商標異議申立
2023-900057
モグモグチャレンジ
- 審判番号
- 2023-900057
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-089324
- 登録番号
- 6659263
- 請求日
- 2023年03月03日
- 審決日
- 2023年10月24日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社ミライデザインGX
- 【権利者代理人】白浜 秀二
- 【異議申立人】株式会社 アッシェ
- 【異議申立人代理人】One ip弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T1651.25 -Y (W41) / T1651.271-Y (W41) / T1651.222-Y (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項15号商標法4条1項19号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6659263号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6659263号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6659263号商標(以下「本件商標」という。)は、「もぐもぐチャレンジ」の文字を標準文字で表してなり、令和4年8月2日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,美術品の展示,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,写真の撮影,通訳,翻訳」を指定役務として、同年12月12日に登録査定、同5年1月5日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第67号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人の「もぐもぐチャレンジ」は、食品ロスを削減する取り組みである。「もぐもぐチャレンジ」に参加するのは主にスーパーマーケットなどの小売業者(以下「導入者」という。)である。導入者は賞味・消費期限の近い商品にもぐにぃ(キャラクター)の顔のシールを貼り、顧客は、その商品を購入した場合に、もぐにぃの顔のシールを取得することができ、シールを規定の枚数以上集めることでリワードを受けることができる取り組みである。
もぐもぐチャレンジの実施期間中には、POP(甲1~甲6)がスーパーマーケットなどの導入者の店舗に貼付される。
申立人は、商標「もぐもぐチャレンジ」を含む報道陣向けのリリースを複数回行っている(甲7~甲11)。
もぐもぐチャレンジでは、「もぐもぐチャレンジ」に参加する導入者に渡した資料(甲12~甲15)に示されるようにスマートフォンにインストールされるアプリも利用され、ここでも「もぐもぐチャレンジ」の文字が示されている(甲12)。
導入者の店舗では、ポスターが貼付されており(甲58、甲59)、店舗を訪れた数多くの消費者により、QRコードを撮影してスマートフォンにアプリがインストールされた。
導入者からも、「もぐもぐチャレンジ」に参加する趣旨の報道陣向けのリリースが行われており(甲16、甲18)、このようなプレスリリースにより「もぐもぐチャレンジ」の名称は、食品ロス削減の取り組みとして広く周知されている。また、企業がIRとして作成した資料中にも「もぐもぐチャレンジ」の紹介がなされており(甲17)、多くの株主が知るところとなっている。
さらに、導入者は、自らの小売施設に来店する顧客に対して、「もぐもぐチャレンジ」の取り組みをPOPにより周知している(甲19~甲45)。
また、小売施設の店内では「もぐもぐチャレンジ」を紹介する動画も上映されている(甲46~甲50)。導入者は複数の県にまたがり、それぞれが複数の店舗を運営していることから、「もぐもぐチャレンジ」の名称は多くの顧客の目に触れている。
このような取り組みを継続的に展開してきた「もぐもぐチャレンジ」は、有意義な取り組みとして国でも紹介され、例えば、消費者庁が「めざせ!食品ロス・ゼロ 民間企業・団体の取組み」と銘打って取り組みを紹介している(甲51)。
また、ウェブメディア、地方テレビ局、地方紙、全国紙、個人ブログなど、多様なメディアを通じて、「もぐもぐチャレンジ」に関するコンテンツが紹介された(甲52~甲57)。
以上のように、商標「もぐもぐチャレンジ」は、申立人による食品ロス削減の取り組みに関連して周知である。しかしながら、本件商標権者と申立人とは経済的組織的に何ら関係を有しない。
したがって、本件商標は、消費者に対して出所の混同を与える可能性が高く、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人は、「もぐもぐチャレンジ」の名の下、食育に関して申立人が作成した資料(甲60~甲62)により食育活動を行っており、このような食育活動の取り組みは、ウェブメディアなどにより取り上げられており(甲63~甲66)、「もぐもぐチャレンジ」が食育活動の商標として広く周知されていることが明らかである。
よって、商標「もぐもぐチャレンジ」は、少なくとも、「技芸・スポーツ又は知識の教授」「セミナーの企画・運営又は開催」「インターネットを利用して行う映像の提供」「教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」「興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」について、申立人の商標として周知である。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、上述のとおり申立人の著名な商標と同一又は類似の商標について、出所表示機能を希釈化させたり、その信用や名声等を毀損させたりする目的で登録されたものであることは明らかであって、他人の周知商標と同一又は類似で不正の目的をもって使用することを企図していることが明白であるから、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)「もぐもぐチャレンジ」の周知・著名性について
ア 申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)「DreamNews」のウェブサイトには、「スーパーマーケットでのSDGsの取り組み「もぐもぐチャレンジ」を新プランとして、2022年4月1日から提供を開始しました。」(2022年4月26日:甲7)、「株式会社アッシェが提供するサービス「もぐもぐチャレンジ」が2022年6月1日から株式会社ゆめマート熊本にて、新たに2店舗導入されました。」(2022年6月7日:甲8)、「株式会社アッシェが提供するサービス「もぐもぐチャレンジ」が2022年6月1日からサミット株式会社にて、新たに12店舗導入されました。」(2022年6月8日:甲9)、「【SDGs教育2022】食品ロス特別出前授業を実施!/もぐもぐチャレンジ!!」(2022年6月23日:甲10)、「【スーパーマーケットのSDGsに対する具体的な取組み】「もぐもぐチャレンジ!」2022年6月末までに食品ロス510万食の削減を達成!」(2022年7月15日:甲11)等と申立人に関するプレスリリースがある。
(イ)日本経済新聞には、「食品ロス削減へデジタル支援 スーパー向け/高知のアッシェ、顧客の行動データ分析」(2022年1月18日)の見出しの下、「小売業向けインターネット広告やホームページを企画制作するアッシェ(高知市)は3月をめどに、スーパーの食品廃棄ロスを減らす事業を強化する。・・・アッシェの食品ロス削減事業は「もぐもぐチャレンジ」という。」の記載がある(甲56)。
(ウ)食育の活動概要(甲62)には、「もぐもぐチャレンジは株式会社アッシェの登録商標です」の記載があるものの、具体的な使用方法及び掲載日が確認できない。また、「【SDGs教育2022】食品ロス特別出前授業を実施!」(2022年6月23日)に関し、申立人が高知市の小学校において出前授業をした旨が掲載されている(甲63~甲66)が、その回数、その他の地域、全体に受講した人数等については、不明である。
(エ)申立人の提出に係る上記以外の証拠には、食品ロス削減事業について「もぐもぐチャレンジ」の文字が記載されている(甲57)ものもあるが、いずれも申立人との関係性が確認できないものや、掲載日及び作成日が不明なものである(甲1~甲6、甲12~甲55、甲57~甲61)。
イ 上記アの事実によれば、申立人は、2022年4月から、「もぐもぐチャレンジ」(以下「申立人使用商標」という。)と称する、スーパーマーケット等における食品ロス削減事業を行い、2022年6月に、小学校において食品ロス特別出前授業を実施したことがうかがえる。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠は、申立人との関係性が確認できないもの、掲載日及び作成日が不明なものが多く、その他に、申立人の事業に係る売上高、広告の範囲や回数等も確認できないから、申立人使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の食品ロス削減事業や食育に関する役務を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「もぐもぐチャレンジ」の文字を標準文字で表してなり、一方、申立人が食品ロス削減事業及び食品ロス特別出前授業に使用する申立人使用商標も「もぐもぐチャレンジ」の文字からなるものであるから、本件商標と申立人使用商標とは、文字構成を同一にするものであり、同一又は類似の商標である。
しかしながら、申立人使用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る食品ロス削減事業や食育に関する役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されているとはいえないものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者が、申立人使用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないとするのが相当である。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と申立人使用商標とは、「もぐもぐチャレンジ」の文字を共通にする同一又は類似の商標である。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠からは、申立人使用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務を表すものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているとはいえないものであって、かつ、不正の目的についての客観的な証拠の提出もない。
そうすると、本件商標は、本件商標権者が申立人使用商標の出所表示機能を希釈化させたり、その信用や名声等を毀損させたりする目的その他の不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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