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商標異議申立

2023-900203

アウトドアモンスター、アウトドア、モンスター

審判番号
2023-900203
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-000358
登録番号
6714034
請求日
2023年09月11日
審決日
2025年07月10日
公報発行日
2025年08月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社ODM
  • 【異議申立人】モンスター エナジー カンパニー
  • 【異議申立人代理人】柳田 征史
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 大島 康浩
分類
T1652.22 -Y (W35) / T1652.261-Y (W35) / T1652.262-Y (W35) / T1652.263-Y (W35) / T1652.271-Y (W35) / T1652.222-Y (W35)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6714034号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6714034号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6714034号商標(以下「本件商標」という。)は、「OUTDOOR MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなり、令和5年1月5日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年6月5日に登録査定、同年7月4日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立人が引用する商標 商標登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由として、引用する商標は次のとおりであり、いずれも、現に有効に存続しているものである。 1 申立人が引用商標として明示した商標 (1)登録第5379390号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:MONSTER(標準文字) 指定商品:第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 登録出願日:平成22年7月8日 設定登録日:平成22年12月24日 (2)登録第5057229号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:別掲2のとおり 指定商品:第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 登録出願日:平成18年6月9日 設定登録日:平成19年6月22日 (3)登録第5393681号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様:MONSTER ENERGY(標準文字) 指定商品:第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 登録出願日:平成22年7月8日 設定登録日:平成23年2月25日 (4)登録第5844119号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の態様:MONSTER ENERGY(標準文字) 指定役務:第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 登録出願日:平成27年1月30日 設定登録日:平成28年4月22日 2 申立人主張より合議体が認めた引用商標 (1)「MONSTER」の欧文字からなる商標(以下「引用商標5」という。) (2)「モンスター」の片仮名からなる商標(以下「引用商標6」という。) なお、以下、引用商標1ないし引用商標6をまとめて「引用商標」という場合がある。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定役務中、別掲1に係る役務(以下「申立てに係る役務」という。)について、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第507号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。)及び別紙1ないし別紙9を提出した。 1 申立人のMONSTERブランドの周知著名性について (1)MONSTERブランドの創設及び「MONSTER」の使用 申立人は、2002年に「MONSTER」なるエナジードリンクのブランド(以下「MONSTERブランド」という。)を創設し、これ以降、現在に至るまで、「MONSTER」をMONSTERブランドのエナジードリンク(以下「申立人商品」という。)の出所識別標識として使用している。 申立人商品は、2002年に米国でMONSTERブランドの第1号の個別製品「MONSTER ENERGY」を発売後、世界各国における販売も開始し、現在は日本を含む世界130以上の国及び地域で販売中である。 申立人商品には、2002年以降現在まで一貫して、「MONSTER」の文字を基調とする個別商品名(例えば、「MONSTER ENERGY」「MONSTER ASSAULT」「MONSTER KHAOS」「MONSTER M-80」など)が採用されている。 また、これらの個別製品の包装容器は同じデザインで統一されており、特徴的な書体で大きく表示した「MONSTER」の文字(甲416)を独立して見る者の目をひきつける態様で顕著に表示している(別紙1、別紙2)。 このように、規則的なネーミング法(すなわち「MONSTER」に他の語を結合する方法)で命名された個別製品名と特徴的な書体で表示した「MONSTER」の文字を顕著に表示した統一的デザインの包装容器を特徴とする申立人商品は、需要者の間でたちまち人気となり、申立人のMONSTERブランドのエナジードリンク事業を拡大し、その成功は経済界で高い評価を受けている(甲2~甲33、甲51~甲58、甲391~甲393)。 国内では、2012年5月の「MONSTER ENERGY」(モンスターエナジー 缶 355ml)及び「MONSTER KHAOS」(モンスター カオス 缶 355ml)発売以降、現在まで29種類(リニューアル商品を含む。)の申立人商品を販売している(別紙1)。 (2)広告宣伝活動について 申立人商品に関する広告宣伝活動は、幅広く継続的なものであり、国際的に活躍する多数の有名アスリート・チーム及びイベントに対するスポンサー活動を中核として、ウェブサイト及びプレスリリースによる広告、申立人商品サンプルの配布、大手コンビニエンスストアやイベント主催者と提携した大規模な販売キャンペーン(景品・賞品のプレゼントを含む。)、スポーツイベント等の開催、契約アスリート等の動画・画像の公開、MONSTERブランドのライセンス商品の開発及び販売、ビデオゲーム会社と提携したMONSTERブランドを使用したビデオゲームの開発及び共同販売促進活動の実施など極めて多彩な内容である。こうした広告宣伝活動は、「MONSTER」の文字(特徴的な書体で表示したものを含む。)、爪の図柄と特徴的な書体で表示した「MONSTER」の文字と活字体で表示した「ENERGY」の文字からなるロゴマーク、「MONSTER ENERGY」の文字(以下、これらを併せて「MONSTERブランドマーク」という。)を使用して、本件商標の登録出願日前から継続的かつ頻繁に全国規模で実施されている(別紙3~別紙7)。 また、申立人は、申立人商品の中心的需要者層である10~30代の若い世代(特に男性)に人気が高いモータースポーツ、エクストリームスポーツの分野を中心にスポンサー活動を行うとともに、全16の異なるウェブサイト及びソーシャルメディアのアカウント(別紙9)を開設して、こうした若い世代が多く利用するインターネットメディアによる大規模な情報発信を通じてMONSTERブランドを需要者に強くアピールするための効果的な広告を実施している。 (3)ライセンス商品の輸入差止について 需要者におけるMONSTERブランドのライセンス商品の人気の高さに便乗して、海外で製造された申立人の商標権侵害物品が日本の税関で輸入差止される事案が遅くとも平成25年7月から度々発生している(別紙8)。 (4)国内外における商標登録について MONSTERブランドマークについて、申立人は、引用商標をはじめとして、国内外において多数の商標登録を取得している(甲486~甲503)。 (5)ブランド認知度及び市場占有率について 複数の第三者が実施したエナジードリンクに関する市場調査及び消費者アンケート調査によれば、既に2013年時点で申立人商品の国内市場占有率は25%を超えており、一般消費者におけるブランド認知度も第2位であったことが明らかである。 2013年以降も、申立人商品は着実に売上を伸ばしており、若い世代の男性を中心とした従来の主要需要者層に止まらず、美しいカラフルな色使いのボトル缶に大きく目立つ態様で表示された爪の図柄(以下「爪図柄」という。)が人目をひきつけ、男性のみでなく女性の間でもMONSTERブランドの認知度を高めてきた。 2018年には、申立人商品の販売実績は1千万ケースに近づき、それまで首位の「レッドブル」を超えて市場占有率トップに立った(甲311~甲322、甲383~甲385、甲433)。 申立人商品は、2018年に国内エナジードリンク市場でトップシェアを獲得後は、首位を独走状態であり(甲448、甲476、甲479)、第三者の市場調査では2022年時点における申立人商品の市場占有率は約40%であった(甲450)。 (6)「MONSTER」「モンスター」の表示で認識されていたこと 上記のような販売実績を通じて、申立人商品は、飲料業界で「モンスター」と称され、「MONSTER」「モンスター」と表示され、「MONSTER(モンスター)」のブランドとして認識されている(甲10、甲16、甲17、甲34、甲42ほか)。 この点に関しては、特許庁の審査においても、「モンスター」は、申立人が飲料等について使用する商標「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー)」の略称として需要者の間で広く認識されていると認定されている(甲433、甲447)。 (7)小括 以上の事柄に照らせば、申立人の使用に係る「MONSTER」及びその音訳「モンスター」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の製造販売に係る商品及び役務を表示するものとして需要者の間で広く認識されていたことが明らかである。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標の構成文字「OUTDOOR MONSTER」は、辞書等に掲載されている成語ではなく、熟語的観念を生じるものではないから、これを常に一体不可分のものとして捉えなければならない事情はない。一方、「OUTDOOR」の文字は英単語の「outdoor」に、「MONSTER」の文字は英単語の「monster」にそれぞれ通じるものであり、これらの音訳の「アウト・ドア(out door)」、「アウトドア(outdoor)」(甲506、甲507)及び「モンスター(monster)」(甲504、甲505)は共に外来語として一般に広く親しまれている。 したがって、本件商標の構成文字は、「OUTDOOR」と「MONSTER」の2語を結合したものであると容易に認識、理解されるものであり、構成中に「MONSTER」の文字を含んでいることが明白である。 申立人は、本件商標の出願日前までに17種類の異なる個別製品名を用いて16種類の異なるフレーバー(リニューアル製品を含む。)のエナジードリンクを販売した(別紙1)。 さらに、上記の個別製品のうち、少なくとも14種(13種類の異なるフレーバー)の申立人商品が本件商標の登録出願時に販売を継続中であった(甲474)。そして、これらの全個別製品名に「MONSTER(モンスター)」の文字が使用されていた(別紙1)。 さらに、申立人商品は、2018年に国内エナジードリンク市場でトップシェアを獲得後は(甲311、甲312、甲317、甲319~甲322、甲383~甲385)、首位を独走状態であり(甲448、甲476及び甲479)、第三者の市場調査によれば2022年時点における申立人商品の市場占有率は約40%であった(甲450)。この事実に照らせば、本件商標の出願時には、エナジードリンクの市場で取引される全商品の約4割を申立人商品が占めていたことが明らかである。 よって、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、エナジードリンクの分野において「MONSTER(モンスター)」の文字を包含する製品名は申立人商品を直ちに想起、連想させるものであり、申立人商品のブランドとして認識されるものであったということができる。 本件商標の構成文字は、その登録出願時及び登録査定時に申立人商品のブランドを表示するものとして広く認識されていた「MONSTER(モンスター)」を包含するものであることが極めて明瞭に認識、理解できるものであり、その登録出願時に既に申立人商品に使用されていた少なくとも14種(13種類の異なるフレーバー)の個別製品名と同一のネーミング規則、すなわち、「MONSTER(モンスター)」に他の語(文字)を結合する方法で構成されている。 申立てに係る役務は第35類の小売等役務であり、申立人商品であるエナジードリンクと同一又は類似の飲料の小売等役務を包含し、さらには、申立人商品と原材料、用途、効能、販売場所、需要者層を共通にするその他の飲料及び食品類の小売等役務を包含するものである。本件指定役務が申立人商品である「エナジードリンク」と販売・提供場所及び需要者を共通にする類似のものであって、申立人商品と競合することは明らかである。 加えて、本件指定役務は、引用商標1の指定商品「第32類 アルコール分を含まない飲料,清涼飲料,果実飲料」、引用商標2の指定商品「第32類 エネルギー補給用清涼飲料,スポーツ用清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,エネルギー補給用のアルコール分を含有しない飲料,スポーツ用のアルコール分を含有しない飲料,ビール風味の麦芽を主体とするアルコール分を含有しない飲料,その他のアルコール分を含有しない飲料」、引用商標3の指定商品「第32類 アルコール分を含まない飲料,清涼飲料,果実飲料」、引用商標4の指定役務中の「第35類 オンラインによるエネルギー補給用の清涼飲料及び果実飲料並びにその他の清涼飲料及び果実飲料の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによる茶・コーヒー及びココアの小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによるビール及びその他の酒類の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによる牛乳の小売の業務において行われる願客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売の業務において行われる願客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ビール及びその他の酒類の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とそれぞれ同一又は類似のものである。 そうすると、本件商標は、その構成全体としては申立人商品の個別製品名と異なるものであっても、その構成中に、申立人商品の出所識別標識として広く認識されている「MONSTER」の文字を包含し、申立人商品の全ての個別製品名と同じ形式で構成されているものであるから、本件商標がエナジードリンクを含む飲食料品の小売等役務に使用された場合、取引者、需要者は「MONSTER」の文字部分に基づいて申立人のMONSTERブランド及び申立人会社を直感し、当該役務が申立人のMONSTERブランドとの共同開発事業、業務提携事業等、申立人あるいは申立人と経済的又は組織的関係を有する者の取り扱いに係るものであると誤信し、その出所について混同を生じるおそれが極めて高い。 よって、商標権者により本件商標が本件指定役務に使用された場合には、申立人商品のブランドとして広く認識されている「MONSTER(モンスター)」の強力な出所表示力が希釈化することは明白である。また、商標権者による本件商標の使用は、申立人の長年の営業努力によってMONSTERブランドに獲得された信用力、顧客吸引力にフリーライドする行為といわざるを得ない。 したがって、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当することは明らかである。 3 商標法第4条第1項第11号該当性について 引用商標1は、「MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「MONSTER」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には申立人商品のブランドを表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものである。 本件商標は、引用商標1の構成文字「MONSTER」及びこれより生じる「モンスター」の称呼及び「モンスター」の観念を包含するものであるから、外観、称呼、観念のすべてにおいて、引用商標1と類似性の程度が極めて高いものである。 商標法第4条第1項第11号の規定に関する特許庁商標審査基準は、結合商標の類否判断について「需要者の間に広く認識された商標を構成中に含む場合」、すなわち「指定商品又は指定役務について需要者の間に広く認識された他人の登録商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含め、原則として、その他人の登録商標と類似するものとする。ただし、その他人の登録商標の部分が既成の語の一部となっているもの等を除く。」と記載している。 本件商標は、その構成中に、需要者の間に広く認識された引用商標1を含むものであって、当該引用商標の部分が既成の語の一部となっているものでもない。 したがって、本件商標は、引用商標1と類似の商標であり、また、本件商標の指定役務と引用商標1の指定商品も類似する。なお、引用商標1は、本件商標よりも先に登録出願されたものである。 よって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかである。 4 商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標は、その登録出願時に申立人商品を表示するものとして広く認識されていた「MONSTER(モンスター)」と類似のものであり、かつ、申立人商品と同一又は類似の飲料の小売等役務、並びに申立人商品と極めて関連性の深いその他の飲食料品の小売等役務に使用されるものである。 本件商標は、「MONSTER」と他の語(OUTDOOR)を結合したものであると極めて明瞭に認識、理解できる構成であるから、申立人が過去10年以上にわたり継続して販売している「MONSTER(モンスター)」の文字を使用した全ての個別製品名(全17種類、別紙1)と同一のネーミング規則で構成されている。 そうすると、本件商標を指定役務に使用された場合、申立人商品のブランドとして広く認識されている「MONSTER(モンスター)」の出所識別力が著しく希釈化することは明らかであり、本件商標を指定役務に使用する行為は、申立人のMONSTERブランドの顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、不正の目的をもって使用するものというべきである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 5 商標法第4条第1項第7号該当性について 本件商標が商標権者により使用された場合、申立人商品の出所識別標識として広く認識されている「MONSTER(モンスター)」の出所表示力が希釈化することが明らかである。 また、商標権者による本件商標の使用は、申立人のMONSTERブランドについて獲得した信用力、顧客吸引力にフリーライドするものといわざるを得ず、申立人に経済的及び精神的損害を与える。 したがって、本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであり、公の秩序を害するおそれがあるものといわざるを得ない。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知性について (1)申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(新聞記事情報など。)によれば、次のとおりである。 ア 申立人は、米国の飲料メーカーであって、我が国においてはアサヒ飲料株式会社を通じて2012年5月にエナジードリンク「MONSTER ENERGY(モンスターエナジー)」及び「MONSTER KHAOS(モンスター カオス)」の販売を開始し、その後、2022年まで毎年、新製品やリニューアル商品を販売した(甲7、甲8、甲10~甲13、甲59、甲60、甲101、甲127、甲129、甲130、甲253、甲256、甲257、甲291、甲354~甲361、甲434~甲446、甲460ほか)。 イ 申立人商品の多くの種類の商品の容器には、爪痕のような図形と、別掲3のとおり、デザイン化された「MONSTER」の文字(以下「MONSTERロゴ」という。)及び「ENERGY」の文字からなる商標(色彩が異なるものを含む。以下「別掲3商標」という。)が表示されている(甲7、甲8、甲10~甲13など上記アと同じ。)。 ウ 申立人は、我が国で開催される各種のスポーツ競技会、イベントにおいて、看板、ユニフォーム、車体など多種多様なものに、別掲3商標又はこれと共に爪の図柄を表示している(甲73~甲80、甲82ほか)。 エ 我が国において、別掲3商標又はこれと共に爪の図柄が表示されたステッカー、衣類、帽子、ヘルメットなどが販売されている(甲47、甲48、甲98ほか)。 オ 有限会社飲料総研の調査によれば、我が国における2013年のエナジードリンクの出荷数は約950万ケース(1ケース30本換算)であり、首位のレッドブルが550万ケース、2位のモンスターエナジーは240万ケースであった(甲317、甲318、甲320)。 カ ジャストシステムによるエナジードリンクに関する調査(2014年4月)によれば、認知度が高い商品の1位は82.8%の「RedBull」、2位は47.6%の「MONSTERENERGY」であった(甲319)。 キ JMR生活総合研究所による消費者調査 No.196「エナジードリンク(2014年7月版)」によれば、ブランド認知率の1位は「レッドブル・エナジードリンク」で45%、2位が「モンスターエナジー」で31%であり、同消費者調査No.232「エナジードリンク(2016年8月版)」によれば、ブランド認知率の1位は「レッドブル・エナジードリンク」、2位は「モンスターエナジー」であったと推認できる(甲311、甲312)。 ク 2019年3月29日付け「日経MJ」18ページにおいて、「モンスターエナジー、レッドブル超え」の見出しの下、「飲料総研によると2018年の販売実績は1千万ケースに近づき、それまでカテゴリーの首位を走っていた「レッドブル」を超えた。」との記載がある(職権調査)。 ケ 2022年5月7日付け「モンスターエナジー、レッドブルを駆逐しトップ独走状態の秘密・・・周到な販売戦略」をタイトルとするウェブページには、「全国のドラッグストアのPOSデータをもとにした買物指数によると、エナジードリンクの火付け役だった「レッドブル・エナジードリンク」を抑え、モンスターエナジーの売り上げが独走状態になっている。今や日本国内のトップシェアを獲得しているのだ。」との記載がある(甲448)。 コ JMR生活総合研究所による「消費者調査データ No.365「エナジードリンク(2022年5月版)」」によれば、ブランド認知率の1位は「リアルゴールド」、2位が「レッドブル」で57.6%、3位が「モンスターエナジー」で55.4%であった(甲449)。 サ 2022年10月25日付け「日経クロストレンド」と称するウェブページには、「エナジードリンク飛躍、販売額4年で3倍増 日本コカは苦戦」のタイトルのもと、「エナジードリンク、メーカー別販売金額シェアの推移」の図があり、それには2018年9月ないし2022年9月として、「モンスターエナジージャパン」がいずれも40%前後でトップシェアとされている(甲450)。 シ 申立人及びアサヒ飲料株式会社(以下、両者をあわせて「申立人等」という。)は、本件商標の登録出願の日前から、申立人商品に係るニュースリリース、ポスターなどで申立人商品を「モンスターエナジー」と表示し、また、申立人等以外のウェブページにおいても、申立人商品は「モンスターエナジー」と表されている。なお、「モンスター」及び「MONSTER」の文字は、申立人商品の写真とともに表されていることが散見される(甲58、甲63、甲69、甲71、甲101~甲103、甲113、甲115、甲118、甲119、甲124、甲132、甲162、甲163、甲165、甲241、甲251、甲256、甲258~甲260ほか)。 (2)上記(1)からすると、申立人等は、我が国において、2012年5月からエナジードリンク「MONSTER ENERGY」及び「MONSTER KHAOS」の販売を開始し、その後現在まで約30種類の申立人商品を販売していること、各種のスポーツ競技会及びイベントなどを通じ、申立人商品の広告宣伝を行っていたこと、2013年(平成25年)のエナジードリンクの出荷数約950万ケースのうち、申立人商品の出荷数は240万ケースで第2位であり、申立人商品の販売実績は2018年(平成30年)に1千万ケースに近づき、以後2022年(令和4年)まで毎年販売シェア40%前後で第1位であること、及び、申立人商品はエナジードリンクのブランド認知率の調査において、2014年は47.6%と31%と数値に差異はあるものの、いずれの調査でも第2位であり、2016年は2位であり、2022年は55.4%で第3位であったことなどが推認できるから、申立人商品は、本件商標の登録出願の日(2023年(令和5年)1月5日)ないし登録査定日(2023年(令和5年)6月5日)において、我が国のエナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものと判断するのが相当である。 そして、申立人商品の多くの種類の商品(の容器)にMONSTERロゴ及び「ENERGY」の文字(別掲3商標)が表示され、申立人等などが申立人商品を「モンスターエナジー」と表していることから、引用商標2及び引用商標3は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、いずれも申立人等の業務に係る商品(エナジードリンク)を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものといえる。 しかしながら、申立人商品の広告宣伝は、各種のスポーツ競技会及びイベントなどを通じて行われているものの、老若男女を問わず幅広い需要者層が目にする機会の多い一般的なメディアを通じたものとはいえないばかりか、我が国における清涼飲料に対する申立人商品の市場占有率等も確認することができないこと等を総合的に判断すると、申立人商品並びに引用商標2及び引用商標3は、幅広い需要者層を有する一般的な清涼飲料の分野においてまで、取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは、認めることができない。 また、申立人商品は、その容器に「MONSTER」及び「ENERGY」の各文字が比較的近接して表示されているもの(別掲3を含む。)がほとんどであり、MONSTERのロゴのみが表示されている商品についての出荷数、シェア等の販売実績は確認できない。 さらに、「MONSTER」の文字のみからなる引用商標1及び引用商標5並びに「モンスター」の文字のみからなる引用商標6は、ニュースリリース、ポスター、ウェブサイト等において、申立人又は申立人商品の略称として表示又は掲載が見受けられるとしても、常に申立人商品又は「モンスターエナジー」若しくは別掲3商標の文字と共に表示又は掲載されていることからすれば、これに接する需要者は、そこに表示又は掲載された「MONSTER」の文字のみ(引用商標1及び引用商標5)及び「モンスター」の文字のみ(引用商標6)からなる商標は、申立人商品(「モンスターエナジー」)の一連の名称として使用されていることを前提に、申立人商品(「モンスターエナジー」)を指称する文字として理解するというべきである。 そうすると、別掲3商標と関連なく表示されている「MONSTER」の文字及び「モンスター」の文字までもが、需要者において申立人商品を表示するものと理解されるとはいい難い。 したがって、「MONSTER」又は「モンスター」の文字からなる引用商標1、引用商標5及び引用商標6は、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 さらに、引用商標4は、「MONSTER ENERGY」の文字からなるところ、当該商標が使用された指定役務についての取引額及び広告実績等が確認できないものであるから、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 2 本件商標と引用商標の類似性とその程度について (1)本件商標について 本件商標は、上記第1のとおり「OUTDOOR MONSTER」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字に相応し「アウトドアモンスター」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載されておらず、特定の意味合いを理解させるものではないから、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1、引用商標5及び引用商標6について 引用商標1は、「MONSTER」の文字を標準文字で表してなり、引用商標5は、「MONSTER」の欧文字よりなり、引用商標6は、「モンスター」の片仮名よりなるものであるから、これらは、いずれも当該文字に相応し「モンスター」の称呼を生じ、「モンスター(怪物)」の観念を生じるものである。 イ 引用商標2、引用商標3及び引用商標4について 引用商標2は、別掲2のとおり爪図柄の下に、ややデザイン化された「MONSTER」の欧文字とやや小さく「ENERGY」の欧文字を二段に書してなるところ、爪図柄と「MONSTER ENERGY」の欧文字は、重なることなく配されており、爪図柄と欧文字とが、視覚上、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものである。 そして、「MONSTER ENERGY」の欧文字部分からは、当該欧文字に相応して「モンスターエナジー」の称呼及び「怪物の力、化け物の力」の観念を生じる。 引用商標3及び引用商標4は、「MONSTER ENERGY」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して「モンスターエナジー」の称呼及び「怪物の力、化け物の力」の観念を生じる。 (3)本件商標と引用商標の類似性及びその程度について ア 本件商標と引用商標1、引用商標5及び引用商標6の類似性及びその程度について (ア)本件商標と引用商標1及び引用商標5の類似性及びその程度について 本件商標と引用商標1及び引用商標5の類否を検討すると、本件商標「OUTDOOR MONSTER」と引用商標1及び引用商標5の「MONSTER」は、「OUTDOOR」の文字の有無などの差異を有し、この差異が両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、両者を離隔的に観察しても、外観上相紛れるおそれのないものである。 次に、本件商標から生じる「アウトドアモンスター」の称呼と引用商標1及び引用商標5から生じる「モンスター」の称呼を比較すると、両者は、本件商標の語頭部における「アウトドア」の音の有無の差異を有し、この差異が両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、これらは聞き誤るおそれのないものである。 さらに、観念においては、本件商標が特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標1及び引用商標5は「モンスター(怪物)」の観念を生じるものであるから、これらは、観念において、相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標1及び引用商標5は、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、これらの外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 その他、本件商標と引用商標1及び引用商標5が類似するというべき事情は見いだせない。 (イ)本件商標と引用商標6の類似性及びその程度について 本件商標と引用商標6の類否を検討すると、本件商標「OUTDOOR MONSTER」と引用商標6の「モンスター」の片仮名は、構成文字に明らかな差異を有し、両者を離隔的に観察しても、外観上、相紛れるおそれのないものである。 次に、本件商標から生じる「アウトドアモンスター」の称呼と引用商標6から生じる「モンスター」の称呼を比較すると、両者は、本件商標の語頭部における「アウトドア」の音の有無の差異を有し、この差異が両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、これらは聞き誤るおそれのないものである。 さらに、観念においては、本件商標が特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標6は「モンスター(怪物)」の観念を生じるものであるから、これらは、観念において、相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標6は、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、これらの外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 その他、本件商標と引用商標6が類似するというべき事情は見いだせない。 イ 本件商標と引用商標2、引用商標3及び引用商標4の類似性及びその程度について (ア)本件商標と引用商標2の類似性及びその程度について 本件商標と引用商標2の類否を検討すると、本件商標「OUTDOOR MONSTER」と別掲2のとおりの構成よりなる引用商標2は、爪図柄の有無や構成文字に明らかな差異を有し、両者を離隔的に観察しても、外観上、相紛れるおそれのないものである。 次に、本件商標から生じる「アウトドアモンスター」の称呼と引用商標2から生じる「モンスターエナジー」の称呼を比較すると、両者は「アウトドア」と「エナジー」の音の有無の差異を有し、この差異が両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、これらは聞き誤るおそれのないものである。 さらに、観念においては、本件商標が特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標2は「怪物の力、化け物の力」の観念を生じるものであるから、これらは、観念において、相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標2は、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、これらの外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 その他、本件商標と引用商標2が類似するというべき事情は見いだせない。 (イ)本件商標と引用商標3及び引用商標4の類似性及びその程度について 本件商標と引用商標3及び引用商標4の類否を検討すると、本件商標「OUTDOOR MONSTER」と引用商標3及び引用商標4の「MONSTER ENERGY」の文字は、「OUTDOOR」の文字と「ENERGY」の文字の有無に明らかな差異を有し、両者を離隔的に観察しても、外観上、相紛れるおそれのないものである。 次に、本件商標から生じる「アウトドアモンスター」の称呼と引用商標3及び引用商標4から生じる「モンスターエナジー」の称呼を比較すると、両者は「アウトドア」と「エナジー」の音の有無などの差異を有し、この差異が両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、これらは聞き誤るおそれのないものである。 さらに、観念においては、本件商標が特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標3及び引用商標4は「怪物の力、化け物の力」の観念を生じるものであるから、これらは、観念において、相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標3及び引用商標4は、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、これらの外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 その他、本件商標と引用商標3及び引用商標4が類似するというべき事情は見いだせない。 ウ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標は、これらの外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、その類似性の程度は低いものである。 3 商標法第4条第1項第15号について (1)引用商標の周知性及び独創性の程度 上記1のとおり、引用商標中、引用商標2及び引用商標3は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、いずれも申立人商品を表示するものとして、エナジードリンクの需要者の間に広く認識されているものといえるが、「エナジードリンク」以外の商品の需要者の間にまで広く認識されているものとは認められないものである。 また、引用商標中、引用商標1、引用商標4ないし引用商標6は、上記1のとおり周知性は認められないものである。 そして、引用商標1、引用商標5及び引用商標6を構成する「MONSTER」の欧文字又は「モンスター」の片仮名は、いずれも我が国で親しまれた成語であるから、これらの商標の独創性の程度は極めて低いものである。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度 上記2のとおり、本件商標と引用商標は、これらの外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきであるから、類似性の程度は低いものである。 (3)混同のおそれ 上記(1)のとおり、引用商標2及び引用商標3は、「エナジードリンク」以外の商品については、その周知性が認められないものである。 また、引用商標1及び引用商標4ないし引用商標6の周知性は認められない上、引用商標1、引用商標5及び引用商標6の独創性の程度は極めて低いものである。 さらに、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきものである。 そうすると、本件商標の指定役務中、申立てに係る役務と申立人商品との関連性の程度、需要者の共通性などを考慮しても、商標権者が本件商標を申立てに係る役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人等)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 (4)小括 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第11号について 申立人は、本件商標と引用商標1が類似する商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する旨主張する。 しかしながら、上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標1は、相紛れるおそれのない非類似の商標である。 なお、申立人は、本件商標は、その構成中に需要者の間に広く認識された引用商標1(「MONSTER」の文字)を含むため、本件商標は引用商標1と類似する旨主張するが、上記1(2)のとおり、「MONSTER」の文字は、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとはいえないから、申立人の主張は採用できない。 その他、本件商標と引用商標1が類似するというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標1とは非類似の商標であるから、本件商標の指定役務が、引用商標1の指定商品と同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 5 商標法第4条第1項第19号について 申立人は、本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして広く認識されていた「MONSTER(モンスター)」(引用商標5、引用商標6)と類似であり、かつ、申立人商品と同一又は類似の飲料の小売等役務、並びに申立人商品と極めて関連性の深いその他の飲食料品の小売等役務に使用されるものであるから、本件商標をそれら役務に使用する行為は、申立人のMONSTERブランドの顧客吸引力にフリーライドするものである旨主張する。 しかしながら、上記1(2)のとおり、引用商標5及び引用商標6は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものとは認められず、上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標5及び引用商標6とは、非類似の商標である。 加えて、本件商標が、申立人の業務に係る引用商標の知名度や名声にフリーライドするなどの不正の目的をもって使用されるものであると認めるに足りる事実を見いだすことはできない。 また、本件商標権者が引用商標の出所表示機能を希釈化させることを認識し、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実があるということもできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 6 商標法第4条第1項第7号について 本件商標は、上記第1のとおりの構成からなるものであって、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではない。 また、本件商標は、上記3のとおり、商標権者がこれを申立てに係る役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることのないものである。 その他に、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合等、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足る具体的な証拠の提出はない。 そうすると、本件商標は、引用商標の出所表示力を希釈化するとか、その名声にフリーライドするなど不正の目的をもって使用するものとはいえず、また、他に商標権者が本件商標をその指定役務に使用することが社会一般の道徳に反し公正な取引秩序を乱す、あるいは国際信義に反するなど、公序良俗に反するものというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 7 むすび 以上のとおり、本件商標の申立てに係る役務についての登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-900203

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