商標拒絶査定不服審判
2023-022141
ハダガタシンダン
- 審判番号
- 2023-022141
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-112806
- 請求日
- 2023年12月26日
- 審決日
- 2025年06月09日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社コーセー
- 【請求人代理人】弁理士法人むさしの国際
- 【請求人代理人】山田 朋彦
- 【請求人代理人】土橋 編
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 佐藤 緋呂子
- 分類
- T18 .13 -Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-112806拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年9月30日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 5月10日付け:拒絶理由通知書
令和5年 6月26日 :意見書の提出
令和5年 9月26日付け:拒絶査定
令和5年12月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和6年12月26日付け:証拠調べ通知書
令和7年 2月13日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「肌型診断」の文字を標準文字で表してなり、第3類、第35類、第41類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、当審における上記1の手続補正書により、第44類に属する別掲1のとおりの役務に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「肌型診断」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「肌」の文字は「人のからだを覆う表皮。皮膚。はだえ。」を、「型」の文字は「基準となる形。タイプ。」を、「診断」の文字は「医者が患者を診察して、健康状態、病気の種類や病状などを判断すること。」を意味する語であるから、全体として、「肌タイプの診断」ほどの意味合いを容易に理解させる。そして、本願の指定役務を取り扱う業界において、個々の肌質や特徴といった肌タイプの診断が行われ、その診断結果に応じた役務の提供が行われている実情も認められる。
そうすると、本願商標をその指定役務中、例えば「化粧品の選択又は使用方法に関する助言,美容及び肌の手入れに関する指導,顧客の顔の形及び皮膚の色調に最適な化粧品を選ぶための美容のための分析,肌状態の分析に基づく美容カウンセリング,肌分析の結果に基づく美容に関するコンサルティング,美容,理容」等に使用しても、これに接する需要者及び取引者は、「肌タイプの診断を通じた役務の提供」であること、すなわち、役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと認識するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標をその指定役務中、例えば、「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等に使用しても、これに接する需要者及び取引者は、「肌タイプの診断を通じた役務の提供」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審による証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否か、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2(6)ないし(21)のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
5 上記通知に対する意見
(1)請求人は、「肌型」から生ずる意味合いが本件の主要な争点であると理解している。
(2)証拠調べ通知書に列挙された事実は、肌の診断が行われている事実であって、「肌型」の意味合いとは関係がないから、本願商標の識別性を否定する根拠とすることはできない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願は、その指定役務について、上記2のとおり補正された結果、商標法第3条第1項第6号に該当するとした指定役務は削除された。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「肌型診断」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「肌」の文字は、「人などの体の表面。はだえ。皮膚。」の意味を、「型」の文字は、「ものを類に分けた時、それぞれの特質をよく表した典型。そのような形式・形態。タイプ。パターン。」の意味を、「診断」の文字は、「医師が患者を診察して病状を判断すること。転じて、物事の欠陥の有無をしらべて判断すること。」(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)の意味を有する語であって、これらの語は、いずれも広く一般に親しまれた語である。
そして、別掲2のとおり、本願の指定役務に関連する美容及び健康を取り扱う業界においては、肌の状態によるスコア化やタイプ分けを行い、その結果に基づくスキンケア商品や美容法、治療法などを導き出す手法が用いられ、これを「肌タイプ診断」や「肌診断」などと称して、複数の事業者が実践又は紹介している実情がある。
してみれば、本願商標は、上記取引の実情や「肌」、「型」及び「診断」の各語の意味合いから、全体として「肌のタイプの診断」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「肌のタイプの診断」に関する役務であると認識するにとどまり、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示したものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張について
請求人は、「肌型」の語は辞書に掲載されておらず、本願の指定役務の取引者・需要者間で一般的に用いられる語でもないこと、また、「肌型」の語は「肌のタイプ」と同様の意味には捉えられないことから、「肌型」の語から特定の意味が生じるものではなく、よって、「肌型診断」もまた特定の意味が生じないものであると主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、「型」は「タイプ」の意味を有する語であること、また、本願の指定役務を取り扱う業界における、肌の診断が行われている取引の実情を踏まえると、本願商標は、構成全体として「肌のタイプの診断」ほどの意味合いを容易に認識させるというべきである。
したがって、請求人の主張は、採用できない。
なお、請求人は、証拠調べ通知書の趣旨が請求人の認識と異なるものであれば、改めて趣旨を明確にした上で、審尋等でさらなる意見を述べる機会を与えてほしい旨主張する。しかしながら、当審において、上記4のとおり、証拠調べ通知を行って請求人に意見を申し立てる機会を与え、上記5のとおり、請求人は、これに対する意見を述べており、審理を十分尽くしてきたものであるから、これ以上の手続は不要と判断し、審理を進めることとした。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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