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商標異議申立

2023-900147

アン、エイエヌ

審判番号
2023-900147
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-124754
登録番号
6690707
請求日
2023年06月26日
審決日
2024年01月30日
公報発行日
2024年04月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】秋葉 香里
  • 【異議申立人】ヘンケル・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト・アウフ・アクティーン
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T1651.261-Y (W03) / T1651.262-Y (W03)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6690707号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6690707号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6690707号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和4年10月19日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同5年2月21日に登録査定され、同年4月18日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の2件(以下、これらをまとめていうときは、「引用商標」という。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第645286号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ANN」の欧文字を横書きしてなり、昭和38年3月20日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同39年6月20日に設定登録され、その後、平成16年11月17日に、指定商品を第3類「化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」に書換登録されたものである。 (2)登録第471024号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和29年12月31日に登録出願、第2類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同30年9月23日に設定登録され、その後、平成19年6月13日に、指定商品を第3類「化粧用染料,染歯料,化粧用顔料,紅,靴クリーム,靴墨」並びに第2類、第4類、第14類及び第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として書換登録され、さらに、同27年6月30日に第3類のみについて商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。 1 本件商標について 本件商標は、欧文字「AN」と三点リーダー「...」を結合して表したものであり、特定の観念を生じない造語である。 三点リーダー「...」は、文章中に用いられる記号の一つで(甲4、甲5)、省略や無音、余韻などを表す時に使用される。三点リーダー自体、当然称呼を生じることなく、欧文字と共に「Um...」、「Well...」、「Like...」、「ah...」のように、間や余韻を残すように使用され、これらの使用例はそれぞれ「アン」、「ウェル」、「ライク」、「アー」と発音される。 造語と認識される欧文字商標の場合、需要者は、馴染み深い英語の発音を参考に、これに倣って称呼するのが通常であり、本件商標にあっては、「AN...」を英語読みに「アン」と称呼するのが自然である。いいかえれば、本件商標から「アン」以外の称呼が生じる余地はないといえる。 よって、本件商標からは、その全体の構成に相応して、「アン」の称呼が生ずることは明らかである。 2 引用商標について 引用商標1は、欧文字「ANN」からなり、引用商標2は、片仮名「アン」と欧文字「Ann」とを上下に配置して構成されたものであり、いずれも固有名詞として使用される場合はあるものの、特定の親念を生じない。 そして、引用商標1及び2は、上掲の構成に相応して、「アン」の称呼を自然に生じる(甲6)。 3 引用各商標の使用 引用商標は、申立人の100%子会社であるヘンケルジャパン株式会社(甲7)のヘアカラー老舗ブランドである。 歴史を遡ると、「ANN」ブランドは、1970年に山発産業株式会社が発売を開始した「アン コールドウェーブ」にはじまる(甲8、甲9)。2000年に、申立人が山発産業株式会社を買収し、ライオン株式会社の資本参加を受けて、日本に合弁会社「ヘンケル ライオン コスメティックス株式会社」を誕生させ、2005年に「シュワルツコフヘンケル株式会社」に社名変更し、2016年ヘンケルジャパン株式会社とシュワルツコフヘンケル株式会社とが合併し、ヘンケルジャパン株式会社となり、53年の歴史を有する老舗ブランド「ANN」は、サロン向け商品として「アン」の称呼で、自他商品識別力を十分に発揮し、現在に至るまで継続して使用されている(甲7~甲15)。 4 本件商標と引用商標の類否 以上を踏まえて、本件商標と引用商標を対比すると、観念は比較し得ないとしても、いずれも欧文字「AN」から始まる短い構成の商標であり、外親において近似した印象を与える。 そして、その称呼においてみると、本件商標からは「アン」の称呼が生じ、他方、引用商標からも「アン」の称呼が生じるため、本件商標と引用商標とは、明らかに称呼を共通にするものである。 また、本件商標と引用商標は、その指定商品において、各々相抵触するものである。 したがって、「アン」の称呼を共通にする本件商標と引用商標について、上記の外観、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察してみれば、本件商標と引用商標を化粧品及びこれに属する化粧用染料、化粧用顔料等に使用すると、取引者、需要者をして、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。 5 まとめ このように、本件商標は、引用商標に類似するものであり、商標法第4条第1項第11号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、「AN」の欧文字と「...」(3点リーダー)の記号を結合した構成よりなるところ、その構成中「AN」の文字は、「1つの」を意味する単語(オンライン辞書「英辞郎」)として我が国では広く知られている平易な英単語といえるものである。 また、「...」(3点リーダー)は記号の一種として認識されるものであるが、特定の称呼及び観念を生ずるものではない。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「アン」の称呼を生じ、「1つの」の観念を生ずるものである。 (2)引用商標 ア 引用商標1は、「ANN」の欧文字を横書きしてなるところ、比較的短い欧文字からなる語については、1文字ずつ区切って発音することもあることから、引用商標1は、その構成文字に相応して「エイエヌエヌ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないほか、該文字は英語で「アン」という人名を表す単語(オンライン辞書「英辞郎」:甲6)でもあるから、「アン」の称呼を生じ、「アン(人名)」の観念を生じる場合もあるものである。 イ 引用商標2は、別掲2のとおり、「アン」の片仮名を縦書きに書してなり、その下に「Ann」の欧文字を横書きしてなるところ、「Ann」の欧文字は上記アと大文字と小文字の差異はあるものの構成文字を同じくするものである。そして、上段に表された片仮名は、下段の欧文字の読みを表したものと無理なく認識できるものであることからすれば、「アン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないほか「アン(人名)」の観念を生じるものである(甲6)。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標1は、上記(1)及び(2)アのとおりの構成からなるところ、外観について、「...」(3点リーダー)の記号の有無のほか、欧文字部分の比較において、3文字目の「N」の文字の有無の差異があり、2文字と3文字の少ない構成文字の比較においては判然と区別できるものである。 次に、本件商標と引用商標2は、上記(1)及び(2)イのとおりの構成からなるところ、外観について、「...」(3点リーダー)の記号の有無及び片仮名の有無のほか、欧文字部分の比較において、2文字目の大文字と小文字の差異及び3文字目の「n」の文字の有無の差異があり、2文字と3文字の少ない構成文字の比較においては判然と区別できるものである。 そうすると、本件商標と引用商標は、外観については、商標全体の比較及び欧文字部分の比較において判然と区別できるものである。 また、称呼について、本件商標と引用商標は、「アン」の称呼を共通にする場合があるものである。 さらに、観念について、本件商標は「1つの」の観念を生ずるのに対して、 引用商標は、特定の観念を生じないか、「アン(人名)」の観念を生ずる場合があるから、両者は、観念において相違するものである。 そうすると、本件商標と引用商標は、「アン」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観において判然と区別できるものであり、観念において相違するものであるから、これらを総合的に勘案すると、両商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といえるものである。 その他、両商標が類似するという理由は見いだせない。 (4)まとめ 上記(1)ないし(3)のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、引用商標の指定商品が、本件商標の指定商品と同一又は類似の商品を包含するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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