商標異議申立
2023-900003
クラリオ
- 審判番号
- 2023-900003
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2022-032514
- 登録番号
- 6634521
- 請求日
- 2023年01月05日
- 審決日
- 2024年03月07日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】イーリサーチテクノロジー, インコーポレイテッド
- 【権利者代理人】田中 克郎
- 【権利者代理人】稲葉 良幸
- 【権利者代理人】廣中 健
- 【権利者代理人】太田 雅苗子
- 【権利者代理人】山本 秀策
- 【権利者代理人】森下 夏樹
- 【権利者代理人】飯田 貴敏
- 【権利者代理人】石川 大輔
- 【権利者代理人】山本 健策
- 【権利者代理人】井▲高▼ 将斗
- 【異議申立人】ビオメリュー・インコーポレーテッド
- 【異議申立人代理人】根本 恵司
- 【異議申立人代理人】加治 信貴
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 阿曾 裕樹
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T1652.261-Y (W09103542) / T1652.262-Y (W09103542) / T1652.263-Y (W09103542)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法8条1項商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第8条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6634521号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6634521号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6634521号商標(以下「本件商標」という。)は、「CLARIO」の文字を横書きしてなり、第9類、第10類、第35類、第41類及び第42類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、2021年(令和3年)9月21日にトリニダード・トバゴ共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、令和4年3月22日に登録出願、同年10月25日に登録査定され、同月31日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、次の2件である。
(1)国際登録第1647205号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CLARION」の文字を横書きで表してなり、第9類「Downloadable medical software for infectious disease surveillance, infection prevention and control, antimicrobial stewardship and laboratory management; downloadable software for use in the field of clinical in vitro diagnosis and in the field of diagnosis of contaminants in industrial products.」を指定商品として、2021年9月14日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2022年(令和4年)1月21日に国際商標登録出願されたものであり、2023年(令和5年)7月7日付けで拒絶査定がされ、同年10月26日に拒絶査定不服審判の請求がされている。
(2)登録第6315167号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Cradio」の文字を標準文字で表してなり、令和元年10月28日登録出願、第9類、第35類、第37類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同2年11月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類、第10類、第35類及び第42類に属するすべての指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標1との対比
本件商標は、「CLARIO」の文字よりなるから、「クラリオ」の称呼を生ずる。
これに対し、引用商標1は、「CLARION」の文字よりなるから、「クラリオン」の称呼を生ずる。
そこで、本件商標から生ずる称呼「クラリオ」と、引用商標1から生ずる称呼「クラリオン」との両称呼を比較すると、その差異は語尾音における「ン」の有無である。この「ン」の音は、弱音に属する通鼻音であり、語尾音であることと相まって、明確に聴取されるものではない。
そうすると、両称呼(「クラリオ」と「クラリオン」)をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語韻語調が近似し、互いに聞き誤るおそれがある。
よって、本件商標と引用商標1とは、称呼において紛れ得るものであり、称呼上類似の商標というべきである。
また、本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは、第9類において、同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標と引用商標1とは、類似の商標というべきである。
(2)本件商標と引用商標2との対比
本件商標は、上記のとおり、「クラリオ」の称呼を生ずる。
これに対し、申立人が引用する引用商標2は、「Cradio」の文字からなるから、「クラディオ」の称呼を生ずる。
そこで、本件商標から生ずる称呼「クラリオ」と、引用商標2から生ずる称呼「クラディオ」との称呼を比較すると、第3音における「リ」と「ディ」の差異である。この差異である「リ」と「ディ」の音は、ともに母音「i」を共通にするものであって、近似する音である。
そうすると、両称呼(「クラリオ」と「クラディオ」)をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語韻語調が近似し、互いに聞き誤るおそれがある。
よって、本件商標と引用商標2とは、称呼において紛れ得るものであり、称呼上類似の商標というべきである。
また、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標2の指定商品及び指定役務とは、第9類、第35類及び第42類において、同一又は類似の商品及び役務である。
したがって、本件商標と引用商標2とは、類似の商標というべきである。
4 当審の判断
申立人は、前記3のとおり、引用商標を挙げて本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する旨主張しているが、引用商標1は、本件商標の登録査定時において設定登録されていないものであるから、当審は、本件商標が引用商標1との関係において同項同号に該当するとの申立人の主張は、同法第8条第1項の規定に違反して登録された旨の主張と判断し、以下検討する。
(1)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標と引用商標1の類否について
(ア)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり「CLARIO」の文字を横書きしてなるところ、当該文字は、辞書類に載録されている語ではなく、特定の意味合いをもって親しまれている語でもないことから、特定の観念を生じない一種の造語として認識、把握されるものである。
そして、欧文字からなる特定の観念を生じない造語にあっては、我が国において親しまれているローマ字又は英語の読みに倣って称呼するのが自然である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「クラリオ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標1について
引用商標1は、前記2(1)のとおり「CLARION」の文字を横書きしてなるところ、当該文字は、「クラリオン(明るく澄んだ高い音を出す昔のらっぱ)」(ジーニアス英和辞典第5版 大修館書店)の意味を有する語として、多くの英和辞典類に掲載されているものであるから、当該文字に接する需要者が、上記意味合いを理解する場合も少なくないといえる。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して「クラリオン」の称呼を生じ、「クラリオン(明るく澄んだ高い音を出す昔のらっぱ)」の観念を生じ得る。
(ウ)本件商標と引用商標1の比較
本件商標と引用商標1を比較すると、外観においては、語頭の構成文字を共通にするが、末尾における「N」の文字の有無の差異を有するところ、この差異が両者の外観全体に与える影響は大きく、互いに異なる語を表してなると看取できるから、両者は外観において相紛れるおそれはない。
次に、称呼については、本件商標から生じる「クラリオ」の称呼と、引用商標1から生じる「クラリオン」の称呼とは、末尾における「ン」の音の有無の差異を有するところ、さほど冗長とはいえない4音ないし5音の音構成において、この差異が両称呼全体の語調、語感に及ぼす影響は決して小さいものではなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても聴別し得るものであるから、両者は称呼においても相紛れるおそれはない。
さらに、観念については、本件商標が特定の観念を生じないのに対し、引用商標1は「クラリオン(明るく澄んだ高い音を出す昔のらっぱ)」の観念を生じ得るから、観念においても相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標1は、外観、観念、称呼のいずれにおいても相違するものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
なお、当審では、令和5年10月13日付けで発した取消理由通知書により、職権調査の結果発見した「CLARION(Clarion)」の文字からなる、又は、「Clarion」の文字を構成中に有する7件の登録商標を引用して、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する旨を通知したが、これら7件の登録商標も、引用商標1と同じ構成文字からなる、又は同じ構成文字を有するものであって、引用商標1と同様の称呼及び観念を生じるものといえるから、引用商標1と同様に、本件商標とは相紛れるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
イ 本件商標と引用商標2の類否について
(ア)本件商標は、上記ア(ア)のとおり、「クラリオ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
(イ)引用商標2について
引用商標2は、前記2(2)のとおり「Cradio」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書類に載録されている語ではなく、特定の意味合いをもって親しまれている語でもないことから、特定の観念を生じない一種の造語として認識、把握されるものである。
そして、欧文字からなる特定の観念を生じない造語にあっては、我が国において親しまれているローマ字又は英語の読みに倣って称呼するのが自然である。
そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して「クラディオ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
(ウ)本件商標と引用商標2の比較
本件商標と引用商標2を比較すると、両者は全て大文字で表されているか、頭文字だけ大文字で表されているかという相違に加え、それぞれ2番目の文字が「L」と「r」、4番目の文字が「R」と「d」という相違により、互いに異なる語を表してなると看取できるから、外観上、区別できる。
また、本件商標から生じる「クラリオ」の称呼と引用商標2から生じる「クラディオ」の称呼は、3音目の「リ」と「ディ」の相違があるところ、ともに冗長とはいえない4音構成において、この差異が両称呼全体の語調、語感に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、明確に聴別できるものであるから、両者は称呼においても相紛れるおそれはない。
そして、両者は特定の観念を生じないから、観念において比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標2は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれがないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
ウ 小括
以上のことからすれば、本件商標と引用商標1とは非類似の商標であるから、両者の指定商品が同一又は類似する商品を含むとしても、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものとはいえない。
また、本件商標と引用商標2とは非類似の商標であるから、両者の指定商品及び指定役務が同一又は類似する商品及び役務を含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の指定商品及び指定役務中、登録異議の申立てに係る指定商品及び指定役務についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-900003