商標異議申立
2023-900009
ラブロタン
- 審判番号
- 2023-900009
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-087094
- 登録番号
- 6638135
- 請求日
- 2023年01月12日
- 審決日
- 2023年11月13日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社ラブロケミア
- 【異議申立人】ローム アンド ハース カンパニー
- 【異議申立人代理人】弁理士法人センダ国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T1651.261-Y (W01) / T1651.262-Y (W01) / T1651.263-Y (W01) / T1651.271-Y (W01)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6638135号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6638135号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6638135号商標(以下「本件商標」という。)は、「LABROTAN」の文字を標準文字で表してなり、令和4年7月27日に登録出願、第1類「タンニン,合成タンニン,皮革用合成タンニン,皮革処理剤,油以外の皮仕上剤,皮仕上げ用処理剤,革仕上げ用化学品,革仕上げ用油,皮仕上剤,革仕上剤,皮革用加脂剤(化学品),皮革加脂剤(化学品),皮革用撥水剤,皮革用柔軟剤,なめし剤,皮革用なめし剤,なめし用油,革修復用化学品,革製造用油,革防水用化学品,革用浸透剤,革用マスチック,化学品,革用にかわ」を指定商品として、同年10月21日に登録査定、同年11月8日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標に係る登録異議の申立ての理由において、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして引用する登録第2483018号商標(以下「引用商標」という。)は、「LUBRITAN」の欧文字を横書きしてなり、平成2年3月26日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年11月30日に設定登録され、その後指定商品については、同17年1月5日に、第1類「皮革処理剤その他の化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」とする書換登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「LABROTAN」のローマ文字を横書きしてなり、これより「ラブロタン」の称呼を生ずること明らかである。
他方、引用商標は、「LUBRITAN」のローマ文字を横書きしてなり、これより「ラブリタン」の称呼が生ずるものである。
これら両商標から生ずる称呼を対比するに、いずれも5音構成である点で共通し、また、5音構成中「ラ」「ブ」「タ」「ン」の4つの構成音が同一であるとともに、これらの全体構成音中における配置位置も全く同じであるから、両称呼の語韻語調は極めて近似するものになっている。
また、両商標から生ずる称呼の唯一の相違音「ロ」と「リ」は、五十音順の同行に属し、いずれも舌面を硬口蓋に接して調音点相似の有声音であるため、それぞれ単音であっても明確に聴取することが困難な相似音である。
さらに、両称呼において、この相違音「ロ」と「リ」は、いずれも発音上力の入る破裂音「タ」の前に配置されていることから、全体称呼をする者の発声も著しく弱くなることから、全体称呼に埋没してしまい極めて聴取し難いものになっている。
加えて、両商標から生ずる称呼の唯一の相違音「ロ」と「リ」は、それぞれ第3音に配置されている両称呼のいわゆる中間音であることから、かれこれ聴別する困難さに拍車をかける結果となっている。
以上を総合的に勘案すれば、本件商標(甲1)と引用商標(甲2)の称呼はかれこれ聴別することが極めて困難な類似のものと考えるのが至極自然である。
なお、申立人の主張の合理性・妥当性は、特許庁審決例から裏付けられるものと思料する(甲3~甲11)。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼上類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、本国の米国において「ルブリタン」と容易に称呼し得る文字からなる引用商標と同一の「LUBRITAN」を1990年1月に登録出願し、1990年4月頃から商品「皮革産業で使用される合成なめし革調剤(皮革処理剤)」の使用を開始して、米国のみならず広く世界に向けて大量に製造・販売して今日に至っている(甲12、甲13)。また、申立人は、引用商標と同一商標について20以上の国と地域に商標登録を行っており(甲14)、当該商標を世界的規模で独占的に使用する権利を有する。
なお、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーは、引用商標の使用権者であり、化学品やプラスチック製品の分野において、長年にわたり世界的に有名な企業として周知されているものである。
また、とりわけ我が国においては少なくとも引用商標登録時(平成4年11月)には引用商標の使用を開始しており、商品「皮革処理剤」の市場占有率も極めて大きい(甲14、甲15)。
したがって、本件商標の指定商品の分野の需要者は、引用商標に極めて近似する「LABROTAN」の文字からなる本件商標が、本件商標の指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
以上のとおり、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「LABROTAN」の文字を標準文字で表してなるところ、該欧文字は、一般的な辞書等に掲載のない一種の造語といえるものであり、特定の語義を有しない欧文字からなる商標にあっては、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語風の読みに倣って称呼するのが自然であるから、該文字から「ラブロタン」の称呼を生ずるものである。
そうすると、本件商標は、構成文字に相応して、「ラブロタン」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、上記2のとおり、「LUBRITAN」の欧文字を横書きしてなるところ、該欧文字は、一般的な辞書等に掲載のない一種の造語といえるものであり、特定の語義を有しない欧文字からなる商標にあっては、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語風の読みに倣って称呼するのが自然であるから、該文字から「ルブリタン」の称呼を生ずるものである。
そうすると、引用商標は、構成文字に相応して、「ルブリタン」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標は、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、両者は第2文字目の「A」と「U」の文字及び第5文字目の「O」と「I」の文字が相違しており、その他の文字を共通にしているとしても、両者の文字数が8文字とさほど多いとはいえない構成においては、該文字の相違が、視覚的印象に与える影響は大きいといえるから、両者は、外観において相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標から生ずる「ラブロタン」の称呼と引用商標から生ずる「ルブリタン」の称呼とを比較すると、両者は語頭の「ラ」と「ル」の音及び3音目の「ロ」と「リ」の音の差異を有しており、その他の音を共通にしているとしても、両者の音数が5音と比較的短い音構成においては、称呼の識別上重要な要素である語頭の音を含むこの差異音が、称呼全体に与える影響は少なくなく、これらを一連に称呼しても語調語感が相違し、称呼上聞き誤るおそれはないものといえる。
さらに、観念において、本件商標と引用商標は、ともに、特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。
してみると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれはなく、これらを総合的に勘案すると、両商標は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といえるものである。
その他、両商標が類似するという理由はみいだせない。
したがって、本件商標は、その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、引用商標と同一の文字からなる商標「LUBRITAN」を、米国において1990年1月に商標出願(1991年9月に商標登録)した(甲12)ほか、20以上の国と地域において商標登録しているとする(甲14)。
(イ)申立人は、引用商標の使用権者について、化学品やプラスチック製品の分野に係る企業である「ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー」(以下「ダウ社」という。)であると主張するが、申立人とダウ社との関係を示す具体的な証拠の提出はなく、例えば、ダウ社が引用商標の専用使用権者である、あるいは、通常使用権者である、といった関係性は不明である。
(ウ)引用商標の我が国での使用状況を示す証拠(甲15)及び商標「LUBRITAN」の世界的な使用状況を示す証拠(甲13)は、いずれもウェブサイトの写しであって、ヘッダーに表示された「www.dow.com」の記載から、ダウ社のウェブサイトであると推認されるものの、これらの掲載日及び出力日は明らかでなく、本件商標の登録出願時及び登録査定時よりも前の証拠かを確認することができない。
また、商標「LUBRITAN」の使用状況を示す取引書類(甲16)とされるものは、「LUBRITAN(TM)」の記載は見受けられるものの、外国語で記載されており、その内容を把握することができない。
イ そして、引用商標の使用期間、引用商標を付した商品の売上・商品のシェア率等、周知著名性の判断の基礎となる客観的かつ具体的な証拠の提出はなく、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で周知著名性を有していると認めることはできない。
なお、商標「LUBRITAN」が20以上の国・地域で商標登録されているとしても、諸外国で商標登録された事例が直ちに、我が国又は外国における引用商標の周知著名性に結びつくものではない。
その他、申立人が提出した証拠からは、引用商標が我が国において周知著名性を有していると認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
ウ 出所の混同のおそれについて
上記イのとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものであり、また、上記(1)ウのとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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