商標異議申立
2023-900191
ゲルマ、ジェルマ、ジャーマ
- 審判番号
- 2023-900191
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-001470
- 登録番号
- 6710149
- 請求日
- 2023年08月29日
- 審決日
- 2024年03月19日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社浅井ゲルマニウム研究所
- 【権利者代理人】麦島 隆
- 【異議申立人】イーザルケア ホールディング ゲーエムベーハー
- 【異議申立人代理人】弁理士法人浅村特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T1652.4 -Y (W0305) / T1652.271-Y (W0305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項15号商標法8条1項商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第8条第1項、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6710149号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6710149号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6710149号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゲルマ」の片仮名及び「GERMA」の欧文字を上下二段に横書きした構成からなり、令和5年1月10日に登録出願、第3類「ゲルマニウムを添加した化粧品,化粧品」、第5類「ゲルマニウムを含有する薬剤,薬剤(農薬に当たるものを除く。),医療用試験紙」を含む第1類、第3類、第5類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年5月15日に登録査定され、同年6月21日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議申立ての理由として引用する国際登録第1647594号商標(以下「引用商標」という。)は、「GermaCare」の欧文字を横書きした構成からなり、2022年(令和4年)5月31日に国際商標登録出願(事後指定)、第3類「Non-medicinal preparations for body and beauty care, especially skin creams.」及び第5類「Pharmaceutical products, in particular medicated skin creams.」を指定商品として、令和5年9月22日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第3類及び第5類の全指定商品(以下「申立てに係る商品」という。)について、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その商標登録は取り消されるべきである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号を提出した。
1 商標法第8条第1項について
本件商標は、片仮名「ゲルマ」を上段に、欧文字「GERMA」を下段に、それぞれ配しているのに対して、引用商標は、欧文字「Germa」と「Care」を左横書きに表示して、それぞれ「G」と「C」は大文字で構成されている。ここで、欧文字「Germa」は特定の観念を想起させない言葉であるのに対して、後半部分である欧文字「Care」は「人の世話・介護・ケア、注意、保護」等を意味するごく初歩的な英単語であると共に、例えば「スキンケアをする。」「患者をケアする。」「お年寄りをケアする。」「赤ちゃんのケアをする。」のように「Care(ケア)」は日本語の日常生活に定着して使用されているごく自然な言葉であることは明らかである。このため、引用商標は「ゲルマで」又は「ゲルマを用いて」ケアするという意味合いを想起することとなる。
そうすると、第3類及び第5類の商品との具体的関係においては、引用商標の後半部分「Care」は商品の機能や用途を示す記述的な表現にとどまり、「Germa」が要部として一般の取引者・消費者に強く認識されるから、本件商標「ゲルマ/GERMA」と引用商標は類似する商標である。
本件異議申立ての対象は、本件商標の指定商品中、第3類と第5類の指定商品であるから、引用商標と同一又は類似の商品の関係にある。
本件商標の出願日は令和5年1月10日、先願権発生日は同日であるのに対して、引用商標の事後指定日は同4年(2022年)5月31日、先願権発生日は同日であるから、申立人は商標法第8条第1項に規定される「最先の商標登録出願人」に該当する。
そうすると、本件商標は、商標法第8条第1項「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なつた日に二以上の商標登録出願があつたときは、最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる。」に違反して登録がされたものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標は「Germa」の部分において共通するうえ、引用商標の後半部分「Care」は第3類及び第5類の商品との具体的関係においては、商品の機能や用途を示す記述的な表現にとどまる。引用商標に近似する本件商標が第3類及び第5類の商品に使用された場合には、それに接する取引者・消費者が申立人の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがあるのみならず、申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがある。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第15号「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)」に違反して登録がされたものである。
第4 当審の判断
1 商標法第8条第1項について
(1)本件商標
本件商標は、「ゲルマ」の片仮名及び「GERMA」の欧文字を上下二段に横書きした構成からなるところ、上段の「ゲルマ」の片仮名は、下段の「GERMA」の欧文字の読みを表したものと容易に理解されるものであるから、その構成文字に相応して「ゲルマ」の称呼を生ずるものである。
そして、「GERMA」の欧文字は、一般的な辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語といえるものである。
そうすると、本件商標は、「ゲルマ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、「GermaCare」の欧文字を横書きした構成からなるところ、その構成は、同じ大きさ、同じ書体で、等間隔にまとまりよく表されていることから、視覚上一体的に看取されるものである。
また、その構成文字に相応して「ゲルマケア」の称呼が生ずるところ、該称呼は格別冗長というべきものでなく、無理なく一連に称呼し得るものであるから、引用商標は、構成文字全体を一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。
そして、その構成文字中、前半の「Germa」の文字は、上記(1)における「GERMA」とつづり字を同じくするから、一種の造語といえるものであり、また、後記2のとおり、申立人の業務に係る商品を表すものとして、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものである。
してみると、その構成文字中、後半の「Care」の文字が「人の世話・介護・ケア、注意、保護」等の意味を有する外来語であるとしても、引用商標の上記構成及び称呼からすれば、引用商標は、その構成全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識し、把握されるというのが相当であり、これに接する取引者、需要者は、殊更に「Germa」の文字部分に着目することはないというべきである。
そうすると、引用商標は、「ゲルマケア」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、両者は片仮名の有無、欧文字部分について大文字のみからなるものと大文字と小文字からなるものといった相違及び「Care」の文字の有無において明らかに異なるものであるから、外観上、明確に区別できるものである。
次に、称呼を比較すると、本件商標と引用商標は、「ゲルマ」の音を共通にするとしても、「ケア」の音の有無で相違し、その構成音が3音又は5音と比較的短い音構成においては、該「ケア」の音の有無の相違が称呼全体に与える影響は少なくなく、これらを一連に称呼しても語調語感が明らかに異なるから、称呼上、明瞭に聴別されるものである。
また、観念については、両者とも特定の観念を生じないから、観念上、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、その外観及び称呼において明らかに異なるものであるから、これらを総合して判断すると、両者は相紛れるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第8条第1項に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、本件商標が第3類及び第5類の申立てに係る商品に使用された場合には、それに接する取引者・消費者が申立人の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがあるのみならず、申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがある旨主張している。
しかしながら、上記1のとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標であり、また、申立人は、引用商標を付した申立人の業務に係る商品の販売実績、宣伝広告の時期、規模、地域、広告宣伝費など、引用商標の周知性を判断するための証拠を何ら提出していないから、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者にどの程度認識されているのか把握、評価することができないものである。
そうすると、本件商標は、その指定商品中の申立てに係る商品について使用しても、これに接する取引者、需要者に引用商標を連想又は想起させるということはできず、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれもないといわざるを得ない。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
よって、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないから、申立人の主張は採用できない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、申立てに係る商品について、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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