商標取消審判
2023-300033
パルファム、パルファン
- 審判番号
- 2023-300033
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2018-081587
- 登録番号
- 6155264
- 請求日
- 2023年01月17日
- 審決日
- 2024年03月29日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】高梨 さか恵
- 【被請求人】パるファン 株式会社
- 【被請求人代理人】大熊 裕司
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T132 .1 -Z (W18)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条、商標法第2条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6155264号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6155264号商標の指定商品中、第18類「家具用革製飾り」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6155264号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成30年6月21日に登録出願、別掲2のとおりの、「家具用革製飾り」を含む第18類及び第14類に属する商品を指定商品として、令和元年6月21日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録は、令和5年2月3日になされたものであるから、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、同2年2月3日から同5年2月2日まででの期間(以下「要証期間」という)である。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和5年3月30日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年5月17日付けの審判事件弁ばく書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第18類「家具用革製飾り」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をした事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人の答弁について
被請求人は、答弁書において、本件商標を皮革インテリア及び皮革コースターについて使用したとして、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
乙第1号証ないし乙第3号証には、本件商標を表示した長方形の赤い色をした物品が撮影されていて、被請求人は、これが皮革インテリアであると主張する。
乙第1号証には、キーホルダー、小銭入れ及び折りたたみ式カード入れとおぼしき商品が皮革インテリアとともに表示されていて、皮革インテリアのおおよそのサイズが認識できる。
乙第2号証では、応接用テーブルの上に皮革インテリアが置かれており、乙第3号証では、四辺形の型枠状の物品に皮革インテリアが取り付けられていて、窓際に立て掛けられている。
「皮革インテリア」という表現は曖昧であり、その範囲や内容が明確ではないため、商標登録の対象となる指定商品の表示としては受け入れられていない。
答弁書によれば、「皮革インテリア」は、「小物類やジュエリーの下の敷物」であり、「敷物として利用したり、オブジェとして利用したりすることができる」とのことである。
そうとすると、「皮革インテリア」は、本件審判請求に係る指定商品には該当しない。
また、「皮革インテリア」は曖昧な表現であるが、「小物類やジュエリーの下の敷物」であり、「敷物として利用したり、オブジェとして利用したりすることができる」ものであるので、そもそも、本件審判請求に係る指定商品に含まれない。
以上により、被請求人が本件商標の使用をしたと主張する「皮革インテリア」をもっては、本件商標を本件審判請求に係る指定商品について使用した事実は明らかではない。
次に、乙第4号証は、皮革コースターを撮影した写真であり、本件商標を表示した正方形の物品が撮影されており、ガラス製コップも撮影されているので、皮革コースターのおおよそのサイズや用途が認識できる。コースターは、飲み物を入れるコップ(食器)の下に置く小さなマットのことである。
そうとすると、「皮革コースター」は、本件審判請求に係る指定商品には該当しない。
また、「革製コースター」は、第21類に分類されており、答弁書において言及された「皮革コースター」は、そもそも、本件商標の指定商品に含まれていない。
以上により、被請求人が本件商標の使用をしたと主張する「皮革コースター」をもっては、本件商標を本件審判請求に係る指定商品について使用した事実は明らかではない。
(2)まとめ
被請求人は、答弁書において、本件商標を本件審判請求に係る指定商品に使用していることについて、何ら具体的かつ詳細な陳述をしておらず、適切な証拠によって立証していない。
「皮革インテリア」の表現が曖昧であり、具体的な商品が明確ではないが、答弁書によれば、皮革インテリアは、小物類やジュエリーの下の敷物であり、敷物の他、オブジェとして利用できる。
このような商品は、本件審判請求に係る指定商品には該当せず、そもそも、本件商標の指定商品に含まれるとはいい難い。
「皮革コースター」は、飲み物を入れるコップ(食器)の下に置く小さなマットに該当する。
このような商品は、本件審判請求に係る指定商品には該当せず、そもそも、本件商標の指定商品に含まれておらず、「革製コースター」は、第21類に分類されている。
以上により、答弁書をもっては、本件商標を本件審判請求に係る指定商品について使用したことの証明とはならない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書及び令和5年8月18日付け審尋(以下「審尋」という。)に対する同年9月27日付け審判事件回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
以下、証拠の記載にあたっては、「乙第○号証」を「乙○」のように省略して記載する場合がある。
1 答弁の理由
(1)商標権者は、宝飾品、装飾品、各種アクセサリーの企画、製作、販売等を目的とする会社である。
(2)商標権者は、令和4年10月23日、皮革インテリア、皮革コースターを販売した(乙1~乙4)。
乙第1号証は、顧客に引き渡す前に撮影した写真であり、小物類やジュエリーの下の敷物が皮革インテリアである。
乙第2号証及び乙第3号証は、皮革インテリアの販促用の写真であり、敷物として利用したり、オブジェとして利用したりすることができる。
乙第4号証は、皮革コースターの販促用の写真である。
乙第1号証ないし乙第4号証のとおり、皮革インテリア、皮革コースターに、本件商標が使用されている。
なお、上記使用態様は、登録商標そのものないしは社会通念上同一の商標であるといえる。
(3)商標権者は、令和4年10月23日付けで、購入者に支払期限を3か月以内と指定した請求書(税込103万円)を発行し(乙5)、購入者は、同5年1月20日(審決注:乙6によれば、「05-1-12」の表示があるため同5年1月12日の誤記と認める。)、商標権者の代表者名義の銀行口座に、103万円を振込により支払った(乙6)。
(4)上記のとおり、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判請求に係る指定商品について登録商標の使用をしていることを証明できている。
2 回答書における主張
(1)商標権者は、令和2年8月26日、「皮革つい立て」を販売した(乙7~乙10)。
つい立ては、我が国の家屋で用いられる間仕切り用家具の一種であり、障壁に使える物に台脚を取り付けることで自立する調度品に仕立てたもので、屋内で、間仕切り、目隠し、風除け等の用途の他、装飾性、芸術性などを目的に用いられるものである。
乙第7号証及び乙第8号証は、「皮革つい立て」の販促用の写真であり、「皮革つい立て」は、全長160センチメートル、幅55センチメートル、奥行25センチメートルで、屋内で家具として用いられる商品である。
縦・横18センチ、厚さ5ミリの色彩の異なる皮革を、花弁をイメージした特徴的な形に切り抜いて組み合わせた構造で、皮革を接合しているプラスチック製の留め具も、金属製の底面も同様の形をしており、装飾性もあるから、家具用の革製の装飾品であるといえる。
そして、乙第7号証及び乙第8号証のとおり、皮革つい立てに、本件商標が使用されている。
なお、上記使用態様は、登録商標そのものないしは社会通念上同一の商標であるといえる。
(2)商標権者は、令和2年8月26日付けで、購入者に支払期限を3か月以内と指定した請求書(税込95万9,500円)を発行した(乙9)。
購入者が、令和2年10月23日、商標権者の代表者名義の銀行口座に、95万9,500円を振込により支払った(乙10)。
(3)上記のとおり、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判請求に係る指定商品について登録商標の使用をしていることを証明できている。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人の提出に係る乙各号証及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証は、被請求人が、令和4年10月23日に販売した商品の写真と主張するものであり、本号証には、被請求人が「皮革インテリア」と称する商品が掲載され、当該商品には、別掲3に示す標章(以下「使用標章1」という。)が表示されている。
なお、乙第1号証における「皮革インテリア」と称する商品の写真は、当該写真の撮影日が確認できないため、要証期間に、当該商品が撮影された事実を確認することはできない。
(2)乙第2号証及び乙第3号証は、被請求人が、皮革インテリアの販促用の写真と主張するものであり、本号証には、被請求人が「皮革インテリア」と称する商品が掲載され、乙第3号証の皮革インテリアの販促用の写真に掲載された商品には、別掲4に示す標章(以下「使用標章2」という。)が表示されている。
なお、乙第2号証及び乙第3号証における皮革インテリア販促用とされる写真は、当該写真の撮影日が確認できないため、要証期間に、皮革インテリアが存在していた事実を確認することができない。
(3)乙第4号証は、被請求人が、皮革コースターの販促用の写真と主張するものであり、本号証には、同人が「皮革コースター」と称する商品が掲載され、当該商品には、別掲5に示す標章(以下「使用標章3」という。)が表示されている。
なお、乙第4号証における皮革コースターの販促用とされる写真は、当該写真の撮影日が確認できないため、要証期間に、皮革インテリアが存在していた事実を確認することができない。
(4)乙第5号証は、被請求人が、商品の購入者に対して発行した請求書の写しと主張するものであり、本号証には、請求者の名称として、商標権者の名称と一致する「パるファン株式会社」の記載、請求先として購入者の姓の記載、「R4年10月23日」の記載、商品名の欄に、「皮革 インテリア」及び「皮革 コースター」並びに合計の欄に「1030000」の記載があるから、乙第5号証の請求書の写しとされる証拠は、商標権者によって作成されたものであり、令和4年10月23日に、商標権者が、「皮革インテリア」及び「皮革コースター」と称する商品の代金を購入者宛てに請求したことが推認できる。
また、乙第6号証は、被請求人が、商標権者の代表者の通帳の写しと主張するものであり、本号証には、要証期間の令和5年1月12日の日付と思われる「05-1-12」及び「振込1」の記載、並びに乙第5号証に記載された請求先及び金額と一致する購入者の姓のみを片仮名表記した記載及び「★1,030,000」の記載がある。
なお、乙第6号証は、通帳とされるものの一部のみが抜粋されたものであり、当該抜粋部分が通帳の一部であることや、仮に、当該抜粋部分が通帳の一部であるとしても当該通帳が商標権者の代表者に係る通帳であることを証する具体的な証拠は提出されていないから、商標権者が、「皮革インテリア」及び「皮革コースター」と称する商品を実際に譲渡等した事実を確認することができない。
(5)乙第7号証及び乙第8号証は、被請求人が、皮革つい立ての全体写真及びその一部を拡大した写真と主張するものであり、本号証には、同人が「皮革つい立て」と称する商品が掲載され、乙第8号証の写真には、別掲6に示す標章(以下「使用標章4」という。なお、以下、使用標章1ないし使用標章4をまとめていうときは「使用標章」という。)が表示されている。
なお、乙第7号証及び乙第8号証の「皮革つい立て」と称する商品の写真は、当該写真の撮影日が確認できないため、要証期間に、「皮革つい立て」が存在していた事実を確認することができない。
(6)乙第9号証は、被請求人が、商品の購入者に対して発行した請求書の写しと主張するものであり、本号証には、請求者の名称として、商標権者の名称と一致する「パるファン株式会社」の記載、請求先として購入者の姓の記載、「R2年8月26日」の記載、商品名の欄に、「皮革 衝立」及び合計の欄に「959500」の記載があるから、当該請求書は、商標権者によって作成されたものであり、令和2年8月26日に、商標権者が、「皮革衝立」の代金を購入者宛てに請求したことがうかがえる。
また、乙第10号証は、被請求人が、商標権者の代表者の通帳の写しと主張するものであり、本号証には、要証期間の令和2年10月23日の日付と思われる「02-10-23」及び「振込1」の記載、並びに乙第9号証に記載された請求先及び金額と一致する購入者の姓のみを片仮名表記した記載及び「★959,500」の記載がある。
なお、乙第10号証は、通帳とされるものの一部のみが抜粋されたものであり、当該抜粋部分が通帳の一部であることや、仮に、当該抜粋部分が通帳の一部であるとしても当該通帳が商標権者の代表者に係る通帳であることを証する具体的な証拠は提出されていないから、商標権者が、「皮革つい立て」と称する商品を実際に譲渡等した事実を確認することができない。
3 上記2において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)本件商標と使用標章の社会通念上の同一性について
本件商標は、別掲1のとおり、1輪の花の図形(以下「花図形」という。)と花図形の花びら部分に「Parfum」の欧文字を天地逆に下から上にかけて書してなるものである。
一方、被請求人が、「皮革インテリア」及び「皮革コースター」と称する商品に表示されている使用標章1ないし使用標章3並びに被請求人が、「皮革つい立て」と称する商品に表示されている使用標章4は、別掲3ないし別掲6のとおり、花図形と花図形の花びら部分に「Parfum」の欧文字を天地逆に下から上にかけて書してなるものであるから、本願商標と使用標章とは、花図形及び「Parfum」の欧文字を同じくし、構成中の「Parfum」の欧文字より生じる「パルファム」の称呼を共通にする社会通念上同一の商標と判断できる。
(2)使用行為について
被請求人が、請求書の写しと主張する証拠(乙5、乙9)は、商標権者によって作成されたものであり、要証期間の令和4年10月23日に、商標権者が、「皮革インテリア」及び「皮革コースター」の代金を当該商品の購入者宛てに請求したこと、要証期間の令和2年8月26日に、商標権者が、「皮革つい立て」の代金を当該商品の購入者宛てに請求したことはうかがえる。
しかしながら、商標権者の代表者の通帳の写しは一部のみが抜粋されたものであり、当該抜粋部分が通帳の一部であることや、仮に、当該抜粋部分が通帳の一部であるとしても当該通帳が商標権者の代表者に係る通帳であることを証する具体的な証拠は提出されていないから、商標権者が、要証期間に「皮革インテリア」及び「皮革コースター」並びに「皮革つい立て」を譲渡等した事実を確認することができない。
(3)使用商品について
ア 被請求人が、「皮革インテリア」と主張する商品は、汎用性のある商品といい得るものの、その範囲や内容が明確ではなく、また、同人が、「皮革コースター」と主張する商品は、第21類「コースター(紙製又は織物製のものを除く。)」の範ちゅうであることから、家具専用に作られた革製の装飾品と認められる第18類「家具用革製飾り」の範ちゅうに属する商品とは認められない。
イ 被請求人が、「皮革つい立て」と主張する商品は、第20類「家具」の範ちゅうの商品であるから、家具専用に作られた革製の装飾品と認められる第18類「家具用革製飾り」の範ちゅうに属する商品とは認められない。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と使用標章は社会通念上同一の商標であるとしても、被請求人提出の証拠によっては、商標権者が、要証期間に、使用標章が表示された「皮革インテリア」、「皮革コースター」及び「皮革つい立て」と主張する商品(以下これらをまとめて「使用商品」という。)を譲渡等した事実は確認することができず、使用商品は、いずれも、本件審判請求に係る指定商品「家具用革製飾り」とは認められないから、被請求人は、商標権者が、要証期間内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を使用したことを証明していない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したとはいえない。
また、被請求人は、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、「結論掲記の指定商品」について、商標法第50条第1項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-300033