商標異議申立
2023-900186
プレフレグランス、プリフレグランス、プレ、プリ、ピイアアルイイ
- 審判番号
- 2023-900186
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-145426
- 登録番号
- 6706336
- 請求日
- 2023年08月17日
- 審決日
- 2024年02月27日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社コーセー
- 【異議申立人】日本香料工業会
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 大森 友子
- 審判官 板谷 玲子
- 分類
- T1651.13 -Y (W03) / T1651.16 -Y (W03) / T1651.272-Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法3条1項6号商標法4条1項16号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6706336号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6706336号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6706336号商標(以下「本件商標」という。)は、「プレフレグランス」の片仮名及び「pre-fragrance」の欧文字を2段に書してなり、令和4年12月21日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,口臭用消臭剤,つけづめ,つけまつ毛,化粧用脱脂綿,洗濯用柔軟剤,つけまつ毛用接着剤,研磨紙,化粧用綿棒,香水,香水類」を指定商品として、同5年5月16日に登録査定、同年6月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
「フレグランス」および「fragrance」が香料という観念を表す語であることは証拠を挙げるまでもなく周知である。
また、「プレ-(pre-)」は、「前の」という意味を有する接頭辞である。そうすると、「プレフレグランス」及び「pre-fragrance」は、香料の前または前の香料といった意味合いを想起させ、実質的には香料となる前の状態、段階、又は物質などの意味合いを想起させるにすぎないといえる。
一方、「プレ-(pre-)」と同様の意味をもたらす言葉に「プロ-(pro-)」がある。「プレ-(pre-)」と「プロ-(pro-)」はいずれも意味が類似しているのみならず、外観、称呼においても類似する。
したがって、「プレ-(pre-)」と「プロ-(pro-)」は容易に置き換え可能な言葉であるといえる。
そして、「プロフレグランス」は、香料前駆体を示す語として香料やこれに関係する製品を取り扱う業界において既に周知である(甲1~甲8)。
そうすると、「プレフレグランス」を商品「香料」に使用した場合、需要者は「プロフレグランス」と同様に、香料になる前の物質、すなわち「香料前駆体」を想起することは明らかである。
したがって、香料前駆体について、「プレフレグランス」を用いることは、その商品の品質その他の特徴を普通に用いられる方法で表示しているため、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
以上から、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第6号について
本件商標は、仮に商標法第3条第1項第3号に該当しないとする場合であっても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標である。
ア 普通名称との類似について
公表特許公報(甲2、甲4)及びインターネット上の記事(甲6~甲8)には、香料における特定の技術を示す語としていずれも「プロフレグランス」が使用されている。また、国際特許出願(甲2~甲4)には、特定の香料技術を示す語としていずれも「pro-fragrance」が使用されている。
これらの証拠から見るに、商品「香料」において、少なくとも「プロフレグランス」「pro-fragrance」は普通名称と認められる。
本件商標は、「プレフレグランス\pre-fragrance」であり、「プロフレグランス」「pro-fragrance」とは完全に同一ではないが、外観、称呼、観念のいずれにおいても極めて類似しており、需要者が「プロフレグランス」「pro-fragrance」と実質的に同一と判断してもおかしくないほどに相紛らわしいものである。
そうすると、「プレフレグランス」を商品「香料」に使用した場合、需要者は「プロフレグランス」と同様に、香料になる前の物質、すなわち「香料前駆体」を想起することは明らかである。
イ まとめ
以上より、本件商標中の「プレフレグランス」と「プロフレグランス」は少なくとも類似する商標である。また、これに触れた需要者は「プロフレグランス」と誤認するか、さらには誤字であると推認する蓋然性も高く、何人かの業務にかかる商標であると認識する事は極めて困難である。
また、予備的に英語表記について判断したとしても、本件商標中の「pre-fragrance」と「pro-fragrance」は類似する商標である。また、これに触れた需要者は「pro-fragrance」と誤認するか、さらには誤字であると推認する蓋然性も高く、何人かの業務にかかる商標であると認識する事は極めて困難である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第16号について
本件商標を、香料前駆体以外の香料に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「プレフレグランス」の片仮名及び「pre-fragrance」の欧文字を2段に書してなるものである。
イ 申立人の提出の証拠によれば、「プロフレグランス」及び「pro-fragrance」の語について、化粧品、洗濯用柔軟剤等に関する何らかの化合物又は成分を表すものとして使用されている(甲2~甲8)。
しかしながら、「プレフレグランス」及び「pre-fragrance」の文字が、本件商標の指定商品の品質等を表すものとして使用されているとする証拠の提出はない。
また、申立人は、「プレ-(pre-)」の語は、「前の」という意味を有する接頭辞であり、同様の意味をもたらす言葉に「プロ-(pro-)」がある旨主張しているが、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、「プレ-(pre-)」の語が「前の」という意味として使用されているとする証拠は提出されていないから、当該主張は採用することができない。
そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、商品の品質、原材料等を具体的に表示するものとはいえず、商品の品質について誤認を生ずるおそれもない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)商標法第3条第1項第6号該当性について
本件商標を構成する「プレフレグランス」及び「pre-fragrance」の文字は、上記(1)のとおり、本件商標の指定商品の具体的な品質等を表すものではなく、また、特定の意味合いを認識するものとして一般に使用されているものでもない。
そして、申立人は、本件商標を構成する「プレフレグランス」及び「pre-fragrance」の文字が普通名称に類似する旨の主張はしているものの、本件商標がその指定商品との関係において、自他商品の出所識別標識としての機能を有さないとする具体的な証拠を提出していない。
そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、自他商品の出所識別標識としての機能を有さないものとはいえず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとはいえず、他にその登録が、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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