商標拒絶査定不服審判
2024-001398
アマザケキューブ、キューブ
- 審判番号
- 2024-001398
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-005412
- 請求日
- 2024年01月26日
- 審決日
- 2024年06月13日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】岸本 こずえ
- 【請求人代理人】舩曵 崇章
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W31) / T18 .272-Z (W31)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 5412拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年1月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 6月14日付け:拒絶理由通知書
令和5年 8月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年10月18日付け:拒絶査定
令和6年 1月26日 :審判請求書の提出
令和6年 2月 9日 :手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、「甘酒キューブ」の文字を標準文字で表してなり、第30類及び第31類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品は、原審及び当審における上記1の手続補正書により、最終的に第31類「甘酒を凍らせたペットフード,甘酒を主成分とする流動性を有する食材を凍らせたペットフード」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「甘酒キューブ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「甘酒」の文字は、「米の飯を米麹で糖化した甘い飲料。」の意味を、「キューブ」の文字は、「立方体。」の意味を有する語であるから、本願商標は全体として「キューブ(立方体)状の甘酒」ほどの意味合いを理解させるものである。
また、本願の指定商品を取り扱う業界において、甘酒を使用したペットフードが知られており、キューブ状のペットフードも存在する。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、当該商品が「甘酒を使用したキューブ状のペットフード」であることを認識するにすぎないことから、本願商標は、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号該当性について
本願の指定商品は、上記2のとおり補正された結果、「甘酒」を使用した商品に限定されたことから、商品の品質の誤認を生じるおそれのない商品になったものといえる。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「甘酒キューブ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「甘酒」の文字は「米の飯を米麹で糖化した甘い飲料」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する語で、本願の指定商品「甘酒を凍らせたペットフード,甘酒を主成分とする流動性を有する食材を凍らせたペットフード」との関係においては、商品の原材料を表示したといえるものであり、また、「キューブ」の文字は「立方体」(出典:同上)を意味する語であって、これらはいずれも我が国において広く一般的に使用され、理解されているものであるから、本願商標は、「甘酒」及び「キューブ」の2語を結合したものであると、容易に認識し得るものである。
そして、原審提示の情報や請求人提示の情報(令和6年2月9日付け手続補足書により提出された資料13ないし資料21)にあるように、本願の指定商品を含むペットフードを取り扱う分野においては、「甘酒を原材料とする商品」及び「キューブ状(立方体状)の商品」が広く一般的に製造、販売されている実情が認められる。
また、原審提示の情報にあるように、飲食料品に関する分野において、甘酒を凍らせるなどして立方体やそれに近い形状にし、そのまま食したり、料理の材料として使用することが広く行われている実情が認められ、そのような状態の甘酒を「甘酒キューブ」と称している事例も複数見受けられる。
以上のことからすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、全体として、その商品が「甘酒の立方体(立方体状の甘酒)」又は「甘酒を原材料に使用してなる立方体状の商品」であるという、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願の指定商品を取り扱う分野において、「甘酒キューブ」の文字が普通に用いられている事実は見当たらない上、当該文字のごとく「甘酒」の文字の後ろに形状を表す文字を配して表示する事例もなく、また、「原材料+「キューブ」」の構成からなる文字の使用事例は、その原材料が固形物である場合に限られていることからすれば、本願商標は、指定商品を取り扱う業界において、通常用いられている表示に該当するものではなく、本願の指定商品の特徴等を直接的かつ具体的に表示するものではない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品を取り扱う分野において、「甘酒キューブ」の文字それ自体としては使用例が見受けられないとしても、上記(2)のとおり、本願商標を構成する「甘酒」及び「キューブ」の各文字の使用の実情や、飲食料品に関する分野における「甘酒キューブ」の文字の使用の実情、並びに、本願の指定商品が「甘酒を凍らせた」又は「甘酒を主成分とする流動性を有する食材を凍らせた」ものであって、甘酒であっても固形の商品であることが需要者に理解されるものであるから、本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者において、「甘酒を原材料に使用してなる立方体状の商品」を表示するものとして一般に理解されるものであり、自他商品の識別標識としては認識されないものというのが相当である。
イ 請求人は、構成中に「キューブ」又は「CUBE」の文字を有する商標に係る、過去の登録例や審決例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消したが、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する
審決本文(J-PlatPat)
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