商標取消審判
2023-300417
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- 審判番号
- 2023-300417
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2005-059558
- 登録番号
- 4947566
- 請求日
- 2023年06月19日
- 審決日
- 2024年09月13日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】ビージーアールピー ゲーエムベーハー
- 【請求人代理人】弁理士法人東海特許事務所
- 【被請求人】帝人フロンティア 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T131 .1 -Z (Y24)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法2条3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3号、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4947566号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第4947566号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4947566号商標(以下「本件商標」という。)は、「クリック」の片仮名と「CLICK」の欧文字を2段に表してなり、平成17年6月30日に登録出願、同18年4月21日に第24類「織物(畳べり地を除く。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,ゴム引防水布,ビニルクロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,シャワーカーテン,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」を指定商品として設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和5年7月14日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和2年7月14日~令和5年7月13日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和5年9月25日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年11月21日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。以下、証拠の表記に当たっては、甲第1号証を「甲1」のように省略して表示する場合があり、枝番号を含む号証で枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条1項の規定により取り消されるべきものである。
2 弁駁書による主張
(1)被請求人の使用証拠について
被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者及び商標権者の許諾を受けた通常使用権者である株式会社サンウェル(以下「サンウェル社」という。)が、本件商標を指定商品「織編物」に使用している旨を主張する。
しかしながら、被請求人が提出したいずれの証拠からも、商標権者及び通常使用権者が、要証期間に本件商標をその指定商品について使用している事実が証明されていない。
以下、被請求人が示した証拠に基づいて説明する。
ア 乙第1号証「素材下げ札」、乙第2号証「ラベル支給依頼書 兼 確約書」及び乙第3号証「ファイブフォックス社被服製品写真」について
乙第1号証には、欧文字「CLICK」が表された「素材下げ札」が表され、乙第3号証には、この「素材下げ札」が取り付けられた被服が表されている。
また、乙第1号証の2には、「「CLICK(R)」は繊細な杢調が特長の素材です。」(審決注:「(R)」は丸囲みの「R」。「(R)」そのものが表記された乙第5号証を除いて以下同じ。)、「素材提供 帝人フロンティア株式会社」との記載があり、商標「CLICK」が被服の素材の商標として使用されていることを確認することができる。
本件商標は、片仮名「クリック」と欧文字「CLICK」とが上下2段で併記された商標である一方、乙第1号証及び乙第3号証には欧文字「CLICK」の表示はあるものの、片仮名「クリック」の表示がない。
すなわち、乙第1号証及び乙第3号証に示される商標は、本件商標と片仮名「クリック」の有無において相違し、社会通念上同一の商標とはいうことはできない。
また、答弁書には、この「素材下げ札」が、乙第2号証に示す2022年(令和4年)10月21日付けの「ラベル支給依頼書 兼 確約書」に基づき提供されたものであると記載されているものの、乙第2号証は、手書きの書類であり、この日付の信ぴょう性について客観的に証明できるものではない。
以上により、乙第1号証及び乙第3号証は、要証期間における商標の使用を示す証拠ではなく、本件商標と社会通念上同一の商標の使用を示す証拠ではない。
イ 乙第4号証の1「ファイブフォックス社オンラインストア」及び乙第4号証の2「ファイブフォックス社製品コラム」について
本件商標は片仮名「クリック」と欧文字「CLICK」とが上下2段で併記された商標である一方、乙第4号証には欧文字「CLICK」の表示はあるものの、片仮名「クリック」の表示がない。
すなわち、乙第4号証に示される商標は、本件商標と片仮名「クリック」の有無において相違し、社会通念上同一の商標とはいうことはできない。
また、答弁書には、乙第4号証の2に示される株式会社ファイブフォックス(以下「ファイブフォックス社」という。)のウェブページにおけるコラム「STYLING」(以下「コラム」という。)の「2023.06.09UP」の表示に基づいて、このウェブページ及び乙第4号証の1に示すウェブページが令和5年6月9日に公開されていると主張しているものの、ウェブページ上の「2023.06.09UP」の表示をもって、このウェブページが令和5年6月9日に現に公開されていたということを証明することはできない。
このウェブページは、インターネットで検索したところ、甲第3号証の1に示すURLのウェブページであるものと思料するが、Internet Archiveにおいて、このURLを入力したところ、過去のウェブページの履歴を確認することができなかった(甲3の2)。
したがって、このURLのウェブページがいつからどのような表示内容で存在しているのかを証明することはできず、換言すれば、令和5年6月9日に現在と同じ内容で公開されたということを証明することはできない。
また、仮にこのURLのウェブページが令和5年6月9日に公開されていたとしても、ウェブページ公開後に「CLICK」等の文字を追加表示することは可能であるため、乙第4号証は令和5年6月9日に「CLICK」と表示されたウェブページが公開されていたことを証明するものではない。
以上により、乙第4号証は、要証期間における商標の使用を示す証拠ではなく、本件商標と社会通念上同一の商標の使用を示す証拠ではない。
ウ 乙第5号証「サンウェル社オンラインショップ画像」について
答弁書によれば、サンウェル社は商標権者から本件商標について使用許諾を受けている通常使用権者であると記載されているが、商標権者とサンウェル社との間の本件商標に関する使用許諾契約書等の証拠が提出されておらず、被請求人が提出した証拠からは、サンウェル社が本件商標に係る商標権の通常使用権者であることを確認することができない。
また、本件商標は片仮名「クリック」と欧文字「CLICK」とが上下2段で併記された商標である一方、乙第5号証には「CLICK(R)ドライトロ」又は「CLICK(R)ライトクロス」の表示はあるものの、片仮名「クリック」の表示がない。
すなわち、乙第5号証に示される商標は、本件商標と片仮名「クリック」の有無において相違し、社会通念上同一の商標とはいうことはできない。
また、答弁書には、乙第5号証は、サンウェル社のオンラインショップ上で広告されている画像であり令和5年9月15日に印刷された旨の記載があるものの、このオンライン上の広告のURLも提示されておらず、さらには、印刷された日が要証期間外であるため、要証期間にこの広告が使用されていたということが証明されていない。
なお、被請求人は、乙第2号証の手書きの書面をもって、令和4年10月21日に、本件商標が使用されていた旨を主張するが、上記アで述べたとおり、この手書きの書面をもって、要証期間内に本件商標を使用されていたということを証明することができない。
以上により、乙第5号証2は、要証期間における商標の使用を示す証拠ではなく、本件商標と社会通念上同一の商標の使用を示す証拠ではない。
(2)まとめ
以上により、答弁書は、本件商標の使用を証明するものではないことから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、登録を取り消すべきものである。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、審判長は、被請求人に対し、令和6年2月2日付けで、合議体の暫定的見解を示した審尋を送付し、相当の期間を指定して、当該審尋に対する回答を求めたが、被請求人は、何ら応答していない。
1 答弁の理由
本件商標は、以下に述べるように、その指定商品中の「織編物」に該当する商品(以下「本件商品」ということがある。)について、令和4年(2022年)から商標権者及び通常使用権者により現在に至るまで継続して使用されているので、商標法第50条第1項の規定による取消しの対象になるものではない。
商標権者及び通常使用権者による使用の詳細は、下記のとおりである。
(1)通常使用権者について
通常使用権者であるサンウェル社は、令和4年に、商標権者より商標使用の許諾を受け、オンラインショップ等でその本件商標を使用して本件商品を販売している。
(2)商標権者による本件商標の使用について
ア 商標権者は、本件商品のブランド名として本件商標を使用しており、本件商品を使用した被服製品に対し、使用素材名として本件商標を記した「素材下げ札」を提供しており、被服製品販売者はこの「素材下げ札」を付けた状態で被服製品販売を行っている。
この本件商標を冠した「素材下げ札」が添付された被服製品の販売は、令和4年(2022年)末から現在に至るまで連続的に行われており、例えばファイブフォックス社は、令和4年(2022年)10月21日付けのサンウェル社を通じた「ラベル支給依頼 兼 確約書」により、商標権者から本件商標を冠した「素材下げ札」の提供を受け、令和4年末から、それを付けた被服製品を販売している。
また、ファイブフォックス社は、自社のHP上のコラムで、令和5年(2023年)6月9日付けで該被服製品を紹介しており、少なくとも審判請求日である令和5年(2023年)6月19日以前から現在に至るまで、本件商標を冠した「素材下げ札」がついた被服製品が継続的に販売されている。
イ 本件商標が本件商品のブランド名として使用され、本件商品を使用した被服製品に付与されて、発売されている証拠として以下を提出する。
(ア)「素材下げ札」
実際に使用されている「素材下げ札」は、表面に本件商標である「CLICK」と商標権者の英語での記載と商標権者が使用している「TEIJINロゴ」を印字したものであり、裏面に、本件商標が素材ブランドであること、その素材提供者が商標権者であること、そして、素材特長として、杢感・ストレッチ・仕立て映え・イージーケアという生地(本件商品)の特長を記載したものであることの証拠として、「素材下げ札」の表裏の写真を提出する(乙1)。
(イ)「ラベル支給依頼書 兼 確約書」
上記(ア)の「素材下げ札」(乙1)が、生地(本件商品)用の「素材下げ札」として令和4年(2022年)10月以降に正式に提供されたものを示す証拠として、サンウェル社(通常使用権者)からのファイブフォックス社向けの「ラベル支給依頼書 兼 確約書」を提出する(乙2)。
(ウ)被服製品写真
上記(ア)の「素材下げ札」(乙1)が実際の被服製品に付与されている証拠として、ファイブフォックス社の「【CLICK】ライトクロス イージースラックス」の全体写真(乙3の1)、及び「素材下げ札」の部分を拡大した写真(乙3の2)を提出する。
(エ)ファイブフォックス社HP上の画像
ファイブフォックス社は、そのHPのオンラインストア上で「【CLICK】ライトクロス イージースラックス」を令和5年(2023年)9月15日現在販売しており、その証拠としてオンラインストアの当該ページの画像を提出する(乙4の1)。
さらに、同社は、HPのコラムの中で、令和5年(2023年)6月9日付けで該被服製品を紹介していることの証拠として、その画像を提出する(乙4の2)。
これらは両者とも令和5年(2023年)9月15日にプリントアウトしたものである。
(3)通常使用権者による本件商標の使用について
通常使用権者は、商標権者の許諾の下、令和4年(2022年)から本件商標の使用を開始し、自らのオンラインショップ上にて、「CLICK(R)ドライトロ」及び「CLICK(R)ライトクロス」というブランド名で本件商品を、商標権者の素材であることを明記の上、広告・販売し続けている。
その証拠として以下を提出する。
ア サンウェル社のオンラインショップ画像
サンウェル社のオンラインショップ上で広告されている「CLICK(R)ドライトロ」及び「CLICK(R)ライトクロス」の画像を本件商標の使用の証拠として提出する(乙5の1、乙5の2)。
これらは両者とも令和5年(2023年)9月15日にプリントアウトしたものである。
イ 「ラベル支給依頼書 兼 確約書」(再出)
乙第2号証として提出している、通常使用権者による、「ラベル支給依頼書 兼 確約書」は、令和4年(2022年)10月21日時点で通常使用権者が本件商標を既に使用していたことを証明する証拠でもあることを付記しておく。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、その指定商品について、商標権者及び通常使用権者により本件審判請求以前より現在に至るまで継続して使用されていることが乙各号証により明らかであり、取り消されるべきものではない。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ その指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 事実認定
(1)被請求人の提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。
ア 乙第1号証
乙第1号証は、被請求人が、「素材下げ札」の表裏の画像と主張するものである。
そして、当該「素材下げ札」には、一方の面に、灰色の比較的大きな文字による「CLICK(R)」(「以下「使用商標1」という。)、黒色の比較的小さな文字による「prodeuced by TEIJIN FRONTIE1R CO.,LTD.」、及び赤色の文字による「TEIJIN」の各記載があり(乙1の1)、他方の面に、灰色の比較的大きな文字による「CLICK(R)」、並びに、黒色の比較的小さな文字による「「CLICK(R)」は繊細な杢感が特長の素材です。」、「製造販売元 株式会社ファイブフォックス」及び「素材提供 帝人フロンティア株式会社」の各記載がある(乙1の2)。
イ 乙第2号証
乙第2号証は、被請求人が、上記アの「素材下げ札」が令和4年(2022年)10月以降に提供されたものであることを示す証拠と主張する、「ラベル支給依頼書 兼 確約書」であって、標題の「ラベル支給依頼書 兼 確約書」の記載の下に、「帝人フロンティア株式会社 御中」及び「2022年10月21日」の記載があり、その下の表中、左側の「確約者及び支給依頼者」の列における「社名」欄に「(株)サンウェル」の記載、右側の「送付先(送付先が左記と違う場合記入する」の列における「刷り込みする社名」欄に「(株)ファイブフォックス」の記載がある。
また、上記表にはさらに、「ラベル等の名称」欄における「CLICK」、「添付する二次製品名」欄における「メンズパンツ」、「対象素材の生地品番又は銘柄」欄における「52234T」、「枚数」欄における「650枚」の各記載がある。
ウ 乙第3号証
乙第3号証は、被請求人が、被服製品の全体画像(乙3の1)及び「素材下げ札」の部分を拡大した写真(乙3の2)と主張するものである。
そして、乙第3号証の1においては、「CLICK」の欧文字が記載された下げ札が取り付けられた黒色のスラックスの全体写真が見て取れ、乙第3号証の2においては、灰色のスラックスにおける、乙第2号証の1と同一のものと思われる「CLICK」の欧文字が記載された下げ札を含む、3枚の下げ札が取り付けられた部位を拡大した写真が見て取れる。
エ 乙第4号証の1
乙第4号証の1は、被請求人が、「【CLICK】ライトクロス イージースラックス」を販売しているファイブフォックス社のオンラインストアに係るウェブページと主張するものであり、左上に「FIVEFOXes ONLINE STORE」の記載があり、その下に、スラックスを着用した人物の下半身の写真が掲載され、その右に、「【CLICK】ライトクロス イージースラックス」(「以下「使用商標2」という。)の記載、その下に、上記写真を縮小したものに相当する写真を挟んで、「グレー」及び「ブラック」の記載がある。
ここで、上記ウの黒色のスラックスは、本号証の「ブラック」の記載に対応し、同様に、灰色のスラックスは、「グレー」の記載に対応するものと認められる。
オ 乙第4号証の2
乙第4号証の2は、被請求人が、ファイブフォックス社のHPにおいて同社が被服製品を紹介しているコラムと主張するものであり、左上に、「FIVEFOXes ONLINE STORE / STYLING / COMME CA MEN Hirano」の記載があり、その下に、スラックスを着用した人物の全身の写真が掲載され、その右に、「2023.06.09 UP」の記載がある。
また、本号証の右下における「着用アイテム」欄に、スラックスを着用した人物の下半身の写真に添えて、使用商標2の記載がある。
カ 乙第5号証
乙第5号証は、被請求人が、通常使用権者が本件商品を広告・販売しているオンラインショップに係るウェブページと主張するものである。
そして、乙第5号証の1においては、左上に「SUNWELL-NET」の記載があり、その下に「52230 CLICK(R)ドライトロ」(以下「使用商標3」という。)の記載があり、その下に「帝人フロンティア(株)のCLICK を使用した、繊細な杢感が上品な印象を与える素材。撚糸することで、ドライタッチで清涼感のある風合いが特徴。やや薄手で、ナチュラルストレッチが快適な着心地を提供します。シワになりにくく、イージーケア性に優れた素材です。素材提供:帝人フロンティア?」の記載がある。
また、乙第5号証の2においては、左上に「SUNWELL-NET」の記載があり、その下に「52234 CLICK(R)ライトクロス」(以下「使用商標4」という。)の記載があり、その下に「帝人フロンティア(株)のCLICK を使用した、繊細な杢調が特徴のライトクロス。やや薄手で、ナチュラルストレッチが快適な着心地を提供します。ポリエステル100%でシワになりにくく、イージーケア性に優れた素材です。素材提供:帝人フロンティア?」の記載がある。
さらに、乙第5号証の1及び乙第5号証の2に共通して、右下の表中の「生地の種類」欄に「ポプリン」の記載がある。
(2)上記(1)アないしカによれば、次の事実を認めることができる。
ア 商標権者は、「CLICK」と称する被服(スラックス)の何らかの素材(以下「本件素材」ということがある。)の提供者であって、使用商標1が記載された「素材下げ札」にその旨の記載があること(乙1)、及び「CLICK」に関する「ラベル」が要証期間(「2022年10月21日」)に存在していたこと、商標権者が当該「ラベル」の提供者であること(乙2)がうかがえる。
イ また、使用商標1が表示された「素材下げ札」が付された、ファイブフォックス社が販売する被服商品「イージースラックス」に本件素材が使用されたことがうかがえる(乙3、乙4)。
ウ しかしながら、本件素材が「織編物」であることを示す具体的、客観的な証拠が見いだせないばかりでなく、「素材下げ札」が付された状態で商品「イージースラックス」が販売された具体的な事実関係など、使用商標1が、取引者、需要者に対し、商品「織編物」の出所を示す商標であること示す態様で使用されたことを示す証拠も見いだせない。
そのほか、上記(1)アないしカを検討しても、商品「織編物」について、これを商標権者から被提供者等に譲渡した事実など、使用商標1が、商品「織編物」の出所表示として取引上使用された具体的事実を示す証拠の提出はなく、その使用時期を客観的に示す証拠も見当たらない。
エ ファイブフォックス社のウェブページにおいて、2023年6月9日に、使用商標2を付した「イージースラックス」に関する広告が公開されていたことがうかがえる(乙4)ものの、その掲載内容からすれば、使用商標2は、商品「スラックス」の出所表示といい得ても、商品「織編物」についての出所を表示するものいうことはできず、また、使用商標2の構成中「【CLICK】」の文字部分が本件素材の名称に由来するとしても、当該文字部分が商品「織編物」の出所表示であることを確認できる記載等はない。
さらに、ファイブフォックス社が商標権者から本件商標の使用の許諾を受けていることを示す証拠も提出されていない。
オ サンウェル社のウェブページにおいて、「CLICK(R)」の表示を含む使用商標3及び使用商標4を付して「ポプリン」という種類の生地についての広告が公開されたことがうかがえる(乙5)ものの、それぞれのウェブページが公開された時期を示す証拠は提出されておらず、かつ、サンウェル社が商標権者から本件商標の使用の許諾を受けていることを示す証拠も提出されていない。
3 判断
(1)「素材下げ札」における使用商標1の使用について
上記2(2)ウによれば、「素材下げ札」(乙1、乙3)における使用商標1が、商品「織編物」の出所を表示する商標として使用されたことを具体的、客観的に示す証左はないから、要証期間に使用商標1が商品「織編物」について使用されたと認めることはできない。
(2)ファイブフォックス社のウェブページにおける使用商標2の使用について
上記2(2)エによれば、使用商標2は、全体として商品「スラックス」についての出所表示であって、商品「織編物」の出所表示ということはできず、また、その構成中「【CLICK】」の文字部分が商品「織編物」の出所表示であることも確認できない。
さらに、ファイブフォックス社が通常使用権者であるともいえないから、使用商標2が、要証期間に、通常使用権者により、本件商品について使用されたものとは認められない。
(3)サンウェル社のウェブページにおける使用商標3及び使用商標4の使用について
上記2(2)オによれば、サンウェル社のウェブページが公開された時期は不明でありかつ、同社が商標権者から本件商標の使用の許諾を受けていることを示す証拠も提出されていないから、「ポプリン」が「織編物」であったとしても、使用商標3及び使用標章4が、要証期間に、通常使用権者により、使用されたものと認めることはできない。
(4)小括
以上(1)ないし(3)によれば、被請求人は、商標権者又は通常使用権者が本件商標をその指定商品のいずれかについて要証期間に商標法第2条第3号各号に規定する態様で使用する行為を行ったことを証明したとはいえない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、その指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3号各号に規定する使用行為を行ったことを証明していない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-300417