商標異議申立
2023-685002
ベガベースト、ベガ、ベースト
- 審判番号
- 2023-685002
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- —
- 請求日
- 2023年03月28日
- 審決日
- 2024年11月05日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】Hunan Kerey Pharmaceutical Co., Ltd.
- 【異議申立人】ベガ ホールドコ エルエルシー
- 【異議申立人代理人】長谷川 芳樹
- 【異議申立人代理人】黒川 朋也
- 【異議申立人代理人】魚路 将央
- 【異議申立人代理人】森川 邦子
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 豊瀬 京太郎
- 分類
- T1652.261-Y (W0105) / T1652.262-Y (W0105) / T1652.263-Y (W0105)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
国際登録第1643036号に係る国際商標登録出願の登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
国際登録第1643036号商標の商標登録を維持する。
理由
1 本件商標
本件国際登録第1643036号商標(以下「本件商標」という。)は、「VegaBased」の欧文字を横書きしてなり、2021年(令和3年)11月8日に国際商標登録出願、第1類及び第5類に属する別掲に示すとおりの商品を指定商品として、令和4年(2022年)11月2日に登録査定、令和5年(2023年)1月20日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において引用する登録第6395133号商標(以下「引用商標」という。)は、「VEGA」の欧文字を横書きしてなり、令和2年3月10日に登録出願、第5類「人用の栄養補助食品,サプリメント,サプリメント飲料の素,プロテインを主原料とするバー状のサプリメント」及び第30類に属す商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同3年5月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
(1)本件商標について
ア 本件商標の構成態様
本件商標は、「VegaBased」の欧文字を横書きしてなるところ、「VegaBased」の文字は、一般的な辞書に載録されているものではない(甲3)。
また、「V」及び「B」の欧文字が大文字で表され、その他の文字が、小文字で表されていることから、本件商標は、「Vega」の語と「Based」の語を組み合わせた構成よりなるものと明確に認識されるものである。
そして、「Vega」の欧文字は、「ベガ,織女星」の意味を有する英語として、また、「Based」の欧文字は、「~を(営業)基盤とする,~をベースにした」等の意味を有する比較的平易な英単語である(甲3)。
イ 欧文字「based」について
上述のとおり、欧文字「Based」は、「~を(営業)基盤とする,~をベースにした」等を意味する英単語であるが(甲3)、「正直ベース」、「真剣ベース」、「基本ベース」など、「○○を基礎(基準・土台)に考えると」といった意味合いで我が国において広く使用される、自他商品の識別力が極めて弱い語である(甲4、甲5)。
ウ 本件商標の構成部分の一部による類否判断の可否
ところで、商標法第4条1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用される商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであるが、複数の構成部分の組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部(以下「特定構成部分」という。)が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な引用を与えるもの認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識として称呼、観念が生じないと認められる場合などには、特定構成部分を抽出し、特定構成部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断されるものと解される(平成19年(行ヒ)第223号、甲6)。
エ 前記アによれば、本件商標を構成する「Vega」と「Based」は、その構成中の「V」の欧文字及び「B」の欧文字が大文字で表され、その他の文字が、小文字で表されていることから、本件商標は、「Vega」と「Based」を組み合わせたものと容易に認識される。
そして、欧文字「Vega」は、「ベガ,織女星」の意を有する本件商標の指定商品の取引者、需要者に、出所識別標識として認識されるものであるのに対し、欧文字「Based」は、「~を(営業)基盤とする」の意を有する識別標識として極めて弱い語である。
それゆえ、本件商標は、その前半部分「Vega」が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える。
したがって、本件商標の要部は、「Vega」の文字部分にあり、これより「ベガ,織女星」といった観念と、「ベガ」の称呼が生じるというべきである。
(2)引用商標について
引用商標は、欧文字「VEGA」を横書きしてなるが、前記アのとおり、「VEGA」は「ベガ,織女星」を意味する平易な英単語である(甲3)。
(3)本件商標と引用商標の類否について
そこで、本件商標の要部と引用商標を比較すると、両者は同一の文字構成よりなり、これより「ベガ,織女星」といった観念と「ベガ」の称呼が生じるものであるから、これらは互いに類似する。
(4)指定商品の類似について
本件商標の指定商品の一部は、引用商標の第5類の商品と共通しており、本件商標の指定商品が引用商標のそれと同一又は類似の関係にあることは明らかである。
(5)市場における混同のおそれ
ア 商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外親、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかも、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断されるべきであることは、過去の判例によって明確に示されているため(昭和39年(行ツ)第110号、甲7)、以下に本件商標及び引用商標が使用されている商品の現実の取引状況について検討する。
イ 引用商標は、ベガ ホールドコ エルエルシー(Vega Holdco LLC)が製造、販売するサプリメントのブランドであり、そのパッケージ上部に引用商標「vega」が表示されている(甲8)。
ウ 引用商標は、比較的小さいパッケージに、機能や用途を表わす文字、例えば、「original protein」、「all-in-one shake」、「protein and greens」、「sport protein」とともに使用されていることを考慮すると(甲9、甲10)、本件商標に接した需要者が、これを引用商標のほか、申立人の「VEGA」ブランドと混同することが明らかである。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標は、外観、称呼、及び観念のいずれにおいても引用商標と類似し、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似する。
また、商品の取引の実情に照らしても、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあることは明らかであり、商標法第4条第1項第11号に該当することから、本件商標は取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「VegaBased」の文字を横書きしてなるところ、「V」及び「B」の文字が大文字で書されているものの、書体や文字の大きさに差異はなく、また、文字間にスペースもなく一定間隔で表されていることから、構成全体としてまとまりよく一体的に看取されるものである。
そして、「VegaBased」の文字は、一般的な辞書等に掲載されておらず、特定の意味合いを有するものとして知られているというような事情も見いだせないものであり、本件商標の構成において、「Vega」の文字部分が殊更に看者の注意をひくというような事情も見いだせない。
また、本件商標の構成文字に相応して生じる「ベガベースト」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、本件商標は、その構成全体をもって一体のものと認識されるというべきであり、その構成文字に相応して「ベガベースト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「VEGA」の文字を横書きしてなるところ、書体や文字の大きさに差異はなく、構成全体としてまとまりよく一体に表されているものであり、該文字に相応して「ベガ」の称呼を生じ、「織女」(「新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典」株式会社研究社)の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否を検討すると、外観において、両者は、語頭の「V」の文字を共通にし、2文字目ないし4文字目までの「ega」又は「EGA」の文字については、その文字のつづりを共通にするとしても、小文字と大文字の差異があり、また、語尾における「Based」の文字の有無の差異を有していることからすれば、明確に区別できるものである。
次に、称呼において、本件商標から生じる「ベガベースト」の称呼と引用商標から生じる「ベガ」の称呼とは、語頭の「ベガ」の音を共通にするとしても、「ベースト」の音の有無に差異を有しており、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念において、本件商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「織女」の観念を生じるものであるから、相紛れるおそれはないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観において明確に区別できるものであり、称呼において明瞭に聴別できるものであり、観念において相紛れるおそれがないものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。
エ 小括
本件商標と引用商標は、上記アないしウのとおり、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似する場合があるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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