商標異議申立
2023-900227
ドンペペ、ドン、デイオオエヌ、ペペ
- 審判番号
- 2023-900227
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-037769
- 登録番号
- 6724559
- 請求日
- 2023年10月16日
- 審決日
- 2024年05月23日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】カーサ ソチトル リミテッド ライアビリティ カンパニー
- 【権利者代理人】田中 伸一郎
- 【権利者代理人】中村 稔
- 【権利者代理人】井滝 裕敬
- 【権利者代理人】▲吉▼田 和彦
- 【権利者代理人】藤倉 大作
- 【権利者代理人】相良 由里子
- 【権利者代理人】角谷 健郎
- 【異議申立人】カンラオン リミテッド
- 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
- 【異議申立人代理人】田中 克郎
- 【異議申立人代理人】石田 昌彦
- 【異議申立人代理人】栗下 清治
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T1651.261-Y (W33) / T1651.262-Y (W33) / T1651.263-Y (W33)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6724559号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6724559号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6724559号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2022年(令和4年)10月19日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、令和5年4月7日に登録出願、第33類「アルコール飲料(ビールを除く。),テキーラ」を指定商品として、同年7月14日に登録査定、同年8月7日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1128732号商標(以下「引用商標」という。)は、「DON PAPA」の欧文字を横書きした構成からなり、2016年(平成28年)12月16日に国際商標登録出願(事後指定)、第33類「Alcoholic beverages(except beers);rum.」を指定商品として、平成29年6月16日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標について
本件商標は、「DON」の欧文字と「PEPE」の欧文字と、鳥のような図形から構成されるものである。本件商標からは、その構成文字に応じて、「ドンペペ」の称呼が生じる。また、本件商標の構成文字のうち、「DON」の語はスペイン語で「ボス、首領」を意味し(甲3)、「PEPE」の語は人名の「ペペ」を認識させる(甲4)から、本件商標は、全体として「ボスのペペ、首領のペペ」といった観念を生じる。
イ 引用商標について
引用商標は、「DON」の欧文字と「PAPA」の欧文字を一連に横書きしてなるものである。引用商標からは、その構成文字に応じて、「ドンパパ」の称呼が生じる。また、引用商標の構成文字のうち、「DON」の語はスペイン語で「ボス、首領」を意味し、「PAPA」の語は「父親」を意味するから、引用商標は、全体として「ボスの父親、首領の父親」といった観念を生じる。
ウ 本件商標と引用商標の類否
上述のとおり、本件商標の文字部分は、「DON PEPE」の欧文字からなるものであり、引用商標は、「DON PAPA」の欧文字を横書きしてなるものである。本件商標と引用商標のスペルを対比すると、Pの後に続く2文字(「E」と「A」)において異なるのみで、その他の5文字は一致している。そうすると、全体的に観察した場合に、「DON」部分の共通性に目が行き、「E」と「A」の相違を見誤る可能性は十分にあると考えられる。特に、本件商標と引用商標の指定商品である酒類の分野では、商品の瓶のラベルや包装箱に、種々の背景を配したうえで、装飾された文字によって表されるのが通常である。そのような態様で表された場合には、なおさら両者を見誤る可能性は高まると考えられる。そのため、本件商標と引用商標とは、その外観において、相紛らわしく、相互に類似するものである。
また、本件商標からは、「ドンペペ」の称呼が生じるのに対して、引用商標からは「ドンパパ」の称呼が生じる。本件商標と引用商標の称呼を対比すると、後半部分の「ペペ」と「パパ」において相違する。語頭音に比べると、中間音・語尾音は比較的弱く発音されるものであり、称呼全体を一連に発音する際には、子音が共通する「ペペ」と「パパ」は音感が近くなり、両者を聞き誤ることも十分に考えられる。「特許庁商標課編 商標審査基準[改訂第15版]」においては、「語頭において共通する音が同一の強音の場合・・・には、全体的印象が近似して聴覚されることが多い」ともされている。この基準に照らして、本件商標と引用商標は、称呼の全体的印象(音感)から、互いに相紛れるおそれが十分にあると考えられるから、本件商標と引用商標は、その称呼が類似するものである。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、少なくとも外観及び称呼が共通するため、相互に類似すると考えられる。
エ 指定商品の類否
本件商標は、第33類の「アルコール飲料(ビールを除く。),テキーラ」を指定商品とする。
引用商標は、第33類の「Alcoholic beverages(except beers);rum」を指定商品とする。
そうすると、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、相互に類似する。
オ 取引の実情
本件商標と引用商標の指定商品である酒類の分野では、恒常的に大量の商品取引が行われていることから、その取引には簡易迅速性の要請が強く働き、商標のわずかな相違は看過される可能性が極めて高い。また、酒類は一般消費財であり、それを取引する一般消費者は注意力も特別高いとは考えられない。このような取引の実情に基づいてみても、上述のとおり、本件商標と引用商標は、相互に混同される可能性があり、類似するものと考えられる。
この点、過去の裁判例においても、酒類の取引事情に関して、「取引者及び需要者を共通にし,かつ,需要者は,漢字に対し特別な知識を有していない一般大衆であって,これを購入するに際して払われる注意は商度なものではないということができる。」と説示されている(知財高裁平成18年(行ケ)第10512号、甲5)。
カ 小括
以上によれば、本件商標は引用商標に類似し、その指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるため、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、別掲のとおり「DON」(Oの文字は若干図案化され、下線がある)の文字、「PEPE」の文字を二段に書し、その文字のうち「EP」の下に小さく鳥のような図形を配した構成からなるところ、「DON」の文字は若干図案化されているが、「DON」の文字からなるものと容易に理解、認識できるものであるから、その構成文字に相応して「ドンぺぺ」の称呼を生じるものである。また、「DON PEPE」の文字は、一般の辞書等に載録されている親しまれた成語とは認められないことから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり「DON PAPA」の文字からなるところ、その構成文字に相応して「ドンパパ」の称呼を生じるものである。また、当該文字は、一般の辞書等に載録されている親しまれた成語とは認められないことから、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標の構成は、上記(1)及び(2)のとおりであるところ、両者の外観を比較すると、本件商標は、構成中に鳥の図形を有していることにおいて引用商標と明らかに相違し、また、文字部分においても本件商標の「DON」と「PEPE」は二段で表されるのに対し、引用商標は一連に横書きであり、さらに、本件商標構成中の「O」の文字は図案化されて下線を有しているうえに、本件商標の「P」の後に続く文字が「E」であるところ、引用商標は「A」である等、文字部分については、「O」の文字の外観の相違も含めれば、7字中3字に相違があり、文字の配置においても差異を有するものである。
そうとすれば、図形の有無に加えて、上記文字部分の差異は、7字という比較的短い文字数からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえず、両者は外観上相紛れるおそれはない。
次に、称呼を比較すると、両者は、語頭の「ドン」の音は共通にするものの、第3音及び第4音において「ぺぺ」と「パパ」の音の有無に差異を有するところ、4音という比較的短い両称呼にあって2音が相違しており、「ぺぺ」と「パパ」の音の差異が称呼全体に与える影響は決して小さいものということはできず、両者をそれぞれ一連に称呼しても聴別し得るものであるから、両者は、称呼上、相紛れるおそれはない。
また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから、両者は、観念上比較することができない。
したがって、これらを総合して判断すれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれはなく、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の需要者が通常有する注意力を踏まえて判断しても、非類似の商標というのが相当である。
以上のとおり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似する商品であるとしても、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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