商標取消審判
2023-300490
ロボプロ、ロボ、プロ、ピイアアルオオ
- 審判番号
- 2023-300490
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2004-105436
- 登録番号
- 4917443
- 請求日
- 2023年07月13日
- 審決日
- 2024年12月02日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】株式会社 FOLIO
- 【請求人代理人】林 栄二
- 【被請求人】大和 信夫
- 【被請求人代理人】弁理士法人白坂
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T132 .1 -Z (Y42)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項、商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第3号、商標法第2条第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4917443号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第4917443号商標の指定商品及び指定役務中、第42類「全指定役務」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4917443号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROBOPRO」の欧文字と「ロボプロ」の片仮名を2段に表してなり、平成16年11月17日に登録出願、同17年12月22日に第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」並びに第9類、第14類、第16類、第20類、第25類、第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として設定登録され、その後、同27年10月27日に、第9類、第14類、第28類、第41類及び第42類についてのみ存続期間の更新登録がなされたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和5年8月8日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年8月8日~令和5年8月7日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和5年11月27日付け答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同6年1月10日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
なお、以下、証拠の表記に当たっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合がある。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第42類「全指定役務」(以下「請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、これを使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁書による主張
本件商標の使用の証明においては、少なくとも以下の事項が証明されたということはできないから、被請求人が答弁書において提出した乙各号証によっては、商標法第50条第2項に規定する商標の使用の証明がされたということはできない。
(1)乙各号証について
以下、乙各号証について反論する。
ア 乙第1号証
被請求人が黙示の使用許諾を与えていると主張するヴイストン株式会社(以下「ヴイストン社」という。)の登記簿謄本である乙第1号証において、代表取締役とされる者の令和4年12月23日に登記された住所が、商標権者の住所ではないことから、当該の者が商標権者であることの証明がされていない。
イ 乙第2号証
乙第2号証には、「ROBO-PROでは、小学校高学年から中高校生~社会人まで幅広い種類の各種教材ロボットを取り扱っております。」と記載があるのみで、本件商標が、請求に係る指定役務に使用された記載は確認できない。
また、「ユーザー事例・実績」の記載において、「2011/3/8(火)~2011/3/10(木)」の記載があり、これは要証期間外のものであるから、使用事実の証拠にはならない。
ウ 乙第3号証
乙第3号証は、ロボットの紹介記事であり、記載された内容からは、本件商標の記載もなく、また要証期間内の資料であるかについて使用時期も明示されていない。
エ 乙第4号証及び乙第5号証
乙第4号証及び乙第5号証は、ロボットカードのデザイン(乙3)、ロゴの詳細(乙4)として、「ROBO-PRO」と「Humanoid Robot Production」を2段に併記した表示があるが、記載された内容からは、本件商標のどのような使用に当たるのか、また要証期間内であるかについて使用時期も明示されていない。
オ 乙第6号証
乙第6号証は、「ロボットカード製作」の「注文書」の記載があるが、本件商標の記載はなく、また「ロボットカード製作」がどのような指定商品・役務についての使用に当たるのか、何らの説明もない。さらには注文書のみで発注された資料もない。
なお、被請求人は、乙第3号証ないし乙第6号証より、当該事業においては、請求に係る指定役務中、「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」のサービスが提供されている旨主張する。
しかしながら、いずれの記載をもって上記役務が提供されているとするかは不明であり、例えば、ロボット教室やプログラミング教室についての記載があるが、これは上記役務ではなく、第41類「知識又は技芸の教授」の役務であるとするのが相当であり、またロボットによる競技会の記載もあるが、これは第41類「教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営」の役務であるとするのが相当であって、上記役務に含まれることはない。
また、被請求人は、乙第2号証、乙第4号証及び乙第5号証を示して、「ROBO-PRO」の標章は、本件商標「ROBOPRO\ロボプロ」と社会通念上同一と認められるものである旨主張する。
しかしながら、本件商標は上述のとおり「ROBOPRO」及び「ロボプロ」の文字を2段に併記している商標であって、表示されている標章「ROBO-PRO」とは外観上も明瞭に異なる標章となっており、本件商標と同一の商標とはいえない。
また、乙第4号証及び乙第5号証に表示されている標章も「ROBO-PRO」と「Humanoid Robot Production」を2段に併記した標章となっており、本件商標と同一の商標とはいえない。
カ 乙第7号証及び乙第8号証
乙第7号証及び乙第8号証は、本件商標の使用の事実とは全く関連のないものである。
キ 乙第9号証
乙第9号証は、2008年10月8日の日付となっており、要証期間外のものであるから、使用事実の証拠にはならない。
また、本号証は「新作大型ロボットの制作発表会」について示すものであって、少なくとも請求に係る指定役務について「ROBO-PRO」の標章が使用されている事実を示していない。
ク 乙第10号証
乙第10号証は、2007年の日付となっており、要証期間外のものであるから、使用事実の証拠にはならない。
ケ 乙第11号証
乙第11号証は、「2008/12/16 14:40」の年月日の記載があることから、要証期間外のものであり、使用事実の証拠にはならない。
また、「ロボプロステーションチャレンジカップ」の記載はあるが、本件商標の具体的な使用事実は何ら記載されておらず、ロボットによる競技会についての役務は、第41類「教育又は娯楽に関する競技会の企画・運営」に属する役務であるとするのが相当であり、請求に係る指定役務について使用されている事実を示していない。
コ 乙第12号証
乙第12号証は、その記載内容の掲載時期の明示がないため、何ら使用の事実を確認できないが、乙第11号証に関する画像であれば要証期間外のものであり、使用事実の証拠にはならない。
また、使用商品役務の記載もされていない。
(2)まとめ
以上のとおりであるから、乙各号証のいずれをもってしても、商標法第50条第2項で定める、日本国内において継続して3年以上、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを証明できたということはできないから、本件商標の商標登録は取り消されるべきである。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書及び令和6年5月27日付け回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第18号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)本件商標の使用事実の要点
商標権者は、大阪府大阪市西淀川区御幣島二丁目15番28号に本社をおくヴイストン社の代表取締役(乙1)であり、同社の知的財産権に関わる決裁を含めた経営判断を担っている。
ヴイストン社は本件商標について、2008年1月から商標権者の判断に基づき使用を開始しており、商標権者からヴイストン社に対して、黙示の使用許諾を与えている状況においてヴイストン社が本件商標を使用している。
よって、以下、ヴイストン社が要証期間に日本国内において、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用していた事実を述べる。
ア ヴイストン社は、「ROBO-PRO」の標章を「ロボット教育・教材販売」事業の名称として使用し、ヴイストン社が開設・運営するウェブサイト(https://www.vstone.co.jp/event/school.html)に2008年以降継続して掲載している(乙2)。
イ ヴイストン社は、「ROBO-PRO」の標章を付したロボットカード(カードデザインは乙3、カード中「ROBO-PRO」ロゴ部分の詳細は乙4及び乙5。)を2022年12月15日の注文書(乙6)に基づき製作しており、要証期間に当該ロボットカードがヴイストン社の提供する役務における顧客によってヴイストン社に対して注文されていることが確認できる。
ウ ヴイストン社の上記アの行為は、商標法第2条第3項第8号に該当し、上記イの行為は、商標法第2条第3項第3号に該当する。
また、上記ア及びイの行為はヴイストン社の「ロボット教育・教材販売」事業において行われているものであり、当該事業においては、請求に係る指定役務中、「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」のサービスが提供されている。
なお、上記ア及びイの「ROBO-PRO」の標章は、本件商標「ROBOPRO\ロボプロ」と社会通念上同一と認められるものである。
エ したがって、本件商標は、要証期間に日本国内において、商標権者より黙示の許諾を受けた使用権者により、請求に係る指定役務に使用された事実がある。
(2)本件商標の構成、指定役務及び使用商標の構成、並びに使用役務について
本件商標は、乙第7号証のとおりアルファベットで「ROBOPRO」と表記し、その下にカナ文字で「ロボプロ」と一般的な書体で表記された二段書きからなるものである。
なお、特許庁発行の「審判便覧(第19版)53-01 登録商標の不使用による取消審判」(乙8)中の「登録商標の使用の認定に関する運用の事例」において、「登録商標の使用に当たるか否かの認定に当たっては、登録商標に係る指定商品及び指定役務の属する産業分野における取引の実情を十分に考慮し、個々具体的な事例に基づいて判断すべきものであるが、おおむね以下の例による」としたうえで、「登録商標が二段併記等の構成からなる場合であって、上段及び下段等の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用」は、社会通念上同一と判断すると記載している。
よって、本件商標と上記(1)ア及びイの「ROBO-PRO」の標章は、社会通念上同一の商標であると考えられる。
また、次に示すとおり、上記(1)ア及びイの当該標章の使用は、請求に係る指定役務中の「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」に関わるものである。
(3)本件商標の使用の詳細
ア 公告的使用(上記(1)ア)について
乙第2号証は、ヴイストン社が開設・運営するホームページであるウェブサイト中の「イベント情報」のページであり、その中の「ロボット教室・教材販売」のリンクボタンをクリックして表示されるウェブページ(https://www.vstone.eo.jp/event/school.html)の2023年11月19日時点における写しであって、該ページには、「ロボット教室の実施例」として「ROBO-PRO」の表記があり、提供役務のイベントの名称として「ROBO-PRO」が使用されていることが確認できる。
ヴイストン社は、同社の2008年10月8日のニュースリリース(乙9)のとおり、「ROBO-PRO」を教育・エンタテインメント事業に関連するイベントの名称として使用しており、当該イベントは、乙第9号証中の記載「~国内外で年間50件以上のロボットイベントを実施しているロボットプロダクション「ROBO-PRO」は、様々な大型ロボットをイベントに出演させられる他に例を見ない存在になっています。既に「Vstone Tichno」は国内外からイベントヘの出演依頼が殺到しており、弊社ではロボット技術の発展と知名度向上のため、今後更にROBO-PROイベントを通じた教育・エンターテイメント事業を加速させていく所存です。~」からも、2008年10月以降、同社の教育・エンタテインメント事業に継続的に使用されていることが確認できる。
なお、「ROBO-PRO」イベントにおいては、本件商標の指定役務に属する役務「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」のサービスを提供している。
この点については、被請求人がヴイストン社の代表取締役として寄稿している論文である2007年発行の「日本ロボット学会誌Vol.25 NO.1,p62,2007」(乙10)において、「当社は「先端技術を通じて人々に感動を与えることを」ミッションとしているが、人がロボットに抱く夢と憧れ、好奇心を具現化して社会に提示することは人々の感動を呼ぶ。当社が運営し、ロボットイベントやロボット工作教室の企画実施を行うロボットプロダクション「ROBO-PRO」や、子供がドライバー1本で製作可能な超入門2足歩行ロボットキット「Robovie-i」は、ロボットに感動し、慣れ親しんでもらうことでロボット市場の裾野自体を広げようとする試みである。」との記述、及び「ロボットを活用したエンターテイメント事業部門「ROBO-PRO」を立ち上げ、ロボットの理解増進、人材育成にも注力している。」の記述から認められる。
加えて、実際にヴイストン社の「ロボット教育・教材販売」事業が「ROBO-PRO」の名称において提供したイベント「第4回ロボプロステーションチャレンジカップ」が2008年12月13日に開催され(乙11)、当該イベントについてヴイストン社のYouTubeチャンネルにおいて配信している動画(https://www.youtube.com/watch?v=GdZjUFCx7YY)(乙12)からは、実際にイベントにおいてロボットを操作しているフィールド上に「ROBO-PRO」のロゴが表示されていることが確認できる。
以上のことから、要証期間に日本国内において、ヴイストン社が、請求に係る指定役務について本件商標と社会通念上同一の使用をしていることが確認できる。
イ 「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物への使用」(上記(1)イ)について
乙第3号証は、ヴイストン社が「ロボット教育・教材販売」事業として有償で企画・提供する科学教育に関連するイベントにおいて、イベントの発注者がオプションとして注文するものであり、イベントにおいて使用され、来場者に頒布されているカードであり、その2か所に商標的な使用で「ROBO-PRO」の標章を使用している。
乙第3号証が当該ロボットカードのデザインであり、乙第4号証及び乙第5号証が当該ロボットカード中の「ROBO-PRO」ロゴの詳細デザインであり、加えて乙第6号証が、イベントの発注者がヴイストン社に宛てた当該ロボットカードの注文書であり、その日付は2022年12月15日である。
また、先に述べたように、「ROBO-PRO」イベントにおいては、請求に係る指定役務中の「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」のサービスを提供していることから、要証期間に日本国内において、ヴイストン社が、請求に係る指定役務について本件商標と社会通念上同一の使用をしていることが確認できる。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において、商標権者より黙示の許諾を受けた使用権者により、請求に係る指定役務中の「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」について使用されている。
2 回答書による主張
(1)乙第2号証のウェブサイトが要証期間に公開されていたことについて
被請求人は、インターネット上の過去のwebサイト・ページを閲覧できる「WayBack Machine」を用いて、乙第2号証のウェブサイトが2016年12月1日以降変更・修正されることなく掲載続けているものであることを示すために、その証拠として乙第13号証を提出する。
乙第13号証は、「WayBack Machine」(archive.org)において、乙第2号証のURL「https://www.vstone.co.jp/event/school.html」を入力し、検索した結果である。
「WayBack Machine」とは、該当するURLで特定されるウェブページに変更・修正がされた場合、その日時と内容を記録し、提供するサービスであり、当該サービスを用いた検索結果によると、乙第2号証で特定されるウェブページは2016年12月1日以降現在までの間変更や修正がされた記録はないことから、当該ウェブページは要証期間においても現状と相違ない状況で掲示されていたものであると証明できるものと考える。
(2)乙第2号証のウェブサイトの内容が本件商標の指定役務に関わるサービスに使用されていることについて
乙第2号証に「1.現在取り扱っているロボット教材・及び教育の紹介」として「ROBO-PROでは、小学校高学年から中高校生~社会人まで、幅広い種類の各種教材ロボットを取り扱っております。」と記載があるように、被請求人は「ROBOPRO」の商標のもと、ロボット教材・及び教育の紹介をしているが、その役務が、第42類の指定役務である「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」に該当するものであることを示す証拠として、乙第14号証及び乙第15号証を提出する。
ア 乙第14号証は、「一般社団法人 コンピューター教育推進センター」のウェブページ中に存在する同法人の実施している「産業協力情報授業」の実践事例(http://www.cec.or.jp/e2a/sangyou/j/robot/ex01.html)であり、乙第2号証に記載の「1.現在取り扱っているロボット教材・及び教育の紹介」に関連するサービスの一つとしてヴイストン社が行ったものである。
乙第14号証には、「ヴイストン株式会社代表取締役」が「世界一のサッカーロボット「VisiON」と制御技術」と題して「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」の提供をしている事実が示されている。
「VisiON」は、完全自律でサッカーを行うサッカーロボットシリーズであり、通常の教育用教材ロボットとして使用されるものと異なる高度な操作を必要とするものであり、またそのアルゴリズム紹介を行っていることからも通常の教育セミナーとは全くレベルの異なる高度な処理を行っている。
以上のことから、商標権者の提供する役務は上述の第42類に該当すると考える。
イ 乙第15号証は、乙第2号証に「1.現在取り扱っているロボット教材・及び教育の紹介」として「ROBO-PROでは、小学校高学年から中高校生~社会人まで、幅広い種類の各種教材ロボットを取り扱っております。」と記載をしたうえで、その下に紹介されている「ライントレースロボット教材「Beauto Racer(ビュートレーサー)」」について、リンクがつけられている「ビュートレーサー 製品ページ」(https://www.vstone.co.jp/products/beauto_racer/index.html)である。
当該教材を用いて提供される役務は、「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」の提供に該当すると考える。
(3)乙第2号証のウェブサイトで本件商標を使用している「ロボット教室」が要証期間に開催されていたことについて
ア 乙第15号証の「01 製品動画」に記載の「Vstone公式Youtubeチャンネル」「【ビュートレーサー】ヴイストン製プログラミング学習教材ビュートレーサーを組み立てて動かしてみる#1【初心者向け・入門用】 - YouTube」(https://www.youtube.com/watch?v=wH73oSvdfvM)の動画は、YouTubeにて公開されているが、当該公開日は2021年9月6日であることを、当該YouTubeの動画サイトから確認することができる。
当該動画サイトの画面キャプチャを乙第16号証として提出する。
これより、本件商標が第42類の役務に使用され、当該使用が要証期間に行われていたことは明確である。
イ 乙第14号証で示す「産業協力情報授業」は、2004年10月15日に実施されたものであり、要証期間外であるが、被請求人は要証期間において乙第2号証を掲示しており、さらに、商標法第2条第3項第8号において商標の使用とは、「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」と定義されていることからも、乙第2号証は、当該ウェブページそのものが商標の使用に該当し、その対象となる役務は乙第14号証で示すように第42類の指定役務である「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」であることから、「産業協力情報授業」そのものが要証期間に開催されたという使用証拠はなくても、乙第2号証として提示したウェブサイトの内容が本件商標の指定役務に関わるサービスに要証期間内に使用されている事実から要証期間内に当該役務の提供を行う状況でありその広告や情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為に該当するので、要証期間における本件商標の使用を示すものであると考える。
(4)乙第3号証ないし乙第5号証で提示したロボットカードについて、乙第6号証で提示した「ロボットカード製作」の対象であることについて
被請求人は、乙第3号証ないし乙第5号証で提示したロボットカードが乙第6号証で提示した「ロボットカード製作発注書」に基づいて制作されたものである関連性を証明できる資料として、注文から納品に至るまでの経緯が示されているメールを提出する(乙17)。
乙第17号証中、2022年12月15日17時24分に、注文を行った会社(以下「M社」という。)からヴイストン社宛てに発信されたメール文章中「注文書をお送りいたしますのでよろしくお願いいたします」の記載があるが、当該記載で特定される注文書が乙第6号証であることは、その日付と発行者が共通することから明らかである。
また、2022年12月15日12時39分に、M社からヴイストン社宛てに発信されたメール文章中「以前作っていただいたロボプロカードを追加で発注したいのですがお願いできますでしょうか?制作時に作っていただいた見本を添付いたします」との記載について、その際に添付されたロボットカードの見本を提出する(乙18)。
乙第18号証は乙第3号証ないし乙第5号証で提示したロボットカードと同一である。
以上のことから、乙第3号証ないし乙第5号証で提示したロボットカードについて、乙第6号証で提示した「ロボットカード製作」の対象であることは明らかである。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、請求に係る指定役務のいずれかについて登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務のいずれかについて、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることを全て証明する必要がある。
2 事実認定
(1)被請求人の提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第2号証について
(ア)乙第2号証は、被請求人が、ヴイストン社が開設・運営するウェブサイト中のウェブページと主張するものであり、1葉目において、左上に「ヴイストン株式会社」の記載、その下に、「トップ>お問い合せ>イベント情報>ロボット教育・教材販売」の記載、その下に、「ロボット教育・教材販売」の記載がある。
(イ)また、その記載の下に、「現在取り扱っているロボット教材・及び教育の紹介」、その下に、「ROBO-PROでは、小学校高学年から中高校生~社会人まで、幅広い種類の各種教材ロボットを取り扱っております。」の記載があり、さらに、その記載に引き続き、本号証の2葉目にかけて、「ライントレースロボット教材「Beauto Racer(ビュート レーサー)」」を含む、「各種教材ロボット」についての記載がある。
(ウ)本号証の2葉目において、「ロボット教室の実施例」、その下に、「ROBO-PROでは、ロボットキットを利用したロボット教室を随時開催しております! 弊社では、小学校高学年のお子様から高校生、大人まで、幅広い方を対象にロボット教室を承っております。主なコースにつきましては下記のような内容をご提案いたしております。」の記載があり、さらに、その記載に引き続き、本号証の3葉目にかけて、「小学生向けコース」、「中学・高校向けコース」、「大学向けコース」及び「社会人向けコース」の4コースに区分された、各種の「ロボット教室」についての記載がある。
そして、「小学生向けコース」の区分には、当該区分中の「ロボット教室」の1つとして「学習用ロボットカー「ビュートレーサー」を利用した、親子で参加するロボット工作教室(1~1.5時間より)」の記載があり、その下に、「初めてプログラミングにチャレンジする方が楽しみながら理解できるように、ソフトに付属のシミュレータをゲーム感覚でミッションクリアしていきます。教室の後半で実際のロボットに触れ、PCの画面上と実際のロボットでどのように動きが異なるかなどを考えたりします。」の記載がある。
また、「大学向けコース」の区分には、当該区分中の「ロボット教室」の1つとして「車輪型ロボットキット「ビュートローバー」、及び「Beauto Balancer」を利用した、ロボット工作教室(1日~)」の記載があり、その下に、「組み立て後にPCを利用したプログラミング教室。付属のフローチャート形式の簡単なソフトから、C言語を用いた本格的組み込みプログラミング学習などまで、ご相談に応じます。」の記載がある。
しかしながら、本号証のウェブページ中に、各種の「ロボット教室」の詳細が具体的に把握できる内容が存在するとはいえない。
(エ)本号証の3葉目において、「ユーザー事例・実績」の記載があり、その記載に引き続き、本号証の4葉目にかけて、複数のセミナー等(「ロボットセミナー」や「ロボット工作教室」)についての記載がある。
そして、複数のセミナー等のうちの一部については、開催予定日又は過去に開催された日付を示す記載があり、例えば、「倒立振子型教材ロボット「Beauto Balancer(ビュート・バランサー)」を用いたロボットセミナー」については、「【開催予定】」として「2011/3/8(火)~2011/3/10(木)」の記載がある。
しかしながら、本号証のウェブページ中に、特定のセミナー等が要証期間又はそれ以降に開催されたことが確認できる内容は存在しない。
(オ)本号証のウェブページ中に、その公開時期が特定できる内容は存在しない。
また、本号証において、当該ウェブページのURLは示されていない。
イ 乙第3号証ないし乙第5号証について
乙第3号証は、被請求人が、「ロボットカード」のカードデザインと主張するもの、乙第4号証及び乙第5号証は、被請求人が、いずれも「ロボットカード」中のロゴ部分の詳細と主張するものであり、乙第3号証において、右側に、種々の画像や文字が提示された領域があり、その右下部分に、別掲1に示す乙第4号証に提示されているものと同一の、「ROBO-PRO」の文字等がロボット形状の画像の右側に記載された図柄が描かれていることが見て取れる。
また、同じく左側に、ロボットの画像が提示され、当該ロボットの両足に重なるように、別掲2に示す乙第5号証に提示されているものと同一の、「ROBO-PRO」の文字等がロボット形状の画像に重なった図柄が描かれている領域があることが見て取れる。
しかしながら、乙第3号証ないし乙第5号証のいずれにも、「ロボットカード」が、何らかの役務を提供することとの関連で使用されたとか、何らかの役務に関する広告を目的として頒布されたといった事実が確認できる記載等は存在しない。
ウ 乙第6号証について
乙第6号証は、被請求人が、イベントの発注者がヴイストン社に宛てた「ロボットカード」の注文書と主張するものであり、上部における表題の「注文書」の記載の右下、左下に、それぞれ「2022年12月15日」、「ヴィストン株式会社 御中」の記載、それらの下に提示された表中、「部品名称」、「注文数」、「単価」、「発注金額」に対応する欄に、それぞれ「ロボットカード製作」、「1,000」、「9」、「9,000」の記載、当該表の右下にM社の社名の記載、住所(滋賀県)、電話番号等の記載がある。
エ 乙第9号証について
乙第9号証は、被請求人が、ヴイストン社の2008年10月8日におけるニュースリリースと主張するものであり、1葉目において、表題の「ロボットプロダクション「ROBO-PRO」にスーパーヘビー級バトルロボットが新加入!!」の記載、その右上に、「2008年10月8日/ヴイストン株式会社」の記載、上記表題の記載の下に、「~ ROBO-PRO イベントを通じた教育・エンタテイメント事業を加速 ~」の記載、その下に、「ヴイストン株式会社は、2008年10月8日(水)11:00-より、弊社本社内にてロボットプロダクション「ROBO-PRO」に新加入する新作大型ロボットの制作発表会を行いました。」の記載がある。
オ 乙第10号証について
乙第10号証は、論文誌「日本ロボット学会誌 Vol.25 NO.1 p.62,2007」の紙面であり、上部におけるその論文誌名の下に、論文タイトルの「「ロボット開発ベンチャー」の挑戦」の記載、その右下に、商標権者の氏名の記載、その右に「*ヴイストン(株)」の記載、その下に、当該論文の本文の記載がある。
そして、本文中、右欄の上から4行目ないし9行目に、「当社が運営し,ロボットイベントやロボット工作教室の企画実施を行うロボットプロダクション「ROBO-PRO」や,子供がドライバー1本で製作可能な超入門2足歩行ロボットキット「Robovie-i」は,ロボットに感動し慣れ親しんでもらうことでロボット市場の裾野自体を広げようとする試みである.」の記載がある。
また、本文の右下における当該論文の著者の紹介欄に、商標権者の氏名の記載及び「2004年,産学官連携によりロボットを活用したエンターテイメント事業部門「ROBO-PRO」を立ち上げ,ロボットの理解増進,人材育成にも注力している.」の記載がある。
カ 乙第11号証について
乙第11号証は、被請求人が、ヴイストン社の「ロボット教育・教材販売」事業が「ROBO-PRO」の名称において提供したイベント「第4回ロボプロステーションチャレンジカップ」が2008年12月13日に開催されたことを示すウェブニュースと主張するものであり、1葉目において、表題として「「第4回ロボプロステーションチャレンジカップ」レポート ~スーパーヘビーウェイトクラスであの巨大ロボがついに陥落!?」の記載、その下に、「12月13日(土)に、大阪のロボプロステーションでロボットバトル競技会「第4回ロボプロステーションチャレンジカップ」が開催された。・・・本稿ではこの競技会の模様をクラス毎にお伝えする。」の記載がある。
また、8葉目において、「2008/12/16 14:40」の記載、その下に、「Robot Watch ホームページ」の記載、その下に、「Copyright(c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.」の記載がある。
キ 乙第12号証について
乙第12号証は、被請求人が、上記カのイベントについて、ヴイストン社のYoutubeチャンネルにおいて配信している動画と主張するものであり、再生開始前(再生開始からの経過時間が「0:00」)の動画の静止画像が提示されており、当該静止画像から、2台のロボットが、乙第5号証と同一と思われる図柄(別掲2)が描かれたフィールド上で対峙している様子が見て取れ、また、当該静止画像の下に「ロボットバトル 第4回チャレンジカップ C-10」の記載、その下に「Vstone」の記載がある。
ク 乙第13号証について
乙第13号証は、「WayBack Machine」ウェブサイトの表示画面であり、そのウェブサイト名の記載の右下に、「https://www.vstone.co.jp/event/school.html」の記載があり、その下に、「Saved 19 times between October 16, 2012 and December 1, 2016.」の記載がある。
ケ 乙第14号証について
乙第14号証は、「一般社団法人 コンピューター教育推進センター」のウェブサイト中に存在する、同法人の実施している「産業協力情報授業」の実践事例を示すウェブページと主張するものであり、1葉目において、左上に、「産業協力情報授業」の記載、その右下に、「実践事例」の記載、その下に、「世界一のサッカーロボット「VisiON」と制御技術」の記載、その下に提示された表中、「テーマ名」の欄に、「世界一のサッカーロボット「VisiON」と制御技術」の記載、当該表における「実施学校情報」の欄の「実施日」に対応して、「2004年10/15(金)」の記載がある。
また、本号証の1葉目ないし3葉目に、「授業内容(1時限目)」及び「授業内容(2時限目)」についての記載があり、それぞれの記載において、「講師」に対応して「ヴィストン株式会社代表取締役」及び商標権者の氏名の記載がある。
コ 乙第15号証及び乙第16号証について
乙第15号証は、被請求人が、乙第2号証において紹介されている「ライントレースロボット教材」「Beauto Racer(ビュートレーサー)」について、リンクがつけられている「ビュートレーサー 製品ページ」と主張するものであり、1葉目において、左上に「ヴイストン株式会社」の記載、その右下に、「プログラミング学習用教材ロボット」の記載、その下に、「Beauto Racer ビュートレーサーの記載、その下に、「製品動画」の記載、その下に、「Vstone公式Youtubeチャンネル」の記載があり、その下に、パソコン等においてクリックによって動画が再生可能なサムネイル画像と思われる「ビュートレーサー 組み立ててみた! Vol.1」の記載を含む画像が提示されている。
また、乙第16号証は、被請求人が、乙第15号証における上記動画の公開日が確認できる動画投稿サイトの画面キャプチャと主張するものである。
もっとも、本号証において、当該動画の日付を示す記載は見当たらない。
サ 乙第17号証及び乙第18号証について
乙第17号証は、被請求人が、「ロボットカード」の注文から納品に至るまでの経緯が示されているメールと主張するものであり、M社及びヴイストン社のそれぞれの担当者同士がやりとりした一連のメール文面が示されており、このうち、M社が送信した、送信日時が「December 15,2022 12:39 PM」のメール文面に、「以前作って頂いたロボプロカードを追加で発注したいのですがお願い出来ますでしょうか? 製作時に作って頂いた見本を添付致します 数量は1,000枚でお願いしたいと思っています」の記載、同じくM社が送信した、送信日時が「Dec 15,2022 17:24」のメール文面に、「注文書をお送り致しますのでよろしくお願い致します」の記載がある。
また、乙第18号証は、被請求人が、上記メール文面中の「見本」と主張するものであり、その内容は、乙第3号証とおおむね同一である。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
ア ヴイストン社は、「ROBO-PRO」の文字が表示され、「ロボット教育・教材販売」についての内容を含むウェブページ(以下「本件ウェブページ」という。)を公開した(乙2)。
(ア)しかしながら、上記(1)ア(ウ)のとおり、本件ウェブページには「小学生向けコース」や「大学向けコース」を含む各種の「ロボット教室」についての記載があるものの、その詳細は明らかではなく、このうち「大学向けコース」は、「C言語を用いた本格的組み込みプログラミング学習」といった比較的高度な内容を含み、仮に担当の教師により「ビュートローバー」と称するロボットの性能や操作方法についての説明がなされるとしても、そのことから直ちに、請求に係る指定役務中の「電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」の範ちゅうに属する役務が提供されるものと認めることはできず、他に、本件ウェブページが、請求に係る指定役務のいずれかの範ちゅうに属する役務に関する広告であると認めるに足りる記載は確認できない。
したがって、本件ウェブページが、請求に係る指定役務のいずれかの範ちゅうに属する役務に関する広告であることは認められない。
(イ)また、乙第13号証(WayBack Machine)によれば、特定のウェブページのアーカイブが、2012年10月16日ないし2016年12月1日の期間中の複数の日時において保存された一方、それ以降は保存されていないことが認められる。
しかしながら、仮に本号証に記載のURLが本件ウェブページのものであって、本号証が、本件ウェブページについてのアーカイブの保存状況を示すものであるとしても、要証期間においてはアーカイブが保存されていないから、WayBack Machineによって、本件ウェブページの要証期間における公開内容が乙第2号証と相違ないことが確認できるとはいえない。
したがって、本件ウェブページに記載された内容が要証期間において公開されていたことを認めることができない。
なお、被請求人は回答書において、本号証は、本件ウェブページが要証期間において、乙第2号証と相違ない状況で公開されていたことを証明し得る旨主張しているが、WayBack Machineがそのような証明力を有することが確認できる証拠は提出されていない。
(ウ)さらに、乙第9号証ないし乙第12号及び乙第14号証は、いずれも「ロボット教室」とは直接の関係はなく、その詳細を示すものではないことは明らかであるとともに、乙第14号証ないし乙第16号証はいずれも、本件ウェブページのいずれかの「ロボット教室」の開催日を特定し得るものではないことは明らかである。
加えて、乙第15号証及び乙第16号証は、各種「ロボット教室」のうち「小学生向けコース」で使用される(乙2)、ヴイストン社の「ビュートレーサー」と称する製品に関するものであって、当該製品の概要を示しているとしても、「小学生向けコース」の詳細を示すものではないことは明らかである。
したがって、本件ウェブページの公開を経て、請求に係る指定役務のいずれかの範ちゅうに属する役務の提供が実際になされたことも確認できない。
イ ヴイストン社は、2022年12月15日に、M社(滋賀県)から、「ロボットカード」を1,000個製作することについての注文を受けた(乙6、乙17)。
しかしながら、乙各号証からは、当該「ロボットカード」と、請求に係る指定役務との関係は何ら明らかではない。
3 判断
上記2の事実認定からすれば、次のとおり判断できる。
(1)上記2(2)アの、ヴイストン社が「ROBO-PRO」の文字が表示され、「ロボット教育・教材販売」についての内容を含む本件ウェブページを公開した行為について、本件ウェブページが、請求に係る指定役務中のいずれかの範ちゅうに属する役務に関する広告であるとは認められず、また、本件ウェブページが要証期間において公開されていたことが確認できず、さらには、本件ウェブページの要証期間における公開を経て、請求に係る指定役務のいずれかの範ちゅうに属する役務の提供が実際になされたことも確認できない。
そうすると、ヴイストン社が本件商標の通常使用権者に該当するか否か、また、本件ウェブページに表示された「ROBO-PRO」の文字が本件商標と社会通念上同一であるか否かにかかわらず、被請求人は、上記行為に関して、要証期間に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務のいずれかに関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
その他、上記行為に関して、被請求人が、要証期間に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する本件商標の使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
(2)上記2(2)イの、ヴイストン社が2022年12月15日に、M社(滋賀県)から「ロボットカード」を1,000個製作することについての注文を受けた事実について、乙各号証からは、当該「ロボットカード」と、請求に係る指定役務との関係は何ら明らかではない。
そうすると、当該事実に関して、当該「ロボットカード」のデザインに、乙第3号証の「ROBO-PRO」の文字を含むもの(別掲1、2)が使用されていたか否か、ヴイストン社が本件商標の通常使用権者に該当するか否か、また、別掲1及び2の構成に含まれる「ROBO-PRO」の文字が本件商標と社会通念上同一であるか否かにかかわらず、被請求人が、要証期間に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する本件商標の使用行為を行ったことを証明したものとは認められない。
(3)上記(1)及び(2)の他、被請求人が提出した全証拠及び同人の主張を総合してみても、たとえ、ヴイストン社が本件商標の通常使用権者であること及び「ROBO-PRO」の文字を含む表示が本件商標と社会通念上同一の商標であることを認めることができたとしても、要証期間に、請求に係る指定役務のいずれかに、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していることを証明するものは見いだすことができない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、請求に係る指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3号各号の使用行為を行ったことを証明していない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中「結論掲記の指定役務」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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