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商標異議申立

2023-900103

バックボーン

審判番号
2023-900103
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-007801
登録番号
6684395
請求日
2023年05月10日
審決日
2023年10月17日
公報発行日
2023年11月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】川村 嘉規
  • 【異議申立人】中垣 多市
  • 【異議申立人代理人】野間 自子
  • 【異議申立人代理人】星野 光帆
審判長/審判官
  • 審判長 冨澤 武志
  • 審判官 大橋 良成
  • 審判官 馬場 秀敏
分類
T1651.261-Y (W44) / T1651.262-Y (W44) / T1651.263-Y (W44) / T1651.271-Y (W44)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の2第1号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6684395号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6684395号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6684395号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和5年1月27日に登録出願、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,医療情報の提供,栄養の指導,介護,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」を指定役務として、同年3月15日に登録査定され、同月27日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議申立ての理由として引用する商標は、以下の2件の登録商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第4994744号(以下「引用商標1」という。) 商標の態様 別掲2のとおり 指定役務 第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 登録出願日 平成18年3月16日 設定登録日 平成18年10月13日 2 登録第5991306号(以下「引用商標2」という。) 商標の態様 別掲3とおり 指定役務 第44類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 登録出願日 平成28年12月20日 設定登録日 平成29年10月27日 上記の引用商標1及び引用商標2をまとめて、以下、「引用商標」という場合がある。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。また、枝番号をすべて含む場合には、枝番号の記載を省略することがある。)を提出した。 1 当事者 (1)申立人 申立人は、自身を院長として、昭和60年2月から現在まで和歌山で、また平成2年3月から同27年頃まで大阪で、同26年2月から同27年2月まで福岡で、同17年10月から現在まで東京で、整骨院を運営している者である。和歌山の整骨院では平成16年10月から、東京の整骨院では開業当初から、「BackBone」という標章を使用して、バックボーン整骨院(以下「当院」という。)を運営している(甲4の1、2)。 当院は、上述したとおり、平成16年10月頃から「BackBone」という標章を使用し始め、同18年3月16日に申立人が引用商標1の商標登録を得た後、申立人からその使用許諾を得て、約20年間にわたり現在に至るまで、これを使用している。なお、当院は、当初から、引用商標の「Backbone Lab」のうち、「Lab」を省略して、「Backbone」のみの標章を使用しており、バックボーン整骨院のホームページ、受付、外看板、パンフレット等でも「Backbone」のみの標章を使用している(甲4)。 (2)本件商標の権利者 本件商標の権利者は、自身を院長として、令和4年9月1日頃から、大阪において、整骨院BACKBONEを運営している者であり、整骨院BACKBONEのホームページにおいて、「整骨院BACK BONEとは」、「整骨院BACK BONEは、手技スキルを高める組織「EVOLCE」のもと・・・」などと表示し、文字標章として「BACKBONE」を使用している(甲5)。 (3)本件商標が出願されるまでの経緯 申立人及び当院は、本件商標が出願されるよりも前の令和5年1月23日、本件商標の権利者に対して、本件商標の権利者が運営する整骨院BACKBONEのホームページ等において、引用商標と外観・称呼・観念が同一又は類似している「BACKBONE」という文字標章を使用して引用商標の指定役務と同一である役務を提供している行為に対し、引用商標に係る商標権を侵害していることを根拠に、当該標章の使用の中止を求めたが(甲6)、本件商標の権利者は、同月27日に本件商標を出願し、同年3月27日に本件商標の登録を受けたものである。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標と引用商標の類似性 ア 本件商標と引用商標は、外観・称呼・観念のいずれの点においても同一又は類似している。 すなわち、本件商標の「BACKBONE」と、引用商標の「Backbone」は、いずれも「背骨」の観念を生ずるものであり、両者は観念の点において同一又は類似する商標である(甲7)。 また、本件商標の「BACKBONE」と、引用商標の「Backbone」は、いずれも「バックボーン」の称呼が生ずるものであり、両者は称呼の点において同一又は類似する商標である(甲1~甲3)。 さらに、本件商標の「BACKBONE」と、引用商標の「Backbone」は、「ACKBONE」が小文字か大文字かの点で異なるものの、アルファベットは同一であり、両者は外観の点において同一又は類似する商標である。 なお、引用商標は、文字だけからなる一方で、本件商標は図形であるものの、本件商標は、「BONE」が太字で、「B」の左の線を4つの四角形を縦に並べて背骨のようなデザインを入れたものであるが、全体として黒字で、8つの文字のうち1つの文字の1本の線に縦のデザインを入れたものでデザインが全体に占める割合もかなり小さく、一見して、単なるアルファベットの「BACKBONE」と外観が異なるものではなく、引用商標との類似性が認められる。 したがって、本件商標と引用商標は、外観・称呼・観念のいずれの点においても同一又は類似している。 イ 引用商標のうち、一般消費者にとって特に強く支配的な印象を与える要部は、「Backbone」の部分である。 すなわち、引用商標と本件商標が、整骨院において、その指定役務である柔道整復、整体等(以下「本件指定役務」という。)に使用される場合、引用商標の「Lab」の部分は、単に実験室又は研究室の意味を有するLaboratoryの略称であって(甲7)、本件指定役務の需要者の注意を引く部分ではない。他の整骨院においても、「○○Lab」や「○○Laboratory」等という標章が使用されていることはよくあることであり(甲8)、「Lab」の部分は、何ら自他役務の識別機能を果たしていない。 そのため、一般消費者にとって、引用商標において、特に強く支配的な印象を与えるのは「Backbone」の部分であり、これが自他役務の識別標識としての機能を果たすものである。インターネットにおいて「整骨院backbone」と検索すると、当院又は本件商標の権利者の整骨院しか表示されないものであり、「Backbone」の部分が、自他役務の識別標識としての機能を果たしているといえる(甲10)。 このことは、当院が、そのホームページ(甲4の1、2)においても、左上に「BackBone」とピンク色の文字で大きく表示し各記載においても当院の一人称として「BackBone」を使用して、東京及び和歌山において数十年にわたり「BackBone」ブランドを培ってきたことから、「BackBone」ブランドは本件指定役務の分野において相応の周知性を有しており、本件商標の「BACKBONE」が本件指定役務に用いられた場合には、需要者において当院の「BackBone」ブランドを想起するものと認められることからも明らかである。そして、申立人は、上述したとおり、過去には大阪でも整骨院を運営し、現在、和歌山で整骨院を運営しているものであって、和歌山の整骨院には関西や大阪在住の顧客も数多く通院しており、当院のグループオフィスも神戸に所在していることから、大阪において、「BACKBONE」という名称で整骨院を運営した場合、その役務の出所に誤認混同をきたすおそれがある。 したがって、本件商標と引用商標は、外観・称呼・観念のいずれの点においても類似性が認められる。 (2)指定役務の類似性 本件商標と引用商標の指定役務は、同一又は類似のものである。 (3)まとめ 以上より、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、商標登録を受けることができないものである。 3 商標法第4条第1項第15号について 上記1で述べたとおり、当院は、平成16年10月頃から「BaekBone」という標章を使用し始め、当院のホームページ、受付、外看板、パンフレット、チラシ等でも「BackBone」の標章を使用しており(甲4)、これまでに運営した整骨院及びグループオフィスを含めると、東京、和歌山、大阪、兵庫及び福岡において数十年にわたり「BackBone」ブランドを培って今日に至っているものである。そして、現在、東京と和歌山に当院が所在することから、関西や大阪在住の顧客も数多く通院している。 したがって、本件指定役務の分野の需要者は、「BackBone」と同一又は類似である本件商標が、本件指定役務について使用された場合には、申立人の業務にかかる役務と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。 4 むすび (1)第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、「BackBone」の称呼、観念、外観を共通にする類似の商標であり、また、その指定役務も同一又は類似のものである。 したがって、本件商標登録は商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 (2)第4条第1項第15号について 商標が本件指定役務に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。 したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第15号の規程に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、「BACKBONE」(5文字目の「B」の文字の縦線は4つの骨様の図形で表されており、また、「BONE」の文字は、「BACK」の文字に比して、やや太く表されている。以下、同じ。)の欧文字を横書きした構成からなるところ、その構成は、文字の太さにやや相違はあるものの、各文字が同じ高さ、同じ幅、等間隔でまとまりよく表されており、その構成全体から生じる「バックボーン」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、当該文字は、「背骨」等の意味(デイリーコンサイス英和和英辞典第3版、甲7)を有するものである。 したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「バックボーン」の称呼を生じ、「背骨」の観念を生じるものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1は、別掲2のとおり、「Backbone Lab」の欧文字及び「バックボーンラボ」の片仮名を上下二段に表した構成からなるところ、欧文字及び片仮名は、それぞれが、同じ書体及びほぼ同じ大きさの文字並びに同じ間隔により構成され、かつ、欧文字と片仮名のそれぞれの文字の幅を上段と下段で同じ幅に揃えて二段に表してなるものであるから、視覚上、構成全体がまとまりよく一体的に表されているものである。 そして、引用商標1の構成中、下段の片仮名部分は、上段の欧文字部分の読みを特定したものと無理なく理解されるものであり、その構成文字全体から生じる「バックボーンラボ」の称呼も、格別冗長というべきものではなく、無理なく称呼し得るものである。 また、引用商標1は、その構成中の「Backbone」の文字が「背骨」等の意味(同前)を有し、「Lab」の語が「Laboratory」の略語として使用され、「実験室、研究所」等の意味(同前)を有するとしても、これらの語を結合した文字全体からは特定の意味合いを理解させるとはいえないものである。 そうすると、引用商標1は、その構成全体をもって一種の造語として理解されるとみるのが自然である。 以上のことから、引用商標1は、その構成文字に相応して「バックボーンラボ」の称呼のみを生じ、かつ、特定の観念を生じない造語と判断するのが相当である。 イ 引用商標2は、別掲3のとおり、「背骨ドック」の文字と「Backbone Lab」の欧文字を上下二段に書した構成からなり、その構成中の上段の文字部分と下段の文字部分とは、視覚的に分離して看取され、常に一連一体のものとみるべき事情は認められないから、上段及び下段の各文字からそれぞれの称呼及び観念が生じるとみるのが相当であり、上段の「背骨ドック」の文字からは、「セボネドック」の称呼が生じ、これよりは特定の意味合いを想起させるとはいえないものである。また、下段の「Backbone Lab」の欧文字部分は、引用商標1の欧文字部分と同じ構成文字であるから、引用商標1と同様に、「バックボーンラボ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 してみれば、引用商標2は、その構成中上段の「背骨ドック」の文字からは、「セボネドック」の称呼を生じ、下段の「Backbone Lab」の文字からは、「バックボーンラボ」の称呼のみを生じるものであり、いずれも特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標の類否について ア 外観について 本件商標は、上記(1)のとおりの構成よりなり、また、引用商標は、上記(2)ア及びイのとおりの構成よりなるものであるから、両者の外観は、判然と区別し得るものであり、互いに紛れるおそれはない。 イ 称呼について 本件商標から生じる「バックボーン」の称呼と引用商標から生じる「バックボーンラボ」及び「セボネドック」の称呼とは、「ラボ」の音の有無及び音構成、構成音数が明らかに相違するから、明瞭に聴別し得るものである。 ウ 観念について 本件商標は、「背骨」の観念を生じるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じない造語であるから、観念上、相紛れるおそれはない。 エ 小括 してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点において相紛れるおそれはないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。 その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき特段の事情は見いだせない。 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、その指定役務が同一又は類似のものであったとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知性について 申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。 ア 申立人は、平成16年10月頃から「BackBone」という標章を使用し始め、同18年3月16日に申立人が引用商標1の商標登録を得た後、申立人からその使用許諾を得て、約20年間にわたり現在に至るまで、これを使用している旨、また、当初から、引用商標の「Backbone Lab」のうち、「Lab」を省略して、「Backbone」のみの標章を使用しており、バックボーン整骨院のホームページ、受付、外看板、パンフレット等でも「Backbone」のみの標章を使用している旨主張している(甲4)。 イ 上記アからすれば、申立人は、引用商標を使用しておらず、また、申立人提出の証拠からも引用商標の使用は見いだせない。 そして、引用商標を付した役務に関する広告宣伝の規模や市場シェアを示す証拠は何ら提出されていない。 そうすると、申立人の提出に係る証拠からは、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。 ウ 以上を踏まえると、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものである。 そして、本件商標と引用商標とは、上記1(3)エのとおり、外観、称呼及び観念において相違する別異の商標であって、その類似性も低いものである。 そうすると、本件商標を申立てに係る役務について使用した場合に、これに接する取引者、需要者は、引用商標を連想、想起することはなく、当該役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものというのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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