商標異議申立
2023-900244
ジェイピイエイツーミルク、ジェイピイエイニミルク、ジェイピイエイツー、ジェイピイエイニ、ジェイピイエイ
- 審判番号
- 2023-900244
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-019954
- 登録番号
- 6729221
- 請求日
- 2023年10月30日
- 審決日
- 2024年07月03日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ファーマーズホールディングス株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人前田特許事務所
- 【異議申立人】ザ エイツー ミルク カンパニー リミテッド
- 【異議申立人代理人】田中 克郎
- 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
- 【異議申立人代理人】廣中 健
- 【異議申立人代理人】太田 雅苗子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T1651.261-Y (W052930) / T1651.262-Y (W052930) / T1651.263-Y (W052930)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6729221号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6729221号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6729221号商標(以下「本件商標」という。)は、「JPA2milk」の文字を標準文字で表してなり、令和5年2月27日に登録出願、第5類「栄養補助食品,プロテインを主原料とする栄養補助食品」、第29類「牛乳,バター,チーズ,ヨーグルト」及び第30類「アイスクリーム,シュークリーム」を指定商品とし、同年8月4日に登録査定、同月23日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第6044548号商標(以下「引用商標」という。)は、「a2 MILK」の文字を標準文字で表してなり、平成29年9月5日に登録出願、第5類「乳児用食品,乳児用牛乳及び乳児用粉ミルク,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,栄養補助食品,プロテインを主原料とする栄養補助食品」及び第29類「粉乳,牛乳,クリーム,バター,チーズ,ヨーグルト,乳飲料」を指定商品として、同30年5月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
ア 本件商標
本件商標は、「JPA2milk」の欧文字及び数字を横書きに標準文字で表し、これより、その全体の構成文字に相応して、「ジェイピーエイツーミルク」の称呼が生じる。
また、本件商標の構成中の「JP」の文字は、日本の欧文略称(甲3)を表す欧文字2字からなるため、単に日本において製造・販売等されている商品であることを認識させるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱い部分と認められる。
したがって、本件商標においては、構成中の「A2milk」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を有するものであり、当該文字部分が要部として抽出されるため、本件商標からは、構成全体から生じる「ジェイピーエイツーミルク」の称呼の他に、要部の「A2milk」の文字部分に相応して、「エイツーミルク」の称呼も生じ得る。また、本件商標は、造語商標のため、これより特定の観念は生じない。
イ 引用商標
引用商標は、「a2 MILK」の欧文字及び数字を横書きに標準文字で書し、その構成文字に相応して、「エイツーミルク」の称呼を生じるが、造語商標のため、これより特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の類否
(ア)本件について、最高裁判決(甲4~甲6)からみると、本件商標のうち、語頭の「JP」の部分は、上記のとおり、それ自体自他商品識別力がないか、あるいは弱い一般的な文字であり、当該部分から出所識別標識としての称呼、観念は生じないというべきである。したがって、本件商標と引用商標との類否判断において、出所識別標識としての称呼、観念を生じない語頭の「JP」部分を捨象して、本件商標の構成部分の一部である「A2milk」の文字部分を本件商標の要部として抽出し、引用商標と比較することは許されるというべきである。
(イ)外観について、本件商標と引用商標は、それぞれ上記のとおりの構成からなるところ、語頭における「JP」の有無が異なるため、両商標の全体の外観は異なるものの、本件商標の要部である「A2milk」の文字と、引用商標の「a2 MILK」は、いずれもその綴りを同じくするものであるから、外観において近似する印象を与える。
また、称呼について、本件商標からは、全体から「ジェイピーエイツーミルク」の称呼が生じる他に、要部である「A2milk」の文字部分から「エイツーミルク」の称呼も生じる。一方、引用商標からは、その構成文字に応じて「エイツーミルク」の称呼が生じるため、本件商標と引用商標は、「エイツーミルク」の称呼を同一にするものである。
そして、観念について、本件商標と引用商標とは、いずれも造語商標のため、特定の観念は生じない。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼を同一にし、外観上近似する印象を与えるものであるから、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(ウ)本件商標と引用商標のように、「JP」の文字の有無のみに差異を有する2つの商標が、相互に類似する商標であると判断された特許庁における審査例が存在する(甲7~甲12)。
(エ)本件商標の指定商品のうち、第5類「栄養補助食品,プロテインを主原料とする栄養補助食品」、第29類「牛乳,バター,チーズ,ヨーグルト」は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(2)むすび
上述したとおり、本件商標は、引用商標と類似のものであり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「JPA2milk」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、「JPA」の大文字、「2」の数字、そして「milk」の小文字を文字間にスペースを有することなく、全体をまとまりよく一体的に表してなるから、その構成文字に相応して、「ジェイピイエイツーミルク」又は「ジェイピイエイニミルク」の称呼を生じるというべきであり、当該文字は、辞書等に掲載のある語ではなく、特定の意味合いを想起させるものではないことから、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるものである。
イ 引用商標
引用商標は、「a2 MILK」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して、「エイツーミルク」又は「エイニミルク」の称呼を生じるというべきであり、当該文字は、辞書等に掲載のある語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているともいい難いことから、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるものである。
ウ 本願商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者はそれぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、外観においては、後半部分における「2milk」と「2 MILK」の文字において綴りを同じくするとしても、語頭部分における「JPA」と「a」の文字において差異を有し、かつ、文字間にスペースなく表されている本件商標に対し、「a2」と「MILK」の文字の間に一文字程度のスペースがある引用商標とは、全体の文字数及びその態様の相違から両者の外観全体から受ける視覚的印象に与える影響は大きく、両者を離隔的に観察しても、外観上、判然と区別し得るものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる「ジェイピイエイツーミルク」又は「ジェイピイエイニミルク」と引用商標から生じる「エイツーミルク」又は「エイニミルク」の称呼とは、前半部分において「ジェイピイ」の音の差異を有し、明らかな音数の相違によりその差異音が称呼全体に与える影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても語調語感が異なり、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、両商標はともに特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において判然と区別し得るものであり、称呼においても明瞭に聴別し得るものであるから、両者の外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきである。
その他、両商標が類似するというべき事情は見いだせない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)申立人の主張について
申立人は、本件商標中、語頭の「JP」の部分は、日本の欧文略称を表す字であることから、それ自体自他商品識別力がないか、あるいは識別力が弱い一般的な文字であり、本件商標と引用商標との類否判断において、出所識別標識としての称呼、観念を生じない語頭の「JP」部分を捨象して、本件商標の構成部分の一部である「A2milk」の文字部分を本件商標の要部として抽出し、引用商標と比較することは許される旨、また、特許庁における審査例を提示し、本件商標は取り消されるべき旨主張している。
しかしながら、上記(1)アのとおり、全体をまとまりよく一体的に表してなる本件商標の構成においては、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中「JP」の文字を捨象し、「A2milk」の文字部分のみに着目して取引に当たるというよりは、むしろ本件商標の構成文字全体をもって取引に資されるというのが相当である。
また、申立人の主張を裏付ける証拠が何ら提出されていないことからすれば、本件商標の構成中「JP」の文字が、自他商品の識別機能を有しないとか、当該機能が弱いものとはいえない。
さらに、申立人が示す審査例は、文字間のスペースの有無や大文字、小文字の差異によって「JP」の文字が顕著に視認されるもの又は「JP」の文字が語尾に位置するものであり、本件商標とは事案を異にするというべきであるから、申立人の前記主張は採用することはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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