商標異議申立
2023-900078
ヒトミノビシルエットガカナウレディナカラコン、ヒトミノビシルエットガカナウ、レディナカラコン
- 審判番号
- 2023-900078
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-109641
- 登録番号
- 6668533
- 請求日
- 2023年04月07日
- 審決日
- 2023年11月30日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社スウィート
- 【異議申立人】ジルホウェッテ インターナショナル シュミート アーゲー
- 【異議申立人代理人】弁理士法人栄光事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T1651.255-Y (W09) / T1651.26 -Y (W09) / T1651.271-Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6668533号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6668533号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6668533号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和4年9月22日に登録出願、第9類「カラーコンタクトレンズ及びその容器並びにその附属品,コンタクトレンズケース」を指定商品として、同5年1月20日に登録査定、同年2月2日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する国際登録第457518号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、2001年(平成13年)4月26日に国際商標登録出願(事後指定)し、第9類「Optical apparatus for the eyes, particularly spectacles and sunglasses; spectacle cases; spectacles and sunglasses of metal and of synthetic material; spectacle frames, spectacle frames made of metal and of synthetic material.」を指定商品として、平成14年12月13日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証(枝番号を含む。以下、証拠の記載に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載し、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、視覚上、目立つ部分である上段中央部に「シルエット」の文字が配置された態様からなる商標であるところ、本件商標を構成する「シルエット」が要部と認識でき、本件商標からは、「シルエット」の称呼が生じる。
また、引用商標は、「Silhouette」の欧文字を筆記体で横書きした態様よりなる商標であり、その構成から「シルエット」の称呼が生じる。
そうすると、両商標は、「シルエット」の称呼を共通にするため、互いに類似する。
そして、本件商標の全指定商品は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似する商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
ア 申立人は、オーストリアのリンツに本社を置く眼鏡やサングラス等(以下「申立人製品」という。)を製造販売する企業である。申立人は、1964年に設立され、1991年にアディダス社とライセンス契約を締結し、スポーツ・アイウェアの製造を開始し、1990年代以降、オーストリア国内のみならず、グローバル展開を開始し、2000年にフランスと東南アジア地域、2002年に香港・アジア地域、2008年に東ヨーロッパ・中近東地域へと事業を拡大させ、2014年には南米地域に新しい子会社を設立した(甲3)。
2019年末、申立人は、アディダス社との25年間のライセンス契約を終了させ、独自のスポーツアイウェアブランド「evil eye」を設立させた(甲3)。
現在、申立人は、スペイン、イタリア、スイス、フランス、ドイツ、チェコ、ベルギー、イギリス等の13か国において販売拠点を有する(甲4、甲5)。
また、申立人は、コアブランドである「Silhouette」のほか、アーバンライフスタイルブランド「NEUBAU EYEWEAR」(2016年設立)、スポーツブランド「evil eye」(2019年設立)を展開し、これまでに110以上の賞を受賞している(甲4)。
申立人製品は、生産量のうち95%を輸出しており、100か国以上の国々で、22,000の販売店舗において販売され(甲4、甲6)、さらに、2018年には、1億本目のアイウェアが生産された(甲4)。
これらのことから、申立人が長年にわたり世界各国において数多くのアイウェアを製造販売してきたことは明らかであり、申立人は世界有数のアイウェア・メーカーであるといえる。
イ 引用商標の使用状況
引用商標は、申立人会社を示すロゴマークとして使用されているほか(甲4)、商品サンプル(甲7)や取引書類(甲8)に付して使用されている。
また、我が国に関しては、高島屋や伊勢丹、喜久幸堂、和真メガネ、水野メガネ、メガネのヨネザワ、阪急うめだ本店、和光、パリミキ等において、申立人製品が販売されている。その際、引用商標は、ポスターやショーケースに付されて使用されている(甲9)。
ウ 広告宣伝状況
国内外における申立人及び申立人製品の知名度向上のため、ウェブサイト(甲10)、SNS(甲11)、展示会への出展(我が国においては、2022年6月開催の「インポートファッションオプチカルフェア」、2022年秋及び2023年春開催の「Kojimachi Optical Fair」)、雑誌への掲載(甲9)に加え、第三者のウェブサイトでも紹介されている(甲12)。
エ まとめ
以上からすれば、引用商標は、眼鏡やサングラス等のアイウェア製品について長年使用され、申立人製品は世界中で販売されており、多大な営業活動もあいまって、需要者の認知度も高いことに鑑みれば、アイウェア製品の分野において、引用商標は、我が国を含む世界において著名であると理解される。
また、上記(1)並びに(2)イ及びウのとおり、本件商標を構成する「シルエット」は、要部と認識でき、本件商標の指定商品は、引用商標に係る指定商品と類似する関係にあり、引用商標は、世界的に著名の域に達している。
そうすると、仮に、本件商標がその指定商品について使用された場合には、需要者においてその商品が申立人の商品であるとの誤解が生じることは明白であり、出所混同を回避することは困難である。その上、引用商標は、申立人自身を表すハウスマークとしても使用されているから、本件商標に接した需要者は、その商品が申立人の関連会社等、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤解する結果、出所混同する可能性を否定し難い。
このように、申立人の商標として需要者の間に広く認識されている引用商標と本件商標とは類似するものであり、本件商標の指定商品と引用商標に係る指定商品とは同一又は類似の商品を指定するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
また、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知・著名性について
ア 申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、オーストリアのリンツに本社を置く眼鏡等を製造・販売する会社であり、1991年にアディダス社とライセンス契約を締結してスポーツ・アイウェアの製造を開始し、2000年にフランスと東南アジア地域、2002年に香港・アジア地域、2008年に東ヨーロッパ・中近東地域へと事業を拡大させ、2014年には南米地域に新しい子会社を設立した。
そして、2019年末、申立人は、アディダス社との25年間のライセンス契約を終了させ、独自のスポーツアイウェアブランド「evil eye」を設立させた(甲3)。
申立人は、コアブランドである「Silhouette」のほか、アーバンライフスタイルブランド「NEUBAU EYEWEAR」(2016年設立)を展開しており、これまでに110以上の賞を受賞し、2018年には、1億本目のアイウェアが生産された。申立人製品は、生産量の95%を輸出が占めており、100か国以上の国々で、22,000もの販売店舗において販売されている(甲4、甲6)。
(イ)引用商標は、申立人を示すロゴマークとして、取引書類(甲8)や商品サンプル(甲7、甲9)に使用されている。
また、2022年6月開催の「IFF Import Fashion Optical Fair」並びに2022年秋及び2023年春開催の「KOF Kojimachi Optical Fair」(甲9)において、引用商標が表示されている。
(ウ)「THE OPTICAL JOURNAL」のウェブサイトに「シルエットアイウェアの歴史」(2010年11月22日)が掲載されているが、引用商標は見いだせない(甲12)。
なお、掲載日が不明であるが、申立人のウェブサイト(甲10)及びSNS(甲11)において、引用商標が表示されている。
イ 上記アの事実によれば、申立人は、アイウェアについて、引用商標を使用し販売していることが認められる。しかしながら、引用商標に係る商品に関する我が国における市場シェア、売上高、広告の頒布範囲・回数等の客観的な証拠の提出はない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠からは、引用商標が申立人の業務に係る商品について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができないというべきである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、「瞳の美シルエットが叶う」の文字及びその文字の下段中央に「レディなカラコン」の文字を、それぞれピンク色の輪郭及びぼかしで囲った白抜き文字を2段に表し、全体を同じ色、同書同大でまとまりよく一体的に表したものであって、その構成文字中「シルエット」の片仮名に着目するというべき特段の事情は見いだせない。
イ 引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、「Silhouette」の欧文字を筆記体風に表してなるから、その構成文字に相応して、「シルエット」の称呼が生じ、当該文字は、我が国で親しまれている英語であることから、「輪郭、影絵」ほどの観念が生じる。
ウ 本件商標と引用商標の対比
本件商標は、その構成文字中に「シルエット」の片仮名を有するとしても、全体の文字を一体的に表した構成からすると、「シルエット」の称呼は生じないというべきであるから、「シルエット」の称呼、「輪郭、影絵」ほどの観念を生じる引用商標とは相紛れるおそれがなく、類似する商標とはいえない。
したがって、本件商標と引用商標の指定商品が同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標は、上記(2)のとおり、本件商標とは非類似の商標である。
また、引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができない。
また、本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、類似性の程度は低いものである。
そうすると、本件商標の商標権者が、本件商標をその指定商品について使用をした場合、これに接する取引者、需要者は、引用商標を連想、想起し、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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