商標異議申立
2023-900248
デイブイダブリュウ、ブイダブリュウデイ、ブイダブリュウ
- 審判番号
- 2023-900248
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-024885
- 登録番号
- 6731590
- 請求日
- 2023年11月06日
- 審決日
- 2024年08月19日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】三協立山株式会社
- 【異議申立人】フオルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシヤフト
- 【異議申立人代理人】江崎 光史
- 【異議申立人代理人】佐久間 洋子
- 【異議申立人代理人】田崎 恵美子
- 【異議申立人代理人】高橋 正宏
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T1651.4 -Y (W0619)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法8条1項商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第8条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6731590号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6731590号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6731590号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和5年3月9日に登録出願、第6類及び第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年8月18日に登録査定、同月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1555245号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、第4類ないし第12類、第14類、第16類、第18類、第20類ないし第22類、第24類ないし第28類、第30類、第34類ないし第39類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2019年(令和元年)8月16日にドイツにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2020年(令和2年)2月12日に国際商標登録出願されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の登録は、商標法第8条第1項の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。
(1)商標法第8条第1項違反について
ア 本件商標について
本件商標は、横書きの「VW」の欧文字とその周囲半分以上を取り囲む図形から構成されている。「V」と「W」を取り巻く図形は、「V」の右上の先端より始まり、時計回りに弧を描いてから、「V」と「W」のそれぞれの下側鋭角に折り返す点に接し、「V」の折り返し点を越えた後に右肩上がりに折れ上がり、「V」の左側に傾斜する辺に接して終わっている。J-PlatPatでは、この図形を「D」の欧文字とみなしているが、「D」であるならば、終点は「V」の折り返し点と接したところとなるべきであるから、文字ではなく図形とみるのが自然である。
イ 引用商標について
引用商標は、「VW」の欧文字が円の中に縦書きされた構成となっている。「V」と「W」の間には明確なスペースが設けられていること、「W」の下部が円周から浮いていることから、需要者は、引用商標が幾何学的図形ではなく、「V」と「W」の文字が縦書きされていることを容易に理解、認識し、引用商標の欧文字から「ブイダブリュウ」の称呼が生じる。
申立人が製造・販売する自動車(以下「申立人商品」という場合がある。)は、初めは「VW十タイプ番号」、その後、長らく「VW十名称」を車種名としており(甲3)、我が国でも同じ車種名で販売されていた(甲4)。全ての申立人が製造・販売する自動車には、時代により変遷があるとはいえ、丸の中に「VW」の文字を配している点で共通しているロゴが目に付くところに配されている(甲3、甲4、甲11)。
我が国において、申立人の自動車が多くの需要者に愛され人気となった結果(甲19)、「VW」の語は、申立人の欧文社名Volkswagen Aktiengesellschaftの略称であり(甲5~甲18)、「丸の中にVWの文字」はそのハウスマークとして我が国でもよく知られることとなり、現在に至っている(甲10、甲11、甲15)。
よって、引用商標は、申立人が現在使用しているロゴ(甲20)であって、引用商標からは「ドイツの自動車製造・販売メーカーであるフォルクスワーゲン社」の観念が生じる。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標を比較すると、横書きと縦書きの違いはあるものの、どちらも「VW」の文字が図形に囲まれている構成である点が共通している。
文字の周囲を図形で囲んで商標を構成するということは一般によく見られるものであるところ、両商標の図形からは特段の称呼は生じない。
よって、本件商標と引用商標は、外見においては類似し、称呼において同一であり、観念においては比較することができないから、総合すると、両商標は、類似する商標である。
エ 本件商標と引用商標の指定商品の類否について
本件商標の指定商品中、第9類の「全指定商品」、第19類の「建造物組立てセット(金属製のものを除く。),建具(金属製のものを除く。)」は、引用商標の指定商品と同一又は類似する(甲1、甲2)。
オ 本件商標と引用商標の出願日について
本件商標の登録出願日は令和5年3月9日であるところ、引用商標は2020年(令和2年)2月12日に国際商標登録出願されているから、本件商標は、引用商標の後願である。
(2)まとめ
上記したように、本件商標と引用商標は類似する商標であり、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似しており、かつ、本件商標は引用商標より後に出願されたものである。
よって、本件商標は商標法第8条第1項に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第8条第1項違反について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、その構成中には、「V」と「W」をモチーフしたモノグラムが配置されているとしても、その全体の構成からは、何を表したものか認識できないほど、図形化がなされ、一種の幾何図形を表したものと看取されるというべきである。
そうすると、本件商標からは、特定の称呼及び観念を生じるとはいえないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、円輪郭線内にV字状の線を上部に配し、その下にW字状の線が配された図形からなるところ、これは、全体がまとまりよく一体的に構成されており、円と鋭角に折れ曲がった直線から構成された一種の幾何図形を表したものとして認識し把握されるというべきであるから、当該図形からは、特定の称呼を生じないものである。
そして、引用商標は、申立人の主張及び提出に係る証拠からすると、本件商標の登録出願時前ないし登録査定時において、申立人商品を表示する申立人のハウスマークとして需要者の間に広く認識されている商標であるといえることから、「申立人のハウスマーク」の観念を生じるものである。
そうすると、引用商標は、上記のとおり、特定の称呼を生じず、「申立人のハウスマーク」としての観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、両者は、上記ア及びイのとおり、共に一種の幾何図形からなる商標であるとしても、外観において明らかに異なり、外観上、相紛れるおそれはないものである。
また、称呼においては、本件商標及び引用商標からは、特定の称呼が生じないから、称呼上比較することはできない。
さらに、観念においては、本件商標は、特定の観念は生じないものであり、引用商標からは、「申立人のハウスマーク」の観念が生じるから、観念上、相紛れるおそれはないものである。
以上からすると、本件商標と引用商標とは、外観において明らかに異なり、観念において相紛れるおそれはなく、称呼において比較することができないものであるから、互いに相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
エ 小括
したがって、本件商標と引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものではない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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