商標異議申立
2023-900275
カンガルービレッジ、カンガルー、ビレッジ
- 審判番号
- 2023-900275
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-022155
- 登録番号
- 6740012
- 請求日
- 2023年12月05日
- 審決日
- 2024年07月09日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】カンガルー ヴィレッジ ピーティーワイ エルティーディー
- 【異議申立人】アスコー・グループ・リミテッド
- 【異議申立人代理人】弁理士法人浅村特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T1652.261-Y (W25) / T1652.262-Y (W25) / T1652.263-Y (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第43条の2第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6740012号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6740012号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6740012号商標(以下「本件商標」という。)は、「Kangaroo Village」の文字を標準文字で表してなり、令和5年3月2日に登録出願、第25類「被服,ズボン,コート,ティーシャツ,オーバーオール,下着,新生児用被服,よだれ掛け又は胸当て(紙製のものを除く。),水泳着,防水加工を施した被服,靴及び運動用特殊靴,運動靴及び運動用特殊靴,帽子,メリヤス下着、メリヤス靴下,手袋(被服),スカーフ,ショール,ガードル,アイマスク,レッグウォーマー」を含む第3類、第5類、第28類、第29類、第30類及び第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和5年8月3日に登録査定され、同年9月27日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する商標は、以下の1ないし3のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第2044612号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
指定商品:第25類「履物」
登録出願日:昭和60年 7月22日
設定登録日:昭和63年 4月26日
書換登録日:平成20年 6月25日
2 登録第4157646号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
登録出願日:平成 7年 7月12日
設定登録日:平成10年 6月19日
3 登録第4378078号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
指定商品:第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
登録出願日:平成 7年 7月12日
設定登録日:平成12年 4月21日
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第25類「全指定商品」(以下「申立に係る商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、商標法第43条の2第1号の規定に該当し、その登録は取り消されるべきである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたこと
申立人は、引用商標の商標権の権利者であり、本件商標「Kangaroo Village」は、引用商標の文字部分「KangaROOS」を、動物のカンガルーを表す英単語の複数形を単数形にした違いを除けば、当該文字を前半部分にそのまま含む商標である。
本件商標は、標準文字で表した「Kangaroo」と、「Village」の文字の間に、1文字分のスペースを設けて、これらの文字を横方向に表してなる商標である。
本件商標は、その構成態様や、「Kangaroo」と「Village」の文字の観念上の関係性を含めて、その構成文字を常に不可分一体のものとして把握すべきものということはできず、また、申立に係る商品の分野においてそのような特段の事情も見出すこともできず、商標構成全体から生じる「カンガルービレッジ」の称呼も、一気一連に称呼するにはやや冗長である。加えて、「○○Village」、「○○ビレッジ」の名称が被服、雑貨等を販売する店舗が集まった商業施設等の名称として普通一般に用いられている実情があり、商品(役務)の提供場所を表す名称としで慣用されているものであって、少なくとも出所識別標識としての商標の要部とはいえず、これらを考慮すると、本件商標に接した需要者・取引者は、「Kangaroo」の文字に基づく印象、記憶、連想により、本件商標から生じる出所識別標識としての称呼、観念として「カンガルー(動物のカンガルー)」を認識するというべきであり、そうすると、本件商標の要部というべき「Kangaroo」の文字と、引用商標の構成文字「KangaROOS」とは、それぞれから生じる「カンガルー」と「カンガルース」という近似した称呼、及び、「動物のカンガルー」という同一の観念を生じ、時と処を異にして離隔的に観察した場合に、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、申立てに係る商品ついて、引用商標との関係で、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたというべきである。
2 商標法第4条第1項第11号に違反を根拠付ける事実等
申立人は、構成文字が「KangaROOS」である引用商標の商標権の権利者であり、本件商標「Kangaroo Village」と、引用商標とは、本件商標の要部である「Kangaroo」から生じる出所識別標識としての称呼「カンガルー」と、引用商標から生じる「カンガルース」の称呼とは、弱音である語尾音の差異しかなく、称呼において相紛らわしく、また、本件商標の要部「Kangaroo」と、引用商標の構成文字「KangaROOS」とは、動物のカンガルーを表す英単語の複数形を単数形にした違いはあっても、これらの文字から生じる観念「カンガルー(動物のカンガルー)」は同一であり、本件商標と引用商標とは、時と処を異にして離隔的に観察した場合に、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
本件商標の申立に係る商品は、引用商標1の指定商品である第25類「履物」、引用商標2の指定商品である第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」、引用商標3の指定商品である第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」と同一又は類似するものである。
そして、「○○Village」、「○○ビレッジ」という名称は、被服、雑貨等を販売する店舗が集まった商業施設等の名称として普通一般に用いられている実情があり、商品(役務)の提供場所を表す名称として慣用されている(甲第1号証ないし甲第6号証)。
以上のとおり、本件商標「Kangaroo Village」の構成文字のうち、「Village」(カタカナ表記「ビレッジ」)の文字は、被服、雑貨等の商品(役務)の提供場所を表す名称として慣用されているものであり、「Vi11age」の文字からは出所識別標識としての称呼・観念は生じないというべきであり、本件商標の要部は「Kangaroo」というべきある。
また、本件商標「Kangaroo Village」を英語から日本語に直訳した場合の参考訳「カンガルー村」は、各語の観念上のつながりがなく、また、「キャンプ村」、「芸術村」(それぞれ「キャンプのための施設」、「芸術活動のための施設」等の観念が生じる。)といったように、文字全体で所定の観念が生じる程度に認識されている語には該当せず、本件商標の構成はそのような文字・語の組合せ方とも異なるというべきあり、観念の観点からも、本件商標は「Kangaroo」と「Village」の文字を不可分一体のものとして認識すべきものということはできないものである。
これらを総合的に勘案した場合、本件商標の構成において、「Kangaroo」と「Village」の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものということはできず、本件商標は、「Kangaroo」の文字部分こそが需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、他方で、商品(役務)の提供場所を示す表示として普通一般に使用され慣用されている「Village」の文字からは、出所識別標識としての称呼、観念が生じないというべきであるから、既に述べたとおり、本件商標の要部である「Kangaroo」と、引用商標の構成文字「KangaROOS」とは、称呼・観念が同一・類似の関係にあり、商標全体としても類似し、かつ、本件商標の申立てに係る商品と引用商標の指定商品とは同一・類似性があることから、本件商標は、引用商標との関係で、商標法第4条第1項第11号に該当するというべきである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「Kangaroo Village」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「Kangaroo」と「Village」との間に1文字分の空白(スペース)があるとしても、いずれも同じ書体、色彩及び大きさをもって表され、視覚上、まとまりある一体的なものとして看取され得る外観を有しているといえる。
また、その構成文字全体から生じる「カンガルービレッジ」の称呼も冗長とはいえず、よどみなく一連に発音し得るものである。
そして、本件商標の構成中、「Kangaroo」の文字が「カンガルー」の意味を、「Village」の文字が「村」などの意味を、それぞれ有する親しまれた英語であることから(出典:「新英和中辞典 第7版」株式会社研究社)、本件商標からは、その構成文字全体から「カンガルー村」ほどの意味合いが理解、認識され得ることを否定できないものである。
そうとすれば、本件商標から「Kangaroo」の文字部分のみを要部として抽出し、それを引用商標と比較して、商標そのものの類否を判断することは許されないというべきであって、本件商標からは、その構成文字全体に相応する「カンガルービレッジ」の称呼のみが生じ、また、「カンガルー村」ほどの観念が生じ得るというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標1及び引用商標2は、別掲1及び別掲2のとおり、「KangaROOS」の文字を横書きした構成からなるものであり、また、引用商標3は、別掲3のとおり、カンガルーを表したと考えられる図形の下に「KangaROOS」の文字を横書きしてなるものである。
そして、「KangaROOS」の文字は、「Kanga」と「ROOS」の文字よりなると容易に看取されるものであるが、その綴り字からして、「カンガルー」を意味する「Kangaroo」の語に複数形を表す「s」の文字を付したものとして認識される場合も決して少なくないというのが相当である。
そうすると、引用商標からは、その構成文字である「KangaROOS」の文字に相応する「カンガルース」の称呼が生じ、また、「カンガルー」ほどの観念が生じるといえる。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とを比較するに、外観においては、これらは文字数や「Village」の文字の有無などが相違し、それぞれ別異の語を表しているものと容易に理解できるものであるから、明確に区別できるものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる「カンガルービレッジ」の称呼と引用商標から生じる「カンガルース」の称呼とは、語頭の「カンガルー」5音を共通にするものの、それに続く音及び音数が異なり、語調、語感が明らかに異なるものであるから、明瞭に聴別できるものである。
そして、観念においては、本件商標から生じる「カンガルー村」ほどの観念と、引用商標から生じる「カンガルー」の観念とは、「村」の意味合いの有無において差異があり、十分に区別できるものといえる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観において明確に区別でき、称呼においても明確に聴別できるものであり、観念においても十分に区別できるものであるから、これらを総合的に判断すれば、これらの商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)小括
したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、引用商標と類似するとはいえないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 申立人の主張について
申立人は、本件商標の構成中「Village」の文字やこれに通じる「ビレッジ」の文字は、被服、雑貨等を販売する店舗が集まった商業施設等の名称として普通一般に用いられている実情があり、商品(役務)の提供場所を表す名称として慣用されているものであって、これよりは出所識別標識としての称呼・観念は生じないというべきであり、本件商標の要部は「Kangaroo」の文字部分であるというべきある旨主張し、その証拠として甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。
しかしながら、申立人の提出した証拠からは、他の文字(○○)と「Village」の文字又は「ビレッジ(ヴィレッジ)」の文字を組み合わせた、「○○Village」又は「○○ビレッジ(ヴィレッジ)」の文字からなる表示が、商業施設等の名称としてしばしば採択され、使用されていることは理解できるものの、挙げられている使用事例は、いずれも当該商業施設等の一連の名称として認識し得るものであって、その名称のうち「○○」の文字部分のみが独立して出所識別標識として認識されていることを示しているものとはいえない。また、職権をもって調査するも、「Village」の文字が、申立に係る商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有しないとか、同機能が極めて弱いものであるというべき事実を発見することはできなかった。
そうとすると、本件商標は、上記1(1)のとおり、その構成態様などからすれば、それに接する取引者、需要者において、一連一体のものとしてのみ認識、把握されるというのが相当である。
したがって、申立人の当該主張は、採用することができない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の申立に係る商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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