商標異議申立
2023-900205
アイエム
- 審判番号
- 2023-900205
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-087973
- 登録番号
- 6714870
- 請求日
- 2023年09月13日
- 審決日
- 2024年03月08日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社コーセー
- 【異議申立人】株式会社 DOT ONE
- 【異議申立人代理人】三田 大智
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 分類
- T1652.261-Y (W03) / T1652.262-Y (W03) / T1652.263-Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6714870号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6714870号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6714870号商標(以下「本件商標」という。)は、「アイエム」の片仮名及び「im」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、令和4年7月29日に登録出願、「化粧品,せっけん類,香料,つけづめ,つけまつ毛」を含む、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同5年6月23日に登録査定され、同年7月6日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録第6543602号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、令和2年4月3日に登録出願、第3類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同4年4月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第3類「化粧品,せっけん類,香料,つけづめ,つけまつ毛」(以下、これらをまとめて「申立てに係る指定商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標について
ア 外観について
本件商標は、「アイエム」の片仮名と「im」の欧文字の二段書き構成から成る。
本件商標においては、下段の称呼を上段の片仮名で表示しているものであり、下段「im」の欧文字が要部である。この点は、実際の使用態様(甲3)や関連登録商標(甲4)からも裏付けられる。
イ 称呼について
本件商標は、既述の外観構成から、「アイエム」の称呼を生ずる。
ウ 観念について
本件商標は、辞書に掲載されていない造語であり、特定の観念を生じない。
ただし、本件商標は、「I am」を基に創作されたものであり(甲3)、かつ、「I am」の省略形である。
(2)引用商標について
ア 外観について
引用商標は「Aiam」の欧文字から成り、構成文字中の「i」の上付きの点はアクサン・テギュのような綴り字記号となっている。
引用商標に対しては、「冒頭文字「A」が大文字で、第2字以降が小文字である違いがある上に、第2字以降の冒頭「i」の上に、前述の綴り字記号が付されていることから、第2字以降の「iam」が冒頭の「A」と分離して印象に残」るとの判断が特許庁判断であり(甲5)、引用商標は「iam」の欧文字が要部である。
イ 称呼について
引用商標は、既述の外観構成から、「アイアム」の称呼を生ずる。
ウ 観念について
引用商標は、辞書に掲載されていない造語であり、特定の観念を生じない。
ただし、引用商標は、「I am」を基に創作されたものであり(甲6の1)、かつ、「I am」の同音異綴語である。
エ 周知性について
引用商標を使用したスキンケア商品は、2020(令和2)年10月に新発売され、販売初日の数十分で一か月分の在庫が完売するなど、初めから圧倒的な人気を誇っていた(甲6の1)。
その後、1年未満で単独店舗を初出店し、2023年には既に売り上げ前年比350%を達成している(甲6の2)。
よって、引用商標は、少なくとも「化粧品」業界において、その権利者のものとして周知性を獲得している。
(3)本件商標と引用商標との対比
ア 外観について
本件商標の要部が「im」であるのに対して、引用商標の要部は「iam」である。
両者は、構成文字数が違うものの、欧文字構成、しかも小文字構成である点で共通していると共に、「i」と「m」を含む点でも共通している。特に、「i」と「m」は本件商標要部の構成文字の全てであり、引用商標要部の構成文字中の2/3を占めるものであり、外観構成に与える影響は大である。
よって、両商標は外観において相違点はあるものの、共通点の方が多いものである。
イ 称呼について
本件商標が「アイエム」の称呼を生ずるのに対して、引用商標は「アイアム」の称呼を生ずる。
両商標の称呼はいずれも四音から成り、僅かに一音が相違するが、その相違する音は「エ」と「ア」であり、これらは、子音において共通すると共に、口の開き方と舌の位置のおいても共通点があり、聞き間違える音としてよく知られているものである(商標審査基準の例示)。
したがって、両商標は称呼において相紛らわしいものであり、類似する。
ウ 観念について
本件商標と引用商標は、辞書に掲載されていない造語であり、観念においては、直接的には比較できないが、いずれも「I am」を基に創作されたものであり(甲3、甲6の1)、かつ、本件商標は「I am」の省略形であり、引用商標は「I am」の同音異綴語である。
よって、両商標はいずれも「I am」に関するニュアンスを含むものである。
エ 小括
上記のとおり、本件商標と引用商標は、称呼において相紛らわしいと共に、観念においては比較し得ない。ただし、両商標とも「I am」に関するニュアンスを含むものであり、この点に基づき、称呼における類似性が強調されるものである。
また、本件商標と引用商標は、外観においては一応相違するが、本件商標の要部「im」と引用商標の要部「iam」は共通点が多いことを考慮すれば、称呼における類似性を凌駕するほどの顕著な相違があるとはいえない。
また、両商標はその指定商品も同一又は類似である。
したがって、本件商標は、その指定商品に使用した場合に、既に周知性を獲得している引用商標(甲6の1・2)と出所混同のおそれがあり、正に商標法第4条第1項第11号に該当する商標である。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「アイエム」の片仮名及び「im」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応し「アイエム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その構成文字に相応し「アイアム」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、まず外観において、片仮名の有無及び構成文字に明らかな相違があることから、判然と区別し得るものである。
そして、称呼においては、本件商標から生じる「アイエム」の称呼と、引用商標から生じる「アイアム」の称呼とは、3音目において「エ」と「ア」の差異を有するものであり、比較的短い音数からなる両商標にあっては、上記の差異が両称呼全体に及ぼす影響は小さくなく、それぞれを一連に称呼しても、その音調、音感が異なり、両称呼は相紛れるおそれはないものである。
また、観念においては、両商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであり、外観において判然と区別し得るもので、称呼においても相紛れるおそれはないものであるから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、申立てに係る指定商品が引用商標の指定商品に含まれる商品と同一又は類似する商品であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
エ 申立人の主張について
(ア)申立人は、本件商標と引用商標は、いずれも「I am」を基に創作されたものであり、かつ、本件商標は「I am」の省略形であり、引用商標は「I am」の同音異綴語であるから、両商標はいずれも「I am」に関するニュアンスを含むものである旨主張する。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠から、上記主張を裏付ける事実を認めることができないから、申立人の主張を採用することはできない。
(イ)申立人は、引用商標の周知性について主張するところがあるが、前述の本件判断に影響を及ぼすものではない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものでなく、申立てに係る指定商品についての登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-900205