商標拒絶査定不服審判
2023-021451
ブルーラズベリー
- 審判番号
- 2023-021451
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-008904
- 請求日
- 2023年12月18日
- 審決日
- 2025年03月07日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】森永製菓株式会社
- 【請求人代理人】及川 周
- 【請求人代理人】眞島 竜一郎
- 【請求人代理人】石川 香菜子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W30) / T18 .272-Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項商標法3条3項商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 8904拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年1月31日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 6月 2日付け:拒絶理由通知書
令和5年 7月11日 :意見書の提出
令和5年 9月22日付け:拒絶査定
令和5年12月18日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「BLUE RASPBERRY」の文字を標準文字で表してなり、第30類「茶,コーヒー,ココア,氷,菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,チョコレートスプレッド,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用グルテン,食用粉類,食用プロポリス,食用ローヤルゼリー」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原審において、「本願商標は、「BLUE RASPBERRY」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「BLUE」の文字は、「青い」の意味を有する語であり、「RASPBERRY」の文字は、「ラズベリー」の意味を有する語である。そして、本願の指定商品を含む食品業界において、「BLUE RASPBERRY」「ブルーラズベリー」の文字が、「商品の風味(フレーバー)」を表すものとして使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「ブルーラズベリーの風味(フレーバー)の商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるというのが相当である。したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が「その商品の産地、販売地、品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」は商標登録を受けることができない旨規定する趣旨は、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによると解され(最高裁昭和53年(行ツ)第129号 昭和54年4月10日第三小法廷判決)、本願商標が同号に該当するというためには、本件審決日当時において、本願商標がその指定商品との関係で商品の内容(品質)を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の内容(品質)を表示したものと一般に認識されるものであれば足り、それが一般に用いられていた実情があったことまでを必要とするものではないというべきである(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号 同年9月28日判決言渡)。
以上を前提に、本願商標と、その指定商品との関係における同号該当性について検討する。
(2)商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「BLUE RASPBERRY」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「BLUE」の文字は「青色。藍色。」等を、「RASPBERRY」の文字は「バラ科キイチゴ属の落葉低木で、ヨーロッパ・北米・日本に自生する数種、およびその栽培改良種の総称。また、その果実。」(いずれも出典は「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)をそれぞれ意味する語である。
そして、原審提示の情報に加えて、別掲のインターネット情報及び新聞記事情報が示すとおり、本願の指定商品を含む食品業界において、「BLUE RASPBERRY」又はその読みを片仮名で表した「ブルーラズベリー」の語が、その商品の風味又は風味のイメージが「ブルーラズベリー」であることを表示するものとして、広く一般的に使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、「ブルーラズベリー(ブルーラズベリーをイメージした)風味の商品」であること、すなわち、商品の品質(風味)を表示するものとして一般に認識されるものであって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適切でないとともに、自他商品の出所識別力を欠くものであるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質(風味)を普通に用いられる方法で表してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「ブルーラズベリー(ブルーラズベリーをイメージした)風味の商品」以外の風味を特徴とする商品に使用する場合は、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、原審での使用事例は、日本国内における具体的な販売期間、販売数量といった情報が明らかではなく、日本国内において、「BLUE RASPBERRY」又は「ブルーラズベリー」の語がフレーバーの名称として付されている商品が一般に認知される程度に流通している根拠にはなり得ず、いずれの使用事例も統一的な意味合いで使用されておらず、具体的にどのような風味であるのかを看取し得る事例ではなく、直ちに、国内の取引市場において「BLUE RASPBERRY」の文字が商品の風味(フレーバー)を表す語として認識されていることを示すものとはいえない、また、「ブルーラズベリー」という名称の果実や植物は存在しないから、「BLUE RASPBERRY」、「ブルーラズベリー」の文字から特定の果実や植物のフレーバー等を看取することはできない旨主張している。
しかしながら、上記(2)のとおり、「BLUE RASPBERRY(ブルーラズベリー)」の語が商品の風味を表現するための語として広く一般的に使用されていることは明らかであるから、それによって表されている個別具体的な風味の内容が不明であるとか、実際の風味が事例によって異なる可能性があるとか、実際に「ブルーラズベリー」という名称の果実や植物が存在しないということによって、本願商標に接する取引者、需要者が、それが商品の風味等を表示した語であると理解することが妨げられるものではない。
そして、上記(1)で説示したとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の取引者、需要者によって、本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるところ、上記(2)のとおり、本願商標は、原審で提示した情報及び別掲の事実に照らせば、これに接する取引者、需要者をして、当該商品が「ブルーラズベリー(ブルーラズベリーをイメージした)風味の商品」であること、すなわち、商品の品質(風味)を表示するものと容易に理解、認識させることをもって足り、それ以上に具体的な商品の内容が特定されることまでは要しないというのが相当である。
イ 請求人は、過去の審決例等を挙げて、本願商標もそれらと同様に登録が認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた審決例等は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3項及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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