審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標異議申立

2023-900289

ジオーディナリー、オーディナリー

審判番号
2023-900289
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-052183
登録番号
6754365
請求日
2023年12月28日
審決日
2024年09月19日
公報発行日
2025年04月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】向貞瑞
  • 【異議申立人】デシエム ビューティー グループ インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
  • 【異議申立人代理人】田中 克郎
  • 【異議申立人代理人】石田 昌彦
  • 【異議申立人代理人】中河 香一郎
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 雅也
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 馬場 秀敏
分類
T1651.271-Y (W18)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6754365号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6754365号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6754365号商標(以下「本件商標」という。)は、「THE ORDINARY」の欧文字を標準文字で表してなり、令和5年5月15日に登録出願、第18類「愛玩動物用被服,動物用首輪,動物用覆い,動物用装着具,革ひも,動物用革製引きひも,くつわ,毛皮,狩猟用獲物袋,動物運搬用かばん」を指定商品として、同年10月19日に登録査定され、同年11月15日に設定登録されたものである。 第2 引用標章 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する標章(以下「引用標章」という。)は、「THE ORDINARY」の欧文字からなる標章であり、同人の業務に係る「美容・スキンケア用品」(以下「申立人商品」という。)について使用し、需要者の間に広く知られている旨主張するものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第59号証(「枝番号」を含む。)を提出した。 なお、甲各号証の表記に当たっては、甲第1号証を「甲1」のように表示する場合があり、枝番号を全て含む場合には、枝番号を省略して表示する。 1 申立人について 申立人は、カナダに本拠を置く美容・スキンケア用品の製造・販売企業であり、2013年に設立され、現在は「THE ORDINARY」及び「NIOD」の2ブランドにて商品展開を行っている。我が国でも、実店舗は存在しないもののオンラインで購入可能である。 申立人は、2021年に米国を拠点とする世界最大級の美容系企業であるエスティ・ローダー・カンパニーズ・インクの傘下に入ったが、その取得額は、同社にとって過去最大級の買収であり、大きく報じられた(甲2)。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)本件商標と引用標章との類似性の程度について 申立人は、「THE ORDINARY」のブランド名(以下「申立人ブランド」という場合がある。)を使用し、世界各地でスキンケア用品等を販売し、また、これらの文字を含む商標を我が国において26件保有している(甲3~甲28)。 本件商標と引用標章とは一部文字が大文字か小文字かの点で差異を有するのみであるから、類似性の程度は極めて高い。また、本件商標は、「THE」という定冠詞まで申立人商標と一致しており、両者の一致度は極めて高い。 (2)引用標章の周知度について ア 申立人ブランドの売上げについて 申立人は、申立人ブランドで、化学や生化学分野の技術を惜しみなく注ぎ込んだ革新的な商品を次々と世に送り出し、特に、通常は美容クリニックで使用されるような高濃度の成分や高品質な成分を用いているにもかかわらず低価格である点に特徴を有し、セレブにも愛用者が多いことから我が国を含む世界中で話題のブランドである。 申立人は、申立人ブランドの商品展開を2016年に開始しており、2016年から2022年にかけての通算売上げは1,856億1,700万円にも上る(甲29の1、甲29の2)。 イ 申立人ブランドの販売経路について 申立人の商品は、実店舗が存在しない国においても、申立人のウェブサイトより直接購入が可能となっており、購入可能な国は2023年7月時点で216か国に上っている(甲29の3)。 我が国においても実店舗は存在しないが、同サイトで直接購入可能であるのに加え、amazonほか、様々なサイトで購入可能である。 また、amazon等でTHE ORDINARYブランドの商品を検索すると430件(amazon)(甲30)、208件(楽天市場)(甲31)がヒットし、日本国内の通販サイトにおいても、申立人商品は、数多く販売されている。 ウ 申立人ブランドの受賞歴について 申立人ブランドの商品は、世界各地で多くのファンを獲得しており、各国での受賞歴も多数存在する(甲32~甲36)。 エ 申立人ブランドのSNS上での商品紹介について 申立人ブランドは日本においても性別を問わず多くのファンがおり、例えば、YouTubeで「the ordinary」について検索すると、多くの日本のチャンネルでも同ブランドの商品が紹介されている。日本のチャンネルにおける動画でも再生回数が10万回を超えるものが複数あり、中には再生回数が93万回に上る動画も存在する(甲37)。 インスタグラムでハッシュタグを付けて「#The Ordinary」と検索すると、92.1万件の検索結果が表示され、日本語で「#ジオーディナリー」と検索した場合でも4,359件の検索結果が表示される(甲38)。なお、インスタグラム上で申立人が運用している「the ordinary」のアカウントには約235.2万人にのぼるフォロワーがいる(甲39)。 また、TikTok上で申立人が運用している「the ordinary」のアカウントには約150万フォロワーがおり、申立人の投稿に対して約1,890万もの「いいね」を受けている(甲40)。 オ 申立人ブランドのウェブでの商品紹介について 申立人ブランドは、著名な女性誌のウェブ版でも多数取り上げられている(甲41~甲45)。 また、日本最大級のコスメ・化粧品・美容の総合情報サイトであるアットコスメ(@cosme)でも同ブランドには374件の口コミが寄せられている(甲46)。 その他にも、美容系・ファッション系のウェブサイト等で取り上げられている例を挙げると枚挙にいとまがない(甲47~甲52)。 カ 小括 上述のとおり、申立人ブランドの商品は2016年から発売が開始されたものであるが、2016年から2022年にかけての通算売上げは1,856億1,700万円となっていることから、使用期間に比して驚異的な売上げをあげているものといえる。 また、自社サイトでの販売のほか、amazon.co.jpや楽天市場、@cosmeストア等、容易な入手レートも多数用意されていることから、我が国でも直ちに話題となり、著名なメディアやSNSでもこぞって取り上げられるに至っている。 そのため、申立人の商標「THE ORDINARY」及び当該商標を使用した申立人の商品は、コスメや美容に関心のある需要者の間では、年齢性別問わず極めて高い周知性を獲得している。 (3)引用標章が造語よりなるものであるか、又は構成上顕著な特徴を有するものであるか否かについて 本件商標は、「THE ORDINARY」の文字からなるところ、当該文字は英語で「普通の」、「通常の」、「並の」といった意味を有する語であり、造語ではない。また、標準文字からなるものであり、特段、構成上顕著な特徴は有しない。 しかし、申立人は、常にシンプルなラベルに商標「THE ORDINARY」や「The Ordinary」をシンプルな書体で使用しているものであるから(甲53)、出願商標が上記のような態様であることは、申立人商標との混同を生じさせる可能性を高めるものである。 (4)引用標章がハウスマークであるか否かについて 申立人は、現在、「THE ORDINARY」及び「NIOD」のブランドを中心に商品展開を行っている。 前述のとおり、申立人ブランドは極めて高い周知性と売上げを誇っており、「THE ORDINARY」は申立人ブランドの代名詞となっている。 また、商品ラベルの正面部分にも、「DECIEM」ではなく「THE ORDINARY」や「The Ordinary」の文字が大々的に記載されていることから(甲53)、「THE ORDINARY」や「The Ordinary」はハウスマーク同等の重要性を有しており、ハウスマークに準ずるものであるといえる。 (5)企業における多角経営の可能性 一つのブランドが美容・スキンケア用品、被服、ジュエリーなど幅広い商品を展開することがあるのは周知の事実であるが、近年はペットブームも相まって、元来このような商品を取り扱っていたブランドがペット用被服や引きひも等の、各種のペット用品を販売する事例も多い(甲54~甲58)。 このような実情が取引界に存在することに鑑みれば、本件商標がペット用品に使用された場合、需要者は申立人の製造・販売するペット用品であると考える可能性が高い。 特に、本件商標は「THE」という定冠詞まで引用標章と一致していることから、本件商標の商標権者が本件商標を用いて商品を販売した場合、その出所が申立人であると考える可能性は非常に高いといえる。 (6)商品間、役務間又は商品と役務間の関連性 申立人は、美容・スキンケア用品を中心とする商品を製造・販売している。 一方、本件商標の指定商品はペット用の被服や首輪などのペット用品類であり、商品間の類似性そのものは高いとはいえない。 しかし、前述のように、被服や美容・スキンケア用品、コスメなどを販売するブランドがペット用品を販売する例は近年珍しくない。また、これらの商品はいずれも、商品自体の品質もさることながら、ブランドネームそのものが重要であるという点で共通しており、ブランドの商品を保有すること自体がステータスとなったり、保有すること自体に喜びが見いだされたりすることがあるという点で共通する。そのため、申立人の商品と本件商標の指定商品の間には関連性があるといえる。 (7)商品等の需要者の共通性その他取引の実情 申立人は、美容・スキンケア用品を中心に製造・販売しているため、美容に関心が高い層、特に女性が需要者の中心である。また、申立人商品は前述のとおり海外発のブランドであり、特にインターネット情報やSNSでの拡散がヒットに影響を与えたものであるから、これらを情報源とする比較的若い層が需要者層の中心といえる。 一方、ペット用の被服や首輪、引きひもなどでペットにおしゃれをさせたいと考える層も男性より女性に多いと考えられることから、申立人の需要者層と共通する。 総務省統計局の調査によると、ペット関連支出は男性より女性に多く、単身世帯では女性が男性の4倍以上にも上る。特に35歳ないし59歳と35歳未満の女性が最もペット関連支出が多いことから、申立人の需要者層である、「比較的年齢層の若い女性」と共通している(甲59)。 美容意識の高い層は、ペットの被服等にもこだわる傾向にあると考えられる。そのため、本件商標の登録が取り消されない場合、申立人ブランドの商品を日常的に使用している層が、本件商標の権利者製造に係る「THE ORDINARY」ブランドのペット用被服等を目にし、商品の出所について混同するおそれがある。 (8)小括 上記(1)ないし(7)のいずれの観点からも、本件商標が申立人の業務に係る商品と混同を生じさせるおそれが強い商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 引用標章の周知著名性について (1)申立人の主張及び同人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 ア 申立人は、カナダに本拠を置く、2013年設立の美容・スキンケア用品の製造・販売企業であり、2021年に、米国の美容系企業の傘下に入った(申立人の主張、甲2)。 イ 申立人は、引用標章を構成する「THE ORDINARY」の文字及び「ジ オーディナリー」の文字を含む商標について、我が国において商標登録を有している(甲3~甲28)。 ウ 申立人は、「THE ORDINARY」の欧文字からなるブランドの商品展開を2016年に開始した(申立人の主張)。 エ 申立人ブランドの売上高について、2016年から2022年にかけての通算売上高は1,856億1,700万円に上るとされる(申立人の主張、甲29の1、甲29の2)。 オ 申立人ブランドが世界で複数回の受賞歴を有すると主張しているが、その証拠には、引用標章が付された化粧品の写真が掲載されているものの、翻訳文の提出がないため、詳細は不明である(甲32~甲36)。 カ 申立人ブランドの商品が、比較的多くのフォロワーが存在する複数のSNSを通じて紹介されたことがうかがえる。 なお、これらのSNSの記事内容の多くは、外国語で記載されている(甲37~甲40)。 キ 申立人ブランドの商品が、我が国の女性誌を中心とした雑誌や口コミサイト等の記事として取り上げられている(甲41~甲52)。 (2)上記の各事実によれば、以下のことが判断できる。 ア 申立人は、カナダに本拠を置く、2013年設立の美容・スキンケア用品の製造・販売企業であり、「THE ORDINARY」の欧文字からなる申立人ブランドの商品展開を2016年に開始して我が国において一定程度の売上げがあったことはうかがえ、また、その間、申立人ブランドが外国で賞を受賞したことはうかがえる。 しかしながら、引用標章を使用した申立人商品の販売数、市場シェア、広告の方法などを具体的、その周知性の程度を客観的に示す証拠は見いだせず、また、外国での受賞歴についても、その詳細は不明である。 イ 申立人ブランドが、比較的多くのフォロワーが存在する複数のSNS、我が国の女性誌を中心とした雑誌や口コミサイト等の記事として取り上げられたことはうかがえる。 しかしながら、上記各SNSの記事内容は、そのほとんどが外国語で書かれたものである上、フォロワー数、登録者数に我が国の取引者、需要者がどの程度含まれているのかは明らかではない。 ウ 申立人ブランド「THE ORDINARY」の売上高について、2016年から2022年にかけての通算売上げは1,856億1,700万円に上ることはうかがえる。 しかしながら、提出された証拠(甲29の1、甲29の2)における数値は、我が国のみならず全世界での数値と推測されるものであるところ、申立人ブランドを付した商品の我が国における具体的な販売実績や商品の市場シェアなど、客観的にその流通量を推し量る証拠の提出はなく、また、いかなる商品について使用したことを示す証拠であるかなどが不明であり、さらに、当該証拠の数値を客観的裏付ける証拠は何ら示されておらず、期間中の年ごとの金額を列挙するのみであるから、証拠全体を通じても、その周知性の程度を推し量ることはできない。 そうすると、申立人が提出した全証拠によっては、引用標章が、申立人又は申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知著名性を獲得していたと認めることはできないものである。 2 本件商標と引用標章の類似性の程度について (1)本件商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「THE ORDINARY」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、まとまりよく一体的に看取される態様で表されているものであり、また、本件商標の構成文字より生ずる「ジオーディナリー」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標の構成は、英語の定冠詞「THE」と「ふつうの、ありふれた」等の意味を有する英単語「ORDINARY」(いずれも「ベーシックジーニアス英和辞典」株式会社大修館書店発行)の2つの単語を結合したものであると容易に認識されるものであるところ、かかる2語よりなる語は、辞書等に特定の意味を有する語として載録されている等の事実は認められず、また、本件商標の構成中の「THE」の文字部分を有することにより、特定の意味合いを理解させるともいい難がたいことから、特定の観念は生じるものではないことから、本件商標は、構成全体をもって、一種の造語を表したと認識されるというべきである。 したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ジオーディナリー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用標章について 引用標章は、上記第2のとおり、「THE ORDINARY」の欧文字のつづりからなるところ、上記(1)と同様に、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、まとまりよく一体的に看取される態様で表されているものであり、また、本件商標の構成文字より生ずる「ジオーディナリー」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、その構成は、本件商標と同様のつづりであることから、上記(1)と同様の理由から、特定の観念は生じるものではなく、引用標章は、構成全体をもって、一種の造語を表したと認識されるというべきである。 したがって、引用標章は、その構成文字に相応して、「ジオーディナリー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (3)本件商標と引用標章との比較 ア 外観について 本件商標と引用標章の構成は、上記(1)及び(2)のとおりであるところ、大文字と小文字などの微細な違いを有する場合があるとしても、そのつづりは同一であり、文字種の置き換えは、ごく一般に行われることからすれば、外観上は互いに相紛れるといえるものである。 イ 称呼について 本件商標及び引用標章は、いずれも「ジオーディナリー」の称呼を共通にするものであるから、称呼上、相紛らわしいものといえる。 ウ 観念について 本件商標及び引用標章は、上記(1)及び(2)のとおり、いずれも、特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。 エ 小括 以上から、本件商標と引用標章は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において類似するものであるから、類似性の程度は高いものである。 3 本件指定商品と申立人商品の関連性、需要者の共通性について 一部の高級ブランドにおいて、美容・スキンケア用品、被服、ジュエリーなどの商品を取り扱っていたブランドがペット用被服や引きひも等の、各種のペット用品を販売している事実があることは認められる(甲54~甲57)。 しかしながら、本件指定商品と申立人商品について、それぞれを製造、販売する者について、一般には異なっており、その販売経路、販売場所等も異なっているといえる。 また、その需要者においても、申立人の主張する取引の実情を考慮したとしても、高級ブランドのブランドステータスに対する思い入れなどの特殊な事情を有する例はともかく、一般的な商品取引において、本件指定商品と申立人商品との間に密接な関連性があるとはいえない。 また、一部の取引者・需要者を共通とし、関連性がうかがわれる場合があるとしても、両者は本質的に商品の使用目的、使用対象等が全く異なる商品であることから、取引者・需要者をして、商品の出所の混同を生じさせるとは認め難いものである。 4 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用標章の周知著名性について 上記1のとおり、引用標章は、申立人又は申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知性を獲得していたとは認められないものである。 (2)本件商標と引用標章の類似性の程度について 上記2のとおり、本件商標と引用標章は、観念においては比較できないとしても、外観、称呼において類似するものであるから、類似性の程度の高いものである。 (3)本件指定商品と申立人商品の関連性、需要者の共通性について 上記3のとおり、本件指定商品と申立人商品とは、多角経営等の可能性を考慮したとしても、商品の製造・販売が同一事業者によって行われるのが一般的であるという客観的な事実は見いだせず、また、その需要者においても、申立人の主張する取引の実情を考慮したとしても、直ちに密接な関連性を有するものとは認め難いものである。 (4)出所の混同のおそれについて 上記1のとおり、引用標章は、申立人又は申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知性を獲得していたとは認められないものである。 また、上記(3)のとおり、本件指定商品と申立人商品とは、非類似の商品であり、多角経営等の可能性を考慮しても、密接な関連性を有するものであるとは認め難いものである。 そうすると、本件商標と引用標章との類似性の程度が高いとしても、本件商標を本件商標権者がその指定商品について使用した場合に、取引者、需要者が引用標章を連想又は想起することはなく、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 5 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2023-900289

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存