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商標拒絶査定不服審判

2024-002424

審判番号
2024-002424
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-003593
請求日
2024年02月13日
審決日
2025年02月06日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】田中 佳子
  • 【請求人代理人】弁理士法人ドライト国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 山根 まり子
  • 審判官 真鍋 伸行
分類
T18 .16 -Z (W35)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項、商標法第5条第4項、商標法第5条第2項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023-3593拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和5年1月17日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年8月28日付け:拒絶理由通知書 令和5年10月3日付け:意見書、手続補正書 令和5年11月14日付け:拒絶査定 令和6年2月13日付け:審判請求書 第2 本願商標 本願商標は、別掲1の1のとおりの構成からなる動き商標であり、第35類「宝飾品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として登録出願された。 そして、商標法第5条第4項に基づく本願商標の「商標の詳細な説明」は願書のとおりの記載にて登録出願されたが、前記第1の原審における手続補正書により、別掲1の2のとおりに補正された。 第3 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。 1 商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないことについて 本願商標の願書の商標記載欄に記載された商標は、立体的形状を表したものなのか、平面の図形を表したものなのかが明確ではない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。 2 商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、これは、普通に用いられる方法を脱しない方法で表してなる形状の宝石が、青く光る様子を示す動き商標であり、全体として通常採択し得る宝石の一形態を表したものと認識される。そうすると、本願商標をその指定役務である「宝飾品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用しても、これに接する需要者は、単にその役務の取扱商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、何人かの業務に係る役務であることを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 第4 当審の判断 1 動き商標について 商標法第5条第2項第1号の規定により動き商標として商標登録出願される商標は、同条第4項の規定による商標の詳細な説明の記載(以下「商標の詳細な説明」という。)が、同条第1項第2号の規定による商標登録を受けようとする商標(以下「商標記載欄の商標」という。)を特定するものでなくてはならず(同条第4項及び第5項)、その登録商標の範囲は、商標の詳細な説明の記載を考慮して、商標記載欄の商標の意義が解釈されるものである(同法第27条第3項)。また、商標法施行規則第4条は、動き商標の商標記載欄の商標の記載について、「その商標の時間の経過に伴う変化の状態が特定されるように表示した一又は異なる二以上の図又は写真によりしなければならない」と規定する。 2 商標法第3条第1項第6号について 商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品又は役務の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法3条1項6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項1号ないし5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品・役務の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(平成21年(行ケ)第10270号、平成22年1月27日知財高裁判決)。 3 本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について (1)本願商標は、別掲1の1のとおり、円形状の宝石であって、その宝石の色彩が無色から青色に変化したように見える様子を表したものである。 そして、別掲1の2のとおり、「商標の詳細な説明」には、「ダイヤモンド石が、図1から図7にかけてクリアな輝きから徐々にベリーストロングの青色蛍光の輝きに変遷する様子を表している。」、「全体として3秒間である。」等の記載がある。 そうすると、本願商標は、円形状の宝石(ダイヤモンド石)を表した標章について、その宝石の色彩が無色から青色に変化したように見える様子を3秒間で表した動き商標と認められる。 (2)本願商標の指定役務「宝飾品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、ジュエリー専門店や百貨店などの店舗において提供されるものであり、取扱商品である宝石や貴金属等を品揃えし、顧客のそれら商品の選択が容易となるように、店舗内に陳列、展示し、幅広い需要者に向けて、宝石や貴金属等を購入させるために便宜を図る役務である。そして、需要者が宝石等の購入を検討するに際し、当該宝石等の特徴を説明すること、宣伝広告をすること等も当該役務の提供の範ちゅうに含まれると解される。 (3)また、宝飾品の業界において、その取扱商品の原材料である宝石のカットの種類、形状(例えば、円形状。)、品質基準(例えば、輝き、透明度。)などの特徴の紹介がなされているが、それら以外の宝石の特徴や種類、例えば、ダイヤモンドの中には、青く光ることを特徴とするものがあること(別掲2の1~4参照)、光を当てることにより無色から青色に色彩が変化して見えるという特徴を有する宝石(ダイヤモンド石)も広く一般的に紹介されている実情がうかがえる(別掲2の4~6参照)。 そこで、本願商標と別掲2の各使用例を比較すると、本願商標及び各使用例は、いずれも円形状の宝石(ダイヤモンド石)であって、青く光ることを特徴とする点、又は、光を当てることにより無色から青色に色彩が変化して見える特徴を有する点においておおむね共通している。 (4)これらの共通性を考慮すれば、本願商標は、円形状で青く光ることを特徴とする宝石であって、光を当てることにより無色から青色に色彩が変化することを動きにより表したものと認識されるというべきであって、これをその指定役務に使用した場合に、これに接する需要者は、単にその役務に係る取扱商品が、円形状の宝石であり、同宝石の色彩が、光を当てることにより無色から青色に変化して見えるという特徴を有することや、同特徴を有する宝石を使用した宝飾品であること、すなわち、提供する役務に係る取扱商品の品質、特徴、特性や優位性を表し、当該役務に関心を持たせるための宣伝広告を表示したものと理解するにとどまるものであって、その他、本願商標の構成中に、自他役務の識別標識と認識し得る構成要素を有さないことから、本願商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用されるものであって、役務の出所を識別する標識として認識させるものとはいえない。 したがって、本願商標は、その指定役務との関係では、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 請求人の主張について 請求人は、(ア)宝飾品の小売りの業務では顧客は一般消費者であり、取引業者ではないから、宝飾品に組み込まれる以前のダイヤモンド石単体が販売されることはないし、潜在的に青色蛍光を示すダイヤモンド石を用いた宝飾品が販売されることはあっても、店頭で顧客にダイヤモンドの青色蛍光が誇示され販売されることはない、(イ)ダイヤモンド石の青色蛍光は一般的な特性であり、ブラックライトを用いるその一般的な観察方法においてはクリアと青色蛍光とで瞬時に切り替わる一方、本願商標は、瞬時ではなく、徐々に青色蛍光の輝きに変遷するから、ダイヤモンド石の青色蛍光を普通に用いられる方法で表示するものではない旨を主張する。 しかしながら、別掲2のとおり、本願商標と構成要素を共通にする、青く光ることを特徴とする宝石、光を当てることにより無色から青色に色彩が変化して見えるという特徴を有する宝石を広く一般的に紹介されている実情がうかがえることを踏まえると、取引業者ではない一般消費者であっても、宝飾品に組み込まれる以前の宝石単体を求めること、その販売に関心を持つことがあることは否定されるものではないし、一般消費者である顧客が、購入を検討する宝飾品に組み込まれる以前の宝石単体の品質、特徴、特性の説明を欲する、それに関心を持つなどは自然なことである。 加えて、宝石の色彩が変化したように見えるとの動きの速度が、瞬時であるか(例えば1秒間など)、徐々に変遷するか(別掲1の2「商標の詳細な説明」によれば、本願に係る動き商標は全体として3秒間。)の違いによって、本願商標が、その役務に係る取扱商品の品質等を表すと認識されることに変わりはなく、動きの速度を少し遅くすることをもって、それが役務の出所識別標識たり得る特徴として機能するとは評価し難い。 したがって、請求人の上記主張は採用することができない。 5 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、商標登録を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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2024-002424

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