商標異議申立
2023-900068
ウドゥンディ、ウドンデ、ウドンテ
- 審判番号
- 2023-900068
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-059088
- 登録番号
- 6667806
- 請求日
- 2023年03月20日
- 審決日
- 2024年04月25日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】上原 健司
- 【異議申立人】兵藤 正志
- 【異議申立人代理人】大池 聞平
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T1651.22 -Y (W41) / T1651.271-Y (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項7号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6667806号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6667806号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6667806号商標(以下「本件商標」という。)は、「うどぅんでぃ」の平仮名と「御殿手」の漢字を2段に表してなり、令和4年5月25日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同年11月25日に登録査定され、同5年2月1日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標(以下「引用商標」という。)は、「本部御殿手」の漢字からなり、大阪府所在の「本部御殿手古武術協会」が「技芸・スポーツ又は知識の教授」について使用し、本件商標の指定役務の分野の需要者の間に広く認識されているとするものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第7号について
ア 「商標審査基準」には、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当する場合について、「当該商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くものがある等、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合。」と例示されている。
イ 本件商標の登録出願に係る令和4年11月10日付け意見書の内容に虚偽がありながら登録を受けたことについて、社会的相当性を欠き、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものであり、上記アの例示に該当する。以下、詳細に説明する。
(ア)1つ目の虚偽
意見書には、「審査官殿が指摘する沖縄県所在の本部御殿手古武術協会は、開祖を上原清吉師とする「沖縄本部御殿手空手古武術協会」を正式名称とする協会であり、出願人の関連団体」と記載されている(以下、この記載を「記載1」という。)。しかし、本部御殿手古武術協会は、開祖を上原清吉とする「沖縄本部御殿手空手古武術協会」を正式名称とする協会ではなく、出願人の関連団体でもない。
なお、出願人がいう沖縄県所在の団体の正式名称は、当該団体のWEBサイトを見る限り、「沖縄本部御殿手空手古武術協会」ではなく、「沖縄本部御殿手空手古武道協会」である。以下では、意見書に合わせて「沖縄本部御殿手空手古武術協会」と統一して記載する。
まず本部御殿手について説明する。
本部御殿手は、本部御殿の初代、本部王子朝平(1655年-1687年)を開祖とし、代々本部家の血筋のみに伝えられてきた。上原清吉は、第11代宗家、本部朝勇より本部家の血筋にこの武術を伝えることを条件として、一時預かる形で第12代宗家に就任した。その後、上原清吉は、大正12(1924)年、本部朝勇の次男、本部朝茂に本部御殿手を伝えた。しかし、本部朝茂は、第13代宗家に就任したものの、不幸にも昭和20(1945)年、大阪空襲によって死去した。
上原清吉は、戦後移住先のフィリピンより帰国し、再び本部家の後継者を探したが、なかなか見つからない中、昭和51(1976)年、ようやく本部朝勇(第11代宗家)の甥、本部朝正(本部朝基の次男)に本部御殿手の継承を依頼し、本部朝正はこの要請を受諾した。そして、平成15(2003)年に、本部朝正が第14代宗家に就任している。
具体的に、この継承について説明すると、まず昭和51年に、上原清吉から本部朝正に、達士八段の称号の授与の際に本部朝正を本部御殿手の継承者とすることが記載された証書(甲3)が授与された。その後、平成4年に、上原清吉から本部朝正に、本部朝正を第十四代宗家として定めることが記載された証書(甲4)が授与され、平成15年に、上原清吉99歳の白寿の祝いの席で、本部御殿手の宗家が上原清吉から本部朝正に譲られた(甲5、甲6)。
次に拒絶理由通知書及び意見書の内容について述べる。
令和4年9月30日起案の拒絶理由通知書における「記」の(1)に記載のURLのWEBサイトの本部御殿手古武術協会は、上原清吉から本部御殿手を正式に継承した本部朝正が会長を務める協会である。なお、本部朝正は戦前より大阪府に住んでおり、本部御殿手古武術協会の所在地は、沖縄県ではなく、本部御殿手を正式に継承した平成15年以降大阪府である。
一方、意見書に記載された沖縄本部御殿手空手古武術協会は、沖縄県に所在しているが、正式名称以外の名称として「本部御殿手古武術協会」と称されるべき団体ではない。沖縄本部御殿手空手古武術協会は、本部御殿手古武術協会の地区会として「沖縄本部流空手古武道協会」の名称で、平成24年に上原健志らによって設立された。「地区会」の証拠として、平成24年3月30日の沖縄タイムス(甲7)には、当時の会長の話として、「上部団体の本部御殿手古武術協会のもと沖縄で活動を活発化させ」と記載されている。また、設立者の1人である上原健志は、上原清吉(第12代宗家)の長男であり、本部御殿手古武術協会において名誉会長の本部朝正(宗家)の下で会長を一時的に務めた時期はあったが、本部朝正(第14代宗家)に無断で、沖縄本部流空手古武道協会を設立した。なお、現在その名称は「沖縄本部御殿手空手古武術協会」に変更されている。
ここで、「開祖」との語は、通常、流派の初代を指す。そのため、本部御殿手の開祖は、本部王子朝平である。上原清吉は、自らを開祖と名乗ったことはなく、本部御殿手古武術協会の初代会長である。
そのため、意見書には「開祖を上原清吉師とする「沖縄本部御殿手空手古武術協会」を正式名称とする協会」とあるが、上原清吉は「沖縄本部御殿手空手古武術協会」の開祖ではないし、「沖縄本部御殿手空手古武術協会」は、上述したように地区会として設立されたものである。意見書では、地区会であることを記載せずに、「開祖」との語を使うことによって、沖縄本部御殿手空手古武術協会があたかも大元の上部組織であるかのごとく説明されている。
また、上原清吉は、生前、いかなる分派や独立も認めず、本部御殿手古武術協会を唯一の本部御殿手の統括団体としていた。しかるに、上原健志は無断で沖縄本部流空手古武道協会を設立したため、本部朝正より正式に本部御殿手並びに本部御殿手古武術協会から退会処分となった。そして、上述したように、上原健志らにより設立された団体は、現在「沖縄本部御殿手空手古武術協会」との名称で活動がなされているが、本部御殿手古武術協会とは無縁の団体である。すなわち、沖縄本部御殿手空手古武術協会は、本部朝正が会長を務める「本部御殿手古武術協会」の関連団体ではない。
以上により、上記の記載1に虚偽があることは明らかであり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(イ)2つ目の虚偽
意見書には、「一般公開に伴い、上原清吉師は、第3095424号「琉球王家秘伝本部御殿手」、第3138211号「本部御殿手」及び第3138212号「うどんて\御殿手」などの商標権を取得し、以後これを上原清吉師の子孫に代々相続させることで、これら「琉球王家秘伝本部御殿手」「本部御殿手」及び「うどんて\御殿手」の名称を保護し、『本部御殿手』本来の技を後世に伝えています。」、及び、「「本部御殿手(もとぶうどぅんでぃー)」(正式には「もとぶうどぅんでぃ」)の文字を広めているのは、出願人の祖父を開祖とする「沖縄本部御殿手空手古武術協会」であり、今回の出願に関しても、上原清吉師から行われている正当な経緯に付随するものであり、本願商標の登録について、出願人が正当な地位にあることがわかります。」と記載されている(以下、この記載を「記載2」という。)。
しかし、上原清吉から商標権を譲り受けた上原健志も、上原健志から商標権を譲り受けた上原健司(本件出願人)も、本部御殿手の継承者ではない。この事実は、本来なら意見書に記載するべきものでありながら、本件出願人は、意見書に商標権の相続・管理のことだけを記載して、「上原清吉師から行われている正当な経緯に付随するもの」と記載している。
また商標権の取得及び取得後の経緯について、平成4年頃に、上原清吉の破門弟子が「本部御殿手」「御殿手」の商標を取得する動きを見せたため、当時の本部御殿手古武術協会の会長上原清吉は、自身は本部家の血縁者ではないことから、昭和51年に本部御殿手の継承を依頼した本部朝正の同意を得た上で、第3095424号、第3138211号及び第3138212号に係る商標登録出願を行い、その後に各商標権の取得がなされた。しかし、平成15年の宗家継承に際して、本部朝正は、当然に各商標権が自身に移転されるものと考えていたが、上原清吉の長男、上原健志は移転しようとしなかった。そして、上原健志は令和3年末に急逝し、各商標権はその長男上原健司に移転され、さらに本件出願にて「御殿手」の商標を取得しようとしている。なお、上原健司は、本部家とは非血縁者であり、また武道歴も不明な者である。
以上の事実を踏まえると、上原家において各商標権の移転が代々なされているからといって「今回の出願に関して、上原清吉師から行われている正当な経緯に付随するもの」ということはできない。
また、本部御殿手の文字を広めているのは、本部御殿手を正式に継承した本部御殿手古武術協会である。ここで、本部御殿手古武術協会は、昭和45年に設立され(甲5、甲6、甲8)、現在は国内の9つの公認道場において、上記の拒絶理由通知書に記載されているように、「本部御殿手(もとぶうどぅんでぃー)」の文字を用いて、「技芸・スポーツ又は知識の教授」等を行い、また公益財団法人日本古武道協会主催の日本古武道演武大会に2年に1回出場し、さらに様々なメディア(甲5、甲6、甲9~甲12)に協会又は会長が取り上げられたり、流派の宗家として紹介されたりし、さらに沖縄県で開催された首里城空手祭や沖縄県空手道武芸祭などのイベントに参加している(甲13、甲14)。本部御殿手古武術協会は、「本部御殿手」の文字を50年以上用いており、かつ、これまでの活動実績から、本件の出願日より前から現在に至るまで、需要者の間で広く認識されている。すなわち、「本部御殿手」の文字は、本件出願人とは関係がない「本部御殿手古武術協会」の使用により周知になっている。ここで、日本古武道演武大会を主催する日本古武道協会には、現在77の流派が加盟しており、古武道の各流派で著名であることはいうまでもない。また日本古武道演武大会は、文部科学大臣が顧問を務めるほど格式が高い大会であり(甲15)、皇族が臨席されることもある。本部御殿手古武術協会が参加した2019年の大会には、高円宮妃が臨席されている。なお、日本古武道演武大会への出場頻度について、日本古武道協会への加盟団体が多いために、近年は2年に1回の頻度で出場している。
一方、沖縄本部御殿手空手古武術協会は、本部御殿手古武術協会に比べて歴史はきわめて浅く、本部御殿手古武術協会に比肩するような活動実績はない。日本古武道演武大会に参加したこともない。
活動実績を比較すれば、本部御殿手の文字を広めているのは、本部御殿手古武術協会であることは明らかである。また、本部御殿手の文字を広めているのは本部御殿手古武術協会であることは、上述の拒絶理由通知書の記載から審査官にも認められていると思料する。
以上により、上記の記載2に虚偽があることは明らかであり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(ウ)「御殿」とは琉球王家の一族(王族)の意味であり、「御殿手」は本部家に伝わる武術を意味しており、本部家の非血縁者の本件出願人が、「御殿手」との文字からなる商標にて登録を受けることは、社会的相当性を欠き、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものであり、上記アの例示に該当する。以下、詳細に説明する。
ここで、「御殿」について、甲第16号証に「「王家の一族」を表す言葉」及び「近世末の御殿は三十八家あり、本部家もその中のひとつでした。」と、甲第17号証に「王子・按司の家,またはその人を指す敬称。」と、甲第18号証に「王族や按司の邸宅は御殿とよばれる。ひいては御本人をさすこともある。」と記載されている。
また、「御殿手」について、甲第16号証に「このように本部家は御殿として非常に由緒正しい家柄でありました。また御殿は通常三代程度しか存続することができず・・・本部家は琉球処分による王政の廃止が行われるまで十一代にわたって御殿の家格を保っていました。御殿の中でも特別な存在であったのかもしれません。」及び「この本部家には、御殿手とよばれる武術が秘かに伝えられていました。この武術は琉球王家の秘伝武術として代々本部家の長男だけに一子相伝というかたちをとって伝承されてきたものです。」と記載されている。また甲第12号証には「「御殿」とは王族の家柄を示す語であり、「手」とは武術を示す。本部御殿手は、琉球王族である本部氏の長男のみに伝承された秘伝武術と伝えられる。」と記載されている。また、甲第12号証では、本部御殿手の説明において、「御殿手では膝を伸ばした“タッチュウグヮー”が基本の構え。・・・一見すると本部拳法と御殿手にはかなりの違いが見られます。」と記載され、「本部御殿手」と「御殿手」が同義で使用されている。
すなわち、「御殿手」について、「御殿(琉球王家の一族)」の中でも特別な存在であった本部家の秘伝武術である。このような事情に鑑みると、本部家の非血縁者の本件出願人が、「御殿手」との文字からなる商標にて登録を受けることは、社会的相当性を欠き、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものである。
以上により、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
さらに、「御殿手」は、上述の拒絶理由通知書にも記載されているとおり、「本部御殿手」と同一又は類似の構成からなり、「本部御殿手」が需要者の間で広く認識されていることからすると、「御殿手」も広く認識されている。また「御殿手」は、格闘技の漫画として有名な「グラップラー 刀牙」に登場している(甲19)。同漫画には、「御殿手」について「琉球王家の長男にのみ承継を許された王家秘伝の武術」と記載されている。
そのため、「御殿手」は、周知・著名な家紋と同様に、強い顧客吸引力を発揮し得るものであり、「御殿手」と無関係な上原家が登録を受けることは適切でない。この点からも、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
出願人は、上述の拒絶理由に対し、虚偽の内容を含む意見書を提出することによって、拒絶理由が解消して、登録が認められている。したがって、本件商標は、依然として、商標法第4条第1項第15号に該当する。
「御殿手」と「本部御殿手」を対比した場合に、「本部」の有無に違いがある。しかし、「御殿手」は、上述したように、本部家の秘伝武術を指す語であるため、「御殿手」は、上述の拒絶理由通知書にも記載されているとおり、「本部御殿手」と同一又は酷似の構成からなるといえる。
他方、本部御殿手古武術協会が使用する「本部御殿手」の文字は、本件商標の指定役務に関する分野における上述の活動実績により(甲5、甲6、甲9~甲14)、本件商標の登録出願の日より前から現在に至るまで、需要者の間で広く認識されている。
そのため、本件商標は、本部御殿手古武術協会と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る役務であると誤認し、その役務の需要者が役務の出所について混同するおそれがあることは明らかである。本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、上原清吉氏は、昭和45年に、琉球王家から伝わる武術を「本部御殿手」と命名するとともに、「本部御殿手古武術協会」を設立し、同協会の会長に就任したこと(甲2、甲5、甲6、甲8)、同協会は、武術の教授などについて「本部御殿手」の文字を使用していること(甲2)、本部御殿手古武術協会の会長などが沖縄県のイベントで演武を行ったこと(甲13、甲14)、琉球王家秘伝本部御殿手第12代宗家は上原清吉氏、同第13代宗家は本部朝茂氏、同14代宗家は本部朝正氏であること(甲4、甲6、甲12、甲15)、「御殿」の語は「王家の、王家の家」などの意味を有し、「本部家」はその一つであったこと(甲16、甲17)が認められ、また、「沖縄本部流空手古武道協会」は2012年(平成24年)3月頃に発足したとされている(甲7)。
しかしながら、本部御殿手古武術協会の会員数、活動報告など活動規模や広告宣伝の規模等を示す客観的な証左は見いだせない。
イ 上記アのとおり、本部御殿手古武術協会は、武術の教授などについて「本部御殿手」の文字を使用し、同協会の会長などが沖縄県のイベントで演武を行ったことが認められるものの、当該イベントが開催された時期は一つが平成4年とされ(甲13)、他の一つは時期が確認できないもの(甲14)であり、他に、本部御殿手古武術協会の活動規模等を示す客観的な証左は見いだせないから、本部御殿手古武術協会及び同協会が使用する「本部御殿手」の文字は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、武術の教授などを行う協会として及び同協会の業務に係る役務(武術の教授など)を表示するものとして、いずれも需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
したがって、「本部御殿手」の漢字からなる引用商標は、本部御殿手古武術協会の業務に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、上記1のとおり「うどぅんでぃ」の平仮名と「御殿手」の漢字を2段に表してなるものである。
そして、上記(1)のとおり引用商標は、本部御殿手古武術協会の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
また、他に「うどぅんでぃ」と「御殿手」の文字からなる本件商標が、その出願及び登録の経緯において、不正の利益を得る目的又は他人に損害を与える目的など社会的相当性を欠くといった事情は見いだせない。
その他、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではない。
そうすると、本件商標は、その登録を維持することが商標法の予定する秩序に反し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標とはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
ア 本件商標と引用商標の類否
(ア)本件商標は、上記1のとおり「うどぅんでぃ」と「御殿手」の文字を2段に表してなり、「うどぅんでぃ」の文字は、「御殿手」の文字の自然な読みを特定したものと無理なく認識するとは必ずしもいえないから、両文字それぞれに相応し「ウドゥンディ」「ゴテンシュ」「ゴテンテ」の称呼を生じるものであって、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(イ)引用商標は、上記2のとおり「本部御殿手」の文字からなり、該文字に相応し「ホンブゴテンシュ」「ホンブゴテンテ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(ウ)本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者の上記(ア)及び(イ)のとおりの外観は構成文字、構成態様が明らかに異なり、両者を離隔的に観察しても、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
また、本件商標から生じる「ウドゥンディ」「ゴテンシュ」「ゴテンテ」の称呼と引用商標から生じる「ホンブゴテンシュ」「ホンブゴテンテ」の称呼を比較すると、両者は語頭における「ホンブ」の音の有無などの差異を有し、その差異が両称呼全体に与える影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても語調語感が相違し、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
さらに、観念においては、両商標は共に特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないものの、外観、称呼において相紛れるおそれがない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
イ 本号該当性
上記(1)のとおり引用商標は、本部御殿手古武術協会の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記アのとおり本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきものであるから、本件商標の指定役務と引用商標が使用される役務との関連性の程度、需要者の共通性などを考慮しても、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(本部御殿手古武術協会)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(4)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-900068