商標拒絶査定不服審判
2023-021683
ヘアケアキャップ、ヘアケア
- 審判番号
- 2023-021683
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-149495
- 請求日
- 2023年12月21日
- 審決日
- 2024年12月18日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社CB
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】田中 克郎
- 【請求人代理人】石田 昌彦
- 【請求人代理人】栗下 清治
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .13 -Z (W25) / T18 .272-Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-149495拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年12月16日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年5月23日付け:拒絶理由通知書
令和5年6月21日 :意見書の提出
令和5年9月27日付け:拒絶査定
令和5年12月21日 :審判請求書の提出
令和6年9月20日付け:証拠調べ通知書
2 本願商標
本願商標は、「ヘアケアキャップ」の文字を標準文字で表してなり、第25類「洋服,ナイトキャップ,帽子,寝巻き類,下着,パジャマ,保温用サポーター,保温用フェイスマスク,冬用フェイスマスク」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「ヘアケアキャップ」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標の構成中の「ヘアケア」は「髪の手入れ」、「キャップ」は「縁なし帽子」の意味を有する語であり、本願の指定商品を取り扱う業界において、就寝時にヘアケアをするためのキャップを「ヘアケアキャップ」と称している等の取引の実情に鑑みると、本願商標は、「ヘアケアをするためのキャップ」ほどの意味合いを理解させるものであり、本願商標を、その指定商品中の「ナイトキャップ,帽子」に使用しても、これに接する需要者は、単に「ヘアケアをするためのキャップ」であることを認識するにすぎない。したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるため、商標法第3条第1項第3号に該当し、「ヘアケアをするためのキャップ」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知及びそれに対する請求人の回答
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲1ないし別掲3の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記1のとおり、証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定してこれに対する意見を求めた。
請求人は、当該証拠調べ通知に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答書(意見書)を提出していない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年10月21日判決(平成27年(行ケ)第10107号))。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「ヘアケアキャップ」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲1によれば、本願商標の構成中、「ヘアケア」の文字は「髪の手入れ。」の意味を有し、また、「キャップ」の文字は「縁なし帽子。」の意味を有する一般に親しまれた語である。
さらに、別掲2によれば、指定商品の分野において、「ヘアケアをするためのキャップ」が「ヘアケアキャップ」「ヘアケア用キャップ」と称されて取引されている事例が多数あることに加え、別掲3によれば、「ヘアケアをするための商品」が「ヘアケア〇〇」と称され、「ヘアケアをするためのナイトキャップ」が取引されている事例も多数ある。
そうすると、本願商標の構成各文字の意味及び上記商品の取引の実情に照らせば、本願商標は、その指定商品の分野の取引者、需要者に「ヘアケアをするためのキャップ」ほどの意味合いを容易に認識させるものであって、これを指定商品に使用するときは、これに接する需要者は、「ヘアケアをするためのキャップであること」、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものというべきである。
そして、前記のとおり、本願商標は標準文字で表してなるものであるから、その態様上顕著な特徴は認められない。
したがって、本願商標は、指定商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「ヘアケアをするためのキャップ」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるため、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、「ヘアケアキャップ」の文字は、複数の意味合いを有する単語の組合せであり、同書・同大に書され、極めてまとまりがよく、一連に称呼しても冗長なものではないため、本願商標は一種の造語として理解される旨主張する。
しかしながら、別掲1の本願商標の各構成文字の意味及び別掲2及び別掲3の取引の実情に照らせば、本願商標は、上記(2)のとおり、これに接する需要者に、「ヘアケアをするためのキャップ」ほどの意味合いを容易に認識させるものであるから、本願の指定商品の品質を表示したものと一般に認識されるものというのが相当である。
イ 請求人は、本願商標からは、どのようにヘアケアするのかは全く不明であり、市場における「ヘアケアキャップ」の語の実際の使用例はごく少数であるから、本願商標は独占適応性を有している旨主張する。
しかしながら、別掲2のとおり、本願商標の指定商品の分野において、「ヘアケアをするためのキャップ」が「ヘアケアキャップ」「ヘアケア用キャップ」と称されて取引されている実情があるから、髪の手入れのための商品について「ヘアケアキャップ」の文字の実際の使用例がごく少数ということはできない。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や、その商品及び役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成文字、取引の実情が異なる点において、本願商標とは、事案を異にするものというべきであるから、過去の登録例が存在することをもって、本願商標の登録の適否の判断基準とするのは必ずしも適切ではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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