商標拒絶査定不服審判
2024-002779
アイエステイジョーホーセンリャクテクノロジー、イストジョーホーセンリャクテクノロジー、アイエステイジョーホーセンリャク、イストジョーホーセンリャク、アイエステイ、イスト、ジョーホーセンリャクテクノロジー、ジョーホーセンリャク、テクノロジー
- 審判番号
- 2024-002779
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-121178
- 請求日
- 2024年02月16日
- 審決日
- 2025年01月27日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社情報戦略テクノロジー
- 【請求人代理人】古岩 信嗣
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 目黒 潤
- 審判官 清川 恵子
- 分類
- T18 .261-Z (W09) / T18 .262-Z (W09) / T18 .263-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-121178拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年12月26日に登録出願された商願2022-147618に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、同5年10月31日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年11月14日付け:拒絶理由通知書
令和5年11月30日 :意見書の提出
令和6年 1月 5日付け:拒絶査定
令和6年 2月16日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3224597号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成6年2月23日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成8年11月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 結合商標の類否判断について
複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されないが、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成部分全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、商標の構成部分の一部が需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部を要部として取り出し、これと他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されると解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
イ 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、黒色に塗りつぶした四角形枠の内部に「IST」、「情報戦略」及び「テクノロジー.」の文字を三段に白抜きで横書きした文字を配した構成よりなるところ、当該四角形枠は、文字を装飾する部分と看取されるものとみるのが相当である。
また、本願商標は、「IST」の文字部分と、「情報戦略」及び「テクノロジー.」の文字部分とは、文字の大きさに顕著な差異があることに加え、文字種が相違することから、これらは視覚上分離して看取、把握されるものである。
そして、「IST」の文字は一般的な辞書に載録がないものであるから、特定の語義を有しない一種の造語として理解され、「情報」の文字は「ある事柄についてのしらせ。判断を下したり行動を起こしたりするために必要な、種々の媒体を介しての知識。システムが働くための指令や信号」を、「戦略」の文字は「戦術より広範な作戦計画。各種の戦闘を総合し、戦争を全局的に運用する方法。転じて、政治・社会運動などで、主要な敵とそれに対応すべき味方との配置を定めることをいう。」を、「テクノロジー」は「技術学。工学。科学技術。」(いずれも出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)をそれぞれ意味する語であって、「IST」の文字と、「情報戦略」及び「テクノロジー.」の文字に観念的なつながりがあるとはいえない。
加えて、アルファベット3文字からなる造語については、1文字ずつ区切って明確に発音する場合が多いといえるから、「IST」の文字よりは「アイエステイ」の称呼が生じるといえ、他方、「情報戦略」及び「テクノロジー.」の文字よりは「ジョーホーセンリャクテクノロジー」の称呼が生じるものといえるところ、本願商標全体より生じる「アイエステイジョーホーセンリャクテクノロジー」の称呼は相当程度冗長といえるものである。
そうすると、本願商標の構成中の「IST」の文字部分と、「情報戦略」及び「テクノロジー.」の文字部分とは、視覚上、分離して看取、把握され得るものであって、構成上からは、各文字部分が、これらを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、また、各文字部分において、観念的にも密接な関連を見いだすことはできないことから、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、取引者、需要者において、「IST」の文字部分、又は「情報戦略」及び「テクノロジー.」の文字部分のいずれかをもって取引の用に供されることもあるというべきである。
してみれば、本願商標よりは、他の文字部分に比してひときわ大きく表された「IST」の文字部分(以下「本願商標の要部」という。)をもって引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標よりは、その構成文字全体に相応した「アイエステイジョーホーセンリャクテクノロジー」の称呼のほか、本願商標の要部に相応した「アイエステイ」の称呼も生じるといえ、また、特定の観念が生じるとはいえないものである。
ウ 引用商標について
引用商標は、別掲3のとおり、「I.S.T」の文字と「アイ.エス.テイ」の文字を上下二段に横書きした構成よりなるところ、下段に表された「アイ.エス.テイ」の文字は、上段の「I.S.T」の文字の読みを片仮名表記したものと容易に理解できるものである。
そして、「I.S.T」の文字は一般的な辞書に載録がなく、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものであるから、引用商標は、その構成文字に相応して、「アイエステイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
エ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、両者は、上記イ及びウの構成よりなるところ、外観においては、商標全体の比較において、文字を装飾する図形の有無、構成文字の文字種及び文字数等に差異を有し、相違するものであるが、本願商標の要部と引用商標との比較においては、片仮名及び「.」の有無という差異があるものの、上記ウのとおり、引用商標における「アイ.エス.テイ」の文字は、「I.S.T」の文字の読みを表したものと容易に理解でき、また、それぞれを構成する欧文字3文字(「I」「S」「T」)を共通にすることから、外観上、近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、「アイエステイ」の称呼を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観及び称呼においては相違するものの、本願商標の要部と引用商標との対比では、観念においては比較できないものの、外観上近似した印象を与えるものであり、称呼も共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
オ 本願商標と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定商品中、第9類「電気通信機械器具,携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラム,コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータプログラム(記憶されたもの),コンピュータ用ゲームソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータ用ゲームソフトウェア(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータ用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),医療機器としてのソフトウエア(SaMD)(ダウンロード可能なもの),監視用コンピュータプログラム,記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,記録された又はダウンロード可能なデータセット,記録済み又はダウンロード可能なコンピュータのスクリーンセーバー用のソフトウェア,ブロックチェーン技術を用いた暗号資産取引を管理するためのダウンロード可能なコンピュータソフトウェア,コンピュータハードウェア,電子計算機,暗号資産を受信し及び使用するためのダウンロード可能な暗号鍵,インターロックドア用の入退室管理装置,コンピュータ」は、引用商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」と類似する商品である。
カ 小括
上記アないしオによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、称呼の認定に関して、本願商標を構成する「IST」の文字は、英語読み若しくはローマ字読み、又はその折衷的な読み方をすれば、「イスト」との自然的称呼を生ずるものとみるのが極めて妥当である旨主張している。
しかしながら、「IST」の文字が、「ist」として英語の辞書に載録されている語であるとしても、当該語は、なじみのある英単語とはいえず、また、本願商標の要部における大文字3文字のアルファベットからなる構成態様からすれば、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるとみるのが自然であり、アルファベット3文字を羅列してなる造語の場合は、一般的に、一文字一文字を明確に区切って発音される場合が多いというべきである。
そうすると、該文字部分からは、その構成文字に相応して、「アイエステイ」の称呼が生じるものであるから、本願商標についての上記判断が左右されるものではない。
イ 請求人は、外観の認定に関して、商標法第4条第1項第11号に関する特許庁の商標審査基準によれば、商標の一部(要部)のみと引用商標を対比して外観の類否判断を行うことは許されるものではなく、また、外観の類否判断に当たり、外観上に現れない商標の表記方法の慣習等を持ち込むことは許されるものではない旨主張している。
しかしながら、結合商標の類否判断については、上記(1)アに示したとおりであり、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、上記(1)エのとおり、本願商標と引用商標は、その要部又は構成において、観念においては比較できないものの、外観上近似した印象を与えるものであり、称呼も共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
なお、上記審査基準には、商標の類否判断における商標の観察方法として、全体観察のみならず、商標の構成部分の一部を他人の商標と比較して類否を判断する場合がある旨、また、外観の類否についても、商標に接する需要者に強く印象付けられる両外観を比較することも類否判断手法の一として記載されていること、さらに、類否判断に当たっては指定商品又は指定役務における一般的・恒常的な取引の実情を考慮する点にも言及されているものである。
したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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