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商標異議申立

2023-900052

モンスターフィルム、モンスター

審判番号
2023-900052
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2022-079047
登録番号
6653124
請求日
2023年02月27日
審決日
2024年03月29日
公報発行日
2024年04月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】Fun Standard株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人Toreru
  • 【異議申立人】モンスター,インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】古谷 聡
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 鈴木 雅也
  • 審判官 渡邉 あおい
分類
T1651.261-Y (W09) / T1651.262-Y (W09) / T1651.263-Y (W09) / T1651.25 -Y (W09) / T1651.271-Y (W09) / T1651.222-Y (W09)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6653124号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6653124号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6653124号商標(以下「本件商標」という。)は、「Monster Film」の欧文字を標準文字で表してなり、令和4年7月7日に登録出願、第9類「スマートフォン用保護フィルム,携帯情報端末の部品及び附属品」を指定商品として、同年11月14日に登録査定、同年12月16日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 (1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は以下のとおりである。 ア 登録第2715891号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲のとおり 登録出願日:昭和59年7月30日 設定登録日:平成8年8月30日 指定商品:第9類「スピーカー用接続コード,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」(書換登録日:平成20年3月5日) イ 登録第5579974号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:MONSTER DNA(標準文字) 登録出願日:平成24年11月2日 優先権主張:アメリカ合衆国 2012年(平成24年)5月4日 設定登録日:平成25年5月2日 指定商品:第9類「ヘッドホン及びその構成部品,オーディオスピーカー,ノートブック型パーソナルコンピュータの機能拡張用接続器,携帯型音楽プレーヤーの機能拡張用接続器,スマートフォンの機能拡張用接続器,ケーブル,AV機器用ケーブル及び動力ケーブル,コネクタ,その他の電気的および電磁気的信号伝送装置・増幅装置・受信装置・変換装置,その他の電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 なお、引用商標1に係る商標権は現に有効に存続しており、引用商標2に係る商標権は、存続期間満了により令和6年1月24日に抹消登録されている(権利満了日:令和5年5月2日)。 また、引用商標1及び2をまとめて引用商標という場合がある。 (2)申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する商標は、申立人の業務に係るイヤホン、ヘッドホン、ダウンロード可能なスマートフォン用のアプリケーションソフトウェア、オーディオ用ケーブル等に使用する「MONSTER」の欧文字からなる商標(以下「申立人商標」という。)である。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標の要部 本件商標は、「Monster Film」の欧文字を横書きしてなり、その構成中、「Monster」の部分は、「怪物、化け物」などの意味を有する英語であり、指定商品との関係で頻用されるものではないため、需要者等の印象、記憶、連想等に大きな影響を与え、一般的に需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える。 他方、本件商標の構成中、「Film」の部分は、「薄膜」の意味を有し、その指定商品との関係では、商品の形状を表すものであるから、識別力を有していない。また、本件商標の構成中、「Film」の部分は、「フィルム」の意味も有しており、指定商品「スマートフォン用保護フィルム」との関係では、商品自体を表しているとも理解されるため、本件商標は、「Monster」のように後部を省略して記載される可能性が高いといえる。 また、本件商標は、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であるとされるものではなく、簡易、迅速を尊ぶ実際の取引では、これに接する需要者等が最左端の構成「MONSTER」のみに着目して取引に資する場合もあると考えられる。 そのため、本件商標は、その構成全体から「Monster」の文字部分を要部として抽出し、これを引用商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるものと考えられる。 イ 本件商標と引用商標1との対比 本件商標は、その要部に当たる「Monster」の文字部分から、「モンスター」の称呼と「怪物、化け物」等の観念を生じる。 他方、引用商標1は、別掲のとおり、欧文字の「monSTER」を図案化した上段のロゴと欧文字の「CABLE」を図案化した下段のロゴを2段に配してなるものであり、最初の3文字をあえて小文字で表すことで構成上顕著な特徴を有する上段のロゴ部分から、「モンスター」の称呼と「怪物、化け物」等の観念を生じる。 このように、本件商標は、その要部「Monster」が、引用商標1の上段のロゴ部分と共通の称呼及び観念を有しているので、商標全体としても、引用商標1と類似している。 また、本件商標の指定商品は、引用商標1の第9類の指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」と類似している。 ウ 本件商標と引用商標2との対比 引用商標2は、「MONSTER DNA」の欧文字を横書きしてなるものであり、「MONSTER」の文字部分から、「モンスター」の称呼と「怪物、化け物」等の観念を生じる。 本件商標は、その要部「Monster」が、引用商標2の「MONSTER」の文字部分と共通の称呼及び観念を有しているので、商標全体としても、引用商標2と類似している。 また、本件商標の指定商品「スマートフォン用保護フィルム,携帯情報端末の部品及び附属品」は、引用商標2の第9類の指定商品「ヘッドホン及びその構成部品,オーディオスピーカー,ノートブック型パーソナルコンピュータの機能拡張用接続器,携帯型音楽プレーヤーの機能拡張用接続器,スマートフォンの機能拡張用接続器,その他の電気的および電磁気的信号伝送装置・増幅装置・受信装置・変換装置,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」と類似している。 エ 小括 上記のとおり、本件商標は、その商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人(申立人)の登録商標である引用商標に類似する商標であって、その登録商標に係る指定商品に類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第10号について ア 申立人の業務と申立人商標「MONSTER」の周知性 申立人は、ノエル・リー氏によって1979年に設立された米国法人で、申立人の製品「MONSTER CABLE」は、高性能・高品質のオーディオ用ケーブルであり、その性能からハリウッド映画の製作現場にも使用されている。 申立人の製品「MONSTER CABLE」は、数多くのトッププロに認められて話題になり、瞬く間に日本を含む世界中の一般の需要者にも知られるようになり、現在、高品質・高性能ケープルの世界的なトップメーカーに成長している。さらに、申立人は、事業・製品の多角化の一環として2009年から「イヤホン・ヘッドホン」市場に参入している。 申立人商標を付して販売されたイヤホン・ヘッドホンは、マイルス・デイヴィスなどの世界的ミュージシャンや、シャネルなどのファッションメーカーだけでなく、近年ではスポーツメーカーのアディダスや、世界的サッカー選手クリスティアーノ・ロナウドとのコラボレーションモデルにより、日本を含む世界中の需要者等に幅広く受け入れられている。そのため申立人商標を付した商品が、高性能・高品質で知られるケーブルだけでなく、イヤホン・ヘッドホンにも及んでいることが、本件商標についての登録出願前から日本国内の需要者の間に広く認識されている(甲14~甲17、甲19、甲20)。 また、スマートフォンで使用されるワイヤレスのイヤホン等は、スマートフォンにダウンロードされたアプリで設定・調整されるのが一般的であり、申立人も申立人商標が使用された、イヤホン等の設定・調整などを行うためのダウンロード可能なスマートフォン用アプリを提供している(甲18)。 上述した申立人の商品は、キクタニミュージック株式会社、完実電気株式会社、オンキヨーマーケティング株式会社(2022年2月8日より事業停止)などの正規輸入・販売業者並びにそれを介した日本全国の取扱店舗及びオンライン販売サイトにより国内正規品として、又は並行輸入品等として、日本で販売されている(甲14~甲20)。 イ 本件商標の要部と申立人商標との対比 本件商標の要部を申立人商標と対比すると、両者は、称呼が「モンスター」で同一、観念が「怪物、化け物」等で同一であるから、本件商標は、商標全体としても、申立人商標と類似している。 また、本件商標の指定商品「スマートフォン用保護フィルム,携帯情報端末の部品及び附属品」は、需要者の間に広く認識されている申立人商標が使用される商品「イヤホン,ヘッドホン,ダウンロード可能なスマートフォン用のアプリケーションソフトウェア」と類似している。 ウ 小括 上記のとおり、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって、その商品に類似する商品について使用をするものであり、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第15号について 上記(2)で述べたように、申立人商標は、本件商標の登録出願前から、申立人の商標として、日本国内の需要者の間に広く認識され(甲14~甲20)、本件商標の要部と申立人商標とは、称呼が「モンスター」で同一、観念が「怪物、化け物」等で同一であるから、本件商標は、商標全体としても、申立人商標と類似している。 一方、申立人商標は、申立人のハウスマークでもあり、前述したような歴史的経緯から、「オーディオ用ケーブル」のような、本件商標の第9類の指定商品とは非類似の商品についても使用されている(甲2~甲14)。 本件商標は、申立人の商標として日本国内の需要者の間に広く認識された申立人商標に類似しているから、本件商標をその指定商品に使用した場合、商品の類否に関わらず、需要者等に申立人商標を連想させ、本件商標の指定商品とは非類似の申立人の業務に係る商品との間にも、商品の出所の混同を生ずるおそれがある。 実際、申立人は、本件商標の第9類の指定商品とは非類似の商品について使用をする商標登録を有している(甲2~甲9)。 申立人の名称が「モンスター・ケーブル・プロダクツ,インコーポレイテッド」から「モンスター,インコーポレイテッド」に変更された歴史的経緯と、申立人の製品・業務の多角化が進んでいることから、現在では、申立人商標の「MONSTER」又は「モンスター」はハウスマーク、また、「manSTER/MONSTER」の後部にそれぞれ「CABLE」、「MOBILE」、「POWER」、「BASS」、「DNA」の文字が付加された、ファミリーネーム又はペットネームという関係にあるともいえる。 上記のように、本件商標は、申立人の商標として日本国内の需要者の間に広く認識された申立人商標に類似しているので、本件商標をその第9類の指定商品に使用した場合、商品の類否に関わらず、需要者等に申立人商標を連想させ、本件商標の指定商品とは非類似の申立人の業務に係る商品との間にも、商品の出所の混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第19号について 申立人商標は、日本国内の需要者の間に広く認識されており、本件商標は、申立人商標に類似しているから、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当しない場合でも、申立人商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させる不正の目的が推認される。 また、申立人が事業規模の拡大を計画している事実として、国際商標登録(甲10~甲13)を有すること、申立人商標が申立人の商標として日本国内の需要者の間に広く認識されている事実を考慮すれば、本件商標についての登録出願には、我が国において登録されていないことを奇貨として、先取的に出願するという不正の目的も推認される。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、上記1のとおり、「Monster Film」の欧文字を標準文字で表してなるところ、本件商標の構成中、「Film」の部分は、その指定商品「スマートフォン用保護フィルム」との関係では、自他商品の識別標識としての機能を有しないといえるものである。 そうすると、本件商標からは、全体の構成文字に相応して「モンスターフィルム」の称呼を生じるほか、「Monster」の文字に相応して「モンスター」の称呼及び「怪物、化け物」の観念を生じるといえる。 イ 引用商標について (ア)引用商標1は、別掲のとおり、かなりデザイン化された構成からなり、直ちには称呼し難いといえるが、欧文字の「monSTER」を図案化した上段のロゴと欧文字の「CABLE」を図案化した下段のロゴを2段に配してなるという申立人主張のとおりであれば、上下段とも同じデザインがなされ、まとまりよく一体的に表されていることから、全体を一つの商標とみるべきであり、その構成文字に相応して「モンスターケーブル」の称呼が生じ、当該文字は、辞書等に掲載が認められないから、特定の観念は生じない。 (イ)引用商標2は、上記2(1)イのとおり、「MONSTER DNA」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成中、「DNA」の文字がその指定商品との関係で自他商品の識別標識としての機能を有しないとの事情は見いだせない。 そうすると、引用商標2は、「MONSTER」と「DNA」の間に1文字の空きがあるとしても、同書、同大でまとまりよく横書きしてなるから、全体を一つの商標とみるべきであり、その構成文字に相応して「モンスターディーエヌエイ」の称呼を生じ、当該文字は全体として辞書等に掲載が認められないから、特定の観念は生じない。 ウ 本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標は、上記ア及びイのとおり「Monster」の文字において共通するとしても、引用商標1は、かなり図案化され2段に表されているから本件商標とは外観において印象が相違し、また、引用商標2とは、「Film」と「DNA」の文字において相違するものであるから、これらは、外観において相紛れるおそれはない。 また、本件商標は、「モンスターフィルム」又は「モンスター」の称呼を生じるのに対し、引用商標1は、「モンスターケーブル」の称呼、引用商標2は、「モンスターディーエヌエイ」の称呼を生じるものであるから、本件商標と引用商標との称呼は、後半部における音が明らかに相違し、聴別できる。 さらに、本件商標からは、「怪物、化け物」の観念が生じ得る場合があるとしても、引用商標からは、特定の観念は生じないから、観念において相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念において、紛れるおそれがなく、これらを総合的に勘案すると両者は、相紛れるおそれがない非類似の商標というべきであるから、その指定商品の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえない。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性について ア 申立人商標の周知性について 申立人の主張及び提出された甲各号証によれば、以下のとおりである。 (ア)申立人の製品の正規輸入代理店とされる「キクタニミュージック株式会社」のウェブサイト(甲14)には、「What’s MONSTER CABLE」の表題の下、「1979年にアメリカ合衆国カリフォルニア州サウス・サンフランシスコでノエル・リーが創設した音響機器メーカー[MONSTER]。」の記載があるが、このサイトの掲載日は不明である。 (イ)「TOWER RECORDS」のウェブサイト(2011年2月15日掲載:甲15)には、「マイルス・モデルのヘッドフォンがMONSTER CABLE社から発売中!」として写真とともに「MONSTER Miles Davis Tribute インイヤー・ヘッドフォン」の記載がある。 (ウ)「Harper’s BAZAAR」のウェブサイト(2019年12月6日掲載:甲16)には、「モンスターケーブル(Monster Cable」及び「Monster DNA オンイヤー・ヘッドフォン」の記載がある。 (エ)「価格.com」のウェブサイト(甲17)には、「「monster イヤホン」の検索結果」の記載の下、「MONSTER、ジュエリーライクな同ブランド初の完全ワイヤレスイヤホン/完実電気は、『MONSTER』ブランド・・・」(2019年5月27日)等、「完実電気は、『MONSTER』ブランド・・・」とする14件の記載がある。 (オ)「App Store」のウェブサイト(甲18)には、「App Storeプレビュー」の記載の下、「Purs Monster Sound Experience」、「Monster Inc.」及び「iPhone対応」の記載がある。 (カ)申立人の中国関連会社とされる「Monster Greater China Limited」と日本の「KANJITSU DENKI CO,LTD」との間の請求書6通(2018年2月12日~同年9月10日:甲19)には、申立人商標は見当たらない。 (キ)「Amazon.co.jp」のウェブサイト(甲20)には、「ブランド:Monster Cable(モンスターケーブル)」の記載があるものの、そのサイトの掲載日は確認できない。 (ク)以上(ア)ないし(キ)によれば、申立人の業務に係るイヤホンやヘッドホンについて「Monster Cable(モンスターケーブル)」ブランドをもって本件商標の登録出願前に我が国において輸入され、販売されているとしても、申立人商標の使用態様、当該商標が使用された商品の販売数量・売上高・市場シェア、申立人商標を使用した広告の範囲等の具体的な証拠がないことから、申立人の主張及び同人提出の証拠によっては、申立人商標「MONSTER」が申立人の業務に係る商品について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができない。 イ 本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性について したがって、本件商標は、「需要者の間に広く認識されている商標」とはいえず、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ないから、同号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標は、「Monster Film」の欧文字を表してなるところ、上記(1)アのとおり、「モンスター」の称呼及び「怪物、化け物」の観念を生じるものであり、これに対し、申立人商標は、「MONSTER」の欧文字からなり、その構成文字に相応して「モンスター」の称呼を生じ、「怪物、化け物」の観念を生じるといえる。 そうすると、本件商標と申立人商標とは、「モンスター」の称呼及び「怪物、化け物」の観念を共通にするから、本件商標と申立人商標との類似性の程度は高いといえる。 しかしながら、申立人商標は、上記(2)アのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認められないものである。 してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想、想起することはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。 その他、本件商標について、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標は、上記(3)のとおり、申立人商標とは、類似性の程度は高く、類似する商標といえるものの、申立人商標は、上記(2)アのとおり、我が国の需要者の間において広く認識されているものとはいえず、また、外国における周知性を客観的に裏付ける証拠も提出されていない。 さらに、申立人が提出した証拠からは、商標権者が本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものということはできないから、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-900052

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