商標異議申立
2023-900038
オニクス、オニックス、オオエヌワイエックス
- 審判番号
- 2023-900038
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-131044
- 登録番号
- 6648718
- 請求日
- 2023年02月14日
- 審決日
- 2024年03月15日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】アムン ホールディングス リミテッド
- 【権利者代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 【異議申立人】ジェイピーモルガン チェース バンク エヌ エー
- 【異議申立人代理人】中田 和博
- 【異議申立人代理人】青木 博通
- 【異議申立人代理人】片山 礼介
- 【異議申立人代理人】青島 恵美
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T1651.26 -ZC (W353642) / T1651.261-ZC (W353642) / T1651.262-ZC (W353642) / T1651.263-ZC (W353642) / T1651.265-ZC (W353642)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の3第2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第43条の2第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6648718号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6648718号商標の指定役務中「第42類 全指定役務」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6648718号商標(以下「本件商標」という。)は、「ONYX」の文字を標準文字により表してなり、令和3年10月21日に登録出願、第35類「個人投資家・機関投資家および金融専門家への暗号資産の分野における事業調査および市場調査の提供,暗号資産の分野における事業の管理に関する指導及び助言,事業目的のための経済的市場データの分野における情報の提供及び分析,金融専門家への事業の開発に関する情報の提供及び助言,事業に関する助言及び情報の提供,市場分析」、第36類「証券投資信託受益証券の管理又は売出し,投資の管理・金融又は財務に関する計画の立案・投資およびこれらの媒介・取次並びに電子手段による金融又は財務に関する情報の提供,暗号資産への投資に関する助言,暗号資産の分野における投資の管理及び金融又は財務に関する助言,財務上のリスク管理,投資の媒介・取次ぎ又は代理,投資,投資の収益分配金の支払い,金融資産の管理,金融資産の評価,他人のための暗号資産及び投資事業の分野における管理と仲介,投資に関する助言,財政投資に関する調査,証券投資信託受益証券の資金の財務管理,金融又は財務に関する調査,財政に関する報告書の作成及び分析,投資及び金融・財務分析に関する情報の提供,オンラインによる投資信託およびその取引、金融又は財務に関する計画の立案及び調査,様々な資産クラス指標に基づく金融情報の提供,前払式電子仮想通貨の発行,暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換,金融及び投資に関する助言,証券および投資の財務実績に関する信用格付け及びこれに関する情報の提供,財政投資の分析と株式投資に関する調査,両替,オンライン上でリアルタイムに行う為替取引,電子マネー支払い代金の決済,財務のための経済的市場データの分析及び情報の提供,海外市場における有価証券の売買及び有価証券指数等先物取引に関する情報の提供,有価証券指数等先物取引,有価証券指数等先物取引に関する情報の提供,投資・市場動向・金融商品を評価するための定量的測定による金融又は財務に関するデータの分析の提供,株式の選択したグループに基づく金融又は財務に関するデータの分析の提供,株式その他有価証券の財政指標に関する情報の提供及び更新」及び第42類「暗号資産に関するダウンロードできないソフトウェアのオンラインでの一時的な使用の提供,ブロックチェーン取引のためのダウンロードできないソフトウェアのオンラインでの一時的な使用の提供,デジタルトークンの発行のためのダウンロードできないソフトウェアのオンラインでの一時的な使用の提供」を指定役務として、同4年10月24日に登録査定され、同年12月6日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第3046683号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 「ONIX」及び「オニキス」の文字を上下二段に書してなる
指定役務 第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
登録出願日 平成4年9月18日
設定登録日 平成7年5月31日
2 登録第3213874号-2商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 ONYX
指定商品 第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
登録出願日 平成5年4月22日(優先権主張:1993年1月26日 アメリカ合衆国)
設定登録日 平成8年10月31日
3 登録第4081604号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 別掲のとおり
指定役務 第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
登録出願日 平成6年12月27日
設定登録日 平成9年11月14日
以下、上記の引用商標1ないし3をまとめていうときは、単に「引用商標」という。
第3 登録異議申立の理由の要点
申立人は、本件商標はその指定役務中、第36類「全指定役務」及び第42類「全指定役務」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法43条の2第1号により、取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証を提出した(枝番号を含む。)。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「ONYX」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「縞瑪瑙」を意味する語であり、「オニキス」又は「オニックス」と称呼されている(甲第5号証)から、本件商標からは、「オニキス」及び「オニックス」の称呼を生じ、「縞瑪瑙」の観念を生じるものである。
(2)引用商標1について
引用商標1は、「ONIX」及び「オニキス」の文字を上下二段に書してなり、下段の「オニキス」の片仮名は、「縞瑪瑙」を意味する語であるから、引用商標1からは、「オニキス」及び「オニックス」の称呼を生じ、「縞瑪瑙」の観念を生じるものである。
(3)引用商標2について
引用商標2は、「ONYX」の文字を書してなり、当該文字は、「縞瑪瑙」を意味し、「オニキス」又は「オニックス」と称呼されているから、引用商標2からは、「オニキス」及び「オニックス」の称呼を生じ、「縞瑪瑙」の観念を生じるものである。
(4)引用商標3について
引用商標3は、「ONIX」を横書きし、その上に円弧図形を表してなるものであるところ、引用商標3は、実際に「オニキス」との片仮名を付して使用しており(甲第24号証)、かつ、そのつづりにおいて「ONYX」と外観上相紛らわしい点を鑑みると、「縞瑪瑙」の観念を生じ得る又は連想され得るものであるから、引用商標3は、「オニキス」の称呼が生じ、「縞瑪瑙」の観念が生じ得る又は連想される。
(5)本件商標と引用商標との類否について
ア 引用商標1との類否
本件商標と引用商標1とは、外観においては、本件商標の上段の「ONYX」と引用商標1の「ONIX」を比較すると、3文字目の「Y」と「I」以外の全てのつづりにおいて共通し、「Y」と「I」はともに縦に長く伸びる線から構成される文字であること等に鑑みると、本件商標と引用商標1の欧文字部分は外観上紛らわしく、また、両商標は「オニキス」及び「オニックス」の称呼、及び「縞瑪瑙」の観念を共通にするものであるから、外観、称呼及び観念において類似する商標であり、その指定役務も同一又は類似の役務を含むものである。
イ 引用商標2との類否
本件商標と引用商標2とは、外観においては、「ONYX」の全ての構成文字において共通にするものであり、また、両商標は「オニキス」及び「オニックス」の称呼、及び「縞瑪瑙」の観念を共通にするものであるから、外観、称呼及び観念において類似する商標である。また、本件商標の指定役務中、第42類に属する役務と引用商標2の指定商品とは類似する。
ウ 引用商標3との類否
本件商標と引用商標3とは、外観において、本件商標の上段の「ONYX」と引用商標3を構成する欧文字「ONIX」及び円弧図形を比較すると、引用商標3の4文字目「X」はその構成要素である右上から左下に向かって伸びる線の一部に切り欠きがあるものの、「X」のアルファベット文字として十分に認識できるものであり、また、3文字目の「Y」と「I」以外の全てのつづりにおいて共通し、「Y」と「I」はともに縦に長く伸びる線から構成される文字であること等に鑑みると、本件商標と引用商標3の欧文字部分は外観上紛らわしく、また、両商標は「オニキス」及び「オニックス」の称呼、及び「縞瑪瑙」の観念を共通にするものであるから、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似する商標であり、その指定役務も同一又は類似の役務を含むものである。
2 むすび
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、その登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
第4 当審における取消理由の要旨
当審において、本件商標権者に対して令和5年9月25日付けで通知した取消理由の内容は、以下のとおりである。
1 本件商標と引用商標2との類否について
本件商標と引用商標2とは、ともに「ONYX」の欧文字よりなるから、文字つづりを共通にし、「オニキス」の称呼及び「縞瑪瑙」の観念を共通にする外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛らわしい同一又は類似の商標である。
2 本件商標の指定役務と引用商標2の指定商品との類否について
(1)本件商標の指定役務
本件商標の指定役務中、第42類に属する役務(以下「本件役務」という。)は、いずれも「ダウンロードできないソフトウェアのオンラインでの一時的な使用の提供」であって、当該役務はオンラインでコンピュータソフトウェアを提供するサービスであり、暗号資産やブロックチェーン等の用途は限定されているものの、いずれも第42類「電子計算機用プログラムの提供」の範ちゅうに含まれる。
(2)引用商標2の指定商品
引用商標2の指定商品(以下「引用商品」という。)は、実質的に媒体に記録された電子計算機用プログラムを指すものであり、第9類「電子計算機用プログラム」の範ちゅうに含まれる。
(3)本件役務と引用商品との類否について
ア 用途の共通性
引用商品の電子計算機用プログラムは、記録媒体に記録されて店頭にて販売されたり、インターネットを通じたダウンロードにより流通されるほか、インターネット等の通信回線を通じ、サーバ上に保管された電子計算機用プログラムを使用させる役務として提供されることもあるため、用途を共通にする。
イ 事業者の共通性
本件役務の役務の提供の用に供する取引主体は、正に「電子計算機用プログラム」であるから、引用商品とは、商品の製造、販売と役務の提供が同一の事業者によって行われることが少なくない。
ウ 需要者の共通性
本件役務と引用商品の需要者は、ともに、電子計算機用プログラム・ソフトウェアを使用するユーザーであるため、需要者の範囲においても共通にする。
エ 小括
以上よりすると、本件役務と引用商品とは、用途において共通し、同一事業者によって取り扱われることがあり、また、需要者の範囲も一致する、互いに類似する商品(役務)である。
3 まとめ
本件商標と引用商標2とは、同一又は類似の商標であって、その指定商品(役務)も同一又は類似の商品(役務)であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
したがって、本件商標は、その指定役務中、第42類に属する「全指定役務」は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
第5 商標権者の意見等
本件商標権者は、前記第4の取消理由に対して、指定した期間内に意見を述べていない。なお、本件商標は、令和6年1月23日に商標権の一部抹消登録の申請がなされ、その指定役務中、第42類の全指定役務について、その登録の抹消がされているところ、本件商標の商標登録に対する登録異議の申立ては、申立日を同5年2月14日とするものである。
第6 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「ONYX」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「縞瑪瑙」を意味する語(甲第5号証)であり、「オニキス」又は「オニックス」の称呼を生じ、「縞瑪瑙」の観念を生じるものである。
(2)引用商標2について
引用商標2は、「ONYX」の文字を書してなり、当該文字は、上記(1)のとおり、「縞瑪瑙」を意味し、「オニキス」又は「オニックス」の称呼を生じ、「縞瑪瑙」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標2との類否について
本件商標と引用商標2とは、「ONYX」のつづりを同じくし、「オニキス」又は「オニックス」の称呼を共通にし、「縞瑪瑙」の観念を共通にするものであるから、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのある同一又は類似の商標である。また、前記第4、2(3)のとおり、本件商標の指定役務中、第42類に属する役務と引用商標2の指定商品とは同一又は類似の商品(役務)である。
(4)引用商標1について
引用商標1は、「ONIX」及び「オニキス」の文字を上下二段に書してなるところ、上段の「ONIX」の文字は、辞書等に載録のない造語であり、下段の文字は、上段の文字の読みを特定したものともとれるから、下段の文字より「オニキス」の称呼を生じる一方で、「ONIX」の文字からは、例えば「SIX」が「シックス」、「BOX」が「ボックス」のように末尾の「X」は促音を伴って発音される例にならえば、英語読み風に「オニックス」の称呼を生じ得るものである。
そうすると、引用商標1からは、「オニキス」又は「オニックス」の称呼を生じる。
次に観念については、下段の「オニキス」の文字が、申立人主張の「縞瑪瑙」の意味を有するとしても、上述のとおり、上段の「ONIX」の文字は、辞書等に載録されていない造語であり、上段及び下段の各文字との関係性にみて、全体として直ちに特定の意味合いを認識するともいえないから、引用商標1からは、特定の観念を生じない。
(5)本件商標と引用商標1との類否について
外観においては、本件商標と引用商標1とは、欧文字部分において、3文字目の「Y」と「I」が異なるが、全体で4文字と少ない文字数にあって、前記差異は決して小さいとはいえず、構成全体としての表示態様の差異も考慮すれば、容易に区別し得るものであるから、外観において類似しない。
称呼においては、「オニキス」又は「オニックス」の称呼を共通にする場合がある。
観念においては、本件商標からは、「縞瑪瑙」の観念を生じるのに対し、引用商標1からは、特定の観念を生じないから、観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、「オニキス」又は「オニックス」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観及び観念において区別し得るものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(6)引用商標3について
引用商標3は、別掲のとおり、「ONIX」の欧文字の「N」から「X」にかけた上部に円弧状の線を配し、末尾の「X」の右上部の一部を切り抜いた構成よりなるものである。
また、引用商標3を構成する「ONIX」の文字は、辞書等に載録のない造語であり、称呼については、前記(4)と同様、「オニキス」又は「オニックス」の称呼を生じ、観念については、特定の観念を生じない。
(7)本件商標と引用商標3との類否について
外観においては、本件商標と引用商標3とは、3文字目の「Y」と「I」が異なるが、全体で4文字と少ない文字数にあって、前記差異は決して小さいとはいえず、さらに、円弧状の線の有無等の相違により、全体の構成態様において容易に区別し得るものであるから、外観において類似しない。
称呼においては、「オニキス」又は「オニックス」の称呼を共通にする場合がある。
観念においては、本件商標からは、「縞瑪瑙」の観念を生じるのに対し、引用商標3からは、特定の観念を生じないから、観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標3とは、「オニキス」又は「オニックス」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観及び観念において区別し得るものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(8)まとめ
したがって、本件商標と引用商標2とは、同一又は類似の商標であって、その指定商品(指定役務)も同一又は類似の商品(役務)に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、本件商標と引用商標1及び引用商標3とは、非類似の商標であるから、本件商標の指定役務と引用商標1及び引用商標3の指定役務とが同一又は類似するものであるとしても、同号に該当しない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、その指定役務中、「結論掲記の指定役務」について、引用商標2との関係において、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
そして、本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務については、その登録を取り消す理由がないから、その登録を維持するべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-900038