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商標異議申立

2023-900083

エルエックスリゾート、リゾート

審判番号
2023-900083
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-099419
登録番号
6668894
請求日
2023年04月12日
審決日
2023年12月11日
公報発行日
2024年01月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】HACK JAPAN ホールディングス株式会社
  • 【権利者代理人】馬場 資博
  • 【権利者代理人】唐鎌 睦
  • 【異議申立人】ヒルトン ワールドワイド マネージ リミテッド
  • 【異議申立人代理人】城山 康文
  • 【異議申立人代理人】岩瀬 吉和
  • 【異議申立人代理人】横川 聡子
  • 【異議申立人代理人】大島 良太
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 小林 裕子
分類
T1652.261-Y (W43) / T1652.262-Y (W43) / T1652.263-Y (W43) / T1652.271-Y (W43)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の2第1号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6668894号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6668894号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6668894号商標(以下「本件商標」という。)は、「LX RESORT」の欧文字を標準文字で表してなり、令和4年8月29日に登録出願、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,ホテルの事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供」を指定役務として、同5年1月12日に登録査定され、同年2月3日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議申立ての理由として引用する登録第6117133号商標(以下「引用商標」という。)は、「LXR HOTELS & RESORTS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成30年2月21日に登録出願、第43類「一時宿泊施設の提供,宿泊の予約の取次ぎ,ホテルにおける宿泊施設の提供,モーテルにおける宿泊施設の提供,バーにおける飲食物の提供,カフェにおける飲食物の提供,レストランにおける飲食物の提供,宴会場における飲食物の提供,特別な日のための社交行事用の施設の貸与,ケータリング(飲食物),行事・会議・集会・展示会・セミナー及びミーティングを開催するための部屋の貸与」のほか、第35類、第36類、第41類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同31年1月25日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定役務中、第43類の全指定役務(以下「申立てに係る役務」という。)について、商標法第4条第1項第11号又は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第34号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号 (1)本件商標について 本件商標は、「LX」が欧文字2文字で識別力はないこと、「RESORT」も一般的に「リゾートホテル」の意味で使用されている(甲3)ことから指定役務との関係で識別力を有さないこと、全体で10音の称呼は一気一連で称呼するのに冗長ではないことから、全体で一つの商標と認識されるものであり、「エルエックスリゾート」の称呼が生じる。 本件商標は、一見したところでは特定の観念は生じないものと解されるが、「LX」が「高級」を意味する「LAXURY」の略語として一般的に使用されている事実に鑑みれば(甲4、甲5)、需要者をして「LX」を「LUXURY」と認識することは自然であり、本件商標からは「高級なリゾートホテル」という観念が生じ得る。 (2)引用商標について 引用商標は、その構成から「エルエックスアールホテルズアンドリゾーツ」の称呼が生じるが、20音であり冗長であると解されるため略して称呼されることが容易に想像できるが、どのように略されるかについては特に定まったルールは存在せず、「エルエックスアール」、「エルエックスアールホテルズ」、「エルエックスアールリゾーツ」、「ホテルズアンドリゾーツ」など様々な略称が生じ得る。 引用商標の「HOTELS」は「ホテル」の意味があり、「RESORTS」は「避暑地、行楽地」という意味があるが、宿泊施設に「ホテルズアンドリゾーツ」という語を使用する場合、リゾートの部分はコンセプトを示すに留まり、実質的に「リゾートホテル」の意味として使用されることが通常であり(甲6)、需要者においてもそのように認識されている。 引用商標を使用した宿泊施設については様々なサイトで紹介されているが、その際ほとんどのケースでヒルトンのラグジュアリーブランドであると説明・紹介されており(甲7~甲12)、引用商標の「LXR」については「LUXURY」の略語であると容易に想到できるものであるから、引用商標については「高級なリゾートホテル」という観念が生じ得る。 (3)本件商標と引用商標の類否について 外観についてみると、本件商標及び引用商標は、書体は同一であり、本件商標は8文字、引用商標は17文字であって、全体としては相違するものの、本件商標の文字は全て引用商標の前半部分に含まれており、語頭の2文字と語尾の6文字が同じ文字であることから、似た印象を与えるものである。 次に、両商標から生ずる称呼を比較すると、本件商標の称呼である「エルエックスリゾート」については、引用商標を「エルエックスアールリゾーツ」と称呼した場合、はっきりと称呼される語頭の6音が同一の称呼であり、本件商標の「リゾート」の部分も、引用商標の「リゾーツ」と単数形か複数形かの違いしかなく、一般の需要者にとっては実質的な差ではないことから、類似性が高いものである。 観念についても、本件商標、引用商標いずれも「高級なリゾートホテル」という同一の観念が生じ得ることから相紛れやすいものであり、出所の混同を生じさせるおそれのある商標であるといえる。 外観上、本件商標の文字は全て引用商標に含まれていること、本件商標の称呼である「エルエックスリゾート」が引用商標の略称である「エルエックスアールリゾーツ」と語頭が同じで語尾が非常に近似していること、両商標とも「高級なリゾートホテル」という同一の観念が生じることに鑑みれば、両商標の類似性は相違部分を凌駕するものであり、本件商標は引用商標の略称であるかのような印象を与えるものである。 したがって、本件商標と引用商標は、外観・称呼・観念において相紛らわしく、本件商標が引用商標の略称であるかのような印象を与えることから、出所の混同を生じるおそれのある類似の商標と考えるのが相当である。 (4)指定役務の類否について 本件商標の指定役務は、引用商標の指定役務中、第43類「一時宿泊施設の提供,宿泊の予約の取次ぎ,ホテルにおける宿泊施設の提供,モーテルにおける宿泊施設の提供,バーにおける飲食物の提供,カフェにおける飲食物の提供,レストランにおける飲食物の提供,宴会場における飲食物の提供,ケータリング(飲食物)」と類似する。 (5)小括 以上より、本件商標は、外観・称呼・観念において、引用商標と相紛れるおそれのある類似の商標であることは明らかであり、また、本件商標は、上述のとおり、引用商標の指定役務中の第43類の指定役務と同一又は類似の役務に使用するものであり、引用商標の後願にあたる。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。 2 商標法第4条第1項第15号 (1)引用商標について 申立人は、有名ホテルチェーンのHiltonを運営する法人であり、Hiltonのホテルは2021年のホテル業界の市場シェア、客室数においてマリオットに次ぐ第2位を獲得している(甲13、甲14)。 そして、引用商標である「LXR HOTELS & RESORTS」は、2018年にHiltonのラグジュアリーブランドのホテルとして新たに設立されたブランドであり、日本への進出はアジア太平洋地域への初進出となるものである(甲7)。「LXR HOTELS & RESORTS」のブランド戦略はラグジュアリーブランドであることから、日本を含めて世界で9件しか存在せず(甲8)、日本での開業が発表された際(開業日は2021年9月:甲9)には多くのWebメディアによって取り上げられ(甲7~甲12)、本件商標の出願前から現在に至るまで、施設内の飲食店までも含めて継続的に日本の著名な雑誌においても大きく紹介されている(甲15~甲32)。 さらに、HiltonホテルにはHilton HONORSという会員制度が存在し、その会員数は世界で1億1800万人を超え(甲33)、日本での会員数は明らかではないものの、相当数の会員がいることは容易に想像できる。当該会員であればHilton系列のホテルを利用する際には特典が与えられるが、その中には当然ラグジュアリーブランドである「LXR HOTELS & RESORTS」も含まれていることから、Hiltonを利用する相当数の需要者が「LXR HOTELS & RESORTS」について認知しているものである。 したがって、引用商標は本件商標の出願時及び査定時において宿泊施設の提供及び飲食物の提供に関し、周知・著名性を獲得している。 (2)他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれについて 上記1(3)で述べたように、外観上本件商標の文字は全て引用商標に含まれていること、本件商標の称呼である「エルエックスリゾート」が引用商標の略称である「エルエックスアールリゾーツ」と語頭が同じで語尾が非常に近似していること、いずれも「高級なリゾートホテル」の観念が生じることに鑑みれば、両商標の類似性は相違部分を凌駕するものであり、本件商標は引用商標の略称であるかのような印象を与えるものである。 さらに、本件商標の指定役務の分野における需要者は商標についての専門的な知識を有する者ではなく、一般的な需要者である。このような需要者においては、注意深く商標を観察するのではなく、商標の音感や意味から生じる何となくの印象を記憶しているものであるから、本件商標と引用商標の如く共通点の多い商標が付されたホテルが旅行に関する同一サイト内に掲載されたり、近くに存在していれば、需要者が混同を来たしてホテルを取り違えることは容易に想到し得ることである。 また、本件商標と引用商標が類似すること、Hiltonは引用商標であるLXR HOTELS & RESORTSの他、コンラッド、ヒルトン、キュリオ・コレクション、ダブルツリーなどの系列ブランドを日本で展開していること(甲34)に鑑みれば、本件商標は、申立人のブランドの一つであるかのように誤信するおそれがあるものである。 したがって、本件商標は申立人の役務と混同を生じるおそれのある商標である。 (3)小括 よって、本件商標は、出願時及び査定時において商標法第4条第1項第15号に該当することは明らかである。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知性について (1)申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。 ア 申立人は、世界的なホテルチェーン「Hilton」を運営する法人である(甲14)。 イ 引用商標である「LXR HOTELS & RESORTS」は、Hiltonのホテルブランドの一つとして2018年に設立されたものであり、2021年現在、当該ブランドのホテルは世界に9軒存在する(甲7、甲8)。 ウ 日本においては、2021年9月に「LXR HOTELS & RESORTS」のアジア太平洋地域への初進出となるホテル(ROKU KYOTO,LXR Hotels & Resorts)が京都にオープンした(甲7~甲9)。 エ 上記「ROKU KYOTO,LXR Hotels & Resorts」は、複数のウェブサイトのニュース記事や雑誌において紹介された(甲7~甲12、甲15~甲30)。 (2)上記(1)によれば、引用商標が申立人の業務に係る宿泊施設の提供(ホテル)の名称として使用されていることは認められる。 しかしながら、申立人の提出に係る、引用商標が使用されたホテルに関するウェブサイトや雑誌の証拠は、3年程度の期間のものであって、相当の期間にわたって継続的に紹介されたものとはいえず、その数も数件にとどまるものであって、多いものとはいい難い。 そして、その他、引用商標を使用した役務についての我が国における観光客の利用数や売上高、市場シェアなどの事業規模、宣伝広告の程度等について、その事実を客観的に把握することができる証拠は見いだせない。 なお、申立人は、HiltonホテルにはHilton HONORSという会員制度が存在し、その会員数は世界で1億1800万人を超え(甲33)、日本の会員数は明らかでないが、相当数の会員がいることは容易に想像できるから、Hiltonを利用する相当数の需要者が引用商標を認知している旨主張しているが、その主張を裏付ける具体的な証拠の提出はない。 以上を踏まえると、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されていたと認めることができない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、前記第1のとおり、「LX RESORT」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、「LX」の文字と「RESORT」の文字の間に空白を有するとしても、同じ大きさ及び書体をもって、まとまりよく一体的に表されたものである。 そして、本件商標の構成中「RESORT」の文字が「リゾート地」(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)を意味する語であり、「リゾート」の文字がホテルの名称の一部に使用されている例(甲3)があることがうかがえるとしても、本件商標が全体として具体的な意味合いを想起させるものとはいい難いものである。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「エルエックスリゾート」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、前記第2のとおり、「LXR HOTELS & RESORTS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、「LXR」、「HOTELS」、「&」及び「RESORTS」の各文字の間に空白を有するとしても、同じ大きさ及び書体をもって、まとまりよく一体的に表されたものである。 そして、引用商標の構成中「HOTELS」の文字が「ホテル」を意味する「HOTEL」の複数形の、「RESORTS」の文字が「リゾート地」を意味する「RESORT」の複数形をそれぞれ表す語であって、「ホテル&リゾート」の文字がホテルの名称の一部に使用されている例(甲6)があることがうかがえるとしても、引用商標が全体として具体的な意味合いを認識させるものとはいい難いものである。 そうすると、引用商標は、全体の構成文字に相応して「エルエックスアールホテルズアンドリゾーツ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。 (3)本件商標と引用商標の類否について ア 外観について 本件商標と引用商標の外観を比較するに、両者は構成文字及び文字数において明らかに相違するものであるから、両者は、外観において相紛れるおそれはない。 イ 称呼について 本件商標から生じる「エルエックスリゾート」の称呼と引用商標から生じる「エルエックスアールホテルズアンドリゾーツ」の称呼とは、音構成、構成音数が明らかに相違するから、明瞭に聴別し得るものであり、称呼においても相紛れるおそれはない。 ウ 観念について 本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。 エ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、これらを総合して全体的に考察すると、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 なお、申立人は、本件商標の構成中の「LX」の文字及び引用商標の構成中の「LXR」の文字が、「高級」を意味する「LUXURY」の略語と認識される旨主張しているが、「LX」及び「LXR」の文字が、高級品の意味合いで一般に使用されている具体的な例は見いだせず、また、「LX」及び「LXR」の文字が「LUXURY」の略語であると認めるに足りる証拠の提出もないから、その主張は採用できない。 その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき特段の事情は見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定役務が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について 上記1のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、また、上記2のとおり、本件商標は、引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、両者の類似性の程度は低いものである。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 むすび 以上のとおりであるから、本件商標の指定役務中、本件登録異議の申立てに係る役務についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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