商標拒絶査定不服審判
2024-000724
コグマボール、コグマ
- 審判番号
- 2024-000724
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-020029
- 請求日
- 2024年01月16日
- 審決日
- 2025年02月27日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】白ハト食品工業株式会社
- 【請求人代理人】木村 満
- 【請求人代理人】松嶋 さやか
- 【請求人代理人】吉松 こず恵
- 【請求人代理人】山野 有希子
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W2930) / T18 .272-Z (W2930)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 20029拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年2月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 6月15日付け:拒絶理由通知書
令和5年 7月24日 :意見書の提出
令和5年10月10日付け:拒絶査定
令和6年 1月16日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「コグマボール」の文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「コグマボール」の文字を標準文字で表してなるところ、この文字が、「さつまいもを使用した球状の食品」を示す語句として、一般に使用されている実情がある。
また、「コグマ」の文字は、韓国語で「さつまいも」を意味する語として、我が国においても、企業のウェブサイトや各種メディアにて紹介されている語である。
そして、本願の指定商品を含む食品を取り扱う分野においては、「さつまいもボール」の文字が、「さつまいもを使用した球状の食品」ほどの意味合いで使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「さつまいもを使用した球状の食品」であることを認識するにすぎないから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、これを上記商品以外に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「コグマボール」の文字を標準文字で表してなるものである。
ところで、本願の指定商品を含む、飲食料品を取り扱う分野においては、「ボール(球状)の商品」を表す名称として、例えば「ミートボール」(挽肉を丸め、油で揚げたり、煮たりした料理。肉だんご。出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)や、原審提示の「さつまいもボール」のように、「原材料」を表す文字と「ボール」の文字を組み合わせた表示がしばしば採択され、使用されている実情がある。
ここで、本願商標の構成中「コグマ」の文字に着目すると、該文字は、それ自体は我が国の一般的な国語辞典類に載録されている語ではないものの、原審提示の情報にあるように、飲食料品を取り扱う分野を中心に、「さつまいも」を意味する韓国語の片仮名表記として、広く紹介され、使用されているものである。
そうすると、本願商標は、その指定商品との関係においては、上述の「さつまいも」を意味する韓国語の片仮名表記である「コグマ」の語と「ボール」の語を結合したものと、容易に理解されるものといえ、これよりは全体として「さつまいものボール」ほどの意味合いが認識され得るものといえる。
そして、原審提示の情報や別掲2の情報にあるように、本願の指定商品を含む、飲食料品を取り扱う分野において、「さつまいもを使用してなるボール(球)状の商品(菓子や惣菜など)」について、しばしば「コグマボール」と称して販売、提供等されている事実が認められる。
以上のことからすると、本願商標をその指定商品中、例えば「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。)」「野菜又は果実を主材とする惣菜」などの商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「さつまいもを使用してなるボール状の商品」であるという、その商品の品質を表示したものと理解、認識するというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
また、本願商標を、その指定商品中、上述の商品以外の商品に使用するときは、それがあたかも「さつまいもを使用してなるボール状の商品」又はそれに関連する商品であるかのごとく、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、我が国において韓国語の教育を受ける者はごく限られており、多くの日本人は、韓国語の単語及びその語義を知らないと考えられることからすれば、「コグマ」の文字が韓国語で「さつまいも」を意味する語であることは、一般には知られていないというべきであって、本願の指定商品の一般的な需要者をして、本願商標全体から何らかの観念が看取されるとすれば、「小熊(子熊)」と「ボール」とを結合させた、「小熊(子熊)のボール」の如き意味合いであるとするのが最も自然であり、これを馴染みのない韓国語「コグマ」と日本語「ボール」とを結合したものとしてとらえ、商標全体が「さつまいもボール」を意味するものと直ちに理解、認識するとは考えにくい旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、飲食料品を取り扱う分野を中心に、「コグマ」の文字が「さつまいも」を意味する韓国語の片仮名表記として広く紹介され、使用されているものである上、「さつまいもを使用してなるボール(球)状の商品」について、しばしば「コグマボール」と称して販売、提供等されているという取引の実情に照らせば、本願商標をその指定商品中の菓子や惣菜などに相当する商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者によって、それが「さつまいもを使用してなるボール状の商品」であるという、その商品の品質を表示するものとして一般に認識されるものであり、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
イ 請求人は、食材又は成分の普通名称と「ボール」の文字とを結合した商標の登録例を挙げ、それらと同様に本願商標についても登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例や審決例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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