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商標取消審判

2023-300845

キギョーノマドグチ

審判番号
2023-300845
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2017-144587
登録番号
6071461
請求日
2023年11月20日
審決日
2024年11月20日
公報発行日
2025年03月28日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】小磯 由美
  • 【被請求人】株式会社 グラバー
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 雅也
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 富澤 哲生
分類
T132 .1 -Z (W1641)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法2条3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第50条、商標法第2条第3項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6071461号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6071461号商標の指定商品及び指定役務中、第16類「全指定商品」及び第41類「知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,放送番組の制作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6071461号商標(以下「本件商標」という。)は、「起業の窓口」の文字を標準文字で表してなり、平成29年10月18日に登録出願、同30年8月17日に第16類「印刷物,カタログ,雑誌,書籍,新聞,ニューズレター,パンフレット,クーポン券(印刷物),出版物,小冊子,チケット,ポスター,写真」及び第41類「知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,放送番組の制作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),写真の撮影」を指定商品及び指定役務として設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、令和5年12月8日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年12月8日~令和5年12月7日)を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和6年1月23日差出の審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年3月8日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第16類「印刷物,カタログ,雑誌,書籍,新聞,ニューズレター,パンフレット,クーポン券(印刷物),出版物,小冊子,チケット,ポスター,写真」及び第41類「知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,放送番組の制作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」(以下「請求に係る指定商品及び指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 弁駁書による主張 (1)弁駁の理由の要約 被請求人は、答弁書により提出の証拠により、日本国内において要証期間に本件商標と同一の商標(以下「本件使用商標」という場合がある。)を、請求に係る指定商品及び指定役務中、第16類「写真」及び第41類「放送番組の制作」に使用してきた旨主張している。 しかしながら、被請求人提出の乙第1号証ないし乙第3号証の「フェイスブックのプライベートグループのページ画像」写しには、役務の提供者の名前がなく、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者により使用されたことについて何ら明らかにされていない。 また提出証拠から判断するに、取消対象の指定商品「写真」、指定役務「放送番組の制作」についての使用に該当するとはいえず、使用の証明にならないものである。 加えて、いずれの提出証拠にも、その内容が表示された日付、画像の写しが印刷された日付が示されていないため、印刷日付を答弁書提出日と推認すると、要証期間を過ぎており、本件使用商標の使用の事実を客観的に証明するものといえない。 以上のとおり、被請求人は、本件商標とは同一又は社会通念上同一と認められる商標を、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、請求に係る指定商品及び指定役務について使用していることを証明しておらず、商標法第50条が規定する登録商標の使用に該当しないため、取り消すべきものである。 (2)理由の詳細 ア 第16類「写真」について 第16類「写真」は、商標法上の商品として「独立して商取引の目的たりうべきものであって動産」に該当するものであり、類似商品役務審査基準の第16類注釈で、「第16類には、主として、紙、厚紙及びこれらを材料とする特定の商品及び事務用品を含む」と示されているとおり、独立して商取引の対象となり、紙などにプリントされた写真が該当するといえる。 被請求人が乙第1号証として提出した「SNS上のプライベートグループのトップページの画像」にある「起業の窓口」の文字は、あくまでSNSサービスとしてインターネット上のページに表示された画像、文字情報にすぎないため、それ自体独立した商取引の対象ではなく、紙などにプリントされた商品ではないため、第16類「写真」に該当せず、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれにも該当しない。 イ 第41類「放送番組の制作」について 第41類「放送番組の制作」における「放送番組」は、一般的に「音声・画像・文字情報等を電気通信を通じて1対多数に届けるもので、主に、ラジオ放送およびテレビジョン放送、すなわち不特定多数の受信機等の媒体(メディア)へ向けた電磁波により届ける番組」を意味する。 したがって、被請求人が乙第2号証及び乙第3号証の証拠として主張する「SNSサービス上で、特定の会員に向けてクローズに発信される動画の制作」は、第41類「放送番組の制作」に該当せず、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれにも該当しない。 ウ 要証期間内の使用証拠について 被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第3号証の「SNS上のプライベートグループのページ」の画像の写しは、いずれも、内容が表示された日時、印刷された日時の表示がないため、答弁書提出日の令和6年1月21日と推認した場合でも、すでに要証期間経過後に表示、印刷されたものに該当する。 したがって、乙第1号証ないし乙第3号証は、要証期間に本件使用商標が使用された事実を客観的に証明することができない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証(以下、証拠の表記に当たっては、「乙第1号証」を「乙1」のように省略して表記する場合がある。)を提出した。 なお、審判長は、被請求人に対し、令和6年6月11日付けで、合議体の暫定的見解を示した審尋を送付し、相当の期間を指定して、当該審尋に対する回答を求めたが、被請求人は、何ら応答していない。 1 答弁の理由 本件商標は、フェイスブックのプライベートグループでトップ画像として使用している(乙1)ため、第16類「写真」についての使用に該当し、zoomで毎月1回2時間の講義をしている(乙2、乙3)ことから、第41類「知識の教授」についての使用に該当し、また講義を録画したものを編集加工してフェイスブックのプライベートグループに保存しいつでも見られる状態にある(乙2、乙3)ことから、第41類「放送番組の制作」についての使用に該当する。 2 まとめ したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者が使用しており、現在も使用しているため、商標法第50条第1項の規定に該当しないから、取消されるべきものではない。 第4 当審の判断 1 被請求人の立証責任 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについて登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについて、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。 2 事実認定 (1)被請求人の主張及び同人が提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。 ア 乙第1号証について 乙第1号証は、被請求人が、商標権者がフェイスブックのプライベートグループでトップ画像として写真を使用している証拠と主張するものであり、ウェブページの表示画面が示されており、当該ウェブページにおいて、上部に、比較的大きな文字による「起業の窓口」の記載、その左下に、比較的小さな文字による「起業の窓口」の記載、その下に、「プライベートグループ・メンバー13人」の記載があり、その下に、「メンバー13人」に対応すると思われる13個の人物画像が並べて表示されている。 しかしながら、当該ウェブページには、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかに該当する商品の販売又は役務の提供を行っていることが確認できる内容や、当該ウェブページを公開した者及び公開の日付が特定できる内容は何ら存在しない。 被請求人は、本号証に基づいて、本件商標の第16類「写真」についての商標権者による使用を主張しているが、商標権者が紙の写真を商品として販売したことは何らうかがえない。 イ 乙第2号証について 乙第2号証は、被請求人が、zoomで行った講義を録画したものを編集加工した動画が、フェイスブックのプライベートグループに保存されていつでも見られる状態にあることを示す証拠と主張するものであり、ウェブページの表示画面が示されており、当該ウェブページにおいて、左上に、「起業の窓口」の記載、その下に、「プライベートグループ・メンバー13人」の記載があり、その右に、「起業の窓口」の記載、その下に、「メタバース、AI、デジタルクローン(2022/4/27) 画像」、「自動化(2022/3/30) 画像」、「スマートX(2022/2/27) 画像」、「ビジネス大予測(2022/1/29) 画像」、「ユニコーン企業のビジネスモデル(2021/12/22) 画像」、「マッチングサービス(2021/11/22) 画像」、「アフターコロナビジネス(2021/10/27) 画像」及び「ベンチャー100から新ビジネスの発見(2021/9/28) 画像」の各記載がある。 また、これらの各記載のそれぞれの左には、アイコン状の画像が表示されている。 しかしながら、当該ウェブページには、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかに該当する商品の販売又は役務の提供を行っていることが確認できる内容や、当該ウェブページを公開した者及び公開の日付が特定できる内容は何ら存在しない。 被請求人は、本号証に基づいて、講義を実施し、その録画を視聴可能な状態で保存したと主張した上で、本件商標の商標権者による第41類「知識の教授」及び第41類「放送番組の制作」についての使用を主張しているが、「メタバース、AI、デジタルクローン(2022/4/27) 画像」等の記載やそれらの左側のアイコン状の画像が何を意味するのかが把握できず、商標権者が受講者を対象に講義を行ったことや、放送番組の制作を請け負ったことは何らうかがえない。 ウ 乙第3号証について 乙第3号証は、被請求人が、zoomで行った講義を録画したものを編集加工した動画が、フェイスブックのプライベートグループに保存されていつでも見られる状態にあることを示す証拠と主張するものであり、ウェブページの表示画面が示されており、当該ウェブページにおいて、左上に、「起業の窓口」の記載、その下に、「プライベートグループ・メンバー13人」の記載があり、その右に、「起業の窓口」の記載、その下に、「ガイド3」、「zoomコンサル」、「オンラインサロン起業(2023/12/27) 動画」、「オンラインサロン起業(2023/11/22) 動画」、「オンラインサロン起業(2023/10/25) 動画」、「オンラインサロン起業(2023/9/27) 動画」、「オンラインサロン起業(2023/823) 動画」、「オンラインサロン起業(2023/7/26) 動画」、「オンラインサロン起業(2023/6/28) 動画」、「オンラインサロン起業(2023/5/24) 動画」、「インバンドビジネス (2023/4/26) 動画」、「ビジネスIQクイズBIQuiz (2023/3/29) 動画」の各記載がある。 また、「オンラインサロン起業」の文字が含まれる各記載のそれぞれの左には、アイコン状の画像が表示されている。 しかしながら、当該ウェブページには、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかに該当する商品の販売又は役務の提供を行っていることが確認できる内容や、当該ウェブページを公開した者及び公開の日付が特定できる内容は何ら存在しない。 被請求人は、本号証に基づいて、講義を実施し、その録画を視聴可能な状態で保存したと主張した上で、本件商標の商標権者による第41類「知識の教授」及び第41類「放送番組の制作」についての使用を主張しているが、「zoomコンサル」、「オンラインサロン起業(2023/12/27) 動画」等の記載や、「オンラインサロン起業」の文字が含まれる各記載のそれぞれの左側のアイコン状の画像が何を意味するのかが把握できず、商標権者が受講者を対象に講義を行ったことや、放送番組の制作を請け負ったことは何らうかがえない。 (2)上記(1)によれば、「起業の窓口」の文字を表示した乙第1号証ないし乙第3号証の各ウェブページが公開された事実は認められる。 しかしながら、当該各ウェブページのいずれにも、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかに該当する商品の販売又は役務の提供を行っていることが確認できる内容や、当該ウェブページを公開した者及び公開の日付が特定できる内容は存在しない。 3 判断 上記2(2)において、乙第1号証ないし乙第3号証の各ウェブページに表示された「起業の窓口」の文字は、本件商標と同一の文字である。 しかしながら、当該各ウェブページのいずれにも、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかに該当する商品の販売又は役務の提供を行っていることが確認できる内容や、当該ウェブページを公開した者及び公開の日付が特定できる内容が存在しないから、被請求人は、要証期間に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかに関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。 その他、乙第1号証ないし乙第3号証からは、被請求人が、要証期間に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する本件商標の使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、請求に係る指定商品及び指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3号各号の使用行為を行ったことを証明していない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。 したがって、本件商標は、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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