商標異議申立
2023-900087
ベースセーラー
- 審判番号
- 2023-900087
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-117323
- 登録番号
- 6682079
- 請求日
- 2023年04月20日
- 審決日
- 2024年01月23日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ペターク クラブ インコーポレイティッド
- 【異議申立人】シェンツェン・シェンユアン・ポーイア・トレーディング・カンパニー・リミテッド
- 【異議申立人代理人】藤井 健一
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T1651.22 -Y (W09) / T1651.25 -Y (W09) / T1651.271-Y (W09) / T1651.222-Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項7号商標法4条1項10号商標法4条1項15号商標法4条1項19号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6682079号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6682079号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6682079号商標(以下「本件商標」という。)は、「Basesailor」の文字を標準文字で表してなり、令和4年10月12日に登録出願、第9類「電池用充電器,USB接続方式の充電器,電源アダプター,電力用ワイヤ,携帯電話機用カバー,ワイヤレス充電器,スマートフォンの画面用保護フィルム」を指定商品として、同5年3月8日に登録査定され、同月17日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由に該当するとして引用する商標(以下「引用商標」という。)は、「Basesailor」の欧文字からなり、同人が「USBアダプター」などについて使用(以下「使用商品」という。)し、我が国の需要者の間に広く認識されているとするものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
なお、証拠を表示する場合は、以下、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する。
1 申立人及び引用商標について
申立人は、使用商品をAmazon Japanにおいて販売しており、その販売商品に申立人のブランドである商標「Basesailor」を使用している。
また、米国における商標「Basesailor」(Class 9)の商標権者でもある(甲1~甲5)。
「Basesailor」ブランドでの、Amazon Japanにおける使用商品の販売は、2020年4月からであり、引用商標を付した商品は、我が国において急速に販売を拡大し、2020年4月から、6万件近くの販売があり(甲1)、現在までに、Amazon Japanストアから900,000米ドルを超える収益を上げている(甲4)。
このような活動を経て、引用商標は、遅くとも2022年10月には、我が国の需要者において広く認識されるに至っている。
なお、申立人は、高品質の製品の販売代理店及び販売者として、電子商取引市場の電子アクセサリーの分野で長年にわたって高い評価を得てきており、また申立人は、eコマースビジネスに携わっており、2016年から米国でAmazonの商標で製品を販売しており、2020年にはカナダ、我が国、オーストラリア、ヨーロッパにサービスを拡大した。
申立人は、使用商品クラス(Class 9)に関する商標の最初の採用者であり、許可された所有者である。
オリジナルマークである引用商標は、米国では2017年、ヨーロッパでは2019年、我が国では2020年、オーストラリアでは2021年、カナダでは2020年から、申立人によって途切れることなく使用されている。
申立人は、2020年にAmazon Japanで正式にストアフロントを立ち上げた。
さらに、申立人には、商標「Basesailor」の独占的な所有権を得る権利があると考える。
申立人の引用商標と同一又は類似した商標の登録は、申立人の所有権を侵害し、公共の利益に反するものである。
2 商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、「Basesailor」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電池用充電器,USB接続方式の充電器,電源アダプター」等を指定商品とするものであるため、「USBアダプター」等について我が国の需要者の間に広く認識されている申立人の商標と同一又は類似する商標であり、使用商品と同一又は類似する商品について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。
3 商標法第4条第1項第15号について
上記1のとおり、申立人の引用商標は、我が国の需要者に広く認識されているものである。
本件商標の指定商品は、引用商標に係る「USBアダプター」等とは、流通経路や需要者が共通することが容易に分かる。
そうすると、本件商標を指定商品に使用する時は、これが他人である申立人の業務に係る商品であるかのごとく出所の混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
4 商標法第4条第1項第19号について
上記1のとおり、申立人の引用商標は、我が国の需要者に広く認識されているものである。
そして、本件商標は、引用商標と同一又は類似する商標である。
本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)は、引用商標が、我が国において周知となっているのにもかかわらず、まだ我が国において商標登録出願されていなかったことを奇貨として、先取り的に、本件商標の登録出願をし、登録を得たものである。
そして、引用商標の名声に便乗して不正な利益を得ている。
このような本件商標権者の行為は、日本国内又は外国において需要者に広く認識されている他人の商標と同一又は類似する商標を不正の目的をもって使用するものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。
5 商標法第4条第1項第7号について
上記4のとおり、本件商標の登録出願の経緯には、社会的相当性を欠くものがあり、その登録を認めることは商標法の予定する秩序に反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
(1)申立人の主張及び同人が提出した全証拠によると、申立人は、2020年4月頃から引用商標の使用商品(USBアダプターなど)について、通販サイト「amazon.co.jp」と何らかの関係を有することがうかがえる(甲1~甲4)ものの、使用商品の販売数量、売上高など販売実績が確認できる証左はもとより、販売の事実が確認できる証左も見いだせない。
なお、申立人が販売の事実及び販売実績を示すものとして提出した証左(甲1、甲2、甲4)は、容易に作成できる書面、文字などが不鮮明な書面、記載項目が多岐にわたり実質の売上高が不明瞭な書面であり、それらによって使用商品の販売の事実及び販売実績を認めることは困難である。
(2)上記(1)のとおり、申立人は、2020年4月頃から引用商標の使用商品について、通販サイト「amazon.co.jp」と何らかの関係を有することがうかがえるものの、使用商品の販売の事実及び販売実績が確認できないから、使用商品及び同商品に使用されている引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品として及び同商品を表示するものとして、いずれも需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標は、上記第1のとおり、「Basesailor」の文字を標準文字で表してなるものであり、引用商標は上記第2のとおり「Basesailor」の欧文字からなるものであるから、両者は、同一の文字からなるものといえ、同一又は類似するものである。
しかしながら、上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
そうすると、本件商標は、本件商標の指定商品と使用商品が同一又は類似するとしても、商標法第4条第1項第10号に該当するものといえない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記2のとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似するものであるが、上記1のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、引用商標の独創性の程度、本件商標の指定商品と使用商品との関連性の程度、需要者の共通性などを考慮しても、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして申立人の引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
4 商標法第4条第1項第19号及び同項第7号該当性について
上記2のとおり、本件商標と引用商標は同一又は類似するものであるが、上記1のとおり、引用商標は、申立人又は申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知著名性を獲得していたと認められないものであり、上記3のとおり、本件商標は、引用商標を連想又は想起させるものではないから、本件商標は、引用商標の名声に便乗して不正な利益を得るなど不正の目的をもって使用をするものということはできない。
また、本件商標が、国際信義に反する又はその出願及び登録の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同項第7号のいずれにも該当するものといえない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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