商標異議申立
2023-900190
ソーファン、ソファン
- 審判番号
- 2023-900190
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-029611
- 登録番号
- 6713761
- 請求日
- 2023年08月23日
- 審決日
- 2024年04月18日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】SoFun株式会社
- 【権利者代理人】椿 豊
- 【異議申立人】株式会社 SoFun
- 【異議申立人代理人】飯田 昭夫
- 【異議申立人代理人】江間 路子
- 【異議申立人代理人】安藤 敏之
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 杉本 克治
- 分類
- T1652.261-Z (W09) / T1652.262-Z (W09) / T1652.263-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の3第2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6713761号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6713761号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具」についての商標登録を取り消す。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6713761商標(以下「本件商標」という。)は、「SoFun」の文字を標準文字で表してなり、令和5年3月20日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,映写フィルム」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),写真の撮影,通訳,翻訳」を指定商品及び指定役務として、同年6月20日に登録査定、同年7月3日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第5895546号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおり、「Sofirn」の欧文字及び「ソファン」の片仮名を2段に横書きしてなり、平成28年5月13日登録出願、第9類「乾電池,湿電池,蓄電池,充電池,電池,電池用充電器,電気通信機械器具」を指定商品として、同年11月11日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、証拠を表示する場合は、以下、「甲○号証」を「甲○」のように省略して記載し、枝番号を全て表示する場合は、枝番号を省略して記載する。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「SoFun」の欧文字を書してなるものであるから、これより「ソファン」の自然の称呼を生ずる。
なお、本件商標に係る公報の【称呼(参考情報)】欄には、「ソーファン、ソファン」と記載されているが、「ソーファン」の方が先に記載されていることは、「ソファン」に比して「ソーファン」の方がより自然な称呼であることを意味するものではない。
例えば、本件商標と同じく欧文字「Sofun」から構成される登録商標第6274921号(甲3(1))の【称呼(参考情報)】欄には、本件商標に係る公報とは逆に、筆頭に「ソファン」、次に「ソーファン」が記載されている。
これらのことから、「ソファン」と「ソーファン」は、同じ程度に自然に生ずる称呼であることが裏付けられる。
よって、本件商標は、引用商標と称呼を同一又は類似とする商標であるといえる。
そして、指定商品についてみれば、本件商標と引用商標の指定商品中、「電気通信機械器具」は、同一の商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、上記主張が申立人の一方的な主張ではなく、特許庁も同様の判断であることは、登録第6274921号商標(甲3(1))の審査段階において、登録第5895546号商標(甲2)を引用した拒絶理由通知(甲3(2))を受け、これに対応するために同一又は類似する指定商品(電気通信機械器具など)を削除した結果、拒絶の理由が解消した経緯からも裏付けられる。
2 むすび
上記したとおり、本件商標は引用商標と類似のものであり、また、第9類の指定商品中「電気通信機械器具」も同一の商品である。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。
第4 当審における取消理由通知
当審において、令和6年1月19日付けで、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)に対し、「本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具」について、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨の取消理由を通知し(以下「取消理由通知」という。)、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。
第5 本件商標権者の意見
本件商標権者は、上記第4の取消理由通知に対する意見を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
1 本件商標「SoFun」の意味合いについて
本件商標は、その構成中「So」は「とても」、「Fun」は「おもしろい」を示す語として日本人の中に広く浸透しており、「SoFun」であれば「とてもおもしろい」の意味合いがあるとほぼ全員が認識するものと考える。
さらに、本件商標権者のウェブページ(乙1)に示されるように、本件商標権者は「中小企業が再び輝く社会を作り、日本をおもしろくする。」をビジョンとして社名と商標の周知活動、広報活動を行っており、一般需要者の間にも「SoFun」に「とてもおもしろい」の意味合いがあると強く根付いているものと確信する。
2 本件商標と引用商標の類否について
引用商標は、「Sofirn」の欧文字の下に「ソファン」の片仮名を2段に横書きしたものであり、これに対して本件商標は「SoFun」の文字を標準文字で表しており、引用商標とは外観が全く異なるものであって、両者を観察した需要者がこれら商標を類似と捉えることはあり得ない。
また、取消理由通知では、本件商標と引用商標が共に「ソファン」の称呼を生じ、称呼同一であると結論付けているが、上述のとおり、本件商標は「SoFun」であり、大文字の部分で区切られる「So」と「Fun」からなる商標であると誰もが認識するものである。
「So」は「とても」、「Fun」は「おもしろい」を示す語として日本人の中に広く浸透していることから考えても、「SoFun」は「ソーファン」、その構成は「ソー」と「ファン」の2つの語の連続として称呼されるものであり、このことは、日本経済新聞において本件商標権者が「ソーファン」として記事にされていることからも明らかである(乙2)。
さらに、取消理由通知では、観念において本件商標と引用商標とは比較できないとされるが、「SoFun」であれば「とてもおもしろい」の意味合いがあるとほぼ全員が認識するものである。
よって、本件商標と引用商標はその外観、称呼、観念のいずれにおいても類似しないものであり、本件に商標法第4条第1項第11号が適用されることはあり得ないものと確信する。
第6 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「SoFun」の文字を標準文字で表してなるところ、当該語は、辞書類に載録されている語ではなく、特定の意味合いをもって親しまれている語でもないことから、一種の造語として認識されるものである。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「ソファン」の称呼が生じ、特定の観念を生じない一種の造語として認識される。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、「Sofirn」の欧文字及び「ソファン」の片仮名を2段に横書きしてなるところ、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを表したものと理解されるものである。
そして、当該語は、辞書類に載録されている語ではなく、特定の意味合いをもって親しまれている語でもないことから、一種の造語として認識されるものである。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「ソファン」の称呼が生じ、特定の観念を生じない一種の造語として認識される。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標との類否を検討するに、両商標は、全体の外観において相違するとしても、本件商標と引用商標の上段の「Sofirn」とは、語頭部の「SoF(Sof)」について、3文字目が大文字と小文字の差異があるものの、その文字のつづりを同じくするものであって、末尾の「n」も同じくするものであるから、それらの構成文字の中間部において「u」と「ir」の差異を有してなるも、外観において近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、本件商標と引用商標は、共に「ソファン」の称呼を生じるものであるから、両者は称呼を同一にするものである。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標とは、共に特定の観念を生じないものであるから、両者は観念において比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものの、外観において差異を有するとしても、その差異は上記のとおり商標の類否全体に大きな影響を与えるものではなく、近似した印象を与えるものであり、「ソファン」の称呼を共通にするものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は相紛れるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
(4)本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具」と、引用商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具」とは、同一の商品である。
(5)小括
以上(1)ないし(4)により、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具」と、引用商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具」は同一であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)本件商標権者の主張について
ア 本件商標権者は、本件商標は「SoFun」の文字から構成されるところ、その構成中「So」は「とても」、「Fun」は「おもしろい」を示す語として日本人の中に広く浸透しており、「SoFun」であれば「とてもおもしろい」の意味合いがあるとほぼ全員が認識するものと考えられ、さらに、本件商標権者のウェブページ(乙1)に示されるように、本件商標権者は「中小企業が再び輝く社会を作り、日本をおもしろくする。」をビジョンとして社名と商標の周知活動、広報活動を行っており、一般需要者の間にも「SoFun」に「とてもおもしろい」の意味合いがあると強く根付いている旨主張する。
しかしながら、たとえ、「So」が「とても」を、「Fun」が「おもしろい」を表す語であるとしても、両語をスペースを介さずに結合してなる「SoFun」の文字(語)は、一般に使用される辞書類に載録されていることは認められず、特定の意味合いをもって親しまれている語であるともいえないことから、一種の造語として認識されるというべきである。
そして、本件商標権者が提出した証拠によっては、同人が同人のウェブサイトにおいて「中小企業が再び輝く社会を作り、日本をおもしろくする。」をビジョンとして掲げていることはうかがえるものの、「SoFun」の文字が、一般の需要者の間に、「とてもおもしろい」の意味合いがあると認識されていることを具体的に立証したものと認めることはできない。
イ 本件商標権者は、本件商標と引用商標とは外観が全く異なるものであって、引用商標が「ソファン」の称呼を生じるのに対し、本件商標は「ソーファン」として称呼され「とてもおもしろい」の意味合いがあるとほぼ全員が認識するものであるから、本件商標と引用商標はその外観、称呼、観念のいずれにおいても類似しないものであり、本件に商標法第4条第1項第11号が適用されることはあり得ない旨を主張する。
しかしながら、上記(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与えるものであり、また、上記(1)及びアのとおり、本件商標は、「ソファン」の称呼を生じ、特定の観念を生じない一種の造語として認識されるものである。
仮に、本件商標権者の主張のとおり、本件商標から「ソーファン」の称呼が生じたとしても、引用商標から生じる「ソファン」の称呼とは、第2音目における長音の有無の差異を有するにすぎず、他の音全てを共通にするものであるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときには、音調、音感が近似し、互いに相紛らわしいものと判断するのが相当である。
ウ よって、本件商標権者の主張は、いずれも採用することができない。
(7)まとめ
したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具」は、引用商標の指定商品と同一の商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 むすび
以上のとおり、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電気通信機械器具」についての登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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