商標取消審判
2023-300583
ファイアボール、ファイヤーボール、ファイア、ファイヤー、ボール
- 審判番号
- 2023-300583
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2018-003055
- 登録番号
- 6088277
- 請求日
- 2023年08月15日
- 審決日
- 2024年07月16日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】リブ ゴルフ リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
- 【被請求人】有限会社 マイティー・クラウン・エンターテイメント
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T131 .1 -Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法2条3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項、商標法第50条、商標法第50条第2項、商標法第2条第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6088277号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6088277号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6088277号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成30年1月11日に登録出願、同年10月12日に第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,乗馬靴,ウインドサーフィン用シューズ,水上スポーツ用特殊衣服」を指定商品として設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和5年8月31日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年8月31日~令和5年8月30日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和5年10月6日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年11月22日付け弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁書による主張
被請求人は、答弁書において、本件商標を使用している旨主張し、乙第1号証ないし乙第3号証を提出しているが、以下の理由により本件商標をその指定商品について使用しているとはいえない。
(1)要証期間内の使用に該当するかについて
乙第1号証ないし乙第3号証に、商標の使用の事実を示す具体的な時期の記載は全くないものであるから、要証期間に本件商標を使用していたことを証明したとはいえない。
(2)本件商標の指定商品のいずれかについての使用かについて
乙第1号証ないし乙第3号証に記載されている商品は、そのほとんどが音楽用のCDに係るものであり、本件商標の指定商品のいずれかについて本件商標を使用している事実は全くない。
(3)証拠について
ア 乙第1号証
乙第1号証は、「AmazonでのCD・楽曲販売のウェブページ」とのことであるが、被請求人が述べるように、本号証はCD・楽曲販売のサイトであり、本件商標の指定商品とは全く関係のない商品の販売に係るサイトを表しているものである。
また、同ウェブサイトでの使用時期の記載も見受けられないことから、本号証からは本件商標を要証期間にその指定商品について使用していた事実を証明したとはいえない。
イ 乙第2号証
乙第2号証は、「HMVでのCD販売のウェブページ」とのことであるが、被請求人が述べるように、本号証はCDの販売サイトであり、本件商標の指定商品とは全く関係のない商品の販売に係るサイトを表示しているものである。
また、ウェブサイトでの使用時期の記載も全く見受けられず、本号証からは本件商標を要証期間にその指定商品について使用していた事実を証明したとはいえない。
なお、本号証の販売サイトにはCDの発売時期の記載が見受けられるが、これらはあくまで商品「CDアルバム」の発売時期を明記したにすぎず、本件商標をその指定商品について使用している事実とはなり得ないものである。
ウ 乙第3号証
乙第3号証は、「商標権者のウェブサイトでの販売ページ」とのことであるが、掲載されている商品はCDが中心であり、本件商標の指定商品とは全く関係のない商品の販売に係るサイトを表しているものである。
なお、一部履物らしき商品が掲載されているが、これらからは本件商標の記載を確認することはできないため、単に履物を商標権者のウェブサイトにて紹介しているにすぎない。
また、同ウェブサイトでは、本件商標と同一あるいは社会通念上同一の商標の記載がなく、また使用時期の記載も見受けられないことから、本号証からは本件商標を要証期間にその指定商品について使用していた事実があるとはいえない。
エ 小括
上記のとおり、被請求人が提出した乙各号証によっては、本件商標と社会通念上同一の商標が本件商標の指定商品について使用されたとはいえないから、要証期間に商標法第2条第3項各号における本件商標の使用行為があったということはできない。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標の指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものということはできない。
また、被請求人は、本件商標の指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証(以下、証拠の表記に当たっては、「乙第1号証」を「乙1」のように省略して表記する場合がある。)を提出した。
1 答弁の理由
本件商標は、商標権者に所属のアーティスト「FIRE BALL」のロゴマークであり、2002年のグループ結成時から使用され、周知されたものである。
現在でもAmazon・HMVなどのレコード販売店でロゴマークが付いたCDや楽曲の販売に使用されている。
ゆえに使用事実がないという理由での取消しは認められない。
2 審尋に対する回答
審判長は、被請求人に対し、令和6年3月25日付けで、合議体の暫定的見解を示した審尋を送付し、相当の期間を指定して、当該審尋に対する回答を求めたが、被請求人は、何ら応答していない。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その指定商品のいずれかについて、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 事実認定
(1)被請求人の提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人が、AmazonでのCD・楽曲販売のウェブページと主張するものであり、本号証の1葉目及び2葉目のそれぞれにおいて、左上の「amazon.co.jp prime」の記載とともに、それぞれの画像及び文字で示される商品が多数配置された商品一覧が示されている。
そして、1葉目の商品一覧には、別掲2のとおりの、本件商標における火の玉状の図形部分と同様の火の玉状の図形の下に、「Fire Ball」の欧文字を配してなる標章(以下「使用標章」という。)を含む画像、並びに当該画像に添えられた「火の玉」、「FIRE BALL」及び「CD」等の各文字で示される商品が含まれていることが見て取れる。
また、2葉目には、左上に「アーティスト FIRE BALL」の記載があり、その下の商品一覧には、本件商標における火の玉状の図形部分と形状が類似し、色彩が異なる火の玉状の図形の下に、「PROGRESS」の欧文字を配してなる標章を含む画像、並びに当該画像に添えられた「PROGRESS」及び「アルバム・2017」の各文字で示される商品が含まれていることが見て取れる。
イ 乙第2号証について
乙第2号証は、被請求人が、HMVでのCD販売のウェブページと主張するものであり、左下に「HMV & BOOKS online」の記載がある。
そして、乙第1号証の1葉目と同様に、商品一覧において、使用標章を含む画像、並びに当該画像に添えられた「CD」、「火の玉」及び「FIRE BALL」等の各文字で示される商品が含まれていることが見て取れる。
ウ 乙第3号証について
乙第3号証は、被請求人が、ウェブサイト上での販売ページと主張するものであり、上部に、「MIGHTY CROWN ENTERTAINMENT PREMIUM ONLINE SHOP」の記載があり、その下に、それぞれの画像及び文字で示される商品が多数配置された商品一覧が示されている。
そして、上記商品一覧には、複数種類の靴、及び、上記アの「PROGRESS」の欧文字を構成中に含む標章と同じ標章が存在する画像等で示される商品が含まれていることが見て取れる。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
ア Amazonのウェブサイトに商品一覧が表示され(乙1)、このうち、「火の玉」及び「PROGRESS」は、いずれも「FIRE BALL」というアーティストの曲を収録した音楽CDである。
そして、音楽CD「火の玉」については、商品一覧における当該商品を示す画像に使用標章が含まれている。
しかしながら、当該ウェブサイトにおいて音楽CD「火の玉」についての情報を掲載した者及びその公開時期は、いずれも不明である。
イ HMVのウェブサイトに商品一覧が表示され(乙2)、音楽CD「火の玉」について、当該商品を示す画像に使用標章が含まれている。
しかしながら、当該ウェブサイトにおいて音楽CD「火の玉」についての情報を掲載した者及びその公開時期がいずれも不明である。
ウ 乙第3号証における「MIGHTY CROWN ENTERTAINMENT PREMIUM ONLINE SHOP」の記載は、本号証のウェブサイトが商標権者によって開設されたことを示すものと認められる。
そして、当該ウェブサイトに表示される商品一覧には、複数種類の靴及び音楽CD「PROGRESS」が含まれている。
しかしながら、当該靴のいずれかとの関係で、本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標は、何ら使用されていない。
なお、音楽CD「PROGRESS」を示す画像には、本件商標における火の玉状の図形部分と形状が類似し、色彩が異なる火の玉状の図形の下に、「PROGRESS」の欧文字を配してなる標章が含まれているが、当該標章は、その構成中の「PROGRESS」の欧文字が本件商標の構成中の「Fire Ball」と相違するため、称呼及び観念が本件商標と相違するから、本件商標と当該標章とは社会通念上同一の商標及び標章であるとはいえない。
また、当該ウェブサイトの公開時期は不明である。
3 判断
上記2(2)の事実認定からすれば、次のとおり判断できる。
(1)Amazon及びHMVの各ウェブサイトにおける音楽CD「火の玉」に関する記事について
上記2(2)ア及びイによれば、音楽CD「火の玉」に関する記事が、Amazon及びHMVの各ウェブサイトにおいて、使用標章とともに掲載されたことが認められ、また、当該使用標章は、本件商標と同様の火の玉状の図形部分を構成中に含み、その下に配した「Fire Ball」の欧文字についても本件商標と一致しているから、本件商標と使用標章とは、同一の商標及び標章であると認められる。
しかしながら、商品「音楽CD」は、本件商標の指定商品のいずれにも該当しないから、使用標章は、そのいずれかについて使用されたものとは認められない。
また、Amazon及びHMVの各ウェブサイトにおいて音楽CD「火の玉」についての情報を掲載した者、及び公開時期はいずれも不明であるから、使用標章は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかにより、要証期間に使用されたものとは認められない。
(2)商標権者ウェブサイトにおける靴に関する記事について
上記2(2)ウによれば、「靴」に関する記事が、商標権者のウェブサイト上に掲載されたことが認められ、ここで、商品「靴」は、本件商標の指定商品中の「履物」に該当する商品である。
しかしながら、当該商品との関係で、本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標は、何ら使用されておらず、また、当該ウェブサイトの公開時期は不明であるから、当該ウェブサイトによって本件商標の要証期間における使用が証明され得ないことは明らかである。
(3)小括
以上(1)及び(2)によれば、被請求人は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)をその指定商品のいずれかについて、要証期間に、商標法第2条第3項に規定する「使用」行為を行ったことを証明したとはいえない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、その指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3号各号の使用行為を行ったことを証明していない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-300583