自他役務の識別標識としては認識し得ないという判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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