商標異議申立
2023-900224
アミューズメントフィットネスクラブ、アミューズメントフィットネス
- 審判番号
- 2023-900224
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-011702
- 登録番号
- 6724824
- 請求日
- 2023年10月12日
- 審決日
- 2024年03月11日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】フィットイージー株式会社
- 【異議申立人】伊藤 裕正
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 大橋 良成
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T1651.13 -Y (W3541) / T1651.16 -Y (W3541) / T1651.272-Y (W3541) / T1651.4 -Y (W3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項11号商標法4条1項16号商標法8条1項商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第8条第1項、商標法第4条第1項第11号、商標法第43条の2第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6724824号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6724824号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6724824号商標(以下「本件商標」という。)は、「アミューズメントフィットネスクラブ」の文字を標準文字により表してなり、令和5年2月7日に登録出願、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、令和5年7月27日に登録査定され、同5年8月8日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する商願2023-7631号商標(以下「引用商標」という。)は、「アミューズメント型フィットネスクラブ」の文字を標準文字により表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,運動施設の提供,娯楽施設の提供」を指定役務として、令和5年1月27日に商標登録出願されたものであり、同出願は、現在審査に係属中である。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号、同法第4条第1項第11号、同項第16号、又は同法第8条第1項に該当するものであるから、その登録は商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1 商標法第3条第1項第3号、同項第6号、同法第4条第1項第16号について
本件商標は、その構成全体として、「健康維持や体力づくりのための何かしらの娯楽設備を整えた会員制のクラブ施設」や「健康維持や体力づくり以外の何かしらの娯楽設備を整えた会員制のクラブ施設」や「健康維持や体力づくりや、何らかの娯楽目的の設備を整えた会員制のクラブ施設」程の意味合いを、これを見る者に容易に理解、認識させるものといえるから、本件商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、自他商品識別標識として機能を果たしていない。
さらには、フィットネスクラブとスポーツクラブ(甲第3号証)は同義であり、日本国総務省(甲第4号証)によると、日本標準産業分類では、「室内プール、トレーニングジム、スタジオなどの運動施設を有し、会員に提供する事業所」と定義され、いわゆるフィットネス業界において、フィットネスクラブ、若しくはスポーツクラブ、若しくはフィットネスジム、若しくはスポーツジムには「娯楽、遊戯、娯楽施設、娯楽機器、心を楽しませる、楽しむ等(アミューズメントの意味合いを持つもの)」を有し、「健康維持や体力づくりのため」だけの施設だけでなく、「何かしらの娯楽目的の設備を整えた施設」を需要者が楽しみながらトレーニングを行うことができるフィットネスクラブ、若しくはスポーツクラブ、若しくはフィットネスジム、若しくはスポーツジムの同業他社が数多に存在する実情が見受けられる(甲第6号証)。
さらには、ほとんどのフィットネスクラブでは、「健康維持や体力づくり」以外の何かしらのアミューズメント施設が整えられている実情(甲第6号証)が見受けられ、需要者によっては、「健康維持や体力づくり」以外のアミューズメント施設が整えられていなくても、「健康維持や体力づくり」そのものを娯楽だと感じる需要者もおり、フィットネスクラブそのものがアミューズメントであるといえるため、これを見る者に誤認、誤解を生じさせる。
いわゆるフィットネス業界の2023年の最新売上高ランキングの上位15位中、10社がアミューズメントを表示、若しくはアミューズメント施設を有するフィットネスクラブとなっている(甲第6号証)。
よって、「アミューズメントフィットネスクラブ」は普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、一般にも広く知られている。さらには、識別力を有しないため、自他商品識別標識として機能を果たしていない登録商標は認められるべきものではない。
また、本件商標と同様に「アミューズメント」を普通に用いられる方法で表示する名称のみからなる商標であり、一般に広く使用されている例を検索エンジンによる検索結果を下記に記載する(甲第7号証)。
(イ)アミューズメントパーク、(ロ)アミューズメントホテル、(ハ)アミューズメントスポット、(ニ)アミューズメントスペース、(ホ)アミューズメントスタジオ、(へ)アミューズメントルーム、(卜)アミューズメントカジノ、(チ)アミューズメントプール、(リ)アミューズメント産業、(ヌ)アミューズメント施設
上記の(イ)ないし(ヌ)の表示は、いずれも商標登録はされていないことからも「アミューズメント」の表示は前述の施設やファシリティを呼称するものとして認識されている。
2 商標法第8条第1項について
本件商標(出願日令和5(2023)年2月7日)は、引用商標(商願2023-7631(アミューズメント型フィットネスクラブ))が出願日令和5(2023)年1月27日(提出日現在審査中)に出願されているものに極めて類似しており、先願主義により過誤に登録となったものに該当する(甲第1号証、甲第2号証)。
本件商標「アミューズメントフィットネスクラブ」が、引用商標「アミューズメント型フィットネスクラブ」に類似する理由を以下に述べる。
(イ)外観
「型」の有無は類否判断に影響を及ぼさない。
(ロ)称呼
「型=タイプ」は、識別力を発揮することのない語句である。
(ハ)観念
「娯楽要素を兼ね備えたフィットネスクラブ」と同一の意味である。
(ニ)離隔的観察
本件商標に接した需要者が抱く印象、記憶、連想が時と場所を異にして、引用商標に接した需要者が抱く印象、記憶、連想と共通するものである。
また、引用商標の「型」は、「ものを類に分けた時、それぞれの特質をよく表した典型。そのような形式・形態。タイプ。パターン」(甲第3号証)となり、「型」をアミューズメントとフィットネスクラブの間に表記し「アミューズメント型フィットネスクラブ」と表記した場合、そのフィットネスクラブ(甲第3号証)において娯楽施設及び楽しむことのできる施設を有することを表す意味となる。
よって、「型」の有無に関わらず「健康維持や体力づくりのための何かしらの娯楽設備を整えた会員制のクラブ施設」や「健康維持や体力づくり以外の何かしらの娯楽設備を整えた会員制のクラブ施設」や「健康維持や体力づくりや、何らかの娯楽目的の設備を整えた会員制のクラブ施設」となり本件商標と同一の意味合いとなる。
さらには、引用商標の区分、類似群コード(41A01、41J01、41K01)は本件商標と同一であるため、先願主義から取り消されるべきものである。
3 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標が登録商標となった場合、商標法第4条第1項第11号に抵触する。
4 第35類指定役務について
本件商標は、「商品の品質又は役務の質(以下、「商品の品質等」という。)」を普通に用いられる方法で、単に表示したにすぎないため、第35類に属する役務として本件商標を用いたとしても、これを見る者に容易に理解、認識させるものといえ、自他商品識別標識として機能を果たしていない。
また、「アミューズメントフィットネスクラブ」の表示は、アミューズメント要素を多分に取り入れたフィットネスクラブを指標するものであり、これを見る者の観念にかかる要素のないフィットネスクラブに「アミューズメントフィットネスクラブ」を使用した場合、これを見る者に誤認、誤解を生じさせる。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号、同法第4条第1項第16号、又は同法第8条第1項に該当し、商標登録を受けることはできない。
5 第41類指定役務について
本件商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で、単に表示したにすぎないため、41類に属する役務として本件商標を用いたとしても、これを見る者に容易に理解、認識させるものといえ、自他商品識別標識として機能を果たしていない。
また、「アミューズメントフィットネスクラブ」の表示は、アミューズメント要素を多分に取り入れたフィットネスクラブを指標するものであり、これを見る者の観念にかかる要素のないフィットネスクラブに「アミューズメントフィットネスクラブ」を使用した場合、これを見る者に誤認、誤解を生じさせる。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号、同法第4条第1項第16号、又は同法第8条第1項に該当し、商標登録を受けることはできない。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について
(1)本件商標は、前記第1のとおり、「アミューズメントフィットネスクラブ」の片仮名を標準文字により表してなるものであるところ、その構成各文字は、同じ書体及び同じ大きさをもって、横一連に表されており、視覚上、全体としてまとまりよく一体的に看取されるものである。
また、その構成文字全体から生じる「アミューズメントフィットネスクラブ」の称呼は、やや冗長であるとしても無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中「アミューズメント」の文字部分は「娯楽」の意味を、「フィットネスクラブ」の文字部分は「健康維持や体力づくりのための設備をそなえた会員制のクラブ」の意味を有する外来語(甲3)であるとしても、両語を結合して具体的な意味を有する成語となるものではなく、各語の語義を結合した意味合い(娯楽のフィットネスクラブ)も漠然としているから、構成文字全体として、特定のフィットネスクラブの名称に通じるような、特定の意味を有さない一種の造語として理解されるというのが自然である。
(2)さらに、当審において職権をもって調査するも、「アミューズメントフィットネスクラブ」の文字が、本件指定役務に係る役務の業種や提供場所等を表示するものとして、その役務を取り扱う業界において取引上普通に使用されている事実は見いだせなかった。
(3)申立人は、アミューズメント施設を有するフィットネスクラブの存在や、「アミューズメントパーク」、「アミューズメントホテル」などの存在を指摘して、本件商標は、「フィットネスクラブ」の質を「アミューズメント」で表した商標である旨を主張する。
しかしながら、申立人の提出証拠からは、「アミューズメントフィットネスクラブ」の文字が、本件商標の指定役務に係る役務の質を表示するものとして、その役務を取り扱う業界において取引上普通に使用されている事実は見いだすことはできず、また、その構成文字単独で、具体的な意味を有する語として認識されるというべき実情も見いだせない。
(4)以上によれば、本件商標は、構成文字全体で特定の意味を有しない一種の造語として認識、把握されるから、これをその指定役務に使用しても、役務の質(業種)又は提供場所を具体的に表示するものではなく、また、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標とはいえず、さらに、役務の質について誤認を生ずるおそれはない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
2 商標法第8条第1項該当性について
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当する旨主張しているが、前記第2のとおり、引用商標は本件商標の登録査定時において審査に係属中であり、設定登録はされておらず、同法第4条第1項第11号には該当しないから、その申立ての根拠とする条項は、同法第8条第1項のみとして、以下、同項の該当性について判断する。
(1)本件商標について
本件商標は、「アミューズメントフィットネスクラブ」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、前記1(1)のとおり、構成文字全体で特定の意味を有しない一種の造語として認識、把握される。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「アミューズメントフィットネスクラブ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、前記第2のとおり、「アミューズメント型フィットネスクラブ」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「アミューズメントガタフィットネスクラブ」の称呼が生じる。
また、その構成中「アミューズメント」の文字部分は「娯楽」の意味を、「型」の文字部分は「形を作り出すもとになるもの。伝統・習慣として決まった形式」の意味を、「フィットネスクラブ」の文字部分は「健康維持や体力づくりのための設備を備えた会員制のクラブ」の意味を有する語(甲3、「広辞苑 第七版」岩波書店参照)であるところ、「型」の文字を介して前半の語が後半の語の内容を説明するような文章構成となっているから、構成文字全体として、「娯楽型のフィットネスクラブ」程の意味合いを想起させる。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「アミューズメントガタフィットネスクラブ」の称呼を生じ、「娯楽型のフィットネスクラブ」程度の観念を生じる。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観について
本件商標と引用商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、両商標は、「アミューズメント」及び「フィットネスクラブ」の文字を語頭と語尾に有する点で共通するものの、中間部における「型」の文字の有無で相違するから、互いに想起される意味合いにおいて異なる語を表してなるもので、この差異が両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえず、これらを離隔的に観察しても、外観上、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
イ 称呼について
本件商標の構成文字より生じる「アミューズメントフィットネスクラブ」の称呼と引用商標の構成文字より生じる「アミューズメントガタフィットネスクラブ」は、中間部における「ガタ」の音の有無において相違し、この差異が称呼全体に与える影響は少なくなく、これらをそれぞれ一連に称呼しても語調、語感が相違し、称呼上、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
ウ 観念について
本件商標は、特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、「娯楽型のフィットネスクラブ」程度の観念を生じるから、観念において相紛れるおそれがない。
エ 小括
以上から、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において、相紛れるおそれはないから、本件商標と引用商標の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、これらは相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、それら指定役務を比較するまでもなく、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第8条第1項の要件に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同第6号、同法第4条第1項第11号、同項第16号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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