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商標異議申立

2023-900001

トレネ、トレン

審判番号
2023-900001
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-137120
登録番号
6632577
請求日
2023年01月04日
審決日
2024年01月25日
公報発行日
2024年03月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】アイゼンエイチケー リミテッド
  • 【異議申立人】トレイン・インターナショナル・インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】伊東 忠重
  • 【異議申立人代理人】伊東 忠彦
  • 【異議申立人代理人】宮崎 修
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 雅也
  • 審判官 山田 啓之
  • 審判官 青野 紀子
分類
T1652.261-Y (W11) / T1652.262-Y (W11) / T1652.263-Y (W11)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6632577号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6632577号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6632577号商標(以下「本件商標」という。)は、「Trene」の文字を標準文字で表してなり、令和3年11月3日に登録出願、第9類「バッテリーボックス,蓄電池,写真用及び映画用の機器,測距儀,電気アダプター,イヤホン,測定用具,サーマルコピー機,スキャナー(データ処理装置),手首固定型のスマートフォン,太陽光発電パネル,身体装着式携帯情報端末」及び第11類「家庭用空気清浄器,天井灯,照明用放電管,家庭用電気式扇風機,白熱電球,哺乳瓶用電気式加熱器,ランプ,電気式洗濯物乾燥機,LED照明用器具,頭部装着用電灯,バーベキューグリル,祭りの飾り用ひも状のライト,パン焼き機,加湿器」を指定商品として、同4年9月2日に登録査定、同年10月26日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)は次のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第1766636号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲のとおり 登録出願日:昭和57年6月18日 設定登録日:昭和60年5月30日 指定商品:第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第9類「配電用または制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」及び第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」(書換登録日:平成18年1月25日) (2)登録第1849256号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲のとおり 登録出願日:昭和57年6月18日 設定登録日:昭和61年3月26日 指定商品:第11類「蒸気暖房装置,温水暖房装置,温気暖房装置,放熱器,温気炉,窓掛け式空気調和装置,中央式空気調和装置,単位誘引式空気調和装置,路面暖房装置,冷凍機,冷却機,冷却筒,製氷機,冷却蒸発機,ガス冷蔵庫」(書換登録日:平成19年1月24日) 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品中、第11類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 商標法第4条第1項第11号の趣旨は、先願の商標権者を保護するとともに、一般取引者、需要者が商品に関して誤認混同するようなことがないことを期したものであると解される(平成6年(行ケ)第164号〔駿河屋事件〕同旨)。 商標の類否は、出願商標及び引用商標がその外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察し、出願商標を指定商品又は指定役務に使用した場合に引用商標と出所混同のおそれがあるか否かにより判断する。 また、商品の類否は、商品が通常同一営業主により製造・販売されている等の事情により、出願商標及び引用商標に係る指定商品に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造・販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にあるかにより判断する。 その判断は、対比される商品の生産・販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品との関係にあるかどうかを総合的に考慮する。 (2)本件登録商標と引用商標との対比 ア 本件商標と引用商標1の近似性について 本件商標と引用商標1とを対比すると、外観においては、いずれも欧文字5文字という文字構成からなり、大文字と小文字で異なる部分があるもののつづりは同一で、その3文字目に位置する「e」と「A」の1文字の差異を有するにすぎず、これらの差異が両商標の外観全体に及ぼす影響は小さい。商標の類否は、時と場所を異にする離隔的観察により判断することとされているからである。 加えて、本件商標の3文字目の「e」と引用商標1の3文字目の太字で丸みを帯びた「A」は、いずれも文字の上半部が半円状で該半円の横棒部分の片端又は両端から半円の延長線が下方に向けて脚状に伸びている構成が共通する。 そうすると、両者はその3文字目において「e」と「A」の1文字の違いがあるのみで残りのつづりが同じ5文字の欧文字からなり、さらに差異のある3文字目の「e」と「A」までも字体の構成を共通とする特徴があることから、全体としてかれこれ外観において紛らわしいといえる。 次に、称呼について検討すると、本件商標は「Trene」の欧文字よりなるものであるから、その文字構成に相応して「トレネ」の称呼が生じ得るのに対し、引用商標1は「TRAnE」の欧文字よりなるものであるから、その文字構成に相応して「トラネ」、「トレイン」、「トレーン」又は「トレーネ」の称呼が生じ得る。 そこで、本件商標の称呼「トレネ」と、引用商標1の称呼のうち近似度の高い「トラネ」及び「トレーネ」を比較する。 「トレネ」と「トラネ」については、両称呼は同数音からなり、第2音の「レ」と「ラ」以外の全ての構成音を同じくするものである。該差異音「レ」と「ラ」は、子音(r)を共通にし、それぞれの母音(e)と(a)が近似の関係にあるため、音感が近似している。しかも、該差異音は、比較的聴取しにくい中間に位置することから、この差異が両称呼の全体に及ぼす影響は大きいということはできず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調・語感が似たものとなり、互いに聴き誤るおそれがある紛らわしいものといえる。 「トレネ」と「トレーネ」については、両称呼の相違する音が長音の有無にすぎないから、称呼され、聴覚されるときに需要者に与える称呼の全体的印象が、互いに聴き誤るおそれがある紛らわしいものといえる。 よって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の音感・音調が極めて近似し、かれこれ紛らわしいものというべきである。 観念については、両者は共に造語というべきものであるから、観念上比較することはできない。 以上から、本件商標と引用商標1とは、商品の出所混同を生じるおそれのあるほど類似する関係にある。 イ 本件商標と引用商標2の近似性について 引用商標2は、引用商標1と同一の商標構成であるため、本件商標と引用商標2とは、商品の出所混同を生じるおそれのあるほど類似する関係にある。 ウ 過去の類否判断 ここで、出願人の主張の証左として、第10類の「哺乳瓶,母乳絞り器」等を指定商品とする商標「Trene」に係る商標出願(決定注:当該商標は正しくは「TRENE」。)(甲4~甲6)が、第5類の「カプセル,ガーゼ,包帯,包帯液,医療用油紙,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,眼帯,綿棒,耳帯」等(決定注:左記の商品中、「綿棒」は指定商品中に無い。)を指定商品とする他人の登録商標「トレーネ/Trane」(甲7)に類似すると判断され、商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶理由通知が発出された事案を挙げる。 当該事案は、出願商標「Trene」(決定注:当該商標は正しくは「TRENE」。)が、「Trane」を要部とする先行登録商標との類否が判断された点で、本件と同様であることから、本件において参酌されるべきものである。 本件は第11類の照明用、暖房用等の装置等の商品分野における事案であるのに対し、当該事案は第10類の医療用機械器具及び医療用品並びに第5類の衛生用品等の分野における事案であるが、これらの分野の違いによって商標の類否判断を異ならしめる合理的な理由は存在しない。 もし、当該事案とは異なり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であると判断されるのであれば、異なる判断に至った合理的説明がなされるべきである。 なお、当該事案の先行商標は、片仮名の「トレーネ」と欧文字の「Trane」の2段書きで構成されるものであるが、本件における引用商標と同様に、欧文字「Trane」からは「トレーネ」の称呼が生じ得るものであるから、該欧文字と片仮名は密接な関連があり、称呼の類否判断において一体的に捉えるべきものである。 (3)指定商品の類否について ア 本件商標の指定商品 本件商標に係る第11類の指定商品は、類似商品ごとにまとめると、次のように3つに分類できる(甲10)。 (ア)「家庭用空気清浄器,家庭用電気式扇風機,哺乳瓶用電気式加熱器,電気式洗濯物乾燥機,バーベキューグリル,パン焼き機,加湿器」 (イ)「天井灯,照明用放電管,白熱電球,ランプ,LED照明用器具,頭部装着用電灯,祭りの飾り用ひも状のライト」 (ウ)「加湿器」 イ 引用商標の指定商品 引用商標1については、第11類「家庭用電熱用品類」及び「電球類及び照明用器具」に属する指定商品が、引用商標2については、第11類「蒸気暖房装置,温水暖房装置,温気暖房装置,路面暖房装置,窓掛け式空気調和装置,中央式空気調和装置,単位誘引式空気調和装置,放熱器,温気炉」が上記アの各商品群に属するないし類似する指定商品である。 ウ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否 そうすると、それぞれの商品群に属する商品を同一の営業主が製造し、販売される場合には、本件商標に係る第11類の指定商品と引用商標の指定商品中の上記商品とは、その生産部門、販売部門、用途及び需要者の範囲を共通にする場合があるといえるものであり、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは、需要者が同一の営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認するおそれがあるというべきである。 (4)上記の(2)及び(3)において検討したように、本件商標と引用商標とは称呼及び外観が近似の関係にある類似の商標であり、本件商標の第11類の指定商品も引用商標1の指定商品に包含され、その一部は引用商標2の指定商品とも類似の関係にあることから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (5)むすび 以上に述べたとおり、本件商標は、引用商標1及び引用商標2の登録商標と類似のものであり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。 したがって、本件商標の第11類「全指定商品」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、上記1のとおり、「Trene」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般的な辞書に掲載がなく、特定の意味合いを想起させることのない造語を表したものと理解されるものである。 そして、造語からなる商標にあっては、親しまれた英語読み風又はローマ字読み風に称呼するのが一般的であるところ、本件商標は、その構成文字に相応して、「トレン」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標 引用商標は、別掲のとおり、「TRAnE」の文字を同書同大に横書きしてなるものであるところ、当該文字は、一般的な辞書に掲載がなく、特定の意味合いを想起させることのない造語を表したものと理解されるものである。 そして、造語からなる商標にあっては、親しまれた英語読み風又はローマ字読み風に称呼するのが一般的であるところ、本件商標は、その構成文字に相応して、「トレーン」、「トレイン」、「トラーン」の複数の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標の類否 (ア)本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、両商標は、いずれも5文字中、第3文字目の「e」と「A」とで相違し、第2、3及び5文字目において大文字、小文字の差異を有するものであり、かつ、その書体、太さが相違するものであるから、両商標は、区別し得るものである。 (イ)次に、称呼においては、本件商標から生じる「トレン」の称呼と、引用商標から生じる「トレーン」、「トレイン」、「トラーン」の称呼とを比較するに、まず、「トレン」と「トレーン」との称呼の比較においては、両者は3音又は4音という比較的短い音構成よりなることから、当該長音の差異が両称呼に及ぼす影響は大きいものとなり、両商標をそれぞれ一連に称呼しても、全体の語調、語感が異なったものとなり、互いに聞き誤るおそれはなく、称呼上、聴別し得るものである。 また、「トレン」の称呼と「トレイン」の称呼との比較においては、本件商標は3音からなり、引用商標は4音からなる構成で全体の音数が異なる上、「イ」の音が相違するから、両商標をそれぞれ一連に称呼しても、全体の語調、語感が異なったものとなり、互いに聞き誤るおそれはなく、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。 さらに、「トレン」の称呼と「トラーン」の称呼については、本件商標は3音からなり、引用商標は4音からなる構成で全体の音数が異なり、かつ、「レ」及び「ラー」の音の差異が両称呼に及ぼす影響は大きく、両商標をそれぞれ一連に称呼しても、全体の語調、語感が異なったものとなり、互いに聞き誤るおそれはなく、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。 なお、申立人は、本件商標から「トレネ」の称呼が生じ、引用商標からは上記「トレーン」、「トレイン」の他、「トラネ」、「トレーネ」の称呼が生じる旨主張する。 しかしながら、仮に、それらの称呼が生じるとしても、「トレネ」と「トラネ」との比較においては、両者は3音という比較的短い音構成よりなることから、中間音における「レ」と「ラ」との差異が両称呼に及ぼす影響は大きいものとなり、両商標はそれぞれ一連に称呼しても、全体の語調、語感が異なったものとなり、互いに聞き誤るおそれはなく、称呼上、聴別し得るものである。 また、「トレネ」と「トレーネ」との比較においては、両者は3音又は4音という比較的短い音構成よりなることから、当該長音の差異が両称呼に及ぼす影響は大きいものとなり、両商標はそれぞれ一連に称呼しても、全体の語調、語感が異なったものとなり、互いに聞き誤るおそれはなく、称呼上、聴別し得るものである。 したがって、本件商標と引用商標とは称呼において、相紛れるおそれはないものである。 (ウ)さらに、両者とも特定の観念を生じないものであるから、観念については、比較することができないものである。 (エ)そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観が区別でき、また称呼において聴別し得るものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標とは、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。 エ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について 本件商標の第11類の指定商品には、引用商標1の指定商品及び引用商標2の指定商品と同一又は類似する商品が含まれているものである。 オ 小括 以上によれば、本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)申立人の主張について 申立人は、過去の「TRENE」(甲4~甲6)の商標登録出願が、登録商標「トレーネ/Trane」(甲7)に類似すると判断され、商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶理由通知が発出された事案を、本件において参酌するべきである旨主張する。 しかしながら、上記事案における登録商標は、「トレーネ」の片仮名及び「Trane」の欧文字の2段書きの構成からなるものであって、「トレーネ」の片仮名が「Trane」の欧文字の読み(称呼)を特定したものと認識されるのに対し、本件における引用商標は、片仮名の併記のない欧文字のみからなる構成であって、特定の読み(称呼)を直ちに想定し難いものであるから、商標の構成が異なり、事案を異にするというべきである。 したがって、申立人のかかる主張は採用できない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、第11類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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