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商標異議申立

2023-900243

オーサカフリーウオーキングツアー、オーサカフリーウオーキング、フリーウオーキングツアー、フリーウオーキング

審判番号
2023-900243
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-024480
登録番号
6731582
請求日
2023年10月30日
審決日
2024年12月17日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】スクルディツキ 悠吏
  • 【権利者代理人】弁理士法人いしい特許事務所
  • 【異議申立人】宮本 大
  • 【異議申立人代理人】西村 知浩
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 豊瀬 京太郎
  • 審判官 小俣 克巳
分類
T1651.13 -ZC (W3941) / T1651.16 -ZC (W3941) / T1651.261-ZC (W3941) / T1651.262-ZC (W3941) / T1651.263-ZC (W3941) / T1651.272-ZC (W3941)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第11号、商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第16号、商標法第3条第1項、商標法第1条、商標法第43条の3第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6731582号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6731582号商標の指定役務中、第39類「全指定役務」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6731582号商標(以下「本件商標」という。)は、「Osaka Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなり、令和5年3月8日に登録出願、第39類及び第41類に属する別掲のとおりの役務を指定役務として、同年8月23日に登録査定、同月30日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は、申立ての理由中、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第6050329号商標(以下「引用商標」という。)は、「Tokyo Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなり、平成29年9月28日に登録出願、第39類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同30年6月8日に設定登録され、現に有効に存続するものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号、同法第4条第1項第11号及び同項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項によって、取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。 1 商標法第3条第1項3号が適用されるべき点について 申立人は、訪日観光客向けの街歩きツアーの企画及び運営を京都及び大阪等の地域で行う者である。申立人が自身のウェブサイト等で大阪における訪日観光客向けの街歩きツアーとして「Osaka Free Walking Tour」の文字を使用していたところ、甲第3号証で示すように、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)から、商標権侵害を理由に、該文字の削除を強要され、当該文字を削除した経緯がある。 申立人の営業妨害に至る事態を憂慮し、当該異議申立てを行った次第である。 申立人は、本件商標権者の信用にフリーライドする意図も一切なく、単に、大阪における訪日観光客向けの街歩きツアーを「Osaka Free Walking Tour」という記述的な表現で使用していたにすぎないものであり、むしろ該文字について、大阪における訪日観光客向けの街歩きツアーと認識されているにとどまるものであった。 そもそも、本件商標は、役務の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものである。事実として、本件商標は、需要者及び取引者にとって本件商標権者の自他役務の識別標識として認識されておらず、特定人の役務を識別する商標として機能し得ないものであるから、一私人に独占されるべき商標でもない。 さらに、本件商標の「Osaka Free Walking Tour」に対して登録が認められるなら、日本全国のあらゆる土地で「フリーウォーキングツアー(Free Walking Tour)」を企画及び実施する場合、全ての地名(例えば、金沢、神戸、沖縄、北海道などの観光地)を含めて商標登録を取得することを余儀なくされ、商標取得に対する合理性及び妥当性に甚だ欠けるものとなる。 加えて、本件商標が登録されることにより、本件商標の指定役務に関する事業を行う事業者の活動を不当に妨害する結果になり、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。」という商標法第1条の法目的にもそむく結果になることは明らかである。 なお、このように解釈しても、GEORGIA事件最高裁判決(最判昭和61年1月23日)の規範とも抵触しない。 本件商標は、「大阪」を意味する「Osaka」と、「フリーウォーキングツアー((主要な観光地を)現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアーと認識されている)」を意味する「Free Walking Tour」とが結合した「Osaka Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなるから、構成全体として、「大阪を現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアー」ほどの意味合いを認識させるものである。 「Free Walking Tour(フリーウォーキングツアー)」は、甲第4号証ないし甲第12号証の事実から、少なくとも取引者又は需要者にとって、「(主要な観光地を)現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアー」ほどの意味合いで使用されている事実があり、当該意味合いで認識されているものといえる。また、主要な観光地を特定するために、甲第13号証ないし甲第15号証の事実等からツアーが行われる地名を接頭語として使用することが明白であるから、本件商標「Osaka Free Walking Tour」が「大阪を現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアー」の意味合いに認識されていることは容易に理解できる。 そうすると、本件商標の指定役務との関係でみると、第39類の指定役務については、少なくとも取引者又は需要者にとって、「大阪を現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアー」に関する「企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」であると認識されることは明白である。 また、第41類の指定役務についても、同様にして、「大阪を現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアー」に関する役務として、取引者又は需要者に認識されるものである。 以上から、本件商標は、単に、役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法等を普通に用いられる方法で表示したものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識とは認識しないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、取り消されるべきである。 2 商標法第4条第1項第16号が適用されるべき点について 本件商標の指定役務について、「大阪」以外の地域・土地を現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアーに使用されるときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当し、取り消されるべきである。 なお、本件商標中に、本件商標権者の役務を表すものとして需要者に広く認識されており、かつ需要者が役務の質を誤認するおそれがないと認められる事実もないことから、本件商標が商標法第4条第1項第16号に該当することは免れない。 3 商標法第3条第1項6号が適用されるべき点について 本件商標が、仮に商標法第3条第1項第3号に該当するものではないとしても、上述したとおり、本件商標は一般に使用される標章であって、識別力がないと認められるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。 本件商標は、「Osaka Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中、「Osaka」の文字は「大阪」の意味を有する語であり、「Free Walking」の文字は、「(主要な観光地を)現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアー」ほどの意味合いを有する語として使用されている。 そうすると、本件商標を指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「大阪を現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアー」であるといった役務の説明、特性、さらには役務の質、特徴を簡潔に表すものと理解し、認識するにとどまるとみるのが相当であり、特定人の自他役務の識別標識として機能を果たし得ない。 したがって、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標に該当するため、商標法第3条第1項第6号に該当する。 4 商標法第4条第1項第11号が適用されるべき点について 本件商標は、「大阪」を意味する「Osaka」と、「フリーウォーキングツアー((主要な観光地を)現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアーと認識されている)」を意味する「Free Walking Tour」とが結合した「Osaka Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなる。 本件商標の構成中の「Osaka」の部分は、地域・地名である「大阪」を欧文字で表したものと容易に理解されるものであり、役務の提供においては、その提供場所や提供者の所在地等を表示するために広く使用されているものであって、自他役務の識別標識としての機能がないか、極めて弱いものといわざるを得ないものであるから、本件商標は、「Free Walking Tour」の文字部分が独立して自他役務の出所識別標識として機能し得るものである。 他方、引用商標(甲2)は、「Tokyo Free Walking Tour」であるところ、同様に解釈して、その構成中の「Tokyo」の部分は、地域・地名である「東京」を欧文字で表したものと容易に理解されるものであり、役務の提供においては、その提供場所や提供者の所在地等を表示するために広く使用されているものであって、自他役務の識別標識としての機能がないか、極めて弱いものといわざるを得ないものであるから、引用商標は、「Free Walking Tour」の文字部分が独立して自他役務の出所識別標識として機能し得るものである。 そうすると、本件商標と引用商標は、各々の構成中の「Free Walking Tour」を共通にして要部として備え、その文字に相応して、「フリーウォーキングツアー」の称呼及び「(主要な観光地を)現地ガイドと一緒に徒歩で巡る(無料の)ツアー」程の観念を生じるものである。 なお、両者の商標全体として比較しても、要部以外の構成要素である外観上の相違(「Osaka」と「Tokyo」)について、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえず、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、両商標は、相紛らわしい商標であり、互いに類似するというべきである。 また、本件商標と引用商標は、その指定役務も共通しており、同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ引用商標に係る指定役務と同一又は類似する役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 5 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号、同法第4条第1項第16号及び同第11号に該当する。 第4 当審における取消理由 当審において、本件商標権者に対して、「本件商標は、その指定役務中、第39類「企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」(以下「第39類「全指定役務」」という。)について、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨の取消理由を令和6年5月13日付けで通知した。 第5 本件商標権者の意見 上記第4の取消理由の通知に対し、本件商標権者は、令和6年6月21日付け意見書(以下「意見書」という。)において、要旨以下のように述べるとともに、乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。 1 本件商標が登録されるべき理由 本件商標は、「Osaka Free Walking Tour」の欧文字を一連に横書きにしてなるものであるところ、その構成文字は標準文字であって、当然ながらいずれも同じ書体、同じ大きさであり、外観上まとまりよく一体的に表されている。 本件商標の構成全体から生ずる称呼は「オオサカフリーウォーキングツアー」であり、若干冗長ではあるものの、一連に称呼できるものである。 そして、「Osaka Free Walking Tour」の語自体は、広辞苑や英和辞典などに掲載されるような既成の英語(一般的な用語)ではなく、本件商標権者が考え出した造語である。 合議体は、本件商標の構成中「Osaka」の文字が「大阪」の、「Free」の文字が「自由な、無料の」の、「Walking」の文字が「歩くこと、ウォーキング」の、「Tour」の文字が「旅行、ツアー」の意味を有するものとして、いずれも我が国で親しまれた英語であり、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第9号証、甲第11号証、甲第12号証、甲第14号証及び甲第15号証を考慮すれば、本件商標は、登録査定時において「大阪における無料のウォーキングツアー」の意味を容易に認識させるものであると判断した。 しかし、本件商標「Osaka Free Walking Tour」は、本件商標権者が考え出した一連一体の造語であり、本件商標の指定役務(第39類)との関係において、一般的に通用し確立された意味を持つ言葉となったものではない。 なぜなら、本件商標は、記述的・説明的な使い方としてみれば英語の文法上正確な表記ではないからである。合議体の認定した意味どおりにするのであれば、「Free Walking Tour in Osaka」や「Free Walking Tour of Osaka」と表記するのが英語の一般的な文法表現として適切である。 乙第1号証に示すレアジョブ英会話EnglishLabのウェブサイトによると、各語の頭文字を大文字にするルールとして、他のものと区別するために決まっている固有名詞が挙げられており、固有名詞になるものの例として「商標・ブランド」が記載されている。 本件商標に接する取引者・需要者というのは、海外から日本に観光等で訪れる外国人が主になる。そこで、本件商標権者は、本件商標の主たる取引者・需要者である外国人に「商標・ブランド」として確実に認知されることを狙い、各単語の頭文字を大文字にした本件商標「Osaka Free Walking Tour」を案出した。世界の共通語といえる英語を用いる人、少なくとも英語圏の人であれば、「Osaka Free Walking Tour」の標識を見たとき、これが固有名詞(商標・ブランド)であることはひと目で理解できる。つまり、本件商標は、役務の質(内容)を直接的、具体的に表示するものではなく、英語のルールに基づき各単語の頭文字を大文字にしたことで固有名詞(商標・ブランド)であると確実に認知されるものである。 また、合議体は、取消理由通知の理由において、「本件商標の構成文字「Osaka Free Walking Tour」は、・・・・・・全体として、「大阪における自由に歩くツアー(旅行)」及び「大阪における無料のウォーキングツアー(歩く旅行)」の意味を容易に認識させるものです。」と述べている。 すなわち、本件商標の構成文字は、合議体が指摘するとおり、複数の意味合いを有するものである。この点、合議体は、申立人提出の甲第4号証ないし甲第7号証、甲第9号証、甲第11号証、甲第12号証、甲第14号証及び甲第15号証並びに同人の主張に鑑みて、「「Free Walking Tour」等の文字が「(当該地における)無料のウォーキングツアー」を意味する語として用いられていることが認められる。」と認定した上で、本件商標は、登録査定時において「大阪における無料のウォーキングツアー」の意味を容易に認識させるとしている。 しかし、以下に説明するとおり、甲第4号証ないし甲第7号証、甲第9号証、甲第11号証、甲第12号証、甲第14号証及び甲第15号証はいずれも、本件商標の出所表示機能性の有無を判断する資料としての適格性に欠けている。 すなわち、甲第5号証のウェブサイトは、ツアーガイドであるジェルビー氏によるフリーウォーキングツアー世界的大手のSANDEMANsの紹介であり、当該サイトではプラハでのツアーをメインに紹介されている。当該サイトの言語表示は日本語であることから、本件商標の主たる取引者・需要者である「外国人」を受け手の対象としたものでないことが分かる。 甲第6号証のウェブサイトは、プラハエアポートトランスファー社の自社事業紹介サイトである。こちらの英語表記サイトを確認すると、「Prague Free Walking Tour」の文字だけでなく、「free Prague walking tour」の文字も見て取れる。つまり、「Free Walking Tour」の用語が画一的に使用されている訳ではないことが分かる(乙2、乙3)。また、自社事業の紹介として「Prague Free Walking Tour」や「free Prague walking tour」を使用していることから、これらは商標的使用がなされているものと思料する。 甲第7号証のウェブサイトには、旅行のクチコミと比較サイトである4travel.jp内でのhanamaro氏によるアムステルダム旅行のブログ記事が掲載されている。hanamaro氏の職業は不明ですが、旅行者としてブログ記事を掲載したものと解される。当該サイトの言語表示は日本語であることから、本件商標の主たる取引者・需要者である「外国人」を受け手の対象としたものでないことは明らかである。 甲第9号証のウェブサイトは、ご主人の海外転勤に伴いフランクフルト在住のはりぃ氏によるワルシャワ旧市街でのフリーウォーキングツアー参加のブログ記事が掲載されている。はりぃ氏は「駐在妻」という記載から、本件商標に接する取引者・需要者ではないと解される。また、当該サイトの言語表示は日本語であることから、本件商標の主たる取引者・需要者である「外国人」を受け手の対象としたものでないことは明白である。 甲第11号証のウェブサイトには、CAHAYA氏によるブラジルセントロでのフリーウォーキングツアー参加のブログ記事が掲載されている。CAHAYA氏の職業は不明であるが、旅行者としてブログ記事を掲載したものと解される。また、当該サイトの言語表示は日本語であることから、本件商標の主たる取引者・需要者である「外国人」を受け手の対象としたものではない。 甲第12号証のウェブサイトには、Sui氏によるサラエボでのフリーウォーキングツアー参加のブログ記事が掲載されている。Sui氏の職業は不明であるが、旅行者としてブログ記事を掲載したものと解される。また、当該サイトの言語表示は日本語であることから、本件商標の主たる取引者・需要者である「外国人」を受け手の対象としたものではない。 甲第14号証のウェブサイトは、一般社団法人千代田区観光協会による観光ガイドを紹介するサイトである。当該サイトの言語表示は日本語であることから、本件商標の主たる取引者・需要者である「外国人」を受け手の対象としたものでないことが分かる。 甲第15号証のウェブサイトは、ボランティアグループであるTokyo Free Walking Tour(TFWT)による自分たちの事業紹介サイトである自分たちの事業紹介として「Tokyo Free Walking Tour」を使用しており、これらは商標的使用がなされているものと思料する。そして、「Tokyo Free Walking Tour」商標については、適切に商標登録がなされている(登録第6050329号、登録第6050330号)。 なお、甲第4号証のウェブサイトは、令和6年6月7日時点においてサービス終了で確認不能なため(乙4)、甲4号証に対する反駁は割愛する。 以上をまとめると、以下の(1)及び(2)の内容に集約される。 (1)甲第5号証、甲第7号証、甲第9号証、甲第11号証、甲第12号証及び甲第14号は、発信先や受け手の対象が本件指定役務(第39類)の取引者・需要者に該当しないため、一般的通用性の程度の認定をする以前に、本件商標の出所表示機能性の有無を判断する資料として不的確である。 (2)甲第6号証及び甲第15号証は、商標的使用がなされていると解され、これらを出所示機能性なしの判断資料として採用できない。 上記2点は、乙第5号証として挙げた「工藤莞司(2012)インターネット時代と商標使用等‐裁判例にみるインターネットと商標を巡る事件‐特技懇no.267 26‐32」の第31ページの内容に沿ったものである。 そうすると、本件商標の指定役務(第39類)の取引者・需要者間において、「Free Walking Tour」等の文字が「(当該地における)無料のウォーキングツアー」を意味する一般用語として認識している事情は見当たらない。そして、本件商標の構成文字は、「大阪における自由に歩くツアー(旅行)」や「大阪における無料のウォーキングツアー(歩く旅行)」等、複数の意味合いをイメージさせ一義的な意味合いだけの表記ではない。 その上、甲第6号証及び甲第15号証は、本件商標が商標的使用であることを示す証左たり得るものと思料する。 本件商標権者は、登録商標「Kyoto Free Walking Tour」に係るサービスを平成27年(2015年)から継続して提供しており(乙6)、これに続き、本件商標の指定役務(第39類)に係るサーピスを平成29年(2017年)から開始した(乙7)。インターネット検索で「Osaka Free Walking Tour」と検索すると、本件商標権者の運営するウェブサイト、Facebook(登録商標)、Instagram(登録商標)が表示される。「Osaka Free Walking Tour」の文言を本件商標権者の関連サイト以外では特に見つけられない。 つまり、「Osaka Free Walking Tour」の文言が「大阪における無料のウォーキングツアー」を表す役務の質(内容)表示として普通に用いられている事実はなく、ましてやそのような意味として、広く一般に親しまれている事実はないのである。 したがって、本件商標は、一般的な用語ではなく本件商標権者が考え出した造語であることに加えて、合議体が指摘するとおり、複数の意味合いをも想起させるから、「Osaka Free Walking Tour」の文言に関して、「大阪における無料のウォーキングツアー」の意味合いを直接的、具体的に表す語として一般的に理解され確立されてはいない。かかる事実に鑑みると、本件商標が役務の質(内容)を一義的に表示するものでないことは明白である。 仮に、本件商標から「大阪における無料のウォーキングツアー」の意味合いを取り得たとしても、それは極めて漠然として抽象的に想起するにすぎないものと解される。このため、本件商標がただちに本件商標の指定役務(第39類)を一義的に表示するものとはいえず、間接的表現に留まらざるを得ないものと思料する。 また、乙第8号証に示すように、本件商標権者のサービスは、世界最大の旅行プラットフォーム「Tripadvisor」にて、「Top Activities and Tours in Japan 2020 by International Travelers」にも選ばれていて、大変人気のツアーとして評価されている。 前述したとおり、本件商標の使用が本件商標権者以外には見当たらないこと、及び世界的な旅行プラットフォームで評価されていることに鑑みると、本件商標の登録が取り消された場合には、本件商標権者の事業努力によって平成29年(2017年)から継続して積み上げ獲得してきた本件商標に係る業務上の信用を毀損し、出所の混同を生ぜしめて需要者の利益を害することになり、商標制度の趣旨を没却させることになりかねないと思料する。 したがって、本件商標は、その指定役務中、第39類「全指定役務」について、役務の質(内容)を表示するものでないことは明らかであって、十分に自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、商標法第3条第1項第3号に該当するものでないと思料する。 なお、合議体の判断基準に照らして指定役務との関係で識別力が認められなさそうな下記の商標が本願の指定役務の類で登録済であるという事例も存在する。この点に鑑みると、特許庁において、本件商標権者の述べたところと同様の判断がなされていることの証左であると思料する。 登録6050329号「Tokyo Free Walking Tour」(第39類、第41類) 登録6672966号「japan free walking tour」(第39類、第41類) これらの登録例の存在から見て、商標法第3条第1項第3号を理由として本件商標を拒絶するのは過去の事例に相反しており、審査・審理の画一性、平等性に欠けてしまうものと思料する。 上記各商標が登録されている事実に鑑みましても、本件商標は、既存の前記登録商標等と同様に自他役務識別力を有しており、十分に登録適格性を有しているものと思料する。 2 申立人との関係について 本章の記載は、本件商標が登録維持されるべき理由と直接的に関連するものではない。 しかし、異議申立書において、本件商標権者を一方的に悪者扱いし申立人に都合のよい主張がされている。そこで、本件商標権者の名誉のため、ここにこれまでの経緯を付言するものである。 乙第6号証及び乙第7号証に明示し、上記1(4)に記載したとおり、本件商標権者は、登録商標「Kyoto Free Walking Tour」に係るサービスを平成27年(2015年)から継続して提供しており、これに続き、本件商標の指定役務(第39類)に係るサービスを平成29年(2017年)から開始した。本件商標は、令和5年(2023年)3月8日に登録出願され、拒絶理由通知を受けることなく、令和5年(2023年)8月30日に商標登録された。 一方、申立人は、日本における訪日観光客向けの街歩きツアーの事業を行っており、Facebook(登録商標)の最初の投稿から見ると、平成29年(2017年)5月26日には街歩きツアーの事業を開始していたものと解される(乙9)。そして、異議申立書に記載のとおり、申立人は以前、大阪における訪日観光客向けの街歩きツアーとして本件商標を自身のウェブサイト等で使用していた。 本件商標には、平成29年(2017年)からの継続使用にて、本件商標権者による人気ツアーとして業務上の信用が化体しているところ、申立人による本件商標の使用を黙認することは、出所の混同を生ぜしめて需要者の利益を害することになる。 そこで、本件商標権者は、本件の商標登録が有効に成立してから、申立人に対して、本件商標権の存在及び本件商標の使用を控えてほしい旨を電話(口頭)にて連絡した。本件商標権者にことを荒立てる意図はなく、円満解決を図る目的で申立人に連絡したのであるが、申立人からはきわめて残念な対応をされてしまった。申立人から受けたきわめて残念な対応に鑑み、本件商標権者は、当事者同士では解決できなさそうだとの判断に至った。とはいえ、申立人による本件商標の使用を黙認したままにはできない。 よって、令和5年(2023年)9月21日付で甲第3号証の通告書を、申立人に代理人経由で送付したという次第である。 当該通告書に対して、本件商標権者は、申立人から代理人を介して令和5年(2023年)10月3日付回答書(乙10)を頂き、申立人ウェブサイト及びSNS内において本件商標の使用を中止し削除することに応じて頂き、実際に削除され、また、申立人ウェブサイト及びSNS内において本件商標が本件商標権者の登録商標である旨を記載することについては「応じる義務はない」と回答されていたが、この点については双方の代理人同士で電話協議し、「当該記載まで要請しない」という本件商標権者が譲歩する形で交渉成立した。 上記のとおり交渉成立し安堵していた矢先、令和5年(2023年)10月30日付で申立人より異議申立がなされ、異議申立書内においては「本件商標権者から、商標権侵害を理由に、「Osaka Free Walking Tour」の文字の削除を強要され、「申立人の営業妨害に至る事態を憂慮し、」ているという主張がされた。 申立人からの令和5年(2023年)10月3日付回答書(乙10)には、「当人は、無用な法的争いを仕掛けるつもりもございません。」「徒に法的手段に訴えることのなきよう、宜しくお願い申し上げます。」との記載があり、相互に円満解決を望んだ結果と理解していた。それにも拘らず、異議申立書内に記載の主張がなされるのはきわめて心外である。繰り返しになるが、本章で述べたとおり、本件商標権者にことを荒立てる意図はなく、円満解決を望んでこれまで誠実に対処してきた。本件商標権者の名誉のため、上記のとおりここに付言する。 3 まとめ 以上を総合すると、本件商標は、その指定役務中、第39類「全指定役務」について、役務の質(内容)を表示するものでないことは明らかであって、十分に自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、商標法第3条第1項第3号に該当するものでないと思料する。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではなく、登録維持されるべきものである。 第6 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号該当性について (1)本件商標 本件商標は、上記第1のとおり、「Osaka Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなるものある。 (2)「Osaka Free Walking Tour」の文字(語)について ア 本件商標の構成文字「Osaka Free Walking Tour」は、その構成中「Osaka」の文字が「大阪」の文字を欧文字で表したものであり、「Free」の文字が「自由な、無料の」の、「Walking」の文字が「歩くこと、ウォーキング」の、「Tour」の文字が「旅行、ツアー」の意味を有するものとして、いずれも我が国で親しまれた英単語であるから、全体として、「大阪における自由に歩くツアー(旅行)」及び「大阪における無料のウォーキングツアー(歩く旅行)」の意味を容易に認識させるものである。 イ そして、申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、「Free Walking Tour」(大文字と小文字の異なるものを含む。)及びその表音「フリーウォーキングツアー」の文字(「・」(中点)があるものを含む。)が、本件商標の登録査定の日(令和5年8月23日)前に掲載されたウェブページ(甲5、甲9、甲11、甲12)及び当該日前に掲載されたことは確認できないものの、2023年(令和5年)10月26日にプリントアウトされたウェブページ(甲4、甲6、甲7、甲14、甲15)において、いずれも「無料のウォーキングツアー」を意味する語として用いられていることが認められる。 また、本件商標の登録査定の日前又は後に掲載等されたウェブページ(甲6、甲9、甲11、甲14、甲15)において、上記両文字の語頭に、地名を表す「プラハ」、「【ワルシャワ旧市街】」、「【ブラジル】」、「東京」又は「Tokyo」の文字を配した標章が、「当該地における無料のウォーキングツアー」を意味するものとして用いられていることが認められる。 ウ 上記ア及びイの事情に加え、甲各号証がプリントアウトされた日(2023年(令和5年)10月26日)は、本件商標の登録査定の日(令和5年8月23日)より遅いものの、その期間は約2か月と短く、かつ、その間に本件商標の指定役務に係る取引の実情が大きく異なるというべき事惰は見いだせないことを考慮すれば、本件商標「Osaka Free Walking Tour」は、その登録査定時において、「大阪における無料のウォーキングツアー」の意味を容易に認識させるものと判断するのが相当である。 (3)商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標は、上記(1)のとおり、「Osaka Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなり、該文字は、上記(2)ウのとおり容易に「大阪における無料のウォーキングツアー」の意味を認識させるものである。 そして、本件商標の指定役務は、別掲のとおりであり、その指定役務中、第39類「全指定役務」は、いずれも旅行に関する役務である。 そうすると、本件商標は、これをその指定役務中、上記役務について使用するときは、これに接する取引者・需要者をして、これを当該役務が「大阪における無料のウォーキングツアー」であることを表示したもの、すなわち、役務の質(内容)を表示したものと認識させるものと判断するのが相当である。 してみると、本件商標は、その登録査定時において、その指定役務中、上記役務について使用するときは、役務の質(内容)を表示したものと認識させるにすぎないものであって、自他役務識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。 また、本件商標は文字に特徴のない標準文字で表してなるものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章からなる商標である。 したがって、本件商標は、その指定役務中、第39類「全指定役務」について、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。 (4)本件商標権者の主張について 本件商標権者は、意見書において、以下のように主張している。 ア 本件商標権者は、「Osaka Free Walking Tour」の語自体は、広辞苑や英和辞典などに掲載されるような既成の英語(一般的な用語)ではなく、本件商標権者が考え出した造語である旨主張している。 しかしながら、造語がすべて商標登録の要件を備えているものではなく、そして、本件商標を構成する文字が造語だとしても、その全体の構成文字から認識する意味合いは上記(3)のとおりであり、自他役務の識別標識を果たし得ないというべきである。 イ 本件商標権者は、本件商標の主要な需要者は、日本を訪れる外国人であると主張しており、合議体が取消理由通知で提示した証拠は、申立人が提出したインターネットの記事(以下「記事」という。)であるところ、本件商標権者は当該証拠(甲5、甲7、甲9、甲11、甲12、甲14)は、記事の発信先や受け手の対象が本件商標の指定役務(第39類)の取引者・需要者に該当しないため、一般的通用性の程度の認定をする以前に、本件商標の出所表示機能性の有無を判断する資料として不的確であり、また、商標的使用がなされていると解されるもの(甲6、甲15)は、これらを出所表示機能性なしの判断資料として採用できない旨主張している。 しかしながら、申立人が証拠として提示した記事の主たる受け手について、本件商標権者が主要な需要者であると想定する日本を訪れる外国人ではないとしても、本件商標の指定役務中、第39類「全指定役務」の取引者・需要者について、日本を訪れる外国人に限定しなければならない特段の事情は見いだすことはできないから、我が国に在住している者も含まれるというべきである。 また、記事で使用される態様については、当該使用に係る文字が一般に使用されているものであることを示すためのものであるから、その使用の態様が商標的使用の態様であることをもって上記の判断が否定されるものではない。 ウ 本件商標の使用が本件商標権者以外には見当たらないこと、及び世界的な旅行プラットフォームで評価されていることに鑑みると、本件商標の登録が取り消された場合には、本件商標権者の事業努力によって平成29年(2017年)から継続して積み上げ獲得してきた本件商標に係る業務上の信用を毀損し、出所の混同を生ぜしめて需要者の利益を害することになり、商標制度の趣旨を没却させることになりかねないと思料する旨主張している。 しかしながら、「本件商標が、自他役務の識別力を有するか否かの判断に当たって、取引者・需要者に指定役務の質(内容)等を示すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、必ずしも要求されないもの(平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日 判決言渡参照)」(役務についても同様に解される。)と解すべであるところ、本件商標は、上記(3)のとおり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。 また、世界的なプラットフォーマーに評価されていることについては、その評価の内容が、本件商標のどのような内容で評価されているのか、又は、商標以外のサービス(役務)内容で評価されているのか不明であり、また、本件商標が取り消された場合の事情についても本件登録異議の申立ての判断に影響するものではない、 エ 本件商標権者は過去の既登録例を示し、それと同様に本件商標の登録を維持すべき旨主張する。 しかしながら、商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断は、商標の構成態様や指定役務との関係に基づいて、判断時(査定時又は審決時)の取引の実情などを考察しつつ、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本件商標と上記登録例はその構成態様及び判断時期が異なることから、過去の既登録例の存在によって、本件商標登録の識別性の判断は左右されるものではない。 オ 本件商標権者は、申立人との関係について種々述べている。 しかしながら、本件商標権者が種々述べている申立人との関係については、本件異議申立ての判断に影響を与えるものではない。 カ 上記アないしオのとおり、諸求人の主張はいずれも採用することはできない。 (5)小括 上記(1)ないし(4)のとおり、本件商標は、その指定役務中、第39類「全指定役務」について、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (6)本件商標の指定役務中、第39類「全指定役務」以外の役務について 本件商標の指定役務中、第39類「全指定役務」については、上記(5)のとおり、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、以下、本件商標の指定役務中、第39類「全指定役務」以外の指定役務について判断する。 本件商標の指定役務は、別掲のとおりであり、その指定役務中、第39類「全指定役務」は、いずれも旅行に関する役務であるが、その他の役務については、直接的に旅行に関する役務とはいえないものである。 そうすると、本件商標をその指定役務中、第39類「全指定役務」以外の役務に使用しても、その役務の質(内容)等を表示するものとはいえないものである。 したがって、本件商標は、その指定役務中、第39類「全指定役務」以外の役務(以下、第41類「全指定役務」という。)については、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 (7)まとめ 以上のとおり、本件商標は、その指定役務中、第39類「全指定役務」については、商標法第3条第1項第3号に該当するが、それ以外の指定役務である第41類「全指定役務」については、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 2 第41類「全指定役務」についての商標法第3条第1項第3号以外の申立理由について 上記1(5)のとおり、本件商標は、その指定役務中、第39類「全指定役務」は、商標法第3条第1項第3号に該当するが、上記1(6)のとおり、第41類「全指定役務」は、同号に該当しないから、以下、第41類「全指定役務」について、申立人の主張する商標法第3条第1項第3号以外の申立理由を検討する。 (1)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は、上記1(1)のとおり、「Osaka Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなり、上記1(2)ウのとおり、容易に「大阪における無料のウォーキングツアー」の意味を認識させるものである。 そして、本件商標の指定役務中、第41類「全指定役務」は、いずれも旅行に関する役務であるとはいえないものである。 また、該「Osaka Free Walking Tour」の文字が、本件商標の指定役務中、第41類「全指定役務」の分野において、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識できないほど、一般的に採択、使用されている事実を見いだすことはできない。 そうすると、本件商標は、これをその指定役務中、第41類「全指定役務」について使用するときには、自他役務の識別標識の機能を果たし得るものというべきである。 また、本件商標は、その指定役務中、第41類「全指定役務」について、役務の質の誤認を生ずるおそれはない。 その他、本件商標が、その指定役務中、第41類「全指定役務」について、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する理由を見いだせない。 したがって、本件商標は、その指定役務中、第41類「全指定役務」について、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、上記第1のとおり、「Osaka Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「Osaka」、「Free」、「Walking」及び「Tour」の各単語の間に1文字部分の空白を有しているとしても、これらの文字は同じ文字種、同じ書体、同じ大きさをもって、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。 また、その構成文字に相応して生ずる「オオサカフリーウォーキングツアー」の称呼については、無理なく一連に称呼し得るものである。 さらに、観念については、上記1ウのとおり、「大阪における無料のウォーキングツアー(歩く旅行)」の観念を生じるものである。 イ 引用商標 引用商標は、上記第2のとおり、「Tokyo Free Walking Tour」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「Tokyo」、「Free」、「Walking」及び「Tour」の各単語の間に1文字部分の空白を有しているとしても、これらの文字は。同じ文字種、同じ書体、同じ大きさをもって、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。 また、その構成文字に相応して生ずる「トーキョーフリーウォーキングツアー」の称呼については、無理なく一連に称呼し得るものである。 さらに、観念については、「Tokyo」の文字は「東京」、「Free」、「Walking」、「Tour」の文字は、上記1ウと同様であるから、「東京における無料のウォーキングツアー(歩く旅行)」の観念を生じるものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標との類否について検討すると、両商標は、上記ア及びイのとおりの構成からなり、「Free Walking Tour」の文字部分を共通にしているとしても、語頭における「Osaka」と「Tokyo」の文字について明確な差異を有していることからすれば、外観上、相紛れるおそれはないものである。 また、本件商標の「オオサカフリーウォーキングツアー」の称呼と引用商標の「トーキョーフリーウォーキングツアー」の称呼を比較すると、「フリーウォーキングツアー」の音を共通にするとしても、称呼の識別上重要な要素を占める語頭の音において「オオサカ」と「トーキョー」の音の差異を有しており、両称呼を一連に称呼しても、全体の語調語感が異なったものとして聴取されるから、称呼上、明確に聴別できるものである。 さらに、本件商標は「大阪における無料のウォーキングツアー(歩く旅行)」の観念を生じるのに対して、引用商標は「東京における無料のウォーキングツアー(歩く旅行)」の観念を生じるから、観念上、相違する。 そうすると、本件商標と引用商標は、外観において相紛れるおそれはないものであり、称呼において明確に聴別できるものであり、観念において相違するものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は、非類似の商標であると認められる。 その他、両商標が類似する理由を見いだすことはできない。 エ 申立人の主張について 申立人は、本件商標の構成中「Osaka」の文字、及び引用商標の構成中「Tokyo」の文字は、地域・地名であり、前者は「大阪」、後者は「東京」を表し、役務の提供場所や提供者の所在地を表示するために広く使用されているものであって、自他役務の識別標識の機能がないか、極めて弱いから、両商標は、構成中の「Free Walking Tour」の文字部分が自他役務の識別標識の機能を果たし得る部分であり、該「Free Walking Tour」の部分より生ずる称呼及び観念を共通にする類似の商標と主張する。 しかしながら、本件商標の「Osaka」の文字部分は「大阪」、及び引用商標の「Tokyo」の文字部分が「東京」を表しているとしても、両商標の上記ア、イよりなる構成及び称呼からすれば、取引者・需要者は、両商標の構成全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握するものとみるのが相当である。 そうすると、両商標は、その構成文字部分の「Free Walking Tour」の文字部分に着目して取引に当たるというよりは、むしろ両商標の構成全体、及び構成文字全体から生ずる称呼をもって取引に資されるというのが自然であり、両商標が類似しないことは、上記ウのとおりである。 したがって、申立人の主張は採用することはできない。 オ 小括 上記アないしエのとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定役務中、第41類「全指定役務」と引用商標の指定役務の類否を判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、その指定役務中、第39類「全指定役務」について、商標法第3条第1項第3号に該当し、その登録は同条第1項の規定に違反してされたものであるから、他の申立ての理由について判断するまでもなく、同法第43条の3第2項の規定により、その登録は取り消すべきものである。 しかしながら、本件商標は、その指定役務中、第39類「全指定役務」以外のその余の指定役務については、商標法第3条第1項第3号、同項第6号、同法第4条第1項第11号及び同項第16号に違反して登録されたものではなく、他にその登録を取り消す理由はないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-900243

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