商標拒絶査定不服審判
2024-001711
エイアイモザイク、アイモザイク、モザイク
- 審判番号
- 2024-001711
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-008259
- 請求日
- 2024年01月31日
- 審決日
- 2025年01月16日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】インフォメディジ ディー オー オー
- 【請求人代理人】弁理士法人いしい特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 大塚 正俊
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T18 .13 -Z (W09414245) / T18 .272-Z (W09414245)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 8259拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年1月30日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年8月9日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月24日:意見書、手続補正書の提出
令和5年11月29日付け:拒絶査定
令和6年1月31日:審判請求書の提出
令和6年10月9日付け:証拠調べ通知書
令和6年11月21日:意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「AIMosaic」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第41類、第42類及び第45類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「AIMosaic」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中「AI」の文字は「人工知能。」の意味、「Mosaic」の文字は、これを片仮名で表した「モザイク」の語が「写真・映像などの一部を、碁盤目状に覆って隠すこと。」等の意味を有する画像・映像処理を指す語として一般に知られ親しまれているものであるから、本願商標は全体として「AIを用いたモザイク処理」程の意味合いを容易に認識させるものである。そして、近時、AI技術を用いてモザイク処理を行う技術が存在し、応用されている実情があることを踏まえれば、本願商標をその指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具」、第41類「インターネットを利用して行う映像の提供」、第42類「電子計算機の貸与」、第45類「コンピュータソフトウェアの利用に関する契約の代理又は媒介」等、前記意味合いに相応する商品及び役務に使用しても、これに接する需要者、取引者は、AIを用いたモザイク処理に関する商品及び役務であることを表示したものと理解し、把握するにとどまるから、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、AIを用いたモザイク処理に関する商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2(1)ないし(9)及び別掲3(1)ないし(3)に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
5 証拠調べに対する請求人の意見の要点
証拠調べ通知書に示されている証拠は、片仮名で「モザイク」、または片仮名と漢字の組み合わせで「モザイク処理」の文言が記載されているものであり、欧文字の「Mosaic」の文字表記でない。したがって、欧文字の「Mosaic」や「AIMosaic」の文言の使用例を示しているとはいえない。
そうとすると、「AIMosaic」からなる本願商標に接した需要者が、ことさら「人工知能」と「写真・映像などの一部を、碁盤目状に覆って隠すこと」の意味だけをそれぞれ想起するという認定は、極めて不自然であり、需要者が本願商標から「AIを用いたモザイク処理」程の意味合いだけを直接的に認識するとはいえない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の趣旨
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「AIMosaic」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「AI」の文字は、「[artificial intelligence]人工知能。」(出典:「広辞苑 第七版」岩波書店)の意味、「Mosaic」の文字は、「写真・映像などの一部を、碁盤目状に覆って隠すこと。」(前掲書)の意味を有する語であるから、本願商標は全体として「AI(人工知能)技術を用いたモザイク処理」程の意味合いを表すものである。
そして、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、本願の指定商品及び指定役務に関連する分野において、映像や画像をAI(人工知能)技術を用いてモザイク処理を行う技術が採用されている事実(別掲2)に加え、「AIMosaic(AIモザイク)」の文字が、「AI(人工知能)技術を用いたモザイク処理」程の意味合いで使用されている事実(別掲3)が認められる。
このような実情を踏まえると、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「AI(人工知能)技術を用いたモザイク処理をするための商品(コンピュータプログラム等)」又は「AI(人工知能)技術を用いたモザイク処理を行う役務(コンピュータプログラムの開発、提供等)」といった、「AI(人工知能)技術を用いたモザイク処理」に関連する商品又は役務であると認識するというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質又は役務の質を表示したものとして一般に認識されるものであって、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当ではなく、自他商品又は自他役務の識別力を欠くというべきである。
また、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、「AI(人工知能)技術を用いたモザイク処理」に関連する商品又は役務以外の商品及び役務に使用するときは、これに接する需要者に、その商品及び役務があたかも「AI(人工知能)技術を用いたモザイク処理」に関連する商品又は役務であるかのように、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、「AIMosaic」からなる本願商標に接した需要者が、ことさら「人工知能」と「写真・映像などの一部を、碁盤目状に覆って隠すこと」の意味だけをそれぞれ想起するという認定は、極めて不自然であり、需要者が本願商標から「AIを用いたモザイク処理」程の意味合いだけを直接的に認識するとはいえない旨主張する。
しかしながら、前記(2)のとおり、本願の指定商品及び指定役務に関連する分野において、映像や画像をAI(人工知能)技術を用いてモザイク処理を行う技術が採用されている事実に加え、「AIMosaic(AIモザイク)」の文字が、「AI(人工知能)技術を用いたモザイク処理」程の意味合いで使用されている実情を踏まえれば、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、「AI(人工知能)技術を用いたモザイク処理」に関連する商品又は役務であることを認識するにとどまり、本願商標は、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるというべきである。
イ 請求人は、「AI」の文字を構成中に含む商標登録例を挙げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様や、査定時又は審決時における取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断すべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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