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商標異議申立

2023-900111

キャラット、カラット、キャラットテイ、カラットテイ

審判番号
2023-900111
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-098149
登録番号
6678670
請求日
2023年05月15日
審決日
2023年11月28日
公報発行日
2023年12月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社キャラット
  • 【権利者代理人】弁理士法人Toreru
  • 【異議申立人】デンツー フランス
  • 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
  • 【異議申立人代理人】田中 克郎
  • 【異議申立人代理人】石田 昌彦
  • 【異議申立人代理人】栗下 清治
  • 【異議申立人代理人】中河 香一郎
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 大橋 良成
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T1652.261-Y (W3541) / T1652.262-Y (W3541) / T1652.263-Y (W3541)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6678670号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6678670号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6678670号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和4年2月18日に登録出願された商願2022-18623に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として同年8月25日に登録出願、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同5年2月21日に登録査定され、同年3月8日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下の登録商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5088019号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:CARAT(標準文字) 指定役務 :第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 登録出願日:平成18年11月10日 設定登録日:平成19年11月2日 (2)登録第3244987号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:別掲3のとおり 指定役務 :第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 登録出願日:平成6年1月21日 設定登録日:平成9年1月31日 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定役務中、別掲2のとおりの役務(以下「本件申立役務」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第4号証(枝番号を含む。以下「甲○」と表記する。)を提出した。 (1)本件商標と引用商標の類否 ア 本件商標について (ア)本件商標権者 本件商標権者は、奈良県に本拠を置く写真スタジオ業務を営む企業である。具体的には、アニバーサリーフォトスタジオ事業、ウェディングフォトスタジオ事業、フォトスタジオスタイリング事業、レンタル事業、コスチューム事業、式場運営事業等の事業を行っている。本件商標権者は、本件商標をカンパニーロゴとして、ウェブサイトや社屋の看板などに使用している。なお、本件商標権者の社名の英語表記は、「CARATT,Inc.」である(甲4)。 (イ)本件商標の構成 a 外観 本件商標は、「CARATT」の欧文字を横書きで表してなる。この点、本件商標権者は、令和5年2月16日付けの意見書において、「2文字目及び4文字目は人々を象徴しているものでもあり、「V」を上下反転させたようにも見える図形(以下「図形1」という。)です。そうすると、需要者・取引者は、一見すると文字「A」と判別できない場合もあります」と主張していた。しかしながら、このような主張は到底首肯できない。 この「「V」を上下反転させたようにも見える図形」(図形1)には、頭部、胴体、両手、両足と認識できる部分は一切なく、当該文字に接した者が、当該文字は人々を象徴しているものと理解することはない。現に、特許庁において、そのような図形(図形1)は、多くがアルファベットの「A」と認定されている。 また、本件商標権者は、「末尾2文字に当たる部分も、人々が手を繋いでいるのを象徴しているものであり、「T」以外の要素である「人の頭部を示す円」も結合された図形(以下「図形2」といいます。)です。そうすると、こちらも一見すると「TT」と判別できない場合もあります」と主張していた。しかしながら、この点も到底首肯できない。 現に、特許庁において、そのような図形(図形2)については、多くがアルファベットの「T」と認定されている。 また、上記いずれの図形(図形1及び図形2)も、1文字からなる商標であれば、単なる図形と把握する余地もある。しかし、本件商標は「CARATT」の文字列が一連に横書きされているものであり、かつ全ての文字が完全に同一の幅、高さで記載されているのであるから、それら図形はアルファベットであると認識するのが至極自然である。 さらに、上述のとおり、本件商標権者の社名の英語表記が「CARATT,Inc.」であり、本件商標がそのカンパニーロゴであることを考慮すると、需要者、取引者は、本件商標を「CARATT」の欧文字を横書きしたものと認識すると考えられる。 b 称呼 本件商標「CARATT」は、「キャラット」の称呼が生じ得る。実際、本件商標権者は、自社ウェブサイトにおいて、「私たちキャラットは~」のように記載しており、自ら「キャラット」と称呼している(甲4)。その他、本件商標は「カラット」などの称呼も生じ得る。 なお、本件商標権者は、審査段階における意見書において、「A」と「T」部分が図形であり、本件商標中、文字は「C」と「R」のみであるとした上で、本件商標の称呼は「シーアール」であると主張している。しかし、前述のように、全ての文字が同一サイズで、かつ「A」と「T」の装飾の程度も高いとはいえないにもかかわらず、「CARATT」から「A」と「T」を全て捨象するのは不自然であり、「キャラット」又は「カラット」の称呼を生じる。 また、本件商標権者は、同意見書中で、本件商標は「キャラットテイ」、「カラットテイ」とも称呼し得ると述べている。本件商標が、仮に「CARAT-T」や「CARAT T」という構成からなるものであれば、このような主張も理解し得るところではある。しかし、本件商標は「CARATT」であり、「T」部分が独立した記載とはなっていない。そして、「mitt(手袋)」、「boycott(ボイコット)」、「watt(電力の単位のワット)」、「Scott(人名)」のように、「t」が重ねて記載されているものの、最後の「t」部分だけ独立して称呼されない例は数多く存在することからすると、本件商標も「キャラット」又は「カラット」の称呼のみが生じると解するのが妥当である。 c 観念 本件商標は辞書類に載録された語ではなく、また一般的に使用される語でもないから、造語というべきであり、本件商標からは特段の観念は生じない。 イ 引用商標について (ア)申立人 申立人は、国内外で約1000社、グループ従業員数約64,000人を擁し、また145の国と地域で事業を展開し売上高約4.5兆円を誇る電通グループのフランス内における事業を展開する法人である。また、「CARAT」は電通の海外事業を統括するデンツーインターナショナルのブランドの1つであり、世界100か国以上の国に12,000人以上の専門家を擁する、国際的なメディア・エージェンシーである。 (イ)引用商標1の構成 a 外観 引用商標1は、「CARAT」の欧文字を標準文字で表してなる。 b 称呼 引用商標1は、「CARAT」の欧文字構成に呼応して「キャラット」又は「カラット」の称呼が生じる。 c 観念 英単語「CARAT」には、宝石の重量単位ないし純金の含有量を表す「キャラット(カラット)」の意味が存在する。もっとも、平均的な日本人の需要者は、英単語「CARAT」から直ちにこのような意味を理解するものとはいい難い。したがって、引用商標1からは特段の観念を生じない。 (ウ)本件商標と引用商標1の比較 a 外観 本件商標は、「CARATT」の欧文字を横書きで表してなるのに対し、引用商標1は「CARAT」の欧文字を標準文字で表してなる。したがって、本件商標は6文字中わずか「T」の1文字の有無について引用商標と相違するにすぎない。また、「T」の文字の有無の相違点があるのは、需要者にとって看取されやすい語頭ではなく語尾であり、さらに5文字目も6文字目同様に「T」であることから、引用商標1と比較した際に異なる文字が追加されていることは外観上顕著なものとはいえない。したがって、一見したところ両者は極めて類似した外観を有している。 前述のとおり、本件商標の「A」と「T」の文字に若干装飾が施されているとはいえ、それら装飾は「A」の2本の斜線を水平に繋ぐ直線が除かれている、「T」の文字の上に「・」が付されているにとどまる。 したがって、本件商標と引用商標1の外観は類似である。 b 称呼 本件商標及び引用商標1からは、いずれも同一の「キャラット」又は「カラット」の称呼を生じ得る。 したがって、本件商標と引用商標1の称呼は同一である。 c 観念 本件商標は造語であり特段の観念を生じない一方、引用商標1からも特段の観念は生じない。 d 以上のとおり、本件商標と引用商標1は外観において類似し、同一の称呼を生じ、いずれの商標からも特段の観念は生じないから、全体として類似性の高い商標である。 (エ)引用商標2の構成 a 外観 引用商標2は、図形、「CARAT」の欧文字及び2本の直線からなる。図形部分は、円及び円の右上から左下にかけて被覆するように黒色で描かれた複数の太い曲線様の図形からなる。また、2本の直線が左右方向に向かって描かれている。「CARAT」の欧文字はゴシック体様のフォントで記載され、かつ、右に5度程度傾けて記載されている。 b 称呼 引用商標2は、図形部分からは特段の称呼は生じない。一方、文字部分「CARAT」からは、前述のとおり「キャラット」又は「カラット」の称呼が生じ得る。 c 観念 引用商標2の図形部分からは特段の観念は生じない。一方、文字部分の「CARAT」には宝石の重量単位又は純金の含有量を表す「カラット(キャラット)」の意味があるものの、前述のとおり、一般的な日本人の需要者がそのような観念を想起するとは言い難いから、文字部分からも特段の観念を生じない。 (オ)本件商標と引用商標2の比較 a 外観 引用商標2には、文字部分と図形部分が不可分的に結合しているなどの事情が存在しないから、文字部分のみを本件商標と比較することが妥当である。 そうすると、本件商標は、前述のとおり「CARATT」の欧文字からなるのに対し、引用商標2の文字部分は「CARAT」の欧文字からなるため、本件商標と引用商標2とは6文字中わずか「T」の1文字の有無について相違するにすぎない。また、「T」の文字の相違点があるのは、需要者にとって看取されやすい語頭ではない。さらに、引用商標2はゴシック体様のフォントからなり、かつ、5度程度右に傾いた態様で記載されているにすぎず、特殊な外観を有しているものでもない。 したがって、前述のとおり、若干デザイン性のあるフォントを使用しているにとどまり、明らかに「CARATT」と看取できる本件商標と外観上の類似性は高い。 b 称呼 本件商標、引用商標2からは、いずれも同一の「キャラット」又は「カラット」の称呼が生じ得る。 したがって、本件商標と引用商標2の称呼は同一である。 c 観念 本件商標は造語であり特段の観念を生じない一方、引用商標2からも特段の観念は生じない。 d 以上のように、本件商標と引用商標2は外観において類似し、同一の称呼を生じ、いずれの商標からも特段の観念は生じないから、全体として類似性の高い商標である。 ウ 以上のとおり、本件商標と引用商標は、外観、称呼、観念のいずれにおいても類似性が高いから、両商標が同一又は類似の役務に使用された場合に、役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあり、両商標は類似する。 (2)本件商標と引用商標の指定役務の比較 本件商標の指定役務中、本件申立役務は、引用商標に係る指定役務とその役務の目的、取引者・需要者の範囲等を共通にする同一又は類似する役務である。 (3)特許庁審査例 本件商標には、6文字目に、引用商標には存在しない「T」が付されている点で外観上の相違があることは、前述したとおりである。しかし、このような差異がある場合でも、特許庁では商標間の類似性が肯定される傾向が強い。これは、語尾の「T」の有無は外観上の差異にもたらす影響が小さいことや、スペルにわずかな差異があっても称呼が同一の場合需要者に混同が生じやすいことなどが考慮されたためと考えられる。 (4)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標と称呼が同一であり、外観上も類似性の高い商標であって、引用商標の指定役務と同一又は類似する役務に用いられるものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、左から右に、「C」の欧文字(青色)、山形の図形(水色)、「R」の欧文字(青色)、山形の図形(赤色)、「T」の欧文字(青色)及び「T」の欧文字(黄色)(「T」の文字の上部には点を配してなる。)を横並びで配置してなるところ、その構成要素(図形部分と欧文字部分)は、異なる色彩であるものの、ほぼ同じ大きさ及び高さで、横一列にまとまりよく表されている。 そして、本件商標は、山形の図形部分が欧文字に挟まれて配置されており、また、その構成態様は「A」の欧文字の中央の横線を省略したような形態であるから、構成全体としては、「CARATT」なる一連一体の造語を表してなることを想起させる。 そうすると、本件商標は、その構成要素(文字)に相応して、「キャラット」の称呼を生じ得るが、特定の観念は生じない。 (2)引用商標について ア 引用商標1 引用商標1は、「CARAT」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「カラット(宝石の重量単位)」の意味を有する英語(参照:「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)である。 そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して、「カラット」の称呼を生じ、「カラット(宝石の重量単位)」の観念を生じる。 イ 引用商標2は、別掲3のとおり、円とそれを斜めに横切る帯状の線を配置した図形と、その左右に横線を描き、右下には「CARAT」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、「カラット(宝石の重量単位)」の意味を有する英語(前掲書参照)である。 そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して、「カラット」の称呼を生じ、「カラット(宝石の重量単位)」の観念を生じる。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、本件商標がデザイン化された書体やカラフルな色彩からなる特徴的な態様で表されているのに対し、引用商標の構成文字は書体に特段の特徴はないことに加えて、構成文字(「CARATT」と「CARAT」)の6文字という短い文字構成において語尾の文字の有無により、互いに異なる語を表してなると容易に理解できるから、判別は容易である。 また、称呼においては、全4音中、語尾の3音を共通にするものの、聴取されやすい語頭の「キャ」と「カ」の音の差異を有するから、比較的短い音構成において当該差異音が全体の語調、語感に与える印象は無視できないから、聴別は可能である。 さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標1は「カラット(宝石の重量単位)」の観念を生じるから、互いに記憶に残る印象において相違し、相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標は、外観及び称呼において判別及び聴別は可能であり、観念において相紛れるおそれはないから、これらを総合して考察すれば、同一又は類似の役務について使用するときであっても、それに接する需要者をして、出所の混同を生じるおそれはなく、類似する商標とは認められない。 (4)申立人の主張 申立人は、本件商標「CARATT」と引用商標の構成文字「CARAT」は、6文字中わずか「T」の1文字の有無が相違するにすぎず、その相違点も需要者にとって看取されやすい語頭ではなく語尾であることなどから、一見したところ両商標は極めて類似した外観を有しており、外観において類似する旨を主張する。 しかしながら、本件商標と引用商標は、上記(3)のとおり、外観においては、本件商標がデザイン化された書体やカラフルな色彩からなる特徴的な態様で表されているのに対し、引用商標の構成文字は書体に特段の特徴はないから、外観上の印象が異なることに加えて、6文字という短い文字構成において、語尾の文字の有無により、互いに異なる語を表してなると容易に理解できる。 また、本件商標の各構成要素は異なる色彩で際立った態様で表され、「T」の文字の上部には点が配されているから、語尾の2つの「T」の文字は強調され、目立つため、当該特徴を無視して記憶されることは考えにくい。 そうすると、本件商標と引用商標は、その構成文字の差異により、互いに異なる語を表してなると容易に理解でき、記憶に残る印象において相違するから、判別は容易である。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、本件申立役務と引用商標の指定役務を比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本件商標の本件申立役務についての登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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