商標拒絶査定不服審判
2023-021696
デイアイワイソー、デイアイワイ
- 審判番号
- 2023-021696
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-129137
- 請求日
- 2023年12月21日
- 審決日
- 2025年03月06日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社つばさ公益社
- 【請求人代理人】鬼鞍 信太郎
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .16 -Z (W20)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-129137拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年11月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年5月22日 :拒絶理由通知書
令和5年7月10日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年10月31日付け:拒絶査定
令和5年12月21日 :審判請求書の提出
令和6年10月7日付け :証拠調べ通知書
2 本願商標
本願商標は、「DIY葬」の文字を標準文字で表してなり、第20類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正により、第20類「葬祭用具,位はい,神棚,骨つぼ,三宝,数珠,棺,仏壇,納棺用品,花立て,木魚,輪灯」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は「DIY葬」の文字を標準文字で表してなるところ、「DIY葬」は葬儀社に頼らず自分で葬儀を行うことを指す語として使用されている実情があり、かつ、葬祭用具の分野において、「DIY葬」に通じる「DIY葬儀」の文字が「葬儀社に頼らず自分で行う葬儀に使用する商品」との特徴を端的に表すものとして広告的に使用されている実情も確認できることから、本願商標に接する取引者・需要者は、単に「葬儀社に頼らず自分で行う葬儀に使用する商品」のように端的にその商品の特徴を簡潔に表したものと認識するにとどまる。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知及びそれに対する請求人の回答
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1及び別掲2の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記1のとおり、証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。
請求人は、当該証拠調べ通知に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答書(意見書)を提出していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号について
商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品又は役務の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法第3条第1項第6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項第1号ないし第5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品又は役務の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(知財高裁平成25年1月10日判決(平成24年(行ケ)第10323号))。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「DIY葬」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中、「DIY」の文字は、「「Do It Yourself」の略語で「自分自身でやる」」の意味(「知恵蔵mini」朝日新聞出版)を有し、また、「葬」の文字は「死者をほうむること。」(「広辞苑 第七版」岩波書店)の意味を有する語として、一般に広く知られている。
そして、本願の指定商品及び葬儀に関連する分野において、別掲1のとおり、「葬儀社に頼らず自分で行う葬儀」の意味合いで「DIY葬」及び「DIY葬儀」の語が多数使用されており、かつ、「DIY葬」及び「DIY葬儀」においては棺・骨壺等を自分で準備する必要があるという実情が見受けられ、また、別掲2のとおり、「DIY〇〇」の語が多数使用されている実情も見受けられる。
そうすると、本願商標は、本願の指定商品及び葬儀に関連する分野の取引者・需要者に「葬儀社に頼らず自分で行う葬儀」ほどの意味合いを容易に認識させるものであり、その指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は「葬儀社に頼らず自分で行う葬儀に使用する商品」であること、すなわち、商品の特徴を表したものとして一般に認識されるものといえる。
また、上記2のとおり、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められず、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであって、一般的に使用される標章であり、商標としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標「DIY葬」は、広辞苑等の辞書に掲載されておらず、独創性を有する一種の造語と言えるものであり、「葬儀社に頼らず自分で葬儀を行うこと」というのは葬儀のスタイルについての意味合いを示すにすぎず、商品の特徴を直接的・具体的に示すものではない旨主張する。
しかしながら、別掲1及び別掲2の本願の指定商品及び葬儀に関連する分野における取引の実情からすれば、本願商標は「葬儀社に頼らず自分で行う葬儀」ほどの意味合いを容易に認識させるものであり、「DIY葬」及び「DIY葬儀」においては棺・骨壺等を自分で準備する必要があるという実情も認められることから、本願商標に接する取引者・需要者は、単に「葬儀社に頼らず自分で行う葬儀に使用する商品」という商品の特徴を表してなるものと認識するにとどまるというべきである。
イ 請求人は、過去の登録例からも本願商標は自他商品識別力を有するものである旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字、指定商品又は指定役務等が異なるものであり、取引の実情も異なる点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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