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商標拒絶査定不服審判

2024-000704

アサクサトリノイチ、トリノイチ

審判番号
2024-000704
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-060454
請求日
2024年01月16日
審決日
2025年03月24日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】鷲神社
  • 【請求人代理人】岩堀 邦男
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 大塚 正俊
分類
T18 .13 -Z (W41)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-60454拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和4年5月27日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和4年12月15日付け:拒絶理由通知書 令和5年4月25日:意見書、手続補正書の提出 令和5年10月13日付け:拒絶査定 令和6年1月16日:審判請求書、手続補正書の提出 令和6年12月9日付け:審尋 2 本願商標 本願商標は、別掲1の構成よりなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、前記1の手続補正書により、最終的に、第41類「浅草で酉の日に開催される祭り・イベントの企画・運営又は開催」に補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、上段に横書きした「浅草」の文字と、下段に上段の文字より大きく縦書きした「酉の市」の文字をそれぞれ毛筆風に表してなるところ、下段の「酉」及び「市」の文字の右下方にそれぞれ小さく白抜きした「とり」及び「いち」の文字は、「酉」及び「市」のそれぞれの文字の読みを表示したものと無理なく認識されるものであり、その構成態様はレタリングの一種にとどまり、いまだ普通に用いられる方法で表示したものの域を脱しない構成態様というべきである。そして、本願商標の構成中、「浅草」の文字は、「東京都台東区の一地区。」を表す語、「酉の市」の文字は、「11月の酉の日に鷲神社(大鳥神社)で行われる祭。」の意味を有する語として、それぞれ辞書に掲載されている。また、本願指定役務と関係の深い分野において、各地の鷲神社(大鳥神社)だけでなく、他の寺社などの多数の者によって、11月の酉の日に「酉の市」と称される祭りや、「酉の市」にちなんだ各種のイベントが開催されている実情がある。以上を踏まえると、本願商標は、構成文字全体として「浅草で酉の日に開催される祭り・イベント」程の意味合いを認識させるものであり、本願商標を本願指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「浅草で酉の日に開催される祭り・イベント」に係る役務であることを認識するにすぎないから、本願商標は、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。また、本願商標を「浅草で酉の日に開催される祭り・イベント」に係る役務以外の本願指定役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審における審尋 当審において、上記1の審尋により、請求人に対し、別掲2(1)ないし(10)及び別掲3のとおりの事実を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人は、応答期間において、当該審尋に対する意見を提出していない。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号の趣旨 商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の品質、その役務の質等その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。 そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決時において、本願商標がその指定商品又は指定役務との関係で、商品の品質、役務の質等その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、将来を含め、指定商品又は指定役務の取引者、需要者によって商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(最高裁昭和53年(行ツ)第129号判決、平成26年(行ケ)第10056号判決、平成27年(行ケ)第10107号判決、平成27年(行ケ)第10232号判決参照)。 (2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、別掲1のとおり、上段に横書きした「浅草」の文字と、下段に上段の文字より大きく縦書きした「酉の市」の文字をそれぞれ毛筆風に表し、構成中の「酉」及び「市」の文字は、それぞれ右下方に小さく白抜きした「とり」及び「いち」の文字を内包してなるところ、本願商標の構成文字は、デザイン化されてはいるものの、一般に、商品や役務に標章等を使用する際に、様々なデザイン化が行われている現状にあっては、これらの文字が殊更特殊な態様であるともいえず、また、構成中の「とり」及び「いち」の文字は、「酉」及び「市」のそれぞれの文字の読みを表示したものと無理なく認識されるものである。そうすると、本願商標は、いまだ普通に用いられる方法で表示する域を脱しない構成態様からなるものというべきである。 そして、本願商標の構成中の「浅草」の文字は、「東京都台東区の一地区。」(出典:「広辞苑」株式会社岩波書店、第7版)を表す語を、「酉の市」の文字は、「11月の酉の日に鷲神社(大鳥神社)で行われる祭。」(前掲書)の意味を有する語である。 また、原審において示された事実及び当審における職権による調査によれば、別掲2のとおり、本願指定役務と関係の深い分野において、各地の鷲神社(大鳥神社)だけでなく、他の寺社などの多数の者によって、11月の酉の日に「酉の市」と称される祭りや、「酉の市」にちなんだ各種のイベントが開催されている実情がある。 さらに、別掲3のとおり、浅草において、請求人以外の者によって、酉の日に「酉の市」と称する祭りやイベントが開催されている事実も確認できる。 以上を踏まえると、本願商標は、構成文字全体として「浅草で酉の日に開催される祭り・イベント」程の意味合いを認識させるものである。 そうすると、本願商標を本願指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その役務が「浅草で酉の日に開催される祭り・イベント」に係る役務であることを認識するにすぎないから、本願商標は、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (3)商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて ア 請求人は、本願商標は、請求人による使用の結果、取引者、需要者が請求人の業務に係る役務であることを認識することができる状態に至っており、商標法第3条第2項により登録が認められるべきものである旨主張し、原審において甲第1号証ないし甲第44号証、及び、当審において資料1ないし資料25を提出している。 請求人が提出した証拠及び主張によれば、以下のとおりである。 (ア)請求人(鷲神社)において、「浅草酉の市」や「酉の市」と称される祭りが開催されており、また、当該祭りのチラシ及びポスターにおいて、請求人が、本願商標と同一性を損なわないものと認められる態様の商標を使用している(甲14~甲18、甲31~甲34、甲36)。 (イ)請求人が開催した「浅草酉の市」の紹介やその様子を記載した内容の記事、又は、請求人が自ら掲載した「浅草酉の市」の開催を告知する広告が、2014年より継続的に全国紙又は地方紙(ほとんどが夕刊又は地方版)において掲載されている(甲1~甲5、資料1~資料24)。 イ 上記アによれば、請求人(鷲神社)が、「浅草酉の市」や「酉の市」と称される祭りを開催しており、また、当該祭りのチラシ及びポスターにおいて、請求人が本願商標と同一性を損なわないものと認められる態様の商標を使用している事実を確認することができ、また、2014年より継続的に、各種新聞などにおいて紹介されている事実は確認することができる。 しかしながら、請求人の提出に係るこれらの証拠によっては、本願商標を使用した役務の使用期間、使用数量、広告宣伝の方法、期間、地域及び規模等を把握することができないことから、本願商標が、その指定役務について使用をされた結果、請求人の業務に係る役務を表示するものとして、全国的な周知・著名性を獲得したものということはできない。 したがって、本願商標は、請求人の業務に係る役務の出所表示として広く認識されているとはいえないものであるから、これを請求人がその指定役務に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識するに至っているものということはできない。 ウ 以上によれば、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものと認めることができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-000704

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