商標異議申立
2023-900154
デイコスジェネリックビオモットチカクニ、デイコスジェネリック、ビオモットチカクニ、デイジイ
- 審判番号
- 2023-900154
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-132471
- 登録番号
- 6692729
- 請求日
- 2023年06月30日
- 審決日
- 2024年02月07日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社キークエスト
- 【権利者代理人】白浜 秀二
- 【異議申立人】ドルチェ・アンド・ガッバーナ トレードマークス エッセ・エルレ・エルレ
- 【異議申立人代理人】弁理士法人R&C
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大橋 良成
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T1652.25 -Y (W35) / T1652.26 -Y (W35) / T1652.271-Y (W35) / T1652.222-Y (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法4条1項19号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6692729号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6692729号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6692729号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和4年11月18日に登録出願、第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん,輸出入に関する事務の代理又は代行,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータデータベースへの情報編集,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供」を指定役務として、同5年3月16日に登録査定、同年4月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続している。
ア 国際登録第845608号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:別掲2のとおり
国際登録出願日:2005年(平成17年)2月10日
優先権主張日:2004年(平成16年)10月19日
設定登録日:平成18年1月13日
指定商品:第3類「Soaps; perfumery, essential oils, cosmetics, hair lotions; dentifrices.」、第9類「Spectacles; sunglasses; spectacle frames; spectacle glasses; spectacle cases; optical apparatus and instruments.」、第14類「Precious metals and their alloys and goods in precious metals or coated therewith not included in other classes; jewellery, precious stones; horological and chronometric instruments.」、第18類「Leather and imitations of leather, and goods made of these materials and not included in other classes; animal skins and hides; trunks and suitcases; umbrellas, parasols and walking sticks; whips, harness and saddlery.」及び第25類「Clothing, footwear, headgear.」
イ 登録第5142373号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様:別掲2のとおり
登録出願日:平成19年8月24日
設定登録日:平成20年6月20日
指定商品:第25類「ベルト,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
ウ 登録第5142370号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様:別掲3のとおり
登録出願日:平成19年8月24日
設定登録日:平成20年6月20日
指定商品:第25類「ベルト,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
(2)申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する商標は、上記引用商標1ないし3に加えて、申立人が「被服,靴,バッグ,財布,ベルト,サングラス,ピアス,ネックレス」等に使用している別掲4のとおりの構成からなる商標(以下「引用商標4」という。)である。
以下、引用商標1ないし4をまとめていうときは、「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標がその指定役務中、「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「申立てに係る役務」という。)に使用された場合、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第222号証(枝番号を含む。以下、枝番号のすべてを示すときは、枝番号を省略する。)を提出した。
(1)申立人について
申立人は、1985年にイタリアで創設された世界的なラグジュアリーファッションブランドである「Dolce&Gabbana」(ドルチェ&ガッバーナ)の商標を管理する法人であり、「Dolce&Gabbana」(ドルチェ&ガッバーナ)は、我が国において紹介されている(甲5~甲7)。
また、ドルチェ&ガッバーナとしても、日本は非常に重要な市場であると捉え、日本国内に19の店舗を構え(甲8)、また、ここ数年はコロナ禍の影響もあり売上は一時的に落ちているものの、Dolce&Gabbanaの日本での売り上げは、2017年度は65,629,876ユーロ(約103億2,389万円)、2018年度は66,142,789ユーロ(約104億498万円)、2019年度は66,531,027ユーロ(約104億6,761万円)、2020年度は60,855,913ユーロ(約95億7,482万円)、2021年度は42,118,966(約66億2,682万円)、2022年度は44,259,714ユーロ(約69億6,380万円)と、非常に大きいものである。
(2)引用商標について
申立人が使用する「DG」は、「Dolce&Gabbana」の「Dolce」と「Gabbana」の一文字目を抽出し結合させたものであり、申立人は引用商標1ないし3をはじめ欧文字「DG」からなる商標を複数所有し、かつ、引用商標4を含めたこれら商標を長年に渡り使用してきた実績がある。そして、その使用実績により、引用商標は世界的なラグジュアリーブランドである「Dolce&Gabbana」(ドルチェ&ガッバーナ)の商標と共に、申立人の業務に係るものとして周知・著名なものとなっている。
ア 申立人による使用
引用商標1ないし3はそれぞれ平成18年から同20年の間に登録された商標であり、申立人のブランドを表す標章として長く使用されてきた(甲9~甲85)。
また、商標登録はされていないものの、引用商標4も、遅くとも平成19年9月20日から使用が開始され、その後も継続して使用され(甲86~甲113)、実際に、「DG」が付された商品を多くの需要者が着用していることが、例えば、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」に掲載されている投稿事例からも明らかである(甲114~甲123)。
イ 申立人による広告・宣伝等の活動について
(ア)人気少年漫画とのコラボレーション
2022年4月15日に、申立人は人気少年漫画「呪術廻戦」とのコラボレーション商品を発表し、これらの商品の多くに引用商標4が付されている(甲124~甲128)。また、これらの広告・宣伝にあたり、人気漫画雑誌である週刊少年ジャンプの裏表紙等に広告を掲載し(甲129)、この広告は、雑誌広告に関する優秀な作品を表彰する日本雑誌広告賞において、経済産業大臣賞(グランプリ)を受賞した(甲130~甲132)。
その他にも該コラボレーションに係るポップアップイベントを開催し(甲133、甲134)、また、そのポップアップイベントには多数の人気タレントが訪れ、その様子は各種メディアにおいて紹介され(甲135~甲137)、これらにおいては、引用商標4が強く印象に残る態様で表示されていることから、これらの記事に接する人気タレントの支持者は、引用商標4とラグジュアリーブランドである「Dolce&Gabbana」との間に強い結びつきを感じ、「DG」が申立人の業務に係る商標として強く印象づけられているといえる。つまり、該コラボレーションにより、少年漫画の読者以外の幅広い層にも「DG」が申立人の商標であると認識されるに至っているといえる。
(イ)人気タレントの起用
申立人がその商品を広告・宣伝するにあたり、人気タレントを起用することが多くある。その広告・宣伝される商品の中には「DG」が付された商品が多くあり、このようなタレント起用により、起用された人気タレントの支持者に、「DG」が申立人の商標であると強く印象付けられることは明らかである(甲138~甲152)。
(ウ)ポップアップストアの展開
申立人は、我が国において常設の店舗を複数展開しているが、それ以外にも定期的に、ポップアップストア(期間限定店舗)を展開し、これらポップアップストアに関するイベント名に「DG」を付して宣伝をしたり、また、ポップアップストアにて「DG」が付された商品を取り扱ったりしている(甲52、甲56、甲60、甲74、甲75、甲101、甲103、甲153~甲157)。
(エ)各種ファッションショーでの発表
申立人のブランド「Dolce&Gabbana」は、世界的なラグジュアリーブランドであり、その新作の発表は季節毎にミラノコレクション等で発表され、世界中の注目を集めている。コレクションで発表される新作には「DG」が付されているものも多数あり(甲163~甲170)、これらコレクションでの発表が世界中に発信されている。
(オ)その他
申立人のブランド「Dolce&Gabbana」は、世界的なラグジュアリーブランドであり、その活動はメディアに取り上げられている(甲158~甲162)。
このような記事において「DG」が付された商品画像も掲載されており、掲載されているウェブサイトは、ファッションを中心としたウェブサイト以外のサイトである。これらより、ファッションの分野以外の需要者にも広く、「DG」が申立人の商標であると認識されているといえる。
(カ)SNSでの投稿事例
上記のような広告・宣伝等の活動により、「DG」が申立人の業務に係る商標であると広く認識されていることが明らかであるが、このことは、SNSにおいて、欧文字「DG」から「Dolce&Gabbana」が想起されることを内容とした投稿や、また、「Dolce&Gabbana」の略称として「DG」を使用している投稿が数多くされていることからも裏付けられる(甲171~甲218)。
ウ 小括
上記からすると、引用商標は長年に渡って、世界的に著名なファッションブランド「Dolce&Gabbana」の商品に使用されてきていること、幅広い層の需要者が、「DG」と「Dolce&Gabbana」との間に強い結びつきを感じていること、または、そのように感じさせる広告・宣伝活動が積極的になされていること、それらにより引用商標は「Dolce&Gabbana」の商標とともに、本件商標の登録出願前より申立人の業務に係る商標として周知・著名となっていたことは明らかである。
(3)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、やや丸みを帯びた四角図形内にその一部が重なり合った欧文字「D」と「G」を配し、さらにその四角図形の下部に「DCOSGENERIC/~美をもっと近くに~」の文字を配したものである。このような態様において、当該欧文字「DG」を内包する四角図形と「DCOSGENERIC/~美をもっと近くに~」とが常に不可分一体のものとして観察されるとすべき格別の理由は見いだせず、むしろ欧文字「DG」を内包した当該四角図形部分は、独立して、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものであり、当該部分からは「ディージー」との称呼が生じる。さらに、「DG」が申立人の業務に係る商標として著名であるという状況にあっては、当該部分から申立人自身又は申立人の著名ファッションブランド「Dolce&Gabbana」という観念も生じ得る。
一方、引用商標1及び2は、欧文字「D」と「G」が接した態様からなり、引用商標3は欧文字「D」と「G」が重なり合った態様からなるものであり、その構成から「ディージー」との称呼が生じる。さらには、「DG」が申立人の業務に係る商標として著名であるという状況にあっては、引用商標1ないし3からは申立人自身又は申立人の著名ファッションブランド「Dolce&Gabbana」という観念が生じる。
本件商標と引用商標1ないし3とを比較すると、これらは欧文字「D」と「G」を横並びに配してなる点において共通している。そうすると、このような構成からなる本件商標と引用商標1ないし3とを、時間と場所を異にして離隔的に観察した場合、外観において近似した印象を与えるものといえる。また、これら商標は「ディージー」の称呼を共通にし、申立人自身又は申立人の著名ファッションブランド「Dolce&Gabbana」という観念が生じ得るという点においても共通する。したがって、本件商標と引用商標1ないし3は、外観・称呼・観念のいずれの点において類似する商標である。
また、本件商標の指定役務中、申立てに係る役務は、引用商標1ないし3の指定商品と類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第10号について
引用商標は、前述したとおり、申立人の業務に係る商品・役務を表示するものとして、本件商標の登録出願前から周知・著名である。
本件商標と引用商標1ないし3とは、外観・称呼・観念のいずれの点において類似する商標であることは上記したとおりである。
引用商標4についてみると、欧文字「D」と「G」が重なり合った態様からなるものであり、その構成から「ディージー」との称呼が生じる。さらには、「DG」が申立人の業務に係る商標として著名であるという状況にあっては、引用商標4からは、申立人自身又は申立人の著名ファッションブランド「Dolce&Gabbana」という観念が生じる。
本件商標と引用商標4とを比較すると、これらは欧文字「D」と「G」を横並びに配してなる点において共通しており、特に両者は同書同大の欧文字「D」と「G」が横並びで重なりあっており、構成の軌を一にする。そうすると、このような構成からなる本件商標と引用商標4とを、時間と場所を異にして離隔的に観察した場合、外観において酷似した印象を与えるものといえる。さらに、両者は「ディージー」の称呼を共通にし、また、申立人自身又は申立人の著名ファッションブランド「Dolce&Gabbana」という観念が生じ得るという点においても共通する。したがって、本件商標と引用商標4は、外観・称呼・観念のいずれの点において類似する商標である。
本件商標の指定役務中、申立てに係る役務は、引用商標が使用されている商品「被服、靴、バッグ、財布、ベルト、サングラス、ピアス、ネックレス」等と類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、前述したとおり、申立人の業務に係る商品・役務を表示するものとして、本件商標の登録出願前から周知・著名である。
当該事実の下で、引用商標と類似する本件商標が、その指定役務中、申立てに係る役務に使用された場合には、当該役務は、申立人の業務に係るものと誤認され、その出所について混同されるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(6)商標法第4条第1項第19号について
本件商標の権利者が、引用商標と類似する本件商標を使用すれば、申立人の著名商標「DG」に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させるおそれがあり、さらには、本件商標の権利者が、申立人の当該商標の著名性に便乗して不正な利益を得ようとしていることも明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、やや丸みを帯びた四角図形内に欧文字「D」の右側と「G」の左側が重なり合ったモノグラムを配し、当該図形部分の下部に「DCOSGENERIC」及び「~美をもっと近くに~」の文字を上下二段に書した構成からなるものである。
そして、本件商標は、その構成中の四角図形部分と下部の文字部分とは、視覚的に分離して看取されるものであるが、その構成中、四角図形内のモノグラムを構成する文字は、その下部に表された構成文字「DCOSGENERIC」の中にある「D」と「G」の文字に相応するものと容易に看取される。
また、本件商標の構成中、「D」と「G」を組み合わせたモノグラム図形部分は、その下の「DCOSGENERIC」の文字部分に相応する略語としても、特定の称呼や観念が生じるものではない。
そうすると、本件商標は、その構成要素に相応して、「ディーシーオーエスジェネリック」などの称呼を生じ得るとしても、特定の観念は生じない。
イ 引用商標1ないし3について
引用商標1及び2は、別掲2のとおり、白抜きで厚みを持たせた欧文字「D」と「G」とを接して表した態様からなり、引用商標3は、別掲3のとおり、白抜きで厚みを持たせた欧文字「D」とそれよりも大きく表した「G」を重なり合わせた態様からなり、いずれも欧文字2字を組み合わせたモノグラム図形といえる。
したがって、引用商標1ないし3は、その構成要素から、特定の称呼及び観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標1ないし3の類否について
本件商標と引用商標1ないし3を比較すると、外観においては、いずれも「D」と「G」の欧文字を組み合わせたモノグラムを含むとしても、丸みを帯びた四角形図形の有無と文字の厚み及びその態様の相違から、互いに異なる印象を与えるもので、また、本件商標の「D」と「G」を組み合わせたモノグラム部分は、その下部に「DCOSGENERIC」の中にある文字に相応するものであることも相まって、両商標を時と所を異にして離隔観察するとしても、相紛れるおそれはない。
そして、称呼及び観念においては、本件商標の図形部分と引用商標1ないし3は、いずれも特定の称呼及び観念を生じず、本件商標から生じ得る称呼もそれら引用商標からは生じないから、相紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはなく、これらを総合的に勘案すると両者は、出所の混同を生じるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、それら指定役務の類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 引用商標の周知性について
(ア)申立人の主張及び提出された証拠によれば、申立人は、イタリアのファッションブランド「Dolce&Gabbana」(ドルチェ&ガッバーナ)を管理する法人であって、当該ブランドは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「被服、靴、バッグ、財布、ベルト、サングラス、化粧品」等に係るブランドとして、ファッション雑誌やウェブサイトにおいて紹介され(甲9~甲170)、我が国におけるこの種商品の取引者、需要者の間においても広く知られていたものと考えられる。
しかしながら、当該ブランドが引用商標に相応するような「D」と「G」の欧文字を組み合わせたモノグラムを使用しているとしても、その図案化の態様は一定したものではなく、また、「Dolce&Gabbana」又は「ドルチェ&ガッバーナ」の商標のもとに使用されているものであって、どの引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として周知されているのか明らかではない。そして、申立人が我が国における申立人の各種商品についての売上高の主張については、その裏付けもなく、どの引用商標に係るものであるかも確認できない。
さらに、引用商標に係る商品に関する我が国及び外国における市場シェア、広告の頒布範囲・回数等の客観的な証拠の提出がない。
(イ)以上からすると、申立人の提出に係る証拠からは、引用商標が申立人の業務に係る商品及び役務について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができない。
イ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標1ないし3とは、上記(1)ウのとおり、非類似の商標である。
また、本件商標と引用商標4とは、「D」と「G」の欧文字を組み合わせたモノグラムが、同書同大で、横並びに配し重なりあっている点で共通しているとしても、本件商標のやや丸みを帯びた四角図形及び「DCOSGENERIC」「~美をもっと近くに~」の文字の有無の差違により、全体の構成態様とは明らかに相違するものというべきであるから、外観において差異を有し、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
ウ 以上より、引用商標は、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものではなく、また、本件商標と引用商標とは類似する商標ではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、上記(2)アのとおり、申立人の業務に係る商品及び役務について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとはいえない。
また、本件商標と引用商標とは、上記(2)イのとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、類似性の程度は低い。
そうすると、本件商標権者が本件商標を申立てに係る役務について使用をした場合、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起し、申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品及び役務であると誤認し、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはない。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生じるおそれのある商標ではないから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記(2)イのとおり、非類似の商標であって、引用商標が申立人の業務に係る商品及び役務について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものではない。
また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、申立てに係る役務について商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に違反してされたものとはいえず、他に同法43の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-900154