商標異議申立
2023-900179
リモワ
- 審判番号
- 2023-900179
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-133281
- 登録番号
- 6701836
- 請求日
- 2023年08月04日
- 審決日
- 2024年02月26日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社シーイーシー
- 【権利者代理人】弁理士法人北青山インターナショナル
- 【異議申立人】リモワ・ゲーエムベーハー
- 【異議申立人代理人】長谷川 芳樹
- 【異議申立人代理人】黒川 朋也
- 【異議申立人代理人】魚路 将央
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T1651.261-Y (W3842) / T1651.262-Y (W3842) / T1651.263-Y (W3842) / T1651.264-Y (W3842)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第43条の2第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6701836号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6701836号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6701836号商標(以下「本件商標」という。)は、「りもわ」の平仮名を標準文字で表してなり、令和4年11月21日に登録出願、第38類「電気通信,オンラインフォーラム形式による通信,携帯電話機による通信,ストリーミングによるデータの伝送交換,電子掲示板による通信,ビデオオンデマンドによる送信,ビデオ会議用通信端末による通信」及び第42類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS),クラウドコンピューティングを介した仮想コンピュータシステムの提供,仮想現実用ソフトウエアの提供」を指定役務として、同5年5月12日に登録査定され、同月26日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する商標は、以下の2件の登録商標(これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 国際登録第1303010号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:Rimowa Electronic Tag
国際商標登録出願日:2016年(平成28年)3月18日(優先権主張:2015年(平成27年)9月28日、Germany)
設定登録日:平成29年6月16日
指定商品及び指定役務:第38類「Provision of internet connectivity; provision of connectivity to online services; provision of connectivity to wi-fi, mobile phone and other telecommunication services; radio communications; telecommunications by means of platforms and portals on the Internet; telecommunication gateway services; transmission of digital files; communications by computer terminals; telecommunications routing and junction services; message sending; computer aided transmission of messages and images; email services; satellite transmission; providing access to databases.」及び第42類「Design, updating, providing and rental of computer software and mobile applications; IT services, namely development, programming and implementation of software; design and development of computer hardware; design and development of computer software; recovery, installation, duplication, maintenance of computer software.」のほか、第9類、第18類及び第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
2 登録第5888846号商標(以下「引用商標2」という)
商標の態様:リモワ(標準文字)
登録出願日:平成28年3月18日
設定登録日:平成28年10月14日
指定役務:第42類「産業技術に関する調査・研究・開発及び助言,デザインの考案,グラフィックデザイン及びグラフィックアートのデザインの考案,工業デザインの考案,商品及びその包装デザインの考案,新製品の研究開発」のほか、第41類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第10号証(以下、「甲○」と表記する。)を提出した。
1 出願人について
申立人は、ドイツに本社を置くスーツケースなどを製造するメーカーであり、ルイ・ヴィトンなどをはじめとする世界最大のファッションブランド企業体であるLVMHグループの一員である。申立人は、1989年の創業以来、スーツケース、特にジェラルミン製のスーツケースが好評を博し、ビジネスマンのほか、映画撮影や写真機材、楽器を安全に運ぶためのケースとして、世界中で愛されている。我が国においても、現在、全国に26店舗を展開しているほか、オンラインショップも展開している(甲4)。
2 引用商標から生じる称呼について
(1)引用商標1から生じる称呼について
引用商標1は、「Rimowa Electronic Tag」と書してなる。そして、引用商標2の構成中「Rimowa」の文字部分は造語であり、取引者や需要者をして、容易に申立人を認識させるものであり、強い印象を与える部分である。
一方、「Electronic Tag」の文字部分は、「電子タグ」といった意味合いを容易に理解させるものであり、引用商標1の指定商品・役務との関係において、自他商品・役務の識別機能を有しない部分である。
したがって、引用商標1は、構成全体から生じる「リモワエレクトロニックタグ」の称呼のほか、「リモワ」の称呼が生じる。
すなわち、引用商標1中の「Electronic Tag」は、データを格納するICチップや小型の送受信用アンテナで構成された「電子タグ」を理解させる語であり、この「Electronic Tag」、「電子タグ」は、内蔵されたICチップに個別の識別情報を格納し、読み取り機から発せられる電波等をアンテナが受信し、通信可能となることで、接触することなく、格納された識別情報を読み書きすることを可能とするシステムであり、現在、小売業界や製造業などを始めとして、様々な業界において使用されている(甲5~甲10)。
そうとすると、引用商標1の指定商品・役務との関係において、特に、電子タグが属する第9類や、無線通信などを含む第38類、電子タグを用いた業務の効率化や生産管理などが行われているシステムの開発、提供を含む第42類においては、「Electronic tag」、「電子タグ」の語は、自他役務の識別標識としての機能を発揮しないから、引用商標1は、「リモワエレクトロニックタグ」の称呼のほか、「リモワ」の称呼が生じる。
(2)引用商標2から生じる称呼について
引用商標2は、標準文字で「リモワ」と書してなるものであり、その構成文字に相応して、「リモワ」の称呼が生じる。
3 本件商標と引用商標から生じる称呼の比較
本件商標は、標準文字で「りもわ」と書してなるものであり、その構成文字に相応して、「リモワ」の称呼が生じる。
そして、本件商標から生じる称呼と引用商標から生じる称呼を比較すると、いずれも「リモワ」の称呼が生じるから、両商標は、称呼を共通にするものであり、称呼上類似する。
4 本件商標と引用商標の指定役務の類似について
(1)本件商標と引用商標1の指定役務の比較
本件商標の第38類は、「電気通信やその他の通信、データの伝送交換」等を指定役務とするものである。一方、引用商標1の第38類の指定役務も、「電気通信やメッセージや映像の伝送交換」等を内容とするものである。
したがって、本件商標と引用商標1は、第38類の指定役務において類似する。
また、本件商標の第42類の指定役務中「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS),クラウドコンピューティングを介した仮想コンピュータシステムの提供,仮想現実用ソフトウエアの提供」は、引用商標1の指定役務中「Design,updating,providing and rental of computer software and mobile applications」と類似する。
また、本件商標の第42類の指定役務中「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」についても、引用商標1の指定役務と同様に、IT技術に関する高い専門性を用いて顧客に対して役務の用途に関して、紹介や助言を行うものである。
したがって、識別性の高い本件商標を使用して、上記役務を行うことは、申立人の役務との出所の混同を生ずるおそれのある類似の役務というべきである。
したがって、本件商標と引用商標1は、その指定役務において類似する。
(2)本件商標と引用商標2の指定役務の比較
本件商標の指定役務は上述のとおりである。一方、引用商標2の指定役務中、第42類「産業技術に関する調査・研究・開発及び助言」は、本件商標中の第42類の役務とは、科学的及び技術的に分野において、開発や助言を行う点において共通にする役務である。
したがって、識別力の高い本件商標を使用して、本件商標の第42類の指定役務について使用するときは、申立人の役務との出所の混同を生ずるおそれがある類似の役務というべきである。
したがって、本件商標と引用商標2は、その指定役務において類似する。
5 小括
以上より、本件商標は、引用商標と類似するものであり、また、指定役務においても類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標1の類否
ア 本件商標について
本件商標は、「りもわ」の平仮名を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般的な辞書等に掲載された語ではない。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「リモワ」の称呼を生じるが、特定の観念を生じない。
イ 引用商標1について
(ア)引用商標1は、「Rimowa Electronic Tag」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、同種文字を、同じ大きさ及び書体で、語間に1文字分の間隔を空けながらも、横一列にまとまりよく一連一体の構成で表されており、これより生じる「リモアエレクトロニックタグ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、引用商標1の構成中、「Rimowa」の文字部分は一般的な辞書等に掲載された語ではなく、「Electronic」の文字部分は「電子の」の意味を、「Tag」の文字部分は「札。タグ。」の意味を有する英語(「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)であるところ、構成文字全体として具体的な意味合いを認識させるものではない。
さらに、引用商標1の構成中、「Electronic Tag」の文字部分は、各語の語義を結合した「電子の札、タグ」程度の意味合いを想起させる語であるとしても、引用商標1のようなまとまりのよい一連一体の構成においては、その指定役務との関連において、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものとはいえず、また、それ以外の「Rimowa」の文字部分が、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものではない。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して、「リモアエレクトロニックタグ」の称呼を生じるが、特定の観念を生じない。
(イ)申立人は、引用商標1の構成中「Electronic Tag」の文字は、データを格納するICチップや小型の送受信用アンテナで構成された「電子タグ」を理解させる語であり、これは様々な業界において使用されている(甲5~甲10)から、その指定商品及び指定役務においては、当該文字は自他役務の識別標識としての機能を発揮しないから、引用商標1は「リモワ」の称呼が生じる旨を主張する。
しかしながら、引用商標1について、上記(ア)のとおり、その構成中「Electronic Tag」の文字部分は、各語の語義を結合した「電子の札、タグ」程度の意味合いを想起させる語であるとしても、そのまとまりのよい一連一体の構成においては、その指定役務との関連において、出所識別標識としての称呼、観念が生じないものとはいえない。
なお、申立人の提出する証拠(乙5~乙10)は、電子タグ(EPC/RFID)の解説記事や小売店での利用を紹介する記事内容が中心であり、「Electronic Tag」の欧文字が、引用商標1の指定役務(特に、第38類及び第42類に属する役務)との関係において、出所識別標識としての称呼、観念が生じないことを、直接かつ具体的に示すものではない。
ウ 本件商標と引用商標1の比較
本件商標と引用商標1を比較すると、外観においては、文字種(平仮名と欧文字)や構成文字及び文字数の明らかな差異により、判別は容易である。また、称呼においては、語頭の「リモワ」の音を共通にするとしても、語尾の構成音の有無により、全体としての語調、語間は明らかに異なるものとなるから、聴別は容易である。さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから、比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標1は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別及び聴別は容易だから、これらを総合して考察すれば、同一又は類似の役務について使用するときであっても、出所の混同を生じるおそれはなく、類似する商標とは認められない。
(2)本件商標の指定役務と引用商標2の指定商品及び指定役務の類否
ア 申立人は、本件商標の第42類の役務は、引用商標2の指定役務中、第42類「産業技術に関する調査・研究・開発及び助言」とは、科学的及び技術的な分野において、開発や助言を行う点において共通する役務であり、類似の役務といえる旨を主張するため、以下検討する。
イ 本件商標の指定役務中、第42類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS),クラウドコンピューティングを介した仮想コンピュータシステムの提供,仮想現実用ソフトウエアの提供」は、電子計算機の賃貸、専門機器の操作案内のデモンストレーション、ソフトウェアの提供などを行うサービスであり、主に電子計算機賃貸業者、専門機器のデモンストレーター、情報サービス業者などにより提供されるものである。
ウ 引用商標2の指定役務中「産業技術に関する調査・研究・開発及び助言」は、産業技術の分野における専門的な知識・技術を要する調査、研究又は開発等するサービスであり、主に当該分野に専門性を有する調査機関や研究所などにより提供されるものである。
エ 以上を踏まえると、本件商標の上記役務は、引用商標2の上記役務とは、サービスの内容や事業分野が異なるもので、役務の提供主体も異なるため、通常同一の事業者が提供するような役務ではないから、同一又は類似の商標を使用した場合に、出所の誤認混同を生じるおそれはなく、類似する役務とは認められない。
その他、本件商標の指定役務は、引用商標2の指定役務と、同一又は類似の役務を含まない。
(3)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標1は類似する商標ではなく、また、本件商標の指定役務と引用商標2の指定役務は同一又は類似する役務ではないから、その他の要件について検討するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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