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商標拒絶査定不服審判

2024-001154

ウエブメタバース、メタバース

審判番号
2024-001154
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-131131
請求日
2024年01月23日
審決日
2025年02月13日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社コロプラ
  • 【請求人代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 大塚 正俊
  • 審判官 小林 裕子
分類
T18 .16 -Z (W0935384142) / T18 .272-Z (W0935384142)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第16号、特許法第150条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-131131拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年11月16日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年3月22日付け:拒絶理由通知書 令和5年7月5日:意見書の提出 令和5年10月20日付け:拒絶査定 令和6年1月23日:審判請求書の提出 令和6年3月6日:手続補正書の提出 令和6年9月24日付け:証拠調べ通知書 令和6年12月2日:意見書の提出 2 本願商標 本願商標は、「WEBmetaverse」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第38類、第41類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「WEBmetaverse」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「WEB」の文字は、「World Wide Webの略であって、世界規模で情報を検索し、入手あるいは発信も可能なシステム」の意味を有し、また、「metaverse」の文字は、「meta(超越した)とuniverse(世界)の合成語 インターネット上に構築される仮想の三次元空間。利用者はアバターとよばれる分身を操作して空間内を移動し、他の参加者と交流する。」の意味を有するものであるから、本願商標は、構成文字全体として「世界規模で情報を検索し、入手あるいは発信も可能なシステムにおける、インターネット上に構築される仮想の三次元空間」程の意味合いを容易に理解させるものであり、近年、「Metaverse」を利用したサービスが一般に行われている実情がある。そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、当該商品が「世界規模で情報を検索し、入手あるいは発信も可能なシステムにおける、インターネット上に構築される仮想の三次元空間に関する商品」及び当該役務が「世界規模で情報を検索し、入手あるいは発信も可能なシステムにおける、インターネット上に構築される仮想の三次元空間に関する役務、インターネット上に構築される仮想の三次元空間に関する役務に関する情報の提供」であることを認識、理解するにとどまり、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができない商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質・役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審における証拠調べ通知 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲3に示したとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。 5 証拠調べに対する請求人の意見の要点 証拠調べ通知書に示されている証拠は、本願商標と同様に全て欧文字で表示される事実ではない。したがって、欧文字の「WEBmetaverse」や「metaverse」の文言の使用例を示しているとはいえない。 また、本願商標の「metaverse」部分は、近年新たに生まれた語であり、統一された語義や発音方法の定まらない状況にある。そうとすると、我が国国民の公用語ではない英語であることも相まって、「metaverse」と「メタバース」に必ずしも社会通念上の同一性があるとはいえない。 そうとすると、「WEB(Web)メタバース」、「ウェブメタバース」又は「Web型メタバース」の文字の自他商品役務識別力が弱まっているとしても、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる商標である。 6 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号の該当性について 本願商標は、「WEBmetaverse」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「WEB」の文字は、「インターネットで標準的に用いられる情報提供システムの一つ。データ転送プロトコルのHTTP、情報資源の所在を指定するURL、マークアップ言語のHTMLなどの基本技術で構成される。(出典:「デジタル大辞泉」株式会社小学館)」の意味を有する語であり、「metaverse」の文字は、「メタバース」の読みを有し、「《meta(超越した)とuniverse(世界)の合成語》インターネット上に構築される仮想の三次元空間。利用者はアバターとよばれる分身を操作して空間内を移動し、他の参加者と交流する。」(同掲書)の意味を有する語である。 そして、原審で示した別掲2のとおり、本願指定商品及び指定役務に関連する分野において、近時、「Metaverse(メタバース)」が注目されており、また、別掲3(1)のとおり、専用機器やアプリを不要とし、ウェブブラウザ上からアクセスできるメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間)が提供され、これを「WEB(Web)メタバース」、「ウェブメタバース」又は「Web型メタバース」等と称している実情が認められる。 加えて、別掲3(2)のとおり、前記の「ウェブを用いたメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間)」において、例えば、ショッピングや双方向コミュニケーション、旅行など、現実世界と同様に商品の取引又は役務の提供が行われている実情が認められる。 そうすると、本願商標は、全体として「ウェブを用いたメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間)」程の意味合いを理解させるものというべきであり、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者等に、「ウェブを用いたメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間)」に関連する商品及び役務であると認識されるにとどまり、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標というのが相当である。 また、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、「ウェブを用いたメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間)」に関連する商品又は役務以外の商品及び役務に使用するときは、これに接する需要者に、その商品及び役務があたかも「ウェブを用いたメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間)」に関連する商品又は役務であるかのように、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「WEB」と「metaverse」の語意及び両文字間の接続詞又は助動詞の欠如を踏まえれば、「WEB」と「metaverse」の語に自然な意味のつながりはなく、本願商標は、自然ではない語の組み合わせからなる造語である旨主張する。 しかしながら、前記(1)のとおり、「WEB(ウェブ)」及び「Metaverse(メタバース)」の語の意味や、ウェブを用いたメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間)を、「WEB(Web)メタバース」、「ウェブメタバース」又は「Web型メタバース」等と称している実情を併せみれば、本願商標は、「ウェブを用いたメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間)」程の意味合いを理解させるものであり、これをその指定商品及び指定役務中、「ウェブを用いたメタバース(インターネット上に構築される仮想の三次元空間)」に関連する商品又は役務に使用したときには、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標というべきである。 イ 請求人は、証拠調べ通知書に示されている証拠は、本願商標と同様に全て欧文字で表示される事実ではないことから、欧文字の「WEBmetaverse」や「metaverse」の文言の使用例を示しているとはいえない旨主張する。 しかしながら、前記(1)のとおり、「デジタル大辞泉」において、「metaverse」の欧文字及び「メタバース」の片仮名が併記されていることに加え、別掲2のとおり、「メタバース(Metaverse)」のように片仮名と欧文字が併記された使用例があることを踏まえれば、片仮名の使用例のみであっても「メタバース」は「metaverse」の片仮名表記を理解させるものといえる。 ウ 請求人は、請求人がこれまで、本願商標を冠した事業を、メディアを含む日本国内の多数の顧客に提供している旨主張し、証拠として令和6年3月7日付け手続補足書の甲第4号証ないし甲第9号証等を提出している。 しかしながら、これが仮に、本願商標が使用をされた結果、自他商品及び役務の識別力を獲得するに至っている旨の主張であるとしても、本願商標を使用した商品及び役務の使用数量や市場シェア、売上高、広告費、広告宣伝の方法・回数規模等、請求人が本願商標をその指定商品及び指定役務について継続的に使用した事実を裏付ける客観的な証拠の提出はなく、本願商標の周知性の程度を客観的に推し量ることができない。よって、本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係において、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができるに至っているということはできない。 エ 請求人は、「Metaverse」、「METAVERSE」又は「メタバース」の文字を構成中に含む商標登録例を挙げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様や、査定時又は審決時における取引の実情を踏まえて、個別具体的に判断すべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なる点において、本願とは、事案を異にするというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。 オ したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。 なお、請求人は、意見書において、万一問題があると判断された場合には、指定商品及び指定役務について補正する用意がある旨述べているが、上記(1)のとおり、本願商標は商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであって、指定商品及び指定役務の補正によって、これらの拒絶の理由が解消するものではない。よって、改めて本願の指定商品及び指定役務の補正の機会を設けることなく、本件審判の審理を進めた。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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