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商標異議申立

2023-900174

ヨシワザジューコー、ヨシギョージューコー、キチギョージューコー

審判番号
2023-900174
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-144484
登録番号
6700198
請求日
2023年07月25日
審決日
2024年05月10日
公報発行日
2024年06月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】岡本 裕介
  • 【異議申立人】倪偉偉
  • 【異議申立人代理人】坪内 康治
審判長/審判官
  • 審判長 冨澤 武志
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 馬場 秀敏
分類
T1651.25 -Y (W25) / T1651.271-Y (W25) / T1651.222-Y (W25)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号、商標法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6700198号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6700198号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6700198号商標(以下「本件商標」という。)は、「吉業重工」の漢字を標準文字で表してなり、令和4年12月19日に登録出願、第25類「バンド,ガーター,靴下留め,仮装用衣服,ズボンつり,靴類,帽子,ベルト,和服,手袋,運動用特殊衣服,マフラー,履物,靴下,運動用特殊靴,被服」を指定商品として、同5年5月12日に登録査定、同月22日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。以下、枝番号のすべてを示すときは、枝番号を省略する。)を提出した。 (1)商標「吉業重工」の周知・著名性 申立人は、本件商標の登録出願より3年前に既に中華人民共和国にて、商標「吉業重工」を含むドメイン名の登録を受け、「被服,洋服,下着,履物,帽子,乳幼児服,ベルト,マフラー,手袋(被服),靴下」について、当該ドメイン名を使用して、中国を始めとして、広く世界に向けてネット販売している。 また、申立人は、本件商標の登録出願より2年前に中国特許庁(以下「中国国家知識産権局」という。)により、「吉業重工」の商標登録(甲2)、欧州連合特許庁(以下「欧州連合知的財産庁」という。)より、欧州での商標登録(甲3)及び中華人民共和国国家版権局にて、著作権登録も受けている(甲4)。 これらの登録商標、著作権登録による強力な法的保護の下、申立人は、商標「吉業重工」を被服関係の多種類の商品に使用して広く世界で販売しており、この関連商品では周知・著名な商標となっている。 例えば、申立人は、日本での販売に向けて、本件商標の登録出願前より、BASE株式会社(東京都港区六本木所在)が運営する販売サイト「BASE」にて販売者登録をしている。そして、2021年11月6日以降、商標「吉業重工」を使用して、同サイトにより、アウトドアパーカー、コート、ズボンなどを、多数の注文を受けて販売している(甲5)。 このように、申立人は、本件商標の登録出願前より、「吉業重工」をBASEサイトにて被服と同一又は類似の多種類の商品に使用して販売しており、取引者や消費者の間に広く認識されていて、この関連商品では周知・著名な商標である。 (2)商標法は、登録出願前に周知な商標を保護するために、他人の周知商標と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品・役務に使用するものは、拒絶理由としている。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (3)また、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれのある商標は、拒絶理由としている。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (4)さらに、本件商標権者がその商標を使用した場合、申立人の周知商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させるおそれが大きいから、他人の周知商標と同一又は類似で不正の目的をもって使用する商標は、拒絶理由としている。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 (5)また、商標法第29条は「商標権者は、登録商標の使用がその商標登録出願の日前に生じた他人の著作権若しくは著作隣接権と抵触するときは、登録商標の使用をすることができない」とされている。 3 当審の判断 (1)申立人が使用する商標「吉業重工」(以下「申立人使用商標」という。)の著名性について 申立人の主張及び提出された証拠によれば、申立人は、本件商標の登録出願より2年前(2020年6月21日)に中国国家知識産権局により、「吉業重工」の商標登録を受け(甲2)、欧州連合知的財産庁より、2020年1月9日に欧州での商標登録を受けている(甲3)。また、中華人民共和国国家版権局にて、2018年4月27日に著作権登録を受けている(甲4)。 しかしながら、商標「吉業重工」が中国及び欧州において商標登録されていること及び中国において著作権登録を受けていることのみでは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人使用商標が我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができないというべきである。 また、東京港区所在の第三者が運営する販売サイト「BASE」において、申立人は、販売者登録をして、同サイトによりアウトドアパーカー、コート、ズボンなどを販売していると主張する(甲5)。 しかしながら、提出された甲第5号証には、購入された商品として「アウトドアパーカー」、「コート」、「ズボン」などの被服等の表示とともに「之x吉業重工」の表示、配送情報として、本件商標の登録出願前の日付(2021年11月18日~2022年3月3日)は掲載されているが、当該販売サイトの運営者と申立人との関係については、主張のみで、契約関係を客観的に確認できる証拠提出がなく、その関係性を確認できないものであり、かつ、その他に、申立人使用商標を使用した商品の販売実績、広告の範囲や回数等も確認できないものである。 そうすると、申立人使用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国における需要者の間に広く認識されていたとは認めることができないというべきである。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性について 本件商標は、前記1のとおり、「吉業重工」の文字を標準文字で表してなり、一方、申立人使用商標は、「吉業重工」であるから、本件商標と申立人使用商標とは、同一又は類似の商標である。 また、本件商標の指定商品には、申立人使用商標に係る使用商品が含まれるといえる。 しかしながら、申立人使用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されているとはいえないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標は、前記1のとおり、「吉業重工」の文字を標準文字で表してなり、一方、申立人使用商標は、「吉業重工」であるから、本件商標と申立人使用商標とは、同一又は類似の商標であり、その類似性は高いものであり、また、本件商標の指定商品には、申立人使用商標に係る使用商品が含まれているから、両者の関連性が弱いとはいえない。 しかしながら、申立人使用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されているとはいえないものである。 そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、我が国及び外国における需要者が、申立人使用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないとするのが相当である。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標と申立人使用商標とは、「吉業重工」の文字を共通にする同一又は類似の商標である。 しかしながら、上記(1)のとおり、申立人の提出に係る証拠からは、申立人使用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示すものとして、我が国及び外国における需要者の間に広く認識されているとはいえないものであって、かつ、不正の目的についての客観的な証拠の提出がない。 そうすると、本件商標権者が申立人使用商標の出所表示機能を希釈化させたり、その信用や名声等を毀損させたりする目的その他の不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (5)申立人の主張について 申立人は、本件商標が他人の著作権若しくは著作隣接権と抵触するときは、登録商標の使用をすることができないとする商標法第29条違反である旨を主張しているが、登録異議の申立ては、同法第43条の2各号のいずれかに該当することを理由とするものであって、これらに該当しない同法第29条違反とする申立人の当該主張は失当である。 (6)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

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